JPS6149473B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は軟弱地質の所にトンネル（坑道・地下
発電所建設用空洞等を含む）を掘るための工法、
特にその掘削個所が地表、斜面、既設トンネルの
天井・壁・床などの、所謂地山解放面から余り深
くない場合に適する掘削工法、及びその工法の実
施の際使用するロツクアンカーに関するものであ
る。

トンネルの掘削に際し、掘削個所及びその周辺
部の地山に予め多数のロツクアンカーを設置して
地山を安定させてから掘ると、安全性・作業性・
経済性等の面で有効であることは知られている。

その場合鋼棒製のロツクアンカーを設置する
と、掘削の際、掘削機の刃がロツクアンカーに触
れて傷むおそれがある。ロツクアンカーに触れな
いように避けて掘ればよいけれども、ロツクアン
カーの位置が定かでないから作業は困難である。

又或程度掘り進んだところで、切羽に露出した
ロツクアンカーを切断除去しなければならない
が、ガス切断機や動力鋸を必要とし、切断に手間
がかかる。

そこで掘削機の刃がロツクアンカーに触れても
刃を傷めず、又その刃で容易に切断できるロツク
アンカーとして、木製・竹製及びガラス繊維で補
強した合成樹脂製のものがあるけれども、木製・
竹製等は耐張力に乏しく、又合成樹脂製は高価で
ある。

本発明は上記従来工法における問題点を解決す
るトンネルの掘削工法及びその工法の実施に使用
するロツクアンカーを提供することを目的とす
る。

図面に示すように、耐張力並びに剪断応力の大
きいロツクアンカー１と、耐張力を有し切断容易
なロツクアンカー２とを連結して成る多数本のロ
ツクアンカーを、地山３にその解放面４から、上
記切断容易な部分２が掘削個所３１に位置するよ
うに設置する。

そうすると掘削個所３１の仮補強と、その周辺
部３２の地山の永久補強とが同時に行なわれる。

次いでその仮補強された個所３１を、トンネル
ボーリングマシンやロードヘツダその他の掘削機
で掘るもので、その部分３１に設置されているロ
ツクアンカー２は、耐張力はあるが剪断応力が小
さいので、掘削機の刃で掘削と同時に容易に切断
される。手掘りの場合は、上記ロツクアンカー２
を鋸その他の刃物で適宜切断しながら掘り進むも
のである。

第１図は地表４の直下にトンネルを掘削する場
合、第２図は法面４に沿つてトンネルを掘削する
場合、第３図は既設トンネルの床４の下方に別の
トンネルを掘る場合、第４図は同じく既設トンネ
ルの天井４の上方にトンネルを新設する場合、又
第５図はトンネル又は空洞を拡張する場合のそれ
ぞれにおけるロツクアンカーの配置要領を例示し
たもので、掘削個所３１から外れた位置にもロツ
クアンカー１′を設置して地山補強するを可とす
る。このアンカー１′は従来の鋼棒アンカーでよ
い。

本発明方法で使用するロツクアンカーは、掘削
個所３１の地山解放面からの深さ・形状・大きさ
及び各アンカーの打込位置により、その耐張力並
びに剪断応力の大きい部分１と、耐張力を有し切
断容易な部分２の長さを予め設定して連結する。

耐張力並びに剪断応力の大きいロツクアンカー
１には鋼棒・鋼管・ワイヤ等の金属製のものを用
い、耐張力を有し切断容易なロツクアンカー２に
は、ガラス繊維入り合成樹脂棒或いは管、木、竹
の棒などの非金属製のものを用いる。

金属製ロツクアンカー１と非金属製ロツクアン
カー２とは、第６図のようにカツプラ５をはめて
接着剤６で固着する。又は第７図のように、金属
製ロツクアンカー１とカツプラ５はねじ７で結合
する。

ロツクアンカー１，２の設置方法について説明
すると、地山３に地表４から所定の深さの孔８を
あけ、その中に第８図に示すように、連結したロ
ツド状ロツクアンカー１，２を、その非金属部分
２が掘削個所３１に位置するように挿入し、ロツ
クアンカー１，２と孔壁との間隙にモルタル、セ
メントペースト又は合成樹脂充填材を注入個化さ
せる。

第９図は周面に数多の小孔９がある管製ロツク
アンカー１，２（両者１，２は内部で通じてい
る）を用いた例で、この場合はロツクアンカー
１，２の中に、モルタル、セメントペースト又は
合成樹脂充填材を圧入し、それらの充填材を小孔
９から、アンカーと孔壁との間隙に押出して孔８
を充填するものである。パイプ状アンカーを用
い、充填材を先端の口から押出すようにしてもよ
い。

本発明は上述のように、トンネルの掘削に当
り、耐張力並びに剪断応力の大きいロツクアンカ
ー１と、耐張力を有し切断容易なロツクアンカー
２とを連結して成る多数本のロツクアンカーを地
山３に、その解放面４から上記切断容易な部分２
が掘削個所３１に位置するように設置するから、
前もつて掘削個所３１の仮補強と、その周辺部３
２の地山の永久補強とが同時に行われ、掘削に当
つての軟弱地質の安定化を確実に実施できる。特
に坑内現場におけるロツクアンカー設置工事の必
要がないので、作業能率が上がる。

そして掘削個所３１を仮補強しているロツクア
ンカー２は、掘削機によつて掘削と同時にその刃
で、又普通の鋸等で容易に切断できるから、従来
の鋼棒ロツクアンカーで掘削個所を仮補強した場
合のように、掘削刃を損傷したり、ガス切断機を
使用する必要がなくて作業が簡単能率的である。

又上記ロツクアンカー２に、ガラス繊維補強合
成樹脂棒又は管を用いたとしても、それは掘削個
所３１に位置する長さだけで、他の部分１は鋼棒
又は鋼管でよいから、コスト高になることはない
もので、軟弱地質の地山解放面から余り深くない
所にトンネルを掘る工法、及びその場合に使用す
るロツクアンカーとして効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は、本発明工法におけるロツ
クアンカーの設置要領を示す地山の縦断面図、第
６図、第７図は本発明ロツクアンカーの連結部の
縦断正面図、第８図、第９図はロツクアンカー設
置工程を示す正面図。 １は耐張力並びに剪断応力の大きいロツクアン
カー、２は耐張力を有し切断容易なロツクアンカ
ー、３は地山、３１は掘削個所、３２は掘削個所
の周辺部、４は地山解放面、５はカツプラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 耐張力並びに剪断応力の大きいロツクアンカ
   ーと、耐張力を有し切断容易なロツクアンカーと
   を連結して成る多数本のロツクアンカーを地山
   に、その解放面から切断容易な部分が掘削個所に
   位置するように設置して、掘削個所の仮補強と、
   その周辺部の地山の永久補強とを同時に行ない、
   掘削と共にロツクアンカーを切断しながら掘進す
   ることを特徴とするトンネルの掘削工法。 ２ 耐張力並びに剪断応力の大きいロツクアンカ
   ーと、耐張力を有し掘削機で容易に切断できるロ
   ツクアンカーとを連結一体化したことを特徴とす
   るロツクアンカー。