JPS6146237Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は、羽根車を回転軸に押圧する簡単な操作
で、羽根車を回転軸に取り付けることのできる装
置を提供するものである。

従来羽根車と回転軸との固定には第１図乃至第
４図に示す方法が採用されていた。

即ち、羽根車１は有底円筒状の羽根胴２と、該
羽根胴の周囲に一体成型される複数枚の羽根板３
とよりなる。前記羽根胴２の中央には回転軸４に
嵌挿される嵌挿穴５を有した筒状のボス部６を設
け、該筒状のボス部６には複数のすり割溝７が形
成されている。該すり割溝７が形成されたボス部
６の外周にはコイル状バネ体８を嵌挿し、該バネ
体８にて回転軸４の嵌挿穴５が縮小される様にし
ている。よつて羽根車１を取り付ける時は回転軸
４に羽根車のボス部６が嵌挿するように押圧する
とボス部の外周に設けたバネ体８が外方に拡げら
れて回転軸４に羽根車のボス部６が嵌挿し、バネ
体８の弾性により羽根車のボス部６の内面が回転
軸４に密着して羽根車が回転軸に取り付けられる
ものである。

しかしながら前記すり割り溝７はその溝幅が一
定であると共に、該すり割り溝を成型するための
金型の強度を考えると前記溝幅を小さくすること
はできず、比較的その溝幅が大きなものであつ
た。よつて前記ボス部６にバネ体８を嵌挿せしめ
た時、前記すり割り溝７にて分割された弾性切片
９がそれぞれの先端が当接しあうまで大きくたわ
む。よつてボス部６を形成する材料が大きな曲け
力に対して弱いものであると折れることがあつ
た。また前記弾性切片９が大きくたわむと前記ボ
ス部６の嵌挿穴５入口の穴径が前記回転軸４の軸
径に比べて嵌挿しにくい程小さくなり、大きな押
圧力を必要とした。

本案は上記点に鑑みなされたもので、以下本案
の一実施例を第５図乃至第６図に基づき説明す
る。なお従来と同一構造部分については同じ番号
を附すと共に説明を省略する。

前記ボス部６に形設したすり割り溝１０の断面
形状をロート状に形設し、該溝１０の嵌挿穴５対
する縁部間の幅を広く、ボス部外側面に対する縁
部間の幅を狭く形設していると共に、前記ボス部
外側面に対する縁部に狭い同一幅形式部分１１を
形設したものである。よつて前記ボス部６にバネ
体８を嵌挿せしめると前記すり割り溝１０にて分
割された弾性切片１２がたわむが、前記狭い同一
幅形成部分１１が互いに当接するので、前記弾性
切片１２が大きくたわむことがなく、回転軸４へ
の嵌挿が容易に行なえるものである。また前記弾
性切片１２が曲りすぎにより折れるといつたこと
を防止することができ、前記ボス部６を曲げ力に
対して弱いAS樹脂等で成型できるものである。
また前記狭い同一幅形成部分１１を成型するに際
して金型はその断面がロート状であるので、強度
も十分に確保でき、長期の使用に耐えるものであ
る。

第７図は本案の他の実施例を示すもので、前記
実施例とは逆にすり割り溝１３の嵌挿穴５対する
縁部間の幅を狭く、前記ボス部外側面に対する縁
部間の幅を広く形設したものである。よつて前記
回転軸４に対する嵌挿穴５内面の当接面積が広く
なり、より確実に装着できるものである。

以上の如く本案は羽根車のボス部にすり割溝を
形成し、ボス部の外周にはバネ体を嵌着し、該バ
ネ体の弾性力にてボス部の内面を回転軸に圧接せ
しめるので、羽根車の回転軸への取り付けを容易
に行なえるものである。前記すり割溝は該溝の内
縁から外縁に向い漸次溝幅を異ならしめて形成し
たので、前記バネ体の弾性力で、前記すり割溝を
形成したボス部が内側に大きくたわむことがな
く、ボス部の回転軸への嵌着をスムーズに行なえ
ると共に、前記たわみによりボス部が破損するこ
とかなく、溝幅が小さい部分を成型するにもかか
わらず、金型には十分な強度を持たすことができ
る等、実用的効果大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は従来例を示すもので、第１
図は要部断面図、第２図は第１図の−断面
図、第３図は要部分解断面図、第４図は第３図の
−矢視図である。第５図は本案の一実施を示
す要部断面図、第６図は第５図の−断面図、
第７図は他の実施例のボス部背面図である。 １……羽根車、６……ボス部、１０，１３……
すり割溝、８……バネ体、４……回転軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 羽根車のボス部にすり割溝を形成し、ボス部の
   外周にはバネ体を嵌着し、該バネ体の弾性力にて
   ボス部の内面を回転軸に圧接せしめるものに於
   て、前記すり割溝は該溝の内縁から外縁に向い漸
   次溝幅を異ならしめてなる羽根車の取付装置。