JPS6158464B2 - - Google Patents
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- JPS6158464B2 JPS6158464B2 JP10710082A JP10710082A JPS6158464B2 JP S6158464 B2 JPS6158464 B2 JP S6158464B2 JP 10710082 A JP10710082 A JP 10710082A JP 10710082 A JP10710082 A JP 10710082A JP S6158464 B2 JPS6158464 B2 JP S6158464B2
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Description
この発明はメタクリロニトリルの製造法、さら
に詳くはイソブチレンあるいはターシヤリーブチ
ルアルコールのアンモキシデーシヨン反応による
メタクリロニトリルの製造法に関する。 メタクリロニトリルはイソブチレン等とアンモ
ニアおよび酸素の気相接触反応、すなわちアンモ
キシデーシヨン反応により生成することが知られ
ている。この反応による生成物はメタクリロニト
リルのほか、メタクロレイン、青酸、アクリロニ
トリル、アセトニトリル、イソブチロニトリル等
を副生する。この副生するメタクロレインと青酸
とは結合して不安定な高沸点縮合物であるメタク
ロレインシアンヒドリン(沸点95℃ 13mmHg)
を形成する。このため反応混合物を蒸留によつて
精製しようとすると、分離精製工程においてメタ
クロレインシアンヒドリンを生成し、これが後段
の蒸留の際に再びメタクロレインと青酸とに分解
し溜出液中に混入し、メタクリロニトリルの純度
を低下せしめ、高純度の製品が得られなかつた。 メタクリロニトリルの精製は従来のアクリロニ
トリルのプロセスに準じ行なわれ、その1例は第
1図に示すごとくである。吸収水に吸収せしめた
メタクリロニトリルを主成分とするアンモキシデ
ーシヨン反応物は回収塔1において溶媒水ととも
に抽出蒸留を行ない、塔頂蒸気は凝縮器2で凝縮
され、デカンター3で分離された油層はメタクリ
ロニトリルのほか、メタクロレイン、青酸、イソ
ブチロニトリル等の不純物および飽和溶解量の水
分を含んだ液となる。この液は脱青酸・脱水塔
4、低沸分離塔5において水、青酸アクリロニト
リルおよびメタクロレイン等の低沸物を低減した
粗メタクリロニトリルとなり、さらに製品塔6に
おいて微量の低沸物および高沸物をそれぞれライ
ン7,8から分離除去し、製品メタクリロニトリ
ルをライン9から取得する。 ところが、メタクロレインと青酸とは一部がメ
タクロレインシアンヒドリンを形成し、脱青酸・
脱水塔および低沸分離塔において完全に除去でき
ず製品塔に混入する。混入したメタクロレインシ
アンヒドリンは一部が再びメタクロレインと青酸
に分解し製品メタクリロニトリルに混入して純度
を低下せしめた。なお、アクリロニトリル製造時
に副生するアクロレインに比較し、メタクリロニ
トリル製造時のメタクロレインが特に問題になる
理由は、メタクロレインはアクロレインに比べ、
副生量が多大である上に水和反応や重合反応が起
りにくいため、メタクロレインが消滅せずプロセ
ス内に高濃度のまま存在するためである。 この問題を解決するために、従来いくつかの提
案がなされている。 例えば、特公昭50−23017号公報には回収塔の
中段側流として青酸およびカルボニル化合物を除
去し、後段の蒸留プロセスにメタクロレインシア
ンヒドリンを持込ませない提案がある。しかし、
低沸点の青酸を回収塔サイドから全量抜出すプロ
セスで、製品品質を確保するためには、スチーム
消費量が大となり、径が大きな蒸留塔が必要とな
り設備費の負担が増大する。さらに青酸を利用す
る場合は不純物を分離するためストリツピングポ
ツトの段数を増すか、スチーム消費量をさらに増
大する必要がある。 また、シアンヒドリンを安定化して分解による
アクロレイン類および青酸の製品中への混入を防
止するため、安定剤としてシユウ酸(特公昭39−
10112号)、スルフアミン酸または酸性硫安(特公
昭39−28316号)、スルホン酸または芳香族スルホ
ン酸を用いる提案がある。しかし、この方法はシ
アンヒドリン含量が少ない場合には有効であるが
含量が多い場合、特に連続蒸留を行なう場合はシ
アンヒドリンが蓄積されて含量が多くなり、製品
純度を向上せしめる効果は低い。 特公昭43−18126号には、第1工程で薬品添加
し、シアンヒドリンを分解し、アクロレイン類お
よび青酸を蒸留分離し、第2工程で薬品を添加し
残存するシアンヒドリンを安定化しシアンヒドリ
ンを蒸留分離する提案もある。この方法は回分蒸
留においてシアンヒドリンが濃縮されない段階で
は有効であるが、連続蒸留を行なう場合や、回分
蒸留においてもシアンヒドリンが蓄積されてきた
場合には、公知の無機酸あるいは有機酸添加量を
増大する必要があり、これら酸の処理および装置
材質に問題を生じる。本発明者らの検討による
と、連続蒸留において効果を挙げるためにはシア
ンヒドリン濃度が上がらないように濃縮部を多量
に抜き出す必要があり、経済的な方法ではない。 以上述べたごとく、今までメタクロレインおよ
び青酸を含有した粗メタクリロニトリルから高純
度の製品メタクリロニトリルを取得する工業的に
完成された技術は見当らない。 この発明は上記問題点に着目し鋭意研究を重ね
到達したもので、メタクロレインシアンヒドリン
の生成はメタクロレインが濃縮されるメタクロレ
インを蒸留分離する溜出蒸気凝縮液において顕著
であり、この凝縮液のPHを制御することによつて
シアンヒドリンの生成を抑制し、製品メタクリロ
ニトリル純度の向上を可能としたものである。こ
の発明の要旨は、メタクリロニトリルを主成分と
し、メタクロレイン、青酸を含有するイソブチレ
ンあるいはターシヤリーブチルアルコールのアン
モキシデーシヨン反応物から水を溶媒とし蒸留し
て製品メタクリロニトリルを取得する製造法にお
いてメタクロレインを蒸留分離する塔の塔頂にお
いて、留出蒸気あるいは凝縮液に酸を添加し、そ
の凝縮液のPHを1.0〜4.5とすることを特徴とする
メタクリロニトリルの製造法である。 メタクロレインシアンヒドリンの生成は、メタ
クロレインが濃縮されたメタクロレイン蒸留分離
する溜出蒸気凝縮液において顕著であり、一般に
この凝縮液には水が溶解していて油・水2層に分
離し、水層中でのメタクロレインシアンヒドリン
の生成は特に促進され、油層中でも溶解水分量の
増加に伴ないシアンヒドリンの生成が促進され
る。従つて凝縮液中に水分量を低減化することに
よつてシアンヒドリンの生成を抑制することがで
きるが、水分量の低減には自づと限度がある。し
かし、この発明では、この凝縮液中におけるシア
ンヒドリンの生成を、凝縮液のPHを1.0〜4.5より
好ましくは1.5〜4.0とすることにより、効率よく
抑制し、製品メタクリロニトリル純度の向上が達
成できた。勿論PHの調整と同時に予め水分量を低
減しておき、凝縮液の水分を飽和溶解量以下、す
なわち凝縮液が油・水2層に分離しない水分量と
するならば一層シアンヒドリンの生成を抑制でき
る。 この製造法により、製品メタクリロニトリルを
取得するには、例えば、第1図に示す従来のプロ
セスでは、主としてメタクロレインを蒸留分離す
る低沸分離塔5の塔頂溜出蒸気の凝縮液デカンタ
ー10において、凝縮液に酸を添加しそのPHを
1.0〜4.5に制御し、シアンヒドリンの生成を抑制
する。また、同時に脱青酸・脱水塔4において、
積極的に脱水し、含水量0.2%以下とするなら
ば、一層シアンヒドリンの生成が抑制できる。 従来の製造法においては、低沸分離塔の塔頂溜
出蒸気の凝縮液PHは通常4.5〜5.5であり、しかも
低沸分離塔にフイードされる液は0.3%程度の水
分を含有するのでシアンヒドリンの生成は極めて
顕著であり、製品メタクリロニトリル中にメタク
ロレインが混入する原因となつていた。 この製造法を適用するプロセスとしては第2図
に示すプロセスがより好適である。このプロセス
は製品塔6の前段に高沸分離塔11を設け、脱青
酸・脱水塔4からフイードされた液から、高沸物
(メタクロレインシアンヒドリン、イソブチロニ
トリル等)を塔底から抜出し除去し、塔頂から粗
メタクリロニトリルを取得する。この粗メタクリ
ロニトリルを製品塔6にフイードし塔頂のライン
12からメタクロレインを含む低沸物を蒸留分離
し、塔下部のライン13からガス抜出しにより製
品メタクリロニトリルを取得する。この際塔頂の
ライン12に付帯する凝縮液のデカンター14に
おいて、酸を添加しPHを1.0〜4.0となし、シアン
ヒドリンの生成を制御する。 このプロセスでは製品塔の塔頂部でのシアンヒ
ドリンの生成が極めて微量である。しかも、前段
の高沸分離塔においてシアンヒドリン、あるいは
シアンヒドリンの分解を促進するイソブチロニト
リル等の高沸物が除去されている。従つて製品塔
におけるシアンヒドリンの生成、および分解が極
めて起り難く、製品純度が向上する。なお、脱青
酸・脱水塔において積極的に脱水し、その含水量
を0.2%以下好ましくは0.1%以下とするならば一
層シアンヒドリンの生成を低位に抑制することが
できる。 この発明でPH制御に用いる酸は無機酸、有機酸
いずれでもよいが、酢酸、燐酸は取扱性、コスト
等の面で好適である。また、PHを調整するにはデ
カンター位置において酸を添加するのが便利であ
るが、ここに限られるものではない。メタクロレ
インを蒸留分離する塔頂部分の留出蒸気であつて
もよい。また、PHの測定位置は凝縮液が油・水2
層に分離する場合は油層とし、水分量が少なく
油・水2層に分離しない場合は勿論その均一層に
おいて測定する。 実施例 1 メタクリロニトリルを主成分とし、メタクロレ
イン、アクリロニトリル及び青酸を含有した高沸
分離塔で高沸物を除いた液を減圧(Top圧力500
mmHg)下、内径32φ、棚段70段を有する製品塔
のほぼ中段に82g/Hrフイードし、塔下部よ
り、ガス抜出しにより製品メタクリロニトリルを
得た。この際、塔頂低沸デカンターに酸を添加す
る事により、製品メタクリロニトリル中、メタク
ロレイン及び青酸濃度に対する影響を調べた。結
果を表1に示した。
に詳くはイソブチレンあるいはターシヤリーブチ
ルアルコールのアンモキシデーシヨン反応による
メタクリロニトリルの製造法に関する。 メタクリロニトリルはイソブチレン等とアンモ
ニアおよび酸素の気相接触反応、すなわちアンモ
キシデーシヨン反応により生成することが知られ
ている。この反応による生成物はメタクリロニト
リルのほか、メタクロレイン、青酸、アクリロニ
トリル、アセトニトリル、イソブチロニトリル等
を副生する。この副生するメタクロレインと青酸
とは結合して不安定な高沸点縮合物であるメタク
ロレインシアンヒドリン(沸点95℃ 13mmHg)
を形成する。このため反応混合物を蒸留によつて
精製しようとすると、分離精製工程においてメタ
クロレインシアンヒドリンを生成し、これが後段
の蒸留の際に再びメタクロレインと青酸とに分解
し溜出液中に混入し、メタクリロニトリルの純度
を低下せしめ、高純度の製品が得られなかつた。 メタクリロニトリルの精製は従来のアクリロニ
トリルのプロセスに準じ行なわれ、その1例は第
1図に示すごとくである。吸収水に吸収せしめた
メタクリロニトリルを主成分とするアンモキシデ
ーシヨン反応物は回収塔1において溶媒水ととも
に抽出蒸留を行ない、塔頂蒸気は凝縮器2で凝縮
され、デカンター3で分離された油層はメタクリ
ロニトリルのほか、メタクロレイン、青酸、イソ
ブチロニトリル等の不純物および飽和溶解量の水
分を含んだ液となる。この液は脱青酸・脱水塔
4、低沸分離塔5において水、青酸アクリロニト
リルおよびメタクロレイン等の低沸物を低減した
粗メタクリロニトリルとなり、さらに製品塔6に
おいて微量の低沸物および高沸物をそれぞれライ
ン7,8から分離除去し、製品メタクリロニトリ
ルをライン9から取得する。 ところが、メタクロレインと青酸とは一部がメ
タクロレインシアンヒドリンを形成し、脱青酸・
脱水塔および低沸分離塔において完全に除去でき
ず製品塔に混入する。混入したメタクロレインシ
アンヒドリンは一部が再びメタクロレインと青酸
に分解し製品メタクリロニトリルに混入して純度
を低下せしめた。なお、アクリロニトリル製造時
に副生するアクロレインに比較し、メタクリロニ
トリル製造時のメタクロレインが特に問題になる
理由は、メタクロレインはアクロレインに比べ、
副生量が多大である上に水和反応や重合反応が起
りにくいため、メタクロレインが消滅せずプロセ
ス内に高濃度のまま存在するためである。 この問題を解決するために、従来いくつかの提
案がなされている。 例えば、特公昭50−23017号公報には回収塔の
中段側流として青酸およびカルボニル化合物を除
去し、後段の蒸留プロセスにメタクロレインシア
ンヒドリンを持込ませない提案がある。しかし、
低沸点の青酸を回収塔サイドから全量抜出すプロ
セスで、製品品質を確保するためには、スチーム
消費量が大となり、径が大きな蒸留塔が必要とな
り設備費の負担が増大する。さらに青酸を利用す
る場合は不純物を分離するためストリツピングポ
ツトの段数を増すか、スチーム消費量をさらに増
大する必要がある。 また、シアンヒドリンを安定化して分解による
アクロレイン類および青酸の製品中への混入を防
止するため、安定剤としてシユウ酸(特公昭39−
10112号)、スルフアミン酸または酸性硫安(特公
昭39−28316号)、スルホン酸または芳香族スルホ
ン酸を用いる提案がある。しかし、この方法はシ
アンヒドリン含量が少ない場合には有効であるが
含量が多い場合、特に連続蒸留を行なう場合はシ
アンヒドリンが蓄積されて含量が多くなり、製品
純度を向上せしめる効果は低い。 特公昭43−18126号には、第1工程で薬品添加
し、シアンヒドリンを分解し、アクロレイン類お
よび青酸を蒸留分離し、第2工程で薬品を添加し
残存するシアンヒドリンを安定化しシアンヒドリ
ンを蒸留分離する提案もある。この方法は回分蒸
留においてシアンヒドリンが濃縮されない段階で
は有効であるが、連続蒸留を行なう場合や、回分
蒸留においてもシアンヒドリンが蓄積されてきた
場合には、公知の無機酸あるいは有機酸添加量を
増大する必要があり、これら酸の処理および装置
材質に問題を生じる。本発明者らの検討による
と、連続蒸留において効果を挙げるためにはシア
ンヒドリン濃度が上がらないように濃縮部を多量
に抜き出す必要があり、経済的な方法ではない。 以上述べたごとく、今までメタクロレインおよ
び青酸を含有した粗メタクリロニトリルから高純
度の製品メタクリロニトリルを取得する工業的に
完成された技術は見当らない。 この発明は上記問題点に着目し鋭意研究を重ね
到達したもので、メタクロレインシアンヒドリン
の生成はメタクロレインが濃縮されるメタクロレ
インを蒸留分離する溜出蒸気凝縮液において顕著
であり、この凝縮液のPHを制御することによつて
シアンヒドリンの生成を抑制し、製品メタクリロ
ニトリル純度の向上を可能としたものである。こ
の発明の要旨は、メタクリロニトリルを主成分と
し、メタクロレイン、青酸を含有するイソブチレ
ンあるいはターシヤリーブチルアルコールのアン
モキシデーシヨン反応物から水を溶媒とし蒸留し
て製品メタクリロニトリルを取得する製造法にお
いてメタクロレインを蒸留分離する塔の塔頂にお
いて、留出蒸気あるいは凝縮液に酸を添加し、そ
の凝縮液のPHを1.0〜4.5とすることを特徴とする
メタクリロニトリルの製造法である。 メタクロレインシアンヒドリンの生成は、メタ
クロレインが濃縮されたメタクロレイン蒸留分離
する溜出蒸気凝縮液において顕著であり、一般に
この凝縮液には水が溶解していて油・水2層に分
離し、水層中でのメタクロレインシアンヒドリン
の生成は特に促進され、油層中でも溶解水分量の
増加に伴ないシアンヒドリンの生成が促進され
る。従つて凝縮液中に水分量を低減化することに
よつてシアンヒドリンの生成を抑制することがで
きるが、水分量の低減には自づと限度がある。し
かし、この発明では、この凝縮液中におけるシア
ンヒドリンの生成を、凝縮液のPHを1.0〜4.5より
好ましくは1.5〜4.0とすることにより、効率よく
抑制し、製品メタクリロニトリル純度の向上が達
成できた。勿論PHの調整と同時に予め水分量を低
減しておき、凝縮液の水分を飽和溶解量以下、す
なわち凝縮液が油・水2層に分離しない水分量と
するならば一層シアンヒドリンの生成を抑制でき
る。 この製造法により、製品メタクリロニトリルを
取得するには、例えば、第1図に示す従来のプロ
セスでは、主としてメタクロレインを蒸留分離す
る低沸分離塔5の塔頂溜出蒸気の凝縮液デカンタ
ー10において、凝縮液に酸を添加しそのPHを
1.0〜4.5に制御し、シアンヒドリンの生成を抑制
する。また、同時に脱青酸・脱水塔4において、
積極的に脱水し、含水量0.2%以下とするなら
ば、一層シアンヒドリンの生成が抑制できる。 従来の製造法においては、低沸分離塔の塔頂溜
出蒸気の凝縮液PHは通常4.5〜5.5であり、しかも
低沸分離塔にフイードされる液は0.3%程度の水
分を含有するのでシアンヒドリンの生成は極めて
顕著であり、製品メタクリロニトリル中にメタク
ロレインが混入する原因となつていた。 この製造法を適用するプロセスとしては第2図
に示すプロセスがより好適である。このプロセス
は製品塔6の前段に高沸分離塔11を設け、脱青
酸・脱水塔4からフイードされた液から、高沸物
(メタクロレインシアンヒドリン、イソブチロニ
トリル等)を塔底から抜出し除去し、塔頂から粗
メタクリロニトリルを取得する。この粗メタクリ
ロニトリルを製品塔6にフイードし塔頂のライン
12からメタクロレインを含む低沸物を蒸留分離
し、塔下部のライン13からガス抜出しにより製
品メタクリロニトリルを取得する。この際塔頂の
ライン12に付帯する凝縮液のデカンター14に
おいて、酸を添加しPHを1.0〜4.0となし、シアン
ヒドリンの生成を制御する。 このプロセスでは製品塔の塔頂部でのシアンヒ
ドリンの生成が極めて微量である。しかも、前段
の高沸分離塔においてシアンヒドリン、あるいは
シアンヒドリンの分解を促進するイソブチロニト
リル等の高沸物が除去されている。従つて製品塔
におけるシアンヒドリンの生成、および分解が極
めて起り難く、製品純度が向上する。なお、脱青
酸・脱水塔において積極的に脱水し、その含水量
を0.2%以下好ましくは0.1%以下とするならば一
層シアンヒドリンの生成を低位に抑制することが
できる。 この発明でPH制御に用いる酸は無機酸、有機酸
いずれでもよいが、酢酸、燐酸は取扱性、コスト
等の面で好適である。また、PHを調整するにはデ
カンター位置において酸を添加するのが便利であ
るが、ここに限られるものではない。メタクロレ
インを蒸留分離する塔頂部分の留出蒸気であつて
もよい。また、PHの測定位置は凝縮液が油・水2
層に分離する場合は油層とし、水分量が少なく
油・水2層に分離しない場合は勿論その均一層に
おいて測定する。 実施例 1 メタクリロニトリルを主成分とし、メタクロレ
イン、アクリロニトリル及び青酸を含有した高沸
分離塔で高沸物を除いた液を減圧(Top圧力500
mmHg)下、内径32φ、棚段70段を有する製品塔
のほぼ中段に82g/Hrフイードし、塔下部よ
り、ガス抜出しにより製品メタクリロニトリルを
得た。この際、塔頂低沸デカンターに酸を添加す
る事により、製品メタクリロニトリル中、メタク
ロレイン及び青酸濃度に対する影響を調べた。結
果を表1に示した。
【表】
実施例 2
製品塔塔頂デカンターでのメタクロレインシア
ンヒドリン生成に対するPHの影響を、製品塔塔頂
模擬液を用い、液温20℃、水7wt%濃度で調べ
た。結果を表2に示した
ンヒドリン生成に対するPHの影響を、製品塔塔頂
模擬液を用い、液温20℃、水7wt%濃度で調べ
た。結果を表2に示した
【表】
第1図、第2図はそれぞれこの発明の製造法が
適用できるメタクリロニトリルの製造プロセスの
フローシートである。 1……回収塔、2……凝縮器、3……デカンタ
ー、4……脱青酸・脱水塔、5……低沸分離塔、
6……製品塔、7……低沸物抜出ライン、8……
高沸物抜出ライン、9……製品メタクリロニトリ
ル抜出ライン、10……デカンター、11……高
沸分離塔、12……製品塔塔頂ライン、13……
製品塔塔下部ライン、14……デカンター。
適用できるメタクリロニトリルの製造プロセスの
フローシートである。 1……回収塔、2……凝縮器、3……デカンタ
ー、4……脱青酸・脱水塔、5……低沸分離塔、
6……製品塔、7……低沸物抜出ライン、8……
高沸物抜出ライン、9……製品メタクリロニトリ
ル抜出ライン、10……デカンター、11……高
沸分離塔、12……製品塔塔頂ライン、13……
製品塔塔下部ライン、14……デカンター。
Claims (1)
- 1 メタクリロニトリルを主成分とし、メタクロ
レイン、青酸を含有するイソブチレンあるいはタ
ーシヤリーブチルアルコールのアンモキシデーシ
ヨン反応物から水を溶媒とし蒸留して製品メタク
リロニトリルを取得する製造法において、メタク
ロレインを蒸留分離する塔の塔頂において、留出
蒸気あるいは凝縮液に酸を添加し、その凝縮液の
PHを1.0〜4.5とすることを特徴とするメタクリロ
ニトリルの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10710082A JPS58225050A (ja) | 1982-06-22 | 1982-06-22 | メタクリロニトリルの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10710082A JPS58225050A (ja) | 1982-06-22 | 1982-06-22 | メタクリロニトリルの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58225050A JPS58225050A (ja) | 1983-12-27 |
JPS6158464B2 true JPS6158464B2 (ja) | 1986-12-11 |
Family
ID=14450456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10710082A Granted JPS58225050A (ja) | 1982-06-22 | 1982-06-22 | メタクリロニトリルの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58225050A (ja) |
-
1982
- 1982-06-22 JP JP10710082A patent/JPS58225050A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58225050A (ja) | 1983-12-27 |
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