JPS6146138Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、扉を支え且つその開閉動作を制御す
るピボツトヒンジのピボツト位置調整装置に関す
る。

扉の取付けに際しては、空間遮断という扉本来
の機能を低下させない為にも扉相互間、又は扉と
竪枠間、更には鴨居及び無目と扉間の隙間を最小
に設定する必要がある。

一般に扉１は第１図、第２図が示したようにフ
ロアーヒンジ２とピボツトヒンジ３などにより取
付けられるものであるが、その取付けは必ずしも
予め設定した位置、向きに正確に行ない得るもの
ではなく、時には第３図の実線が示した設定位置
に対して、破線で示したように傾斜などして取付
けられることが多く、為に当該扉１を設定した正
規の位置に調整し得るようにフロアーヒンジ２は
調整ネジ４を設けてなるものであるが、該調整ネ
ジ４による調整は扉１を支持するフロアーヒンジ
２の主軸５と、ピボツト６の内上記主軸５の位置
調整だけである為、扉と堅框間の上下の隙間は調
整できるが、ピボツト側の隙間が大きい場合又は
小さすぎる場合は調整が困難であつた。

そこで考えられることは調整部をピボツトヒン
ジ３側に設けることである。

ところが、鴨居７に装着されるピボツトヒンジ
３のピボツト６に扉１が支持されるべく当該扉の
上側端にビス止めなどによつて固定されるピボツ
ト軸受部材（図示せず）は、予め扉上側端部に設
けられている取付凹部８内に嵌合して装着するも
のであつて、既製扉においてはその取付凹部８の
深さｈは比較的浅く（メーカーによつては多少の
差はある）設けてあるから、従来のピボツト軸受
部材に例えば図示のフロアーヒンジ２によるよう
な扉調整装置を組込むと、当該軸受部材は大きく
なつて、上記取付凹部８内に組込めなくなり、従
つて扉を切り欠くなどしなければならないばかり
か、軸受部材が扉１の上面よりも突出して扉１と
鴨居７間の隙間ａを大きくする結果となつて、扉
本来の空間遮断機能を低下するものである。

そこで本考案は扉のピボツト取付凹部の深さ
（高さともいう）が浅い場合でも扉を切り欠くこ
となく装着できて、しかも扉と鴨居間の隙間を最
小に保持し得ながら当該扉と竪枠間の隙間調整を
可能にする新規なピボツト位置調整装置を得たも
のであつて、これを図示の実施例について詳述す
る。

第４図乃至第６図において、本体１１は取付部
１２と調整部１３とから一体に形成してある。

取付部１２は、自体に強度をもたせるためのリ
ブ１４，１４を長さ方向に沿つて左右両側に下曲
形成した略板状となし、その上面からリブ下端ま
での厚さを上記取付凹部８の深さｈと同一若しく
は薄く形成してあつて、他には取付孔１５…を適
当数穿設してある。

上記調整部１３は、上記取付部１２と同一直線
上においてその前側端に連設されているもので、
側面略［ ］字形状に、左右の側壁１６，１６′
上下端を夫々内側に対向屈曲して形成してあつ
て、上下には長手方向に長く窓孔１７，１８が開
口してある。

しかして上記取付部１２に連続している左右両
側壁１６，１６′の上下端には夫々長手方向に沿
つたリブ状のガイド片１９，１９′，２０，２
０′が形成されている。

そして上記調整部１３内には、ピボツト嵌合孔
２１を上下方向に貫通形成した側面略凸字形状の
軸受２２が長手方向即ちＹ−Ｙ方向に摺動可能に
係嵌してあり、該軸受２２の前側端部には上記Ｙ
−Ｙ方向にネジ孔２３を設けてある。

更に詳しくは、下部のガイド片１９′，２０′に
下面がガイドされるように且上部の両ガイド片１
９，２０間に挾み込まれて、当該ガイド片１９，
２０と、上記ガイド片１９′，２０′と、左右の側
壁１６，１６′により上下及び左右移動が阻止さ
れてＹ−Ｙ方向に正確に摺動されるように、調整
部１３内に軸受２２は係嵌配置されている。

そして又調整部１３内の前側部には、上記軸受
２２と同様に側面略凸字形状に形成した支持台２
４が嵌着させてある。

支持台２４は後述する調整ネジを回転自在に支
承するべく設けられるものであるから、上記Ｙ−
Ｙ方向に貫通孔２５が上記ネジ孔２３と同軸心上
に貫設してあつて、頭部付き調整ネジ２６を、外
側部から螺動可能に貫通支持しており、該調整ネ
ジ２６のネジ部２６′を上記ネジ孔２３に螺合し
て上記軸受２２をＹ−Ｙ方向に進退調整可能に支
承している。

そして更に調整部１３の左右側壁１６，１６′
に夫々穿設した小孔から固定ネジ２８，２８を挿
通して支持台２４に穿設したネジ孔２７，２７に
螺着し、該支持台２４を調整部１３に固定すると
共に、調整ネジ２６をも支持台２４に対し回動自
在且摺動不能に位置決めしてなるものである。又
上記固定ネジ２８，２８は、鋼板などを前述の如
く側面略［ ］字形状に屈曲して調整部１３を形
成した場合には、当該調整部１３が左右方向に拡
がるのを防止する為にも設けられるのである。又
調整部１３と取付部１２の上面は同一平面をなす
ように設けられている。

而して上記構成において、本体１１はは第１
図、第２図に示す如く扉１の取付凹部８内に、取
付部１２を固定ネジにより固定して装着する。そ
してこのように装着した状態では、予め取付部１
２を取付凹部８の浅い深さｈ及び幅などに合せて
形成してある為、当該本体１１は扉１の上面と面
位置ないしはそれよりも低い位置になる。

然るに嵌合孔２１にピボツト６を係嵌して扉１
の取付けを行なうが、当該扉１が傾くなどして扉
１と竪枠間の隙間を調整する必要が生じた時は、
調整ネジ２６を螺動すると、軸受２２はＹ−Ｙ方
向に摺動される為、嵌合孔２１はＹ−Ｙ方向に位
置調整は行なわれる。従つて上記嵌合孔２１に嵌
合しているピボツト６は、扉１に対して所望位置
に位置調整されることになるから、扉１は設定位
置に調整され、扉１と竪枠間の隙間は調整され、
よつて扉１は正規の位置に保持される。

以上説明したように本考案に係るピボツト位置
調整装置によれば、扉１に固定される本体１１に
対して、ピボツト嵌合孔２１を設けた軸受２２を
調整ネジ２６の螺動操作を行なうことによつて移
動調整可能に設けたから、扉１と竪枠などの扉建
込み隙間を容易に調整することができて、扉の建
込みを設定位置に精度よく行ない得ることは勿論
のこと、特に本考案による時は本体１１の取付部
１２を扉の取付凹部８の浅い深さに合せて形成し
たので上記取付凹部８の深さが浅い扉の場合で
も、当該扉上面から突出することなく装着するこ
とができ、よつてピボツト位置調整部を具備した
にもかかわらず扉と鴨居間の隙間を僅少となし得
ると共に、扉を切欠く必要もなく装着できるの
で、装着作業も省力化することができる。

又本体１１は、取付部１２を取付凹部８に対応
して薄肉に形成する必要上、全体として薄肉材で
形成されるが、調整部１３は側面略［ ］字形状
に屈曲形成するから、十分な力学的強度を有する
と共に加工も容易であり、又軸受２２を摺動可能
に嵌合するにも都合がよく、更には支持台２４へ
の調整ネジ２６の位置決め及び調整部１３への該
支持台２４の固定並びに該調整部１３の拡がり防
止を固定ネジ２８，２８により行なうことができ
るので、堅牢に且安価に製作るばかりか、軸受２
２の摺動、つまりピボツト嵌合孔２１の移動調整
作動も正確にして確実に行なうことができる等の
実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来の扉取付状態と、本考案
に係るピボツト位置調整装置の使用状態とを夫々
併示した側面図と正面図、第３図は扉の取付説明
図、第４図、第５図は本考案に係るピボツト位置
調整装置を一部切欠して夫々示した平面図と正面
図、第６図は同装置の左側面図である。 １……扉、８……取付凹部、１１……本体、１
２……取付部、１３……調整部、２１……ピボツ
ト嵌合孔、２２……軸受、２４……支持台、２８
……固定ネジ、ｈ……取付凹部の深さ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 扉１上側端の深さｈの浅い取付凹部８に固定で
   きるように、本体１１は前記扉の取付凹部の深さ
   と同一若しくは薄く形成した略板状の取付部１２
   と、下方に一定厚さを有し側面路〔 〕字形状の
   調整部１３とを一体に連設してなり、前記調整部
   には、ピボツト嵌合孔２１を設けた軸受２２を上
   記嵌合孔の軸線に対して直角方向に摺動可能に係
   嵌すると共に、前記軸受へ進退調整可能に螺合し
   た調整ネジを外部から回動可能に支承した支持台
   ２４を嵌着し、固定ネジ２８，２８により前記調
   整部に前記支持台を固定すると共に前記支持台に
   前記調整ネジを回動可能且摺動不能に位置決めす
   るように構成したことを特徴とするピボツトヒン
   ジのピボツト位置調整装置。