JPS6150059B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はパンチプレスに関わり、更に詳細には
多数のパンチとダイの対を１定の面積に密集的に
接近してプレスのテーブル上に固設したパンチプ
レス及びこれらのパンチを打圧するストライカー
の位置を選択して移動する装置を備えたパンチプ
レスに関するものである。

従来のパンチプレスで多種類の穴加工を行うに
あたつて、工具の交換を迅速に行うことのできる
ものは、２段の円盤又は扇状の盤上の同１円弧上
又は同芯の複列円弧上に多数のパンチとダイの対
を固設し、２段の円盤又は扇状の盤を同期的に回
転して所望のパンチとダイの１対を選択して穴抜
き加工（以下にパンチングと呼ぶ）を行つてい
た。

このようなパンチプレスは工具交換が迅速にで
きる効果はあるが上記の盤を回転する時に必らず
ダイが被加工板材の下面をこすつて移動するから
板材に擦傷をおこすおそれがあり、装置全体が大
規模のものになるなどの問題点があつたのであ
る。

更に従来はパンチプレスに対して被加工板材を
正確に位置決めする手段として、数値制御のＸ
軸、Ｙ軸位置決めキヤリツジが使われており、予
めパンチプレスのテーブル上に設けられたＸ軸方
向位置決めピンに当てて被加工板材を置き、キヤ
リツジの把持爪を数値制御のＹ軸方向基準線と１
致させて板材を把持してから板材の移動を開始す
る方式であり、パンチとダイの各対が加工位置に
位置を占める事は専ら工具の保持機構の責任とな
つていたのである。ところが多数の工具ホルダに
ついて加工誤差を認めないわけには行かないか
ら、せつかく数値制御のキヤリツジによつて被加
工板材の位置決めを行つても、移動して加工位置
に配置されるパンチとダイの各対の停止位置では
高精度の位置加工に問題があつたのである。本発
明ではパンチとダイの各対が全く位置を変えない
ことから、ホルダに固定した時点で規準原点から
のＸ軸、Ｙ軸距離を数値制御装置に記憶させてお
いて修整分を加味した被加工材位置決めを行い、
パンチング工具のセツテイング工数を大巾に縮減
することもできるのである。

本発明は上記の欠点を克服し、更に上記の長所
を生かすべくなされたもので、以下に図面にもと
づいて好適実施例を詳細に説明する。

第１図は本発明を実施したパンチプレスで、１
で示すのが総括的なパンチプレス、３はその上部
フレーム、５は下部フレーム、７は上下フレーム
を繋ぐコラムである。上部フレーム３はコラム７
から片持で大きく張り出しているから堅固な枠組
に作られ図示のように先端附近に９の駆動軸を回
転自在に保持し、図示を省略した駆動手段でこれ
を回転する。１１は図示の例では偏芯盤で、１３
はコネクテイングロツド、１５はラムで左右２個
あるが、その下方にＴ溝付梁部材１７で結合され
て１体化してあり図示を省略した回転軸方向両端
で案内され上下に移動運動をする。

下部フレーム５の中央上部にある１９は固定テ
ーブル、２１はその左右に設けられたＹ軸方向へ
移動自在は可動テーブル、２３は該左右可動テー
ブルに固設されたＸ軸ガイドレール、２５は該Ｘ
軸ガイドレール上をＸ軸方向に移動するキヤリツ
ジ、２７は該キヤリツジにＸ軸方向に位置を調
整、固定自在な板材把持装置である。２９はＣ形
状の金型ホルダで上部フレーム３、下部フレーム
５、コラム７と同様に上腕３１、下腕３３、図に
表れていない基柱部３５からなり、下腕３３は固
定テーブル１９の下で基台３７に固定されてい
る。即ち総括的な金型ホルダ２９は上部フレーム
３とは独立した上腕３１を上部フレーム３の下で
空中に浮かした状態に保持しているもので、前記
した板材把持装置２７に先端辺を把持された被加
工板材は、キヤリツジ２５のＸ軸方向移動と、可
動テーブル２１のＹ軸方向移動に従つて上腕３１
と下腕３３との間を移動自在である。３９はパン
チホルダ群、４１はダイホルダ群である。これら
のホルダに図示の場合８種類のパンチと、対応す
る８種類のダイを着装するものでホルダ群も図示
のように巾の大きいものから小さいものまで各種
用意されている。第２，３，４図に詳記してある
ように前記Ｔ溝付梁部材１７のＴ溝にＴ形摺動ブ
ロツク４３が嵌装されており、この中央を貫いて
ストライカー部材４５が取りつけてある。ストラ
イカー部材はＴ形摺動ブロツク４３の中で若干上
方向に摺動できるように構成し、Ｔ溝の天井との
間に緩衝機構とか、シヤープレートを設けること
も自在としてある。前記Ｔ形摺動ブロツク４３の
前方側には、タイミングベルト４７の両端を固定
してあり、このタイミングベルト４７は、Ｔ溝付
梁部材１７の左右端に取りつけたプーリ４９を介
してＴ形摺動ブロツク４３の前方外側をまわつて
環状をしており、Ｔ溝付梁部材１７の前方１端に
固設したサーボモータ５１の軸に設けたギヤー５
３と係合している。

第３図、第４図に５５で示したものはセンサ
で、何れもパンチとダイを金型ホルダに固定した
時に、これらのＸ軸方向中心位置に固定し、前記
したＴ形摺動ブロツク４３が移動してそのＸ軸方
向中心と１致する位置を占めたことを確認するた
めのものである。

以上詳記したように本実施例の装置は、各種の
形状寸法のパンチとダイの対を直線的に密集して
固定したために、例えば４角の穴をパンチングし
た直後に丸穴をパンチングするなど工具を交換す
る場合にパンチとダイの対を移動する必要がな
く、単にストライカー部材を直線的に移動すれば
足りるからパンチプレスの構造が簡単になり、し
かも被加工板材の下面を擦傷することもなく、工
具交換のロスタイムも大巾に縮減できる効果を奏
するものである。

又ストライカー部材の直線移動に対しては、サ
ーボモータとタイミングベルトを使用し、更に金
型中心位置とストライカー部材の中心位置との整
合をチエツクするセンサを設けたので所望の位置
に必要なパンチングが正確に可能となつたのであ
る。

以上のごとき実施例の説明により理解されるよ
うに、要するに本発明の要旨は特許請求の範囲に
記載のとおりであるから、その記載より明らかな
ように、本発明においては、下部フレームに隣接
配置された複数のダイホルダと対応するパンチホ
ルダを支承した上腕は上部フレームと別個に設け
てあり、上部フレームにストライカー部材が支承
されているものである。したがつて本発明によれ
ば、被加工材の打抜き加工時における抗力によつ
て上部フレームに撓みを生じるような場合であつ
ても、上腕には何等の撓みを生じるようなことが
なく、ダイホルダとパンチホルダとの軸心は常に
一致しており、加工精度が向上すると共に、心ず
れ等によるかじり現象等を生じるようなことがな
いものである。また、本発明によれば、複数のパ
ンチホルダおよびダイホルダは定位置に設定され
ており、ストライカー部材が各パンチホルダの上
方に移動位置決めされるものである。したがつ
て、パンチホルダ等の位置精度は極めて良いもの
である。

また、本発明によれば、上下動自在に設けられ
た梁部材の両端部付近に設けられた回転体にエン
ドレス部材が掛回してあり、このエンドレス部材
には、梁部材にＸ軸方向へ移動自在に支承された
ストライカー部材が連結してあつて、ストライカ
ー部材は各パンチホルダの上方位置に位置決め自
在に設けられているものである。したがつて本発
明によれば、ストライカー部材を梁部材の両端部
付近にまで拡範囲に亘つて移動できるにも拘ら
ず、その移動機構をコンパクトにまとめることが
でき、ストライカー部材を移動するための機構の
全体的機構を小型化できるものである。また、選
択された各パンチホルダに対してストライカー部
材を確実に対応できるで、狭い領域により多くの
パンチホルダを隣接配置した構成とすることがで
き、かつ選択されたパンチホルダ以外の他のパン
チホルダ等が同時に作動されるような問題がない
ものである。また移動対象物は比較的小さなスト
ライカー部材であるから、各パンチホルダに対応
する位置へのストライカー部材の移動位置決めが
迅速かつ正確に行なわれ得ると共に、ストライカ
ー部材を移動するための制御用モータ等は比較的
小型のものでよく、構造簡単にして安価なパンチ
プレスを提供し得るものである。

さらに本発明においては、被加工材をＸ軸方向
およびＹ軸方向へ移動し位置決めする移動位置決
め装置が下部フレームと上腕との間に設けられて
いるので、被加工材の位置決めのための移動部が
フレーム側に位置することとなり、全体的構成が
コンパクトになるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本装置の全体斜視図、第２図は、ス
トライカー部材を直線的に移動する装置の部分断
面図、第３図は、第２図の−断面矢視図、第
４図は、第３図の−断面矢視図である。 図面の主要部分を表わす符号の説明、１……パ
ンチプレス、１７……Ｔ溝付梁部材、２９……金
型ホルダ、３１……上腕、３３……下腕、３９…
…パンチホルダ群、４１……ダイホルダ群、４３
……Ｔ形摺動ブロツク、４５……ストライカー部
材、５１……サーボモータ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 下部フレーム５に設けられた基台３７に複数
   のダイホルダをＸ軸方向に隣接配置して設け、下
   部フレーム５に基部側を支承された上腕３１の先
   端部に、前記ダイホルダと対応する複数のパンチ
   ホルダを装着して設け、上記上腕３１の上方に設
   けられた上部フレーム３の先端部付近に、Ｘ軸方
   向に延伸した梁部材１７を上下動自在に設け、こ
   の梁部材１７の両端部付近に設けられた回転体に
   エンドレス部材を掛回して設けると共にエンドレ
   ス部材を駆動する駆動装置を梁部材に装着して設
   け、前記梁部材に支承されたストライカー部材４
   ５を前記エンドレス部材に連結して設けると共に
   Ｘ軸方向へ移動自在かつ各パンチホルダの上方位
   置に位置決め自在に設け、Ｘ軸方向およびＹ軸方
   向へ被加工材を移動して前記パンチホルダとダイ
   ホルダとの間へ被加工材を移動位置決めするため
   の移動位置決め装置を、前記下部フレーム５と前
   記上腕３１との間に設けてなることを特徴とする
   パンチプレス。 ２ 下部フレーム５に設けられた基台３７に複数
   のダイホルダをＸ軸方向に隣接配置して設け、下
   部フレーム５に基部側を支承された上腕３１の先
   端部に、前記ダイホルダと対応する複数のパンチ
   ホルダを装着して設け、上記上腕３１の上方に設
   けられた上部フレーム３の先端部付近に、Ｘ軸方
   向に延伸した梁部材１７を上下動自在に設け、こ
   の梁部材１７に支承されたストライカー部材４５
   をＸ軸方向へ移動自在かつ各パンチホルダの上方
   位置に位置決め自在に設け、Ｘ軸方向およびＹ軸
   方向へ被加工材を移動して前記パンチホルダとダ
   イホルダとの間へ被加工材を移動位置決めするた
   めの移動位置決め装置を、前記下部フレーム５と
   前記上腕３１との間に設けてなり、各パンチホル
   ダのＸ軸方向の中心位置とストライカー部材の中
   心の整合を検出するセンサを各パンチホルダに対
   応して設けてなることを特徴とするパンチプレ
   ス。