JPS6146143Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はバス等の車輛用扉を電動にて開閉せし
める装置において、非常時にその駆動伝達経路を
断ち、手動操作にて車輛用扉の開閉を行い得る様
にした車輛用扉の開閉装置に関するものである。

従来かかる車輛用扉の開閉装置は非常時におけ
る手動切換機構として駆動伝達経路にある歯車の
支軸を移動させることにより歯車の噛合を係脱せ
しめる様に構成していたので、機構が複雑化する
と共に歯車の移動スペースが必要となるため装置
全体をコンパクトに構成するのは困難である等の
欠点を有していた。

本考案はかかる欠点に鑑み、簡易なクラツチ機
構により手動切換操作を行わしめる様にして上記
欠点を解消せんとしたものにして、以下本考案実
施の一例を図面に基づいて説明すると、 １は車輛用扉の開閉装置本体であつて、その基
部を成すベース２の左方部にギヤボツクス３を取
付け、該ギヤボツクス３の上方右端部に正逆両方
向に回転可能な駆動モーター４を装着しその駆動
軸５をギヤボツクス３内に突出させ、又ギヤボツ
クス３内には駆動軸５の同軸上に回動及び前後移
動自在に支持されると共に中央にウオームギヤ６
を有する作動軸７を設け、該作動軸７と前記駆動
モーター４の駆動軸５の接合部８を半円状に形成
せしめて軸方向に摺動自在に接合せしめ、又ウオ
ームギヤ６の先端面とベアリング９間及びウオー
ムギヤ６の後端面とベアリング９′間にコイルス
プリング１０，１０′を圧入してウオームギヤ６
を定位置に静止せしめている。

又作動軸７の直交方向にはウオームギヤ６に噛
合するウオームホイール１１と他のウオームギヤ
１２を有せしめた回転軸１３をギヤボツクス３に
回動自在に支持せしめている。

１４は回転軸１３の左方に回動及び上下移動自
在に垂設せしめた出力軸であり、該出力軸１４の
略中央部に前記回転軸１３のウオームギヤ１２に
噛合するウオームホイール１５を回動自在に嵌入
せしめると共に該ウオームホイール１５の上面に
は三角山状の嵌合歯１６を平面に放射状に形成せ
しめたクラツチ１７を一体固着せしめ、その上方
にはクラツチ１７に噛合する三角山状の嵌合歯１
８を同様に形成せしめたクラツチ１９を対向させ
て出力軸１４に嵌着固定せしめている。

更に出力軸１４の上部には支持筒２０を外装せ
しめると共に出力軸１４の上端方外周に凹溝２１
を形成し、該凹溝２１に嵌入するピン２２を支持
筒２０の外部から嵌入せしめて出力軸１４を支持
筒２０に回動自在な状態にて一体化せしめ、又支
持筒２０の外周に傾斜状のガイド溝２９を貫設形
成せしめたスライドカム２４を挿嵌して該スライ
ドカム２４をギヤボツクス３に固定せしめると共
にガイド溝２３に嵌入するガイドピン２５を支持
筒２０の外周所定位置から突設せしめ、支持筒２
０の回動によりガイドピン２５がガイド溝２３の
軌道に沿つて移動するのに伴い出力軸１４を上下
移動せしめてクラツチ１９をクラツチ１７に噛
合、離脱せしめる様にしている。

又支持筒２０の上部外周には一端を突出させた
係止突部２６を有する係止プレート２７を嵌着固
定せしめ、出力軸１４の回動時に係止突部２６の
両側方に対向する係止杆２８をギヤボツクス３に
枢着せしめると共に係止杆２８の先端部とギヤボ
ツクス３の蓋体２９に突設した掛止片３０との間
に引張りコイルスプリング３１を掛止せしめて係
止杆２８を係止プレート２７に対し押圧作用せし
め、支持筒２０の回動両端位置、即ちガイドピン
２５がガイド溝２８のＰ点又はＱ点に位置する状
態で係止杆２８が係止プレート２７における係止
突部２６の両側部を引張りコイルスプリング３１
の引張力によつて押圧することにより出力軸１４
を両端位置で固定せしめる様に構成している。

尚図中３２は支持筒２０の上端に取付けた切換
レバー、３３は出力軸１４の下端に取付けた出力
杆であり、扉開閉用のリンク等に連繋されてい
る。

又支持筒２０の回動を遠隔操作にて行わしめる
ためワイヤーロープ３４を内装した被覆チユーブ
３５の一端を蓋体２９に固定し、ワイヤーロープ
３４の先端を延出して係止プレート２７の一端を
屈曲形成した掛止片３６に掛止せしめ、ワイヤー
ロープ３４の押し引き操作により支持筒２０の回
動操作を可能ならしめている。

３７は駆動軸５と連動するスイツチプツシヤー
杆、３８，３８′はLSドツグ、３９，３９′はLS
ドツグ３８，３８′により作動するリミツトスイ
ツチ、４０，４０′…はリンク１により出力杆３
３と連繋回動するLSドツグ、４２，４２′…は
LSドツグ４０，４０′…により作動するリミツト
スイツチ、４３はタイマーである。

次に本考案に係る車輛用扉の開閉装置の作用を
説明すると、先ず駆動モーター４による自動開閉
の場合は、切換レバー３２を第５図に図示する状
態に回動位置させて支持筒２０から突出せしめた
ガイドピン２５をスライドカム２４のガイド溝２
３におけるＰ点に位置せしめクラツチ１７とクラ
ツチ１９を噛合せしめる。

かかる状能から駆動モーター４を回転せしめる
とその回転はウオームギヤ６とウオームホイール
１１の噛合により回転軸１３に減速されて伝達
し、更にウオームギヤ１２とウオームホイール１
５の噛合及びクラツチ１７とクラツチ１９の噛合
により出力軸１４に減速されて伝達するので、出
力軸１４下端に取付けた出力杆３３が回転し該出
力杆３３に連繋されるリンク等を介して扉を自動
開閉せしめることが出来るのである。

扉の開閉動作の終了時にはウオームホイール１
１，１５からウオームギヤ６，１２へは回転は伝
達されないので、扉は全開或いは全閉状態にてロ
ツク出来、全閉状態での車輛走行時の安全が確保
される。又扉の開閉時に人や物等の障害物が挾ま
れた場合には出力軸１４は負荷が大となり停止す
るが、駆動モーター４は回転を続行しようとする
ので、ウオームギヤ６を支持する作動軸７は軸方
向に摺動する。

その際作動軸７の摺動によつてLSドツグ３８
又は３８′がリミツトスイツチ３９又は３９′を押
圧して駆動モーター４の電源回路を開回路と成す
ことが出来、人や物等の障害物及び駆動モーター
４を保護することが出来るのである。

又非常時において扉の手動開閉を行うには、ク
ラツチ１７とクラツチ１９の噛合を解除すること
によつて出力杆３３の回動を自由に成すことが出
来る。

即ち、切換レバー３２を第６図に図示する位置
に回動操作せしめると、支持筒２０に突設したガ
イドピン２５がスライドカム２４のガイド溝２３
に沿つてＱ点まで上方傾斜状に移行するのに伴い
支持筒２０は上方へ摺動し、更に支持筒２０と出
力軸１４はピン２２により回動自在な状態にて一
体化されているため出力軸１４も同様に上方へ摺
動すると共に出力軸１４に嵌着固定されたクラツ
チ１９も上方に連動してクラツチ１７との噛合が
解除される。

一方クラツチ１７と固定一体化されたウオーム
ホイール１５は出力軸１４に対して回動自在に嵌
入されているので、クラツチ１７とクラツチ１９
の噛合解除によつて出力軸１４は駆動モーター４
からの駆動経路と分離されて自由に回動出来る状
態となり、よつて手動による扉の開閉が可能とな
るのである。

逆に手動から自動に切換える際には切換レバー
３２を逆回動せしめればクラツチ１７とクラツチ
１９が噛合して自動の状態となる。

尚かかる切換に際しクラツチ１７とクラツチ１
９は互いに三角山状の嵌合歯１６，１８により噛
合するので出力軸１４がどの位置にあつても容易
にクラツチ１７とクラツチ１９を噛合せしめるこ
とが出来るのである。

又手動、自動の切換を遠隔操作により行わしめ
るにはワイヤーロープ３４の押し引き操作によつ
て係止プレート２７を介して支持筒２０を回動せ
しめることにより、切換レバー３２による場合と
同様に操作可能である。

要するに本考案は、出力軸１４に取付けられ扉
開閉用のリンク等に連繋された出力杆３３をウオ
ームギヤ、ウオームホイール等を介して駆動モー
ター４により回動操作せしめる様にした車輛用扉
の開閉装置において、出力軸１４を回動及び上下
移動自在に設け、該出力軸１４に駆動モーター４
の駆動が伝達されるウオームホイール１５を回動
自在に嵌入すると共に該ウオームホイール１５に
嵌合歯１６を有するクラツチ１７を一体固着し、
該クラツチ１７に噛合するクラツチ１９を対向さ
せて出力軸１４に嵌着固定せしめ、又出力軸１４
には支持筒２０を回動自在な状態にて一体外装す
ると共に該支持筒２０の回動を上下移動に変換せ
しめるスライドカム２４を設け、支持筒２０の回
動によりクラツチ１９を噛合、離脱操作せしめる
様にしたので、支持筒２０を切換レバー３２によ
り回動操作せしめるのみにて駆動モーター４から
の駆動伝達経路を断ち、非常時における扉の開閉
を手動操作にて行わしめることが出来ると共に自
動への切換も切換レバー３２による支持筒２０の
逆回動操作によつて容易に行うことが出来、従来
の様に歯車の支軸を移動させる方式のものに比し
その機構が簡易であると共に支軸の移動スペース
を要しないため装置全体をコンパクトに設計出来
るのである。

又クラツチ１７，１９の嵌合歯１６，１８はク
ラツチ１７，１９の平面に放射状に形成された三
角山状であるので、出力軸１４の回動位置がどの
位置であつてもクラツチ１７とクラツチ１９の噛
合を確実且つ速やかに行わしめることが出来る等
その実用的効果甚だ大なるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案実施の一例を示すものにして、第１
図は本考案に係る車輛用扉の開閉装置の平面図、
第２図は第１図のＡ−Ａ断面図、第３図は第２図
のＢ−Ｂ断面図、第４図は第２図のＣ−Ｃ断面
図、第５図、第６図は要部の作動状態を示す正面
図、第７図は作動回路図である。 １……本体、４……駆動モーター、１４……出
力軸、１５……ウオームホイール、１６，１８…
…嵌合歯、１７，１９……クラツチ、２０……支
持筒、２４……スライドカム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 出力軸に取付けられ扉開閉用のリンク等に連
   繋された出力杆をウオームギヤ、ウオームホイ
   ール等を介して駆動モーターにより回動操作せ
   しめる様にした車輌用扉の開閉装置において、
   出力軸を回動及び上下移動自在に設け、該出力
   軸に駆動モーターの駆動が伝達されるウオーム
   ホイールを回動自在に嵌入すると共に該ウオー
   ムホイールに嵌合歯を有するクラツチを一体固
   着し、該クラツチに噛合するクラツチを対向さ
   せて出力軸に嵌着固定せしめ、又出力軸には支
   持筒を回動自在な状態にて一体外装すると共に
   該支持筒の外周に傾斜状のガイド溝を貫設形成
   せしめたスライドカムを挿嵌して該スライドカ
   ムをギヤボツクスに固定せしめ、又ガイド溝に
   嵌入するガイドピンを支持筒の外周所定位置か
   ら突設せしめ、支持筒の回動によりガイドピン
   がガイド溝の軌道に沿つて移動するのに伴い出
   力軸を上下移動せしめてクラツチを噛合、離脱
   操作せしめる様にしたことを特徴とする車輌用
   扉の開閉装置。 (2) 前記クラツチの嵌合歯はクラツチの平面に放
   射状に形成された三角山状であることを特徴と
   する前記請求項記載の車輌用扉の開閉装置。