JPS6154729B2 - - Google Patents

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JPS6154729B2
JPS6154729B2 JP10498878A JP10498878A JPS6154729B2 JP S6154729 B2 JPS6154729 B2 JP S6154729B2 JP 10498878 A JP10498878 A JP 10498878A JP 10498878 A JP10498878 A JP 10498878A JP S6154729 B2 JPS6154729 B2 JP S6154729B2
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JP
Japan
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calcium silicate
silicate
calcium
petal
bulk specific
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JP10498878A
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English (en)
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JPS5532753A (en
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Yukio Mizutani
Yoshiaki Watanabe
Genji Taga
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
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Priority to DE2856800A priority patent/DE2856800C2/de
Priority to GB7850207A priority patent/GB2013639B/en
Priority to US05/974,523 priority patent/US4226636A/en
Priority to DE2857424A priority patent/DE2857424C2/de
Priority to FR7900006A priority patent/FR2422591A1/fr
Priority to FR7916239A priority patent/FR2422592A1/fr
Publication of JPS5532753A publication Critical patent/JPS5532753A/ja
Publication of JPS6154729B2 publication Critical patent/JPS6154729B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は高い嵩比容積および吸油量を有する花
弁状の珪酸カルシウムの製造方法に関する。 珪酸カルシウムは古くから知られている化合物
で主に建材、充填剤等に使用されている。また珪
酸カルシウムの結晶形態も種々のものが公知で例
えばゾーノトライト型、トバモライト型、ジヤイ
ロライト型等がある。しかしながら、従来の珪酸
カルシウムは目的とする結晶形態のものを得るた
めに必要な原料比を予め決めて用いるのが一般的
である。また得られた珪酸カルシウムの結晶形態
については探求されているがその性状、用途等を
追求した研究は極端に少ない。 特に目的物として粉状体珪酸カルシウムを製造
する提案はほとんどなされていない。 本発明者等は珪酸カルシウムの製造及び製造さ
れた珪酸カルシウムの性状、用途等につき鋭意研
究を重ねて来たが、特定の原料比のものを特定の
条件下に反応させることにより高い嵩比容積を有
する花弁状の珪酸カルシウム粉体を得ることが出
来ることを見出し、先に特願昭52−160031号(特
公昭60−29643号公報)として提案した。しかる
に、粉体の用途によつては、さらに嵩比容積の高
いものが要求される場合も少なくない。そのよう
な背景から、本発明者等は、さらに高い嵩比容積
の花弁状の珪酸カルシウム粉体を得るべく鋭意研
究を続けてきた。その結果、該花弁状の珪酸カル
シウムを得る反応に際しカルシウム塩の量を珪酸
アルカリの中のアルカリ量に対し特定量過剰に加
えることにより得られる花弁状の珪酸カルシウム
粉体の嵩比容積が急激に変化し、従来より嵩比容
積がはるかに高く、しかも吸油量も高い珪酸カル
シウムが得られるという現象を偶然にも発見し、
本発明を完成させるに至つた。 すなわち本発明は珪酸アルカリとカルシウム塩
とを150℃〜250℃の温度下に且つ容媒比が得られ
る珪酸カルシウムに対して5〜100重量倍の範囲
に反応させるに際し、カルシウム塩の量を珪酸ア
ルカリ中のアルカリに対し1.05〜1.4倍当量とす
ることを特徴とする一般式2CaO・3SiO2
nSiO2・mH2O(但しn、mは正の数でnは0.1〜
10)で示される珪酸カルシウムの製造方法であ
る。 本発明の珪酸カルシウムは、珪酸アルカリとカ
ルシウム塩を原料とするもので次の反応式により
珪酸カルシウムを生成する。 R2O・nSiO2+CaX+mH2O→2CaO・3SiO2・nSiO2・mH2O+R2X ………(1) (但し、RはNa、又はK、XはCl2、(NO32等、
カルシウムと化合して塩をつくる陰性基) 上記(1)式でもわかるようにR2OとCaXは実際の
反応においては1対1で反応する。従つて、CaX
が過剰になつてもR2Oが過剰になつても反応に関
与せず得られる珪酸カルシウムに影響を与えるこ
とはないと考えるのが一般的である。しかるに、
本発明者等はCaXとR2Oの量的割合が、得られる
花弁状珪酸カルシウムの物性、特に嵩比容積及び
吸油量に大きな影響を与えることを見い出した。
しかも原料中に仕込むCax、とR2Oとの比と得ら
れる珪酸カルシウムの嵩比容積及び吸油量の間に
は一定の関係が成立し、希望する嵩比容積の珪酸
カルシウムを自由に得ることが出来ることがわか
つた。珪酸カルシウムの粉体としての用途を考え
る場合、嵩比容積及び吸油量は非常に重要なフア
クターとなる。特に最近は嵩比容積の著しく高い
粉体の用途が大きく広がつてきている。しかし従
来法では生成反応において得られる粉体の嵩比容
積を制御することは困難であり、ほとんど実施さ
れていない。それと同時に得られる粉体の嵩比容
積の大きさについても限界があつた。従がつて本
発明の製造方法により希望する任意の嵩比容積が
自由に得られ、しかも従来のものよりはるかに大
きい嵩比容積のものまで得られることになれば、
そのメリツトは非常に大きいものと言わざるを得
ない。 本発明で製造される珪酸カルシウムは一般式 2CaO・3SiO2・nSiO2・mH2O ………(A) (但しn、mは正の数で、nは0.1〜10)で示さ
れ、花弁状の形状を構成してなるものである。 上記一般式(A)で示される珪酸カルシウムはジヤ
イロライト型珪酸カルシウム即ち2CaO・
3SiO2・2H2Oと無定形2酸化珪素即ちnSiO2
mH2Oで構成される無定形2酸化珪素は単なるブ
レンド形状ではなくジヤイロライト型珪酸カルシ
ウムの生成時に無定形2酸化珪素を含有してなる
ものである。ジヤイロライト型珪酸カルシウムと
無定形2酸化珪素とを機械的に混合しても前記し
たような花弁状のものともなり得ない。該珪酸カ
ルシウムは、本発明の方法により珪酸アルカリと
カルシウム塩とより製造される。本発明に用いる
珪酸アルカリとしては水溶性のもの、例えば珪酸
ナトリウム、珪酸カリウム等を用いるのが最も好
ましい。またカルシウム塩としては後述する加圧
下の水熱反応条件下に水溶性のものであれば特に
限定されず用いうる。一般に好適に使用されるも
のを例示すれば水酸化カルシウム、酸化カルシウ
ム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等の水溶性
カルシウム化合物である。本発明の珪酸カルシウ
ムは水不溶性物質として粉体状で得られるので一
般には水性媒体中で反応させればよい。また本発
明の珪酸カルシウムを製造するには前記一般式(A)
中のジヤイロライト型珪酸カルシウム即ち
2CaO・3SiO2・2H2Oが生成する時系内に2酸化
珪酸が存在していることが好ましい。このことは
例えばジヤイロライト型珪酸カルシウムと2酸化
珪素とを別々に製造しこれらをブレンドしたもの
に熱を加えても本発明の目的である花弁状物を得
ることが出来ないことからも推測されうる。従つ
て原料成分を反応させるに際し、前記一般式中の
2酸化珪素が生成しない条件はさけねばならな
い。 本発明の珪酸カルシウムの製造方法において
は、原料の添加をするに際し、カルシウム塩の量
を珪酸アルカリ中のアルカリに対し1.05〜1.4倍
当量の範囲にすることが非常に重要である。(珪
酸アルカリ中のアルカリに対するカルシウム塩の
当量数を以下単にCaO/R2O仕込み比とも略称す
る。)1.05倍当量未満でも1.4倍当量を越える範囲
でも、得られる珪酸カルシウムの嵩比容積及び吸
油量とも小さいものとなる。得られる珪酸カルシ
ウムの嵩比容積及び吸油量はCaO/R2O仕込み比
1.05〜1.4の範囲で急激に大きくなりCaO/R2O仕
込み比がほぼ1.3の近くで最大となる。また、
CaO/R2O仕込み比と得られる珪酸カルシウムの
嵩比容積の間には一定の関係が成立するので、目
的とする嵩比容積のものにあわせて、原料の添加
に際して予めCaO/R2O仕込み比を決めておくの
が望ましい。さらに原料の添加に際しての珪酸ア
ルカリ中の珪酸分とカルシウム塩とのモル比(以
下単にSiO2/CaOモル比とも略称する。)につい
ては前記一般式(A)から明らかな如く理論的には
1.55〜6.5の範囲である。しかしながら反応収率
は原料の種類、反応温度、反応時間、水比等によ
つて多少異なるので予め生成物中のSiO2/CaO
モル比と原料仕込みに於けるSiO2/CaOモル比
との関係を確認して用いるのが好ましい。一般に
は前記一般式で示される珪酸カルシウム中の
SiO2/CaOモル比が大きくなると生成条件によ
つては花弁状集合体の花弁間に無定形2酸化珪素
が球状にまぶされた形状になる場合があるので、
種々の条件に応じて予め好適なSiO2/CaOモル
比を定めておくのが好ましい。 本発明に於ける原料の添加調整は特に限定的で
はなく一般には常圧、室温下に珪素成分とカルシ
ウム成分とを水性媒体中で混合し、該混合系を後
述する反応温度で処理するか該混合系から水溶性
成分を例えば水洗によつて分離した後反応させる
手段が採用される。また前記原料は必要な条件を
選ぶことによりほぼ100%の反応率で目的物を得
ることが出来るので一般には原料の仕込量を得ら
れる目的物のSiO2/CaOモル比の基準とするこ
とも出来る。 本発明に於ける珪酸カルシウムを生成させる温
度は150〜250℃の範囲が好適である。該温度が上
記より低い場合は花弁状物性成完結までに長時間
を必要とするため工業的ではない。 また該温度が極端に高くなると花弁状物の生成
が不十分になり好適な目的物を得ることが出来な
い場合がある。また花弁状物が生成完結する時間
は原料の種類、温度、反応手段等によつて異なり
一概に限定出来ないが一般には1時間〜50時間が
普通である。しかし一般的な傾向として処理時間
をあまり長くしすぎると嵩比容積及び吸油量共に
減少する傾向があるので各条件に応じて予め適当
な処理時間を決定するのが好ましい。 本発明に於ける花弁状物の生成には前記処理温
度下に於ける反応系の溶媒比即ち得られる珪酸カ
ルシウムに対する溶媒の量(一般に該溶媒は水性
媒体を用いるので以下単に水比を代表して表示す
る)が5〜100重量倍、好ましくは15〜70重量倍
の範囲を採取するのが好ましい。上記水比が極端
に少ない場合は得られる珪酸カルシウムが十分に
花弁状に成長し得ず塊状となつて得られる場合が
ある。また逆に水比が極端に多くなると得られる
珪酸カルシウムがジヤイロライト型珪酸カルシウ
ムのみとなり花弁状のものとはなり得ない場合が
ある。この場合は花弁状を形成するに必要な2酸
化珪素が多量の水媒体中に溶解した形で存在し花
弁状の珪酸カルシウムまで成長し得ないものと考
えられる。即ち花弁状珪酸カルシウムの生成は特
定の温度下にしかもフリーの2酸化珪素の特定濃
度の存在下に行なわれるものと考えれる。しかし
ながら該2酸化珪素の役割が花弁の形成にどのよ
うな役割をはたすのかその作用機構については現
在なお明白ではない。 本発明の反応は前記した如く原料成分の添加混
合を同一反応装置を用いて連続して実施すること
も、予め原料成分を常圧下室温〜沸点の温度で予
備反応を行なわした後昇温して製造することも出
来る。後者の場合は前記した如く予備反応後水溶
性化合物を分離し新たに水比を調整して高温下に
処理することも出来る。また一般に本発明に於け
る花弁状物の生成は150℃以上の高温で処理され
るので加圧下に実施されるのが一般的である。従
つて一般には耐圧反応器例えばオートクレーブを
用いるのが普通である。 花弁状珪酸カルシウムは溶媒と分離することに
よりほゞ純粋なものを得ることが出来るが必要に
応じて水洗し精製するのが望ましい。このように
して得られた花弁状珪酸カルシウムは通常の方法
で乾燥しそのまま或いは必要に応じて粉砕して製
品とすればよい。 本発明で得られる花弁状の珪酸カルシウムが前
記一般式(A)になる確認は一般に次の如くして知る
ことが出来る。 (i) 化学分析(JIS K3101)によつてSiO2/CaC
モル比を測定する。 (ii) 珪酸カルシウムのX線回析によつて先ずジヤ
イロライト型珪酸カルシウムであることを同定
する。 (iii) 珪酸カルシウムを0.5N−NaOH水溶液中で80
℃で1時間加熱処理することにより無定形2酸
化珪素を溶出させ、その定量分析(JIS
K3101)により珪酸カルシウムに含有されてい
る無定形2酸化珪素の量を決定出来る。またこ
の時残存する珪酸カルシウムはX線回析により
ジヤイロライト型珪酸カルシウムであることも
同定出来る。 また本発明の前記一般式(A)で示される珪酸カル
シウムの形状については電子顕微鏡写真をとるこ
とにより確認出来る。一般には3000〜10000倍の
電子顕微鏡写真で花弁状の形状及び厚みが鮮明に
確認される。花弁の大きさ、形状等は使用する原
料の種類、原料混合比、製造条件等によつて異な
り一概に限定出来ないが一般には長手方向の平均
直径が0.1〜30μ、厚みが0.005〜0.1μ程度の円
状、円状等をなしたものが多く、就中バラの花の
花弁に類似するものが多い。 而して、本発明で得られる化合物は花弁状即
ち、薄片が一定の方向ではなく多方向に成長した
集合体からなつている。 以上の説明から明らかな如く本発明の珪酸カル
シウムは一般式2CaO・3SiO2・nSiO2・mH2Oで
表示され、nSiO2はジヤイロライト型珪酸カルシ
ウム即ち2CaO・3SiO2・2H2Oと分離可能のもの
である。しかしながら上記無定形2酸化珪素とジ
ヤイロライト型珪酸カルシウムとの粒界或いはこ
れらの成分の構成結合形態については例えば透過
型電子顕微鏡を用いた20万倍程度の写真からも識
別することは出来ない。これらの測定データーか
ら無定形2酸化珪素は非常にミクロに分散され例
えば100A以下で均一に分散されてジヤイロライ
ト型珪酸カルシウムと共に花弁状の形状形成に関
与しているものと推定出来る。 また一般式中の結晶水の係数は原料の種類、反
応条件等によつては大きく変化するものではない
が得られる花弁状珪酸カルシウムの乾燥条件、保
管条件等によつて大きく影響をうけるもので一定
の値を示すものではない。この点は含水珪酸即ち
湿式法で得られる2酸化珪素の結合水の性状と類
似するものである。 以下に実施例及び比較例を挙げて説明するが本
発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。尚以下の実施例及び比較例に於ける種々の測
定値は次のようにして求めたものである。 (イ) 嵩比容積 珪酸カルシウムを乳鉢で200メツシユ篩80%
通過粒度まで粉砕した。この粉砕した珪酸カル
シウムを用いてJIS K6220の6.8項の嵩比重測
定方法によつて測定した。 (ロ) 吸油量 珪酸カルシウムを乳鉢で200メツシユ篩80%
通過粒度まで粉砕した。この粉砕した珪酸カル
シウムを用いてJIS K6220の19項の吸油量測定
法によつて測定した。 (ハ) X線回折 理学電機(株)のRotaflex Pl 200(商品名)を
用いCuKαで測定した。 また実施例及び比較例に於ける珪酸ナトリウム
の珪酸ナトリウム比とは珪酸ナトリウムの
SiO2/Na2O比を示す。 実施例1〜3及び比較例1〜3 表1に示めす3種類の濃度の塩化カルシウム水
溶液(100c.c.)を調製しそれぞれ0.3144モル/
の珪酸ナトリウム(珪酸ナトリウム比2.6)水溶
液(100c.c.)を大気圧下25℃で混合した。その時
の仕込みSiO2/CaOモル比は表1に示めす通り
であつた。それぞれ混合と同時に白色の沈澱を生
じたが、そのままオートクレーブに入れ密閉し
200℃の温度下に5時間反応させた。この時の圧
力は14Kg/cm2・Gで水比は30であつた。反応物は濾
過し、イオン交換水100c.c.で2回くりかえして水
洗した後100℃で8時間乾燥した。得られた乾燥
物の収量はそれぞれ表1に示めす通りであつた。
これらの乾燥物はいずれも乾燥中にも収縮せず、
固化もせず、柔かいもので簡単に粉化するもので
あつた。また嵩比容積及び吸油量は表1に示めす
通りであつた。 また得られた珪酸カルシウムをJIS R3101に基
いてそれぞれ分析したCaO〔%〕、SiO2〔%〕灼
熱減量〔%〕及び得られた珪酸カルシウム1gを
0.5N NaOH水溶液中で80℃、1時間加熱処理を
行ない、その後不溶性物質を分離した溶液をJIS
R3101に従つて化学定量分析を行ない求めた該溶
液中に含まれるSiO2〔g〕は、表1に示めす通
りであつた。 これらの結果より前記操作で得られた珪酸カル
シウムの一般式については、実施例1のものは、
2CaO・3SiO2・2.05SiO2・2.33H2O、実施例2の
ものは2CaO・3SiO2・2.06SiO2・2.34H2O、実施
例3のものは2CaO・3SiO2・2.05SiO2・2.34H2O
でそれぞれ示めされることが判つた。 また仕込原料が全てジヤイロライト型珪酸カル
シウムと無定形2酸化珪素になつた時の理論一般
式は次の通りである。即ち、実施例1〜3は
2CaO・3SiO2・2.2SiO2・2.4H2O、であつた。 さらに得られた珪酸カルシウムを電子顕微鏡
〔日本電子(製)、JSM−50A(商品名)〕で観察
したものの一例として実施例2で得られたものを
10000倍に拡大して写したものを第1図として示
めすが、他の例もほぼ同様に長手方向の平均直径
が約2μで厚みが約0.1μ以下の花弁状の集合体
で構成されていることが確認された。 さらにまた得られた珪酸カルシウムをX線回析
(2θを4.6〜60度)した結果の一例として実施例
3で得られたものの結果を第2図に示めすが、他
のものも全く同様のパターンを示した。 比較例として、塩化カルシウム水溶液(100
c.c.)の濃度として表1に示めす3種類のものに変
えた以外は全く同様にして実施した。その結果、
得られた珪酸カルシウムの嵩比容積、吸油量は表
1に示めす通りであつた。これらの実施例1〜
3、比較例1〜3で得られた珪酸カルシウムの嵩
比容積を縦軸に、横軸にCaO/R2O仕込み比をと
つてブロツトしたものを第3図に示めす。第3図
からも、CaO/R2O仕込み比1.05〜1.4の範囲で嵩
比容積が急激に高くなり、しかも範囲をはずれる
と低くなることは明白である。
【表】 実施例4〜6及び比較例4〜6 実施例1〜3の方法において、珪酸ナトリウム
水溶液として0.4065モル/の珪酸ナトリウム
(SiO2/Na2Oモル比1.8)水溶液100c.c.を用い、塩
化カルシウム水溶液として表2に示めす3種類の
ものを用いた以外は同様に実施した。 得られた珪酸カルシウムは実施例1〜3と同様
の花弁状の集合体で構成されていることが確認さ
れた。また実施例1〜3と同様の化学分析の結果
より、一般式については実施例4は2CaO・
3SiO2・0.48SiO2・2.08H2O、実施例5は2CaO・
3SiO2・0.48SiO22.07H2O、実施例6は2CaO・
3SiO2・0.49SiO22.08H2Oで示されることが判つ
た。実施例4〜6のものともX線回析パターンは
実施例3のものと同様であつた。得られた珪酸カ
ルシウムの嵩比容積及び吸油量は表2に示めす通
りであつた。 さらに比較例として、塩化カルシウム水溶液と
して表2に示めすものを用い同様に実施した。 得られた珪酸カルシウムの嵩比容積、吸油量は
表2に示めす通りであつた。これらの結果から
CaO/R2O仕込み比1.05〜1.4の範囲で嵩比容積、
吸油量とも急激に高くなることは明らかである。
【表】 実施例7〜9及び比較例7〜9 実施例1〜3の方法において、珪酸ナトリウム
水溶液として0.2824モル/の珪酸ナトリウム
(SiO2/Na2Oモル比3.0)水溶液100c.c.を用い、塩
化カルシウム水溶液として表3に示めす3種類の
ものを用いた以外は同様に実施した。得られた珪
酸カルシウムは実施例1〜3と同様の花弁状の集
合体で構成されていることが確認された。また実
施例1〜3と同様の化学分析の結果より、一般式
については実施例7は2CaO・3SiO2
2.83SiO22.54H2O、実施例8は2CaO・3SiO2
2.83SiO22.54H2O、実施例9は2CaO・3SiO2
2.84SiO2・2.55H2O、で示されることが判つた。
実施例7〜9のものともX線回析パターンは実施
例3のものと同様であつた。得られた珪酸カルシ
ウムの嵩比容積及び吸油量は表3に示めす通りで
あつた。 さらに比較例として、塩化カルシウム水溶液と
して表3に示めすものを用い同様に実施した。得
られた珪酸カルシウムの嵩比容積、吸油量は表3
に示めす通りであつた。これらの結果からCaO/
Na2O仕込み比1.05〜1.4の範囲で嵩比容積、吸油
量とも急激に高くなることは明らかである。
【表】 実施例10〜12及び比較例10〜12 実施例1〜3の方法において、塩化カルシウム
水溶液に変えて表4に示めす3種類の硝酸カルシ
ウム水溶液を用いた以外は同様に実施した。 得られた珪酸カルシウムは実施例1〜3と同様
の花弁状の集合で構成されていることが確認され
た。また実施例1〜3と同様の化学分析の結果よ
り、一般式については実施例10は2CaO・
3SiO2・2.05SiO22.33H2O、実施例11は2CaO・
3SiO2・2.05SiO22.35H2O、実施例12は2CaO・
3SiO2・2.06SiO22.34H2Oで示されることが判つ
た。実施例10〜12のものともX線回析パターンは
実施例3のものと同様であつた。得られた珪酸カ
ルシウムの嵩比容積及び吸油量は表4に示めす通
りであつた。 さらに比較例として、塩化カルシウム水溶液と
して表4に示めすものを用い同様に実施した。 得られた珪酸カルシウムの嵩比容積、吸油量は
表4に示めす通りであつた。これらの結果から
CaO/R2O仕込み比1.05〜1.4の範囲で嵩比容積、
吸油量とも急激に高くなることは明らかである。
【表】 実施例13〜15及び比較例13〜15 実施例1〜3の方法において、珪酸ナトリウム
水溶液にかえて0.3144モル/の珪酸カリウム
(SiO2/K2Oモル比2.6)水溶液100c.c.を用い、塩
化カルシウム水溶液として表5に示めす3種類の
のを用いた以外は同様に実施した。得られた珪酸
カルシウムは実施例1〜3と同様の花弁状の集合
体で構成されていることが確認された。また実施
例1〜3と同様の化学分析の結果より、一般式に
ついては実施例13は2CaO・3SiO2
2.06SiO22.34H2O、実施例14は2CaO・3SiO2
2.05SiO23.32H2O、実施例15は2CaO・3SiO2
2.05SiO23.34H2Oで示されることが判つた。実施
例13〜15のものともX線回析パターンは実施例3
のものと同様であつた。得られた珪酸カルシウム
の嵩比容積及び吸油量は表2に示めす通りであつ
た。 さらに比較例として、塩化カルシウム水溶液と
して表2に示めすものを用い同様に実施した。 得られた珪酸カルシウムの嵩比容積、吸油量は
表5に示めす通りであつた。これらの結果から
CaO/R2O仕込み比1.05〜1.4の範囲で嵩比容積、
吸油量とも急激に高くなることは明らかである。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で得られた珪酸カルシウムの電
子顕微鏡写真、第2図はX線回析チヤート図、第
3図は珪酸カルシウムの嵩比容積を縦軸に、横軸
にCaO/Na2O仕込み比をとつてプロツトしたグ
ラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 珪酸アルカリとカルシウム塩とを150℃〜250
    ℃の温度下に且つ溶媒の量が得られる珪酸カルシ
    ウムに対して5〜100重量倍の範囲で反応させる
    に際し、カルシウム塩の量を珪酸アルカリ中のア
    ルカリに対し1.05〜1.4倍当量とすることを特徴
    とする一般式2CaO・3SiO2・nSiO2・mH2O(但
    しm、nは正の数でnは0.1〜10)で示される珪
    酸カルシウムの製造方法。 2 珪酸塩が珪酸ナトリウムである特許請求の範
    囲1記載の方法。 3 珪酸塩が珪酸カリウムである特許請求の範囲
    1記載の方法。 4 カルシウム塩が塩化カルシウムである特許請
    求の範囲1記載の方法。 5 カルシウム塩が硝酸カルシウムである特許請
    求の範囲1記載の方法。 6 溶媒の量が得られる珪酸カルシウムに対して
    15〜70重量倍である特許請求の範囲1記載の方
    法。 7 溶媒が水である特許請求の範囲1記載の方
    法。
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