JPS6155807B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はチユーナの局部発振回路、特に
CATV用チユーナの広帯域化バンドを含むチユー
ナの局部発振回路に関する。

可変容量ダイオードを用いる高周波チユーナで
は同調回路のカバーレンジによつて複数バンド化
して所望する受信帯域の受信を可能にしている。
しかし、複数バンド化はバンド切換回路の複雑化
などから部品コストやトラツキング特性の問題を
提起する。また、広帯域化によつて受信バンド数
を減らしてチユーナ回路の簡素化を計るために一
つの同調回路に２個の可変容量ダイオードを用い
て一方を主同調に他方を結合用に用いて広帯域化
する提案もある。しかし、この種の広帯域化はチ
ユーナ回路の構成によつて種々の問題を提起す
る。例えば、VHF帯域を２バンド化するために
その高域側バンドを広帯域化したCATV用チユー
ナにおいて、ミキサ段を絶縁形電界効果トランジ
スタ（FET）回路で構成してチユーナ特性の改
善を計る場合がある。すなわち、一般的なコレク
タ接地形発振回路とバイポーラトランジスタミキ
サ回路の組合せ構成に対しFETを用いて混変調
などの特性向上を計ることがある。このような場
合、ミキサ用FETをドライブする必要なインジ
エクシヨン電圧はコレクタ接地形発振回路では困
難となりベース接地形発振回路が必要になる。こ
れは、バイポーラトランジスタミキサ回路は最大
50mV程度のインジエクシヨンで満足に動作でき
るのに対しFETミキサ回路では300mV〜1.0Vの
インジエクシヨンを要求することによる。しか
し、ベース接地形発振回路はコレクタ端子が同調
コイルに直結されるため前述する結合用の可変容
量ダイオードを挿入することができない。そのた
めこの種の局部発振回路の改良が望まれていた。

従つて、本発明の目的は前述する問題を解消す
ることにあり、２個の可変容量ダイオードを用い
て周波数カバーレンジを拡大したベース接地形発
振回路を提供することにある。特に、VHF帯２
バンドCATV用チユーナでFETミキサと組合わ
せを使用して同調素子に２個の可変容量ダイオー
ドを使用するに好適の局部発振回路を提供するこ
とにある。

本発明によれば、主同調回路の可変容量として
用いる第１の可変容量ダイオードと、ベース接地
形トランジスタ発振回路のベース接地容量として
用いる第２の可変容量ダイオードとを具備した局
部発振回路が開示される。この局部発振回路はベ
ース接地容量が同調周波数に応じて可変されるた
め発振周波数範囲の広帯域化が計られ且つFET
ミキサに対して満足なレベルの局部発振信号を注
入する。従つて、VHF帯受信信号のうちミドル
バンド、ハイバンド及びスーパバンドの三つの周
波帯の約120乃至300MHzの信号を単一バンドで受
信できるチユーナが提供できバンド切換回路の簡
素化に役立つ。

本発明の局部発振回路は、例えば、Ｕ，Ｓ，チ
ヤネル用CATV用チユーナにおいて、好ましくは
FETミキサ回路と組合せるときその効果が顕著
となる。通常、VHF帯域はローバンド（中心周
波数で56〜83MHz）、ミドルバンド（123〜173M
Hz）、ハイバンド（176〜213）、及びスーパバンド
（216〜297MHz）の４バンド構成に区分される
が、これを本発明の局部発振回路を用いて低域側
バンド（56〜83MHz）に対する局部発振周波数帯
と高域側バンド（123〜297MHz）に対する局部発
振周波数帯との２バンド受信方式のチユーナが構
成できる。この２バンド化したＵ，Ｓ，チヤンネ
ルCATV用チユーナはバンド切換回路の簡素化に
極めて有利となり実用的効果が大きい。

以下本発明に係る実施例を図面を参照しつつ詳
述する。

第１図は本発明に係るCATV用チユーナのブロ
ツク図であり、VHF入力端子１と出力端子２間
にIFトラツプ３、入力同調回路４、RF増幅素子
５、段間複同調回路６、ミキサ素子７、及びこの
ミキサ素子に局部発振信号を注入する局部発振同
調回路８と発振用能動素子９の局部発振回路１０
で構成している。ここで、同調回路４及び６はそ
れぞれ２個の可変容量ダイオードを用いて構成さ
れ、その一方の可変容量ダイオードが結合容量を
可変し、それぞれの同調周波数範囲の広帯域化を
計つている。従つて、例えば、Ｕ，Ｓ，チヤンネ
ルCATV用チユーナとして高域側バンドが123〜
297MHzの受信帯域を単一バンド化することがで
きる。また、図示されないが第１図のチユーナは
更にUHFバンドを受信するチユーナを設けて
UHF−VHF両帯域を３バンド切換方式として受
信可能にすることは勿論である。また、ミキサ素
子７にはデユアルゲート形電界効果トランジスタ
FETが用いられ、その出力側にはシングルゲー
ト形電界効果トランジスタ（FET）の中間周波
増幅素子を組合せることもできる。

第２図は第１図のチユーナ構成における局部発
振回路であり、本発明に係るベース接地容量を可
変するベース接地形局部発振段を構成する。この
局部発振回路１０は主同調回路を形成する高域同
調コイル１１、低域同調コイル１２及びコンデン
サ１３の直列回路と、これに並列接続のンデンサ
１４及び第１の可変容量ダイオード１５の直列回
路を含む。一方発振用トランジスタ１６はそのベ
ース回路に第２の可変容量ダイオード１７を含
み、コンデンサ１８を介してベース電極と接地間
に介挿される。高低両域同調コイル１１，１２は
低域同調コイル１２を高周波的に短絡又は開放さ
せるスイツチングダイオード１９とコンデンサ２
０の直列回路でバンド選択される。このようにし
て構成される局部発振回路はＢ電源端子２１、バ
ンド切換電圧供給端子２２及び同調電圧供給端子
２３からの動作電圧の供給により動作される。す
なわち、電源端子２１からの動作電圧でトランジ
スタ１６が駆動されるほか主同調回路の第１可変
容量ダイオード１５に同調電圧供給端子２２から
の同調電圧をバイアス抵抗２３を介して印加しそ
の容量可変によつて発振周波数を決定する。一
方、この同調電圧供給端子２２からの同調電圧は
同時にバイアス抵抗２４を介して第２の可変容量
ダイオード１７に印加されており、トランジスタ
１６のベース接地容量を発振周波数に応じて可変
させ同調周波数帯を拡大し広帯域化する。更にバ
ンド切換電圧供給端子２３から供給される例えば
±15Vのスイツチング電圧はスイツチングダイオ
ード１９に導通又は遮断電圧として供給され低域
側バンドと高域側バンドの選択を行なう。ここで
注目すべきはＢ電源端子２１の電圧１５Ｖが抵抗
２５を介して供給される。そして、バンド切換電
圧供給端子２３にスイツチング電圧１５Ｖが印加
されるとき、チヨークコイル２６を介してスイツ
チングダイオード１９のアノード側にはそのカソ
ード側に印加される電源端子２１からの電圧より
高い電位が与えられ、このダイオード１９を導通
状態にする。この導通は高域側バンドの選択であ
ると同時にこの端子２３からの電圧でトランジス
タ１６を駆動する。逆に、端子２３に−15Vの電
圧が印加されるときはスイツチングダイオード１
９が逆バイアス電圧で遮断され低域側バンドを選
択すると共にトランジスタ１６には電源端子２１
からの電圧が抵抗２５の電圧降下分だけ低い状態
で印加される。従つて、高低両域側バンドの選択
に応じトランジスタ発振勢力の調整も行なわれ
る。

更に、本発明の局部発振回路には第３及び第４
の可変容量ダイオード２７，２８が用いられ、こ
れに自動微同調AFT信号電圧がAFT端子２９か
ら供給され主同調回路の同調周波数を微同調す
る。ここで第４の可変容量ダイオード２８は高域
側バンド選択の場合にのみ有効であり両域側バン
ド間のAFT感度の調整に利用される。加えてミ
キサ回路にはFET３０が用いられIF出力端子３
１から出力が導出される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るチユーナのブロツク図、
及び第２図は第１図の局部発振回路である。 １０……局部発振回路、１５……第１の可変容
量ダイオード、１６……発振用能動素子（トラン
ジスタ）、１７……第２の可変容量ダイオード、
２２……同調電圧供給端子、３０……ミキサ素子
（FET）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 同調電圧供給端子の直流バイアス電圧を２個
   の可変容量ダイオードに印加して同調周波数を広
   帯域化した同調回路を複数個含むチユーナにおい
   て、前記２個の可変容量ダイオードの一方が発振
   用主同調回路に他方が発振用能動素子のベース回
   路にそれぞれ挿入され、前記他方の可変容量ダイ
   オードが前記能動素子のベース電極と接地間に介
   挿されてベース接地容量を可変させたことを特徴
   とするチユーナの局部発振回路。 ２ 前記チユーナは電効効果トランジスタのミキ
   サ回路を有する特許請求の範囲第１項記載のチユ
   ーナの局部発振回路。 ３ 前記チユーナは少なくとも受信信号周波数帯
   として120乃至300MHz帯を単一化したバンドを含
   む特許請求の範囲第１項記載のチユーナの局部発
   振回路。