JP3354056B2 - グロメット - Google Patents

グロメット

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JP3354056B2
JP3354056B2 JP27252796A JP27252796A JP3354056B2 JP 3354056 B2 JP3354056 B2 JP 3354056B2 JP 27252796 A JP27252796 A JP 27252796A JP 27252796 A JP27252796 A JP 27252796A JP 3354056 B2 JP3354056 B2 JP 3354056B2
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grommet
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パネルの貫通孔を
閉塞するための、例えばゴムで成形された圧入式のグロ
メットに関する。
【0002】
【従来の技術】図4(a)、(b)に従来のこの種のグ
ロメット1を示す。このグロメット1は、全体がゴムで
一体成形されており、周壁3と前端閉塞壁2とを備えて
いる。周壁3の外周には、パネルの貫通孔の内周縁に対
する嵌着溝5が形成され、その前側には、貫通孔への圧
入に応じて周壁3を内方へ撓ませるための案内用のテー
パ4が形成され、周壁3の内周側には、周壁3の撓みを
許容するための凹所7が確保されている。
【0003】このグロメット1を用いる場合は、図5に
示すように、グロメット1の周壁3の後端面6を数個所
順番に指で押しながら、パネルPの貫通孔Paに圧入す
る。そして、圧入に応じてテーパ4の作用で周壁3を内
方に撓ませ、周壁3の外周の嵌着溝5を貫通孔Paの内
周縁に嵌める。それにより、貫通孔Paを閉塞すること
ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来ではパ
ネルPの貫通孔Paへ装着する際に、グロメット1の後
端面6を数個所指で押しながら装着する必要があるた
め、装着作業性が悪かった。また、部分的に周壁3の後
端面6を押圧するため、周壁3に対する力のかかり方が
均等でなくなり、局部的な変形を生じた状態で、グロメ
ット1が貫通孔Paに装着されてしまうことがあった。
特に、図示例のような楕円形(長円形も含める)のグロ
メット1の場合、パネルPの貫通孔Paに装着した状態
で、図6のような変形(変形量d)を起こしやすく、そ
うなった場合、防水性能を損ねる可能性もあった。
【0005】本発明は、上記事情を考慮し、一箇所を指
で押すだけで、周壁全体に均等に力をかけることがで
き、その結果、局部的な変形を起こさずに、簡単にパネ
ルの貫通孔に装着することのできるグロメットを提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、周壁
と前端閉塞壁とを備え、パネルの貫通孔に圧入すること
により、前記周壁を撓ませながら周壁の外周の嵌着溝
前記貫通孔の内周縁に嵌めることで、貫通孔を閉塞す
る弾性材料製のグロメットにおいて、前記周壁と前記
端閉塞壁とで形成される凹所内に、該凹所の中心部で交
差し、前記周壁に連続する押圧リブが形成されている
とを特徴とする。
【0007】このグロメットでは、押圧リブの中心部を
指で押すことにより、その押圧力を周壁に分散して伝え
ることができる。従って、周壁全体を均等な力でパネル
の貫通孔に圧入することができる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載のグロメ
ットであって、前記押圧リブが、前記前端閉塞壁に対し
て一体的に連結されると共に、前記周壁に対して薄肉部
を介して連結されていることを特徴とする。
【0009】このグロメットでは、押圧リブの中心部に
加えた押圧力が、前端閉塞壁を介してあるいは薄肉部を
介して周壁に伝わる。押圧リブは指で押した際に変形し
ない程度の肉厚が必要であり、その厚さのまま押圧リブ
を周壁に連結すると、周壁の撓みを阻害するおそれがあ
るが、本発明では、周壁の撓み代を考慮した長さの薄肉
部を介して押圧リブを周壁に連結しているので、押圧リ
ブを所望の強度に保ちながら、周壁を撓みやすくするこ
とができる。
【0010】請求項3の発明は、請求項1または2記載
のグロメットであって、前記凹所内に前記押圧リブが十
字状に配され、その交差部が前記凹所の略中心部に配さ
れていることを特徴とする。
【0011】このグロメットでは、十字状に配した押圧
リブの交差部を指で押すことにより、周壁に押圧力を分
散して伝えることができる。
【0012】請求項4の発明は、請求項3記載のグロメ
ットであって、前記周壁が楕円状に形成され、その長軸
と短軸に沿って前記押圧リブが十字状に配されているこ
とを特徴とする。
【0013】このグロメットでは、周壁が楕円状に形成
されているものの、楕円の長軸と短軸に沿って配した押
圧リブによって均等に押圧力を周壁に伝えることができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0015】図1は本発明の実施形態のグロメット11
の構成図で、(a)は押し込み方向の後方から見た後面
図、(b)は(a)図のIb−Ib矢視断面図、図2は
そのパネルの貫通孔への装着時の状態を示す断面図であ
る。
【0016】このグロメット11は、楕円(数学的な楕
円及び長円を含む)形状のもので、全体がゴム(ゴム以
外の軟質樹脂等の弾性材料で製作することも可)で一体
に成形され、周壁3と前端閉塞壁2とを備えている。周
壁3の外周には、パネルPの貫通孔Paの内周縁に対す
る嵌着溝5が形成され、その前側には、貫通孔Paへグ
ロメット11を圧入する際にその圧入に応じて周壁3を
内方へ撓ませるための案内用のテーパ4が形成されてい
る。嵌着溝5をパネルPの貫通孔Paの内周縁に嵌める
ために、周壁3は図2に示すように寸法e(撓み代)だ
け撓まなくてはならず、そのため周壁3の内周側には、
周壁3の撓みを許容する凹所7が確保されている。
【0017】そして、このグロメット11では、周壁3
と前端閉塞壁2とで形成される凹所7内に、押圧リブ1
2が十字状に配されている。押圧リブ12は、楕円の長
軸と短軸に沿って十字状に配されており、その交差部1
3が凹所7の略中心部に位置している。また、押圧リブ
12は、前端閉塞壁2に対して一体的に連結されると共
に、周壁3に対して、図3(a)に示すように、前述の
周壁3の撓み代eに対応した長さfの薄肉部14を介し
て連結されている。これにより、自身の中心部である交
差部13が指で押圧された際に、その押圧力を前端閉塞
壁2を介してあるいは薄肉部14を介して、周壁3の全
周に均等に分散させて伝達するようになっている。ま
た、このため押圧リブ12は、指で押した際に変形しな
いだけの厚さに形成され、薄肉部14は、図3(b)に
示すように、周壁3が内方に撓み変形した際に、その変
形を容易に吸収できるような厚さに形成されている。な
お、この薄肉部14は、押圧リブ12の高さ方向には一
定の厚さで連続しているので、押圧リブ12に加わる押
圧力は周壁3に確実に伝えることができる。
【0018】このグロメット11をパネルPの貫通孔P
aに装着する場合は、図2に示すように押圧リブ12の
交差部13を指で押す。そうすると、その押圧力が十字
状の押圧リブ12によって周壁3に分散して伝わり、周
壁3全体が均等な力でパネルPの貫通孔Paに圧入され
る。そして、図3(b)に示すように、薄肉部14を変
形させて周壁3を内方に撓ませながら圧入することによ
り、周壁3の外周の嵌着溝5をパネルPの貫通孔Paの
内周縁に均等な力で嵌めることができる。
【0019】従って、指でグロメット11の中央一箇所
を押すだけで、簡単にパネルPの貫通孔Paにグロメッ
ト11を装着することができる。また、周壁3全体に均
等な力を加えながら圧入することができるので、局部的
な変形を防止することができ、適正な状態にグロメット
11を装着することができる。よって、防水性能を損ね
るおそれもない。また、押圧リブ12を薄肉部14を介
して周壁3に連結したので、周壁3の撓みやすさを維持
することができて小さな力で装着できる上、成形時の変
形も防止することができて、パネルPの貫通孔Paを閉
鎖した際の防水性能の低下を防ぐことができる。
【0020】なお、グロメット11の形状は楕円形に限
らず、円形でも勿論よい。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、指で押圧リブの中心部を押すことにより、周壁
の全体に略均一に押圧力を分散して伝えることができ
る。従って、指で一箇所押すだけで、簡単にパネルの貫
通孔にグロメットを装着することができ、装着作業性の
向上が図れる。また、周壁全体に均等な力を加えること
ができるから、局部的な変形を抑えながら、適正な状態
でパネルの貫通孔に装着することができ、防水性能を損
ねるおそれもない。
【0022】請求項2の発明によれば、押圧リブを薄肉
部を介して周壁に連結するので、周壁を撓みやすい状態
に維持し、小さな力で装着できるようにしながら、請求
項1の発明の効果を奏することができる。また、薄肉部
の存在により、成形時の変形も防止することができる。
【0023】請求項3の発明によれば、十字状に押圧リ
ブを設けたので、中心部に加えられた押圧力を周壁に分
散して伝える機能を必要十分に果たすことができ、請求
項1または2の発明の効果を確実に奏することができ
る。
【0024】請求項4の発明によれば、グロメットが楕
円形状の場合でも、押圧力を押圧リブによって均等に周
壁に伝えることができ、請求項3の発明の効果を奏する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のグロメットの構成図で、
(a)は圧入方向の後方から見た後面図、(b)は
(a)図のIb−Ib矢視断面図である。
【図2】本発明の実施形態のグロメットをパネルの貫通
孔に圧入しようとしている状態を示す側断面図である。
【図3】図1のIII部の拡大図で、(a)は圧入前ま
たは圧入後の状態を示す図、(b)は圧入過程において
周壁が変形している状態を示す図である。
【図4】従来のグロメットの構成図で、(a)は圧入方
向の後方から見た後面図、(b)は(a)図のIVb−
IVb矢視断面図である。
【図5】従来のグロメットをパネルの貫通孔に圧入しよ
うとしている状態を示す側断面図である。
【図6】従来のグロメットが変形を生じながら装着され
た場合を示す後面図である。
【符号の説明】
2 前端閉塞壁 3 周壁 5 嵌着溝 7 凹所 11 グロメット 12 押圧リブ 13 交差部(中心部) 14 薄肉部 P パネル Pa 貫通孔 e 撓み代 f 薄肉部の長さ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周壁と前端閉塞壁とを備え、パネルの貫
    通孔に圧入することにより、前記周壁を撓ませながら
    周壁の外周の嵌着溝を前記貫通孔の内周縁に嵌めること
    で、貫通孔を閉塞する弾性材料製のグロメットにおい
    て、 前記周壁と前記前端閉塞壁とで形成される凹所内に、
    凹所の中心部で交差し、前記周壁に連続する押圧リブが
    形成されていることを特徴とするグロメット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のグロメットであって、 前記押圧リブが、前記前端閉塞壁に対して一体的に連結
    されると共に、前記周壁に対して薄肉部を介して連結さ
    れていることを特徴とするグロメット。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のグロメットであ
    って、 前記凹所内に前記押圧リブが十字状に配され、その交差
    部が前記凹所の略中心部に配されていることを特徴とす
    るグロメット。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のグロメットであって、前
    記周壁が楕円状に形成され、その長軸と短軸に沿って前
    記押圧リブが十字状に配されていることを特徴とするグ
    ロメット。
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