JPS6146552Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電子楽器に使用さるタツチレスポン
ス用接点構造に関する 一般に、電子オルガン、電子ピアノ等の電子楽
器にあつては、打鍵の強弱に応じて、音量、音色
等の制御を行なうタツチレスポンス効果を備えた
ものが知られている。このタツチレスポンス効果
を奏する接点構造としては、実装スペースが小さ
く、組立て工程が簡単で、しかも確実な接点導通
を行なうものが望まれている。

しかしながら、従来の電子楽器にあつては、複
数のリーフスイツチを順次導通させてタツチレス
ポンス効果を得る接点構造が用いられているが、
このような接点構造では実装スペースが大きくな
り、機器全体も大型化するという欠点があつた。

この考案は、以上の点を考慮してなされたもの
で、その目的は簡単な構造で、かつ確実なタツチ
レスポンス効果を得ることができるタツチレスポ
ンス用接点構造を提供することである。

以下、この考案の一実施例を第１図及び第２図
に基づいて詳細に説明する。図中１はプリント基
板であつて、このプリント基板１は、鍵を多数配
列するための鍵盤シヤーシ（図示せず）に配設さ
れている。このプリント基板１上でかつ鍵（図示
せず）のアクチユエータ２の下方には、固定接点
体３が接着剤により固着されている。この固定接
点体３は、第２図に示すように、全体として円柱
状に構成されている。すなわち、導電性ゴムから
なる一対の導電性部材４ａ，４ｂ、５ａ，５ｂ、
６ａ，６ｂ）と絶縁性ゴムからなる一対の絶縁性
部材７ａ，７ｂ、８ａ，８ｂとを交互に積み重ね
るとともに、これらを２分割してこの間に絶縁性
ゴムからなる仕切板９を挾んだ構成になつてい
る。したがつて、固定接点体３は、仕切部９を境
にして、左半分が導電性部材４ａ，５ａ，６ａと
絶縁性部材７ａ，８ａとからなり、また右半分が
導電性部材４ｂ，５ｂ，６ｂと絶縁性部材７ｂ，
８ｂとからなつている。また、固定接点体３は、
上から第１の導電性部材４ａ，４ｂ、第１の絶縁
性部材７ａ，７ｂ、第２の導電性部材５ａ，５
ｂ、第２の絶縁性部材８ａ，８ｂ、第３の導電性
部材６ａ，６ｂとが順に積み重ねられいる。

そして、固定接点体３は導電性のピン１０，１
１によりプリント基板１に電気的に接続されてい
る。すなわち、このピン１０，１１は、共に略Ｌ
字状に形成されていて、プリント基板１の下面か
らプリント基板１の挿通孔１ａ，１ａおよび固定
接点体３内を通して固定接点体３の最上部に位置
する第１の導電性部材４ａ，４ｂ内にピン１０，
１１の先端部を挿入配置し、かつピン１０，１１
の下端部をプリント基板１の下面に半田付け１２
により固着している。この結果、ピン１０，１１
はプリント基板１の下面に形成されたプリント配
線１３，１４に各々電気的に接続され、前記ピン
１０は仕切部９を境にして左半分の固定接点体３
に挿入されており、またピン１１は右半分の固定
接点体３に挿入されている。

さらに、プリント基板１上には、絶縁性ゴム等
からなる弾性シート１５が貼着されており、しか
も固定接点体３に対応する箇所の弾性シート１５
が上方に膨出形成されている。したがつて、弾性
シート１５の膨出部１６は、打鍵操作によりアク
チユエータ２が押し下げられた際、膨出部１６が
押し下げられて弾性変形し、またその後膨出部１
６自身の弾性により元の状態に復帰するようにな
されている。

また、膨出部１６の上部には、アクチユエータ
２の下面が当接する当接部１７が形成されてお
り、この当接部１７の内側下面には、固定接点体
３の外周面に摺接する可動接点体１８が形成され
ている。この可動接点体１８は、円筒状に形成さ
れていて、その内径は固定接点体３の外径よりも
若干大きく形成され、かつその下端部には固定接
点体３の外径と同径もしくは若干小さい内径を有
する摺接部１９が形成された構成になつている。
この場合、摺接部１９が固定接点体３の最下部の
導電性部材６ａ，６ｂに接触してこれらを導通さ
せるために、当接部１７にも可動接点体１８と同
径の貫通孔１７ａが形成されている。この可動接
点体１８は、導電性ゴムからなつていて、互いに
対向配置された一対の導電性部材４ａ，４ｂ、５
ａ，５ｂ、６ａ，６ｂ同志を導通させるものであ
る。したがつて、可動接点体１８は、前記打鍵操
作による膨出部１６の弾性変形に伴つて摺接部１
９が固定接点体３の外周面を摺動して、第１、第
２、第３の各導電性部材４ａ，４ｂ、５ａ，５
ｂ、６ａ，６ｂを順次導通させ、また非打鍵時に
は第１の導電性部材４ａ，４ｂを導通させるよう
に構成されている。また、摺接部１９の厚さは、
固定接点体３の絶縁性部材７ａ，７ｂ、８ａ，８
ｂの厚さよりも薄く形成されている。これは、摺
接部１９により、第１の導電性部材４ａ，４ｂと
第２の導電性部材５ａ，５ｂあるいは第２の導電
性部材５ａ，５ｂと第３の導電性部材６ａ，６ｂ
とが導通しないようにするためである。

ところで、プリント基板１上に取り付けられた
固定接点体３の回路構成は、第１、第２、第３の
各導電性部材４ａ，４ｂ、５ａ，５ｂ、６ａ，６
ｂにより各接点を構成し、例えばこれら各接点の
一端側は接地されており、また他端側はOUT端
子に接続されているとともに・Ｖ・レベルの信号
が抵抗を介して入力される。したがつて、各接点
のうちいずれか一つの接点がONすると、OUT端
子は・Ｏ・レベルとなり、また各接点がいずれも
OFFのときは、OUT端子は・Ｖ・レベルとな
る。

次に、上記のようにして電子楽器に組み込まれ
たタツチレスポンス用接点の作用について説明す
る。まず、打鍵操作により鍵に形成されたアクチ
ユエータ２を押し上げる。すると、アクチユエー
タ２の下面が弾生シート１５の当接部１７に当接
して、膨出部１６の弾性力に抗して当接部１７を
押し下げ、膨出部１６を弾性変形させる。このよ
うに膨出部１６が弾性変形すると、この弾性変形
に伴つて可動接点体１８が固定接点体３の外周面
を摺動する。この場合、可動接点体１８の摺接部
１９は、まず第１の導電性部材４ａ，４ｂを導通
させた状態から第１の絶縁性部材７ａ，７ｂ間を
通過して、第２の導電性部材５ａ，５ｂを導通さ
せ、さらに第２の絶縁性部材８ａ，８ｂ間を通過
して、第３の導電性部材６ａ，６ｂを導通させ
る。

これにより、可動接点体１８の摺接部１９が第
１、第２の各絶縁性部材７ａ，７ｂ、８ａ，８ｂ
間を通過する際の時間幅（OUT端子から・Ｖ・
が出力され続けている時間）をデイジタル回路で
計数して、音量、音色等の制御を行なう。この場
合、時間幅は打鍵の強弱により変化する。

なお、上述した実施例にあつては、可動接点体
１８の摺接部１９が第１、第２の各絶縁性部材７
ａ，７ｂ、８ａ，８ｂ間を通過する時間により、
音量、音色等を制御しているが、この考案は、こ
れに限られることなく、例えば固定接点体を上か
ら第１の絶縁性部材、第１の導電性部材、第２の
絶縁性部材、第２の導電性部材、第３の絶縁性部
材の順に積み重ねて構成し、第１、第２の各導電
性部材が導通している時間を検出して、この導通
時間により、音量、音色等を制御するようにした
ものであつてもよく、要は、可動接点体により固
定接点体が導通している時間、あるいは非導通時
間のうち、いずれかの時間幅により、音量、音色
を制御するものであればよいことは勿論である。

また、上述した実施例にあつては、可動接点体
１８が円筒状に形成されているが、この考案は、
これに限られることなく、例えば角筒状、楕円筒
状等の筒状体であつてもよいことは勿論である。
したがつて、可動接点体の形状に合わせて、固定
接点体３の形状も、角柱状、楕円柱状等の柱状体
として形成されればよい。

さらに、この考案は、上述した実施例の固定接
点体３に限られることなく、例えば仕切部１０，
１０を境にして左右のいずれか一方を導電性部材
だけで構成したものであつてもよい。

また、前述した実施例にあつては、固定接点体
３に仕切部１０，１０を設けて、左右の導電性部
材５ａ，５ｂ、６ａ，６ｂ、７ａ，７ｂが導通し
ないようになされているが、この考案は、これに
限られることなく、左右の各導電性部材が互いに
導通しないように離して固定接点体を構成しても
よいことは勿論である。

さらに、上述した実施例にあつては、当接部１
７にも貫通孔１７ａが形成されているが、可動接
点体１８の長さが固定接点体３よりも十分に長く
形成されていれば、前記貫通孔１７ａを設ける必
要はない。

さらにまた、この考案は、前述した実施例の固
定接点体に限られることなく、導電性部材と絶縁
性部材とを前述した実施例以上に交互に多重層に
積み重ねたものであつてもよいことは勿論であ
る。

なお、この考案は、電子ピアノ、電子オルガン
等の電子楽器に限られることなく、例えば発音機
能を有する小型電子計算機等の電子機器にも適用
することができる。

以上詳細に説明したように、この考案のタツチ
レスポンス用接点構造は、導電性部材と絶縁性部
材とを交互に積み重ねてなる第１の固定接点と、
この第１の固定接点の側面に少くとも対向する導
電性部材を有する第２の固定接点と、積み重ねら
れた導電性部材間の電気的接続を行なう接続部材
とからなる固定接点体をプリント基板上に設け、
かつこのプリント基板上に弾性シートを設けると
ともに前記固定接点体に対応する箇所の弾性シー
トを膨出形成し、この膨出形成された弾性シート
の内側に膨出形成部分の弾性変形に伴つて前記固
定接点体の外周側面を摺動して、前記第１、第２
の固定接点の対向する導電性部材を順次導通させ
てタツチレスポンス信号を得るようにした可動接
点体を設けてなる構成であるから、デイジタル回
路に容易に組み込むことができ、しかも音量、音
色等の制御を良好に行なうことができるばかり
か、その構造が簡単でかつ組立て作業が容易にで
き、しかも実装スペースが小さくてすみ、このた
め機器の小型化を計ることができる等種々の優れ
た効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係るタツチレスポンス用接
点構造を示す断面図、第２図はその要部の分解斜
視図である。 １……プリント基板、３……固定接点体、４
ａ，４ｂ，５ａ，５ｂ，６ａ，６ｂ……導電性部
材、７ａ，７ｂ，８ａ，８ｂ……絶縁性部材、１
５……弾性シート、１６……膨出部、１８……可
動接点体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 導電性部材と絶縁性部材とを交互に積み重ねて
   なる第１の固定接点と、この第１の固定接点の側
   面に少くとも対向する導電性部材を有する第２の
   固定接点と、積み重ねられた導電性部材間の電気
   的接続を行なう接続部材とからなる固定接点体を
   プリント基板上に設け、かつこのプリント基板上
   に弾性シートを設けるとともに前記固定接点体に
   対応する箇所の弾性シートを膨出形成し、この膨
   出形成された弾性シートの内側に膨出形成部分の
   弾性変形に伴つて前記固定接点体の外周側面を摺
   動して、前記第１、第２の固定接点の対向する導
   電性部材を順次導通させてタツチレスポンス信号
   を得るようにした可動接点体を設けてなるタツチ
   レスポンス用接点構造。