JPS6145694B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6145694B2
JPS6145694B2 JP56141696A JP14169681A JPS6145694B2 JP S6145694 B2 JPS6145694 B2 JP S6145694B2 JP 56141696 A JP56141696 A JP 56141696A JP 14169681 A JP14169681 A JP 14169681A JP S6145694 B2 JPS6145694 B2 JP S6145694B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lead
powder
silicon
weight
aluminum alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP56141696A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5845348A (ja
Inventor
Fumio Kyota
Katsumi Takiguchi
Tatsuo Fujita
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riken Corp filed Critical Riken Corp
Priority to JP14169681A priority Critical patent/JPS5845348A/ja
Publication of JPS5845348A publication Critical patent/JPS5845348A/ja
Publication of JPS6145694B2 publication Critical patent/JPS6145694B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はシリンダライナ・バルブガイド等の内
燃機関部品、ロータリコンプレツサのベーン、ア
キシヤルコンプレツサのシユーデスク等のように
苛酷な摺動条件下で使用するに適するアルミニウ
ム合金製摺動部材の製造方法に関する。 アルミニウム合金は軽量で熱伝導性が高いとい
う長所を有しているが、摺動部材として使用する
と焼付を起し易いという欠点を有している。アル
ミニウム合金の中では過共晶組成の高珪素アルミ
ニウム合金は耐摩耗性に優れているが油の濡れ性
が悪いので摺動面の油膜が途切れ易く、苛酷な摺
動条件で始動すると焼付を起すという難点を有し
ている。 上記のような難点を解消する方法として、高珪
素アルミニウム合金の摺動面にラツピングや特殊
な電解研摩を施してHMV1200〜1400の高硬度を有
する初晶シリコン粒子を周囲の基地から浮上らせ
て初晶シリコン粒子間に凹部を形成させて油溜り
とすることにより油膜切れを防止する方法や、マ
グネシウムを多量含有させて基地中にMg2Siを晶
出させこれを化学的域は電気化学的に溶解除去し
て凹部を形成させて油溜りとする方法が提案され
ている。 これらの方法によつて得られた摺動面は不可避
的な初期馴染みによる摩耗やその後の定常摩耗に
よつて油溜りとなつている凹部が消失すると焼付
を起し易くなり、本質的な解決手段とはならな
い。また、高珪素アルミニウム合金は本来鋳造用
合金であり、鋳造法では高硬度の初晶シリコンが
粗大であつて微細化処理を施してもなお限界があ
るので機械的性質が脆弱であると共に被削性が劣
る。 その上、固液共存範囲が広いので健全な鋳造品
を得るためには大きな押湯を必要とし、重量歩留
りが低いという問題点は未解決のまゝである。 窒素等の不活性ガス或は空気を噴霧気体として
溶融金属を噴霧して水中で凝固させて微粉末とす
るアトマイズ法によると、溶融金属102〜104℃/
secの急速な冷却速度で凝固させることができる
ことから、アトマイズ法で過共晶高珪素アルミニ
ウム合金粉末を製造することによつて初晶シリコ
ンを数μ〜20μ程度の粒径にすることが可能であ
る。近年このようにして製造された過共晶高珪素
アルミニウム合金粉末を熱間押出し法によつてビ
レツトとする方法が提案されている。 この方法によれば、高珪素アルミニウム合金の
機械的性質や被削性に関する問題点は解決される
が、油の濡れ性が悪いことに起因する耐焼付性に
関する問題点は解決されない。この問題点を解決
するためには黒鉛・鉛・錫・二硫化モリブデン等
の固体潤滑剤粉末を原料粉に混合する方法が考え
られるが、ダイスと被加工材との間の摩擦によつ
て生ずる引張力のために、得られるビレツトの表
面に亀裂が生じ易い。また鉛や錫のような高比重
の金属粉末をアルミニウム合金粉末に配合する
と、混合時や混合粉の取扱い中に比重差による偏
析を起し易い。更にこれら低融点金属粉は熱間押
出し時に溶融して、アルミニウム合金粒子の間隙
を通つて下方に偏析したり、また優先的に押出さ
れ、即ち搾り出されるようにしてこれら低融点金
属は押出し材の先端に多く、後方では少なくなる
ようになる。このような現象は、被加工材を混合
粉のままである場合のみならず、混合粉を圧縮成
形して圧粉体としたものである場合にも、圧粉体
中の気孔は互いに連絡しており、またその気孔率
は通常10〜30容積%であるので、同様に起る。 本発明は、上記のような問題点を解消した充分
な機械的強度と優れた耐焼付性とを有するアルミ
ニウム合金摺動部材の製造方法を提供することを
目的としており、30%以下のシリコン、並びに
銅、マグネシウム、亜鉛、ニツケル及びマンガン
の2種以上を合計で1〜10%含有し、残部が実質
的にアルミニウムからなる過共晶組成を有し、初
晶シリコンが微細かつ均一に分布している組織を
有する粒径0.3mm以下のアルミニウム合金粉末に
酸化鉛粉末を鉛量として1〜10%になるように配
合し、混合した混合粉をコンテナ中に充填し、
350〜450℃で熱間押出しを行つて押出し材とし、
次にこの押出し材を押出し温度以上、液相生成開
始温度以下の温度に加熱して酸化鉛を鉛に還元し
てから急冷し、次いで時効処理を施すことを特徴
とするアルミニウム合金製摺動部材の製造方法に
係る。 本発明では耐摩耗性に優れる過共晶高珪素アル
ミニウム合金の組成に更に機械的強度を改善する
目的で銅・マグネシウム・亜鉛・ニツケル及びマ
ンガンの2種以上を含有させ、更にアルミニウム
に固溶せず、固体潤滑剤としての作用を有し、或
いは摺動中に摩耗して油溜りとなる凹部を形成す
る鉛を含有させることによつて優れた耐焼付性を
付与した強力な摺動部材が原料粉末からの押出し
加工及びその後の熱処理によつて製造される。 その組織中に存在する初晶シリコンは前述のよ
うに硬度高くハードスポツトを形成して耐摩耗性
に寄与するが、機械的強度と被削性を改善するた
めに初晶シリコンが微細にかつ均一に分布してい
る組織とする。 基地中のシリコン含有量については、初晶シリ
コンを晶出させるためには、過共晶組成でなけれ
ばならないことは言う迄もなく、共晶組成のシリ
コン量はアルミニウム及びシリコン以外の成分元
素の種類及び含有量によつて変動する。シリコン
含有量が30%を越えると初晶シリコンが粗大化
し、強靭性と被削性を害すると共に、押出し加工
に際して変形抵抗の増加とダイスの摩耗をきたす
ので、シリコン含有量は共晶シリコン量を越え、
30%以下の範囲とする。 基地中の銅・マグネシウム・亜鉛・ニツケル及
びマンガンはアルミニウム合金に時効性を付与す
る作用を有しており、本発明はこれらの内2種以
上を含有させることによる相乗作用によつて効果
的に時効性を付与し、時効硬化による機械的強度
の改善を図つたものである。上記成分元素の基地
中の量が合計で1%未満では機械的強度改善の効
果が顕著ではなく、これが10%を越えると押出し
加工が困難になるので、その合計量を1〜10%の
範囲とする。 鉛は前述のようにアルミニウムに固溶せず、基
地中に分散し、而も固体潤滑剤としての作用を有
し、耐焼付性を付与し、また軟かいので摺動中に
選択摩耗して摺動面に凹部を形成させ、これが油
溜りとなつて耐焼付性を付与するが、その量が1
%未満では上記の効果が顕著ではなく、また10%
を越えると機械的強度の低下をきたすと共に、押
出し加工性が損なわれて横割れが発生するように
なるので、その含有量は1〜10%の範囲とする。 本発明の製造方法においては、先ず原料混合粉
末をコンテナ中に充填して押出し加工によつてビ
レツトとする。或いは原料合金粉末を圧縮成形し
て圧粉体とし、この圧粉体をコンテナ中に装入し
て押出し加工によつてビレツトとする。押出し加
工は350〜450℃の熱間で行うが、後者の方法によ
ればコンテナ中に装入する被加工材を加熱するの
が容易であるので有利である。 本発明の方法では鉛の供給源として酸化鉛粉末
を原料粉に配合する。酸化鉛は加工温度で溶ける
ことはなく、押出し加工時にアルミニウム合金粒
子の塑性流動によつてアルミニウム合金粒子表面
の酸化皮膜が破断してアルミニウム合金が直接酸
化鉛粉末を摺り合わされ、而も前記温度に加熱さ
れているので酸化鉛の一部は還元されて僅か乍ら
金属鉛が生成される。従つて押出し加工は塑性流
動がダイス近傍でのみ起る間接押出し法によるの
が良い。直接押出し法ではコンテナ中の被加工材
の広い範囲で塑性流動を起すので、前述したよう
な鉛粉末を配合した場合に於ける不都合を生ずる
ことになる。 次に押出し加工温度以上、原料の高珪素アルミ
ニウム合金粉末の液相生成開始温度以下の温度に
加熱して酸化鉛を金属鉛に還元する。この還元は
アルミニウムの存在下で次式の反応によるものと
考えられる。 3PbO+2Al→3Pb+Al2O3 かくして基地中に鉛相が分散した組織を有する
ビレツトが得られる。この加熱に次いで急冷する
ことによつて、この還元熱処理は溶体化処理をも
併せて行つたことになる。 次に時効処理を施して機械的強度を改善する。
原料粉の高珪素アルミニウム合金粉末の組成は目
的とするアルミニウム合金の基地のそれと当然同
様でなければならない。また、その組織中に含ま
れる初晶シリコンの粒径は、25μを越えると得ら
れる摺動部材の初晶シリコンが大きくなり過ぎて
機械的強度と被削性を害するようになるのと、押
出し加工に際して変形抵抗が大きくなつてダイス
の摩耗が増大するので、25μ以下とするのが良
い。このような微細組織を有する合金粉末はアト
マイズ法によつて得られる。 またその原料粉の粒径は0.3mmを越えると鉛相
の分布が不均一となるので、0.3mm以下とするの
が望ましい。鉛相の分布を均一にするためには原
料粉の粒度は細かい程良いが、細か過ぎると爆発
の危険を生じ、取扱いが面倒になるので100メツ
シユ(150μ)以上のものを使用するのがより望
ましい。 市販の酸化鉛は粒径数μの微細な粉末であるの
で、一般に数十μの粒径を有する鉛粉末に比べて
均一に原料粉中に混合でき、また前記還元反応が
効果的に遂行される。その配合量は鉛分として目
標の鉛含有量となるようにしなければならないこ
とは言う迄もない。 圧粉体の製造に関しては、通例の粉末冶金に於
ける成形と特に異なるところはない。 加工温度は350℃よりも低温では被加工材の変
形抵抗が大きくなつて工具類の破損の虞れがあ
り、原料粉末間の拡散が不充分で得られるビレツ
トの機械的強度が不足し、450℃を越える高温で
は押出し材とダイとの間に働く引張力によつてビ
レツト表面に亀裂を生じ易くなるので、350〜450
℃の範囲とする。ソリツドダイを使用する場合は
400〜425℃で、ホローダイを使用する場合は425
〜450℃で加工するのが特に好ましい。また、間
接押出し法ではメタルフローの小さい領域で加工
されるので、押出し比は10以上であることが望ま
しい。 酸化鉛還元の熱処理の温度は高い程還元反応が
速く進行し、また溶体化処理としての効果も増大
するので高い程良く、少なくとも押出し加工温度
以上とする必要がある。他方、高珪素アルミニウ
ム合金の液相生成開始温度を越えて高くすると、
初晶シリコンを粗大化させるので、該液相生成開
始温度以下とすることが望ましい。アルミニウム
−珪素系合金の共晶温度は577℃であるが、この
共晶温度は銅、マグネシウム、亜鉛、ニツケル及
びマンガンによつて低温側へ移動するので、これ
らの種類及び含有量に応じた温度とする必要があ
る。加熱時間は30分〜5時間程度で良い。 時効処理は大約150〜200℃、5〜10時間が適当
である。 次に実施例について説明する。 実施例 1 窒素アトマイズ法によつて製造され、初晶シリ
コンの粒径が8μ未満の微細組織を有し、シリコ
ン20%、銅3%、マグネシウム1%、残部が実質
的にアルミニウムからなる組成を有する−100メ
ツシユの合金粉末に、平均粒径3μの一酸化鉛
(PbO)粉末を1.5,5及び10%(鉛量として夫々
1.4,4.65及び9.3%)になるように配合し、混合
して得られた3種類の混合粉及びシリコン20%、
銅3%、マグネシウム1%の他に、それぞれニツ
ケル5%、マンガン6%、亜鉛2.5%を含有し、
残部が実質的にアルミニウムからなる組成を有す
る−100メツシユの3種の各合金粉末に、平均3
μの一酸化鉛(PbO)粉末を5%(鉛量として
4.65%)になるように配合し、混合して得られた
3種類の混合粉の合計6種類の混合粉を、それぞ
れ金型中で圧縮成形して直径49.5mm、長さ120
mm、気孔率20容積%の圧粉体とし、この圧粉体を
450℃に加熱して内径50mmのコンテナ中に装入
し、その温度で間接押出しによつて直径15mmの丸
棒とし、これら丸棒を490℃に3時間加熱してか
ら水冷し、次いで175℃に10時間加熱の時効処理
を施し、6種類の供試材A,B,C,D,E,F
を得た。 これらの供試材について、一酸化鉛粉末10%配
合のものを例に挙げてその組織を第1図及び第2
図に示す。第1図は押出し加工のままの状態に於
ける組織を示す倍率400倍の顕微鏡写真、第2図
は熱処理を施した供試材の組織を示す倍率400倍
の顕微鏡写真である。矢印は押出し方向を示す。 第1図及び第2図中の黒色に見える相は、X線
回析試験の結果、前者では一酸化鉛及び鉛、後者
では鉛であることが確認された。 即ち、押出し加工のままの状態ではPbOとPb
が検出され、熱処理後ではPbOは検出されず、
Pbが多量に検出された。このことから、配合さ
れた一酸化鉛は押出し加工温度で一部が還元され
て鉛になり、次の490℃の加熱で一酸化鉛は還元
し尽されて消失し、鉛が生成されたことが理解で
きる。 また当然の事乍ら、両者共AlとSiが多量に検出
された。 基地組織は両者共初晶シリコンが極めて微細
に、かつ均一に分布した微細組織となつている。 これら供試材について機械試験を行つた結果は
以下の通りである。なお、比較のために、一酸化
鉛粉末を配合せず、その他は前記と同様にして製
作した比較材及びこれと同じ組成を有する鋳造比
較材についても同様の試験を行つた。 (1) 引張試験及び硬さ試験 各供試材から試験片を採取し、引張試験及び硬
さ試験を行つた結果は第1表に示す通りである。
同表には各成分元素の分析値が併記してある。
【表】
【表】 同表から、本発明に係る摺動部材の機械的性質
は、同様の組成の鋳造材に比べて可成り優れてい
ることが判る。 (2) 焼付試験 試験装置は第3図及び第4図に概要を図解的に
示すものであつて、ステータ1に取外し可能に取
付けられた直径80mmの円板(相手材)2の中央に
は裏側から注油孔3を通じて潤滑油が注油され
る。ステータ1には油圧装置(図示せず)によつ
て右方へ向けて所定圧力で押圧力Pが作用するよ
うにしてある。円板2に相対向してロータ4があ
り、駆動装置(図示せず)によつて所定速度で回
転するようにしてある。ロータ4の円板2に対す
る端面に取付けられた試料保持具4aには5mm×
5mm×10mmの角柱状試験片5が同心円上に等間隔
に4個取外し可能にかつ正方形端面が円板2に対
して摺動自在に取付けてある。このような装置に
於いてステータ1に所定の押圧力Pをかけ、所定
の面圧で円板(相手材)2と試験片5とが接触す
るようにしておいて、注油孔3から摺動面に所定
給油速度で給油しながらロータ4を回転させる。
一定時間毎にステータ1に作用する圧力を階段的
に増加して行き、ロータ4の回転によつて試験片
5と相手の円板2との摩擦によつてステータ1に
生ずるトルク(摩擦力によつて生ずるトルク)T
をスピンドル6を介してロードセル7に作用せし
め、その変化を動歪計8で読み、記録計9に記録
させる。トルクTが急激に上昇するときに焼付が
生じたものとして、その時の接触面圧をもつて焼
付面圧とし、この大小をもつて耐焼付性の良否を
判断する。 試験に供した試験片は前記引張試験に供したと
同一供試材から採取したものを使用し、予め試料
保持具4aに取付けておいて摺動面に研磨仕上げ
を施しておいてある。試験条件は次に示す通りで
ある。速度は8m/sec、潤滑油及び給油条件は
コンプレツサオイル(スニソ5GS)にて温度80
℃、300ml/min、接触圧力は20Kg/cm2で20分間
馴らし運転後30Kg/cm2で3分間、その後3分間経
過毎に10Kg/cm2づつ上昇、相手材は焼入を施した
球状黒鉛鋳鉄。 試験は同一供試材について各々2回づつ行い、
その結果は第2表に示す通りである。
【表】
【表】 同表から、潤滑油の供給が充分である理想的な
摺動条件下にあつては、鉛相分散の効果は明らか
ではないが、本発明材は鋳造材に比べては耐焼付
着性に優れていることが判る。 実施例 2 前記実施例1に使用した原料粉のうち、一酸化
鉛粉末を5%配合したもの(発明材B,D,E,
Fの各混合粉)及び一酸化鉛粉末を配合しないも
の(比較材)を圧縮成形して圧粉体とし、これら
圧粉体を450℃に加熱し、押出し比11で間接押出
し加工を行つて外径57mm、内径43mmの円筒体と
し、これを径方向に切断して環状試料とした。 第3図及び第4図に示した鋳鉄製円板2の一方
の端面に円環状の溝を削設し、この溝に上記環状
試料を嵌着し、これを490℃に5時間加熱して水
冷し、次いで175℃に10時間加熱の時効処理を施
してから試料の嵌着された端面を研磨仕上げし
た。 これら試料について前記実施例1で使用した試
験機を使用して次のような焼付試験を行つた。 第3図及び第4図に示した円板2に上記試料の
嵌着された円板を使用し、回転する4個の試験片
5には前記実施例1に於けると同一形状寸法を有
する油焼入りしたクロムモリブデン鋼SCM415を
使用し、潤滑油として温度50℃のコンプレツサオ
イル(スニソ5GS)を300ml/min供給しながら
接触圧力10Kg/cm2、速度を2m/secとして10分
間上記試料とSCM415試験片とを摺動させる馴ら
し運転を行つてから、引続きそのまま潤滑油の供
給を10秒間停止し、次いで潤滑油を上記と同様に
3分間供給する運転を繰返し、焼付が発生する迄
の繰返し回数を求めた。 その結果、比較材は2回の繰返し運転で焼付が
発生したのに対し、本発明材では30回の繰返し運
転でなお焼付が発生しなかつた。 この結果から、基地中に鉛が分散した組織を有
する本発明材は、油膜切れが発生するような苛酷
な摺動条件下でも焼付を起し難く、耐焼付性が著
しく改善されていることが判る。 以上の通りで、本発明摺動部材は、初晶シリコ
ンが微細に分散した過共晶の高珪素アルミニウム
合金の基地中に鉛が均一微細に分散されているの
で、潤滑特性が改善され、特に、耐焼付性の改善
効果が顕著に得られる。 また本発明摺動部材はアルミニウム合金にとつ
て一般に極めて有害な不純物とされている鉄が、
溶製材のように板状に晶出せず、粒状に晶出する
ので、その含有量は2%程度迄許容できる。 また原料粉を窒素ガスアトマイズ法で製作する
ことによつて、酸素の含有量を0.1%程度以下に
抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明アルミニウム合金製摺動部材の
製造過程中、押出し加工を施した状態に於ける組
織を示す顕微鏡写真、第2図は本発明により得ら
れたアルミニウム合金製摺動部材の組織を示す顕
微鏡写真、第3図は焼付試験装置の−線に沿
う断面図、第4図は同上装置の−線に沿う断
面図である。 1……ステータ、2……円板(相手材)、4…
…ロータ、5……試験片。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 30重量%以下のシリコン、並びに銅、マグネ
    シウム、亜鉛、ニツケル及びマンガンの2種以上
    を合計で1〜10重量%含有し、残部が実質的にア
    ルミニウムからなる過共晶組成を有し、初晶シリ
    コンが微細かつ均一に分布している組識を有する
    粒径0.3mm以下のアルミニウム合金粉末に酸化鉛
    粉末を鉛量として1〜10重量%になるように配合
    し、混合した混合粉をコンテナ中に充填し、350
    〜450℃で熱間押出しを行つて押出し材とする工
    程、この押出し材を押出し温度以上、液相生成開
    始温度以下の温度に加熱して酸化鉛を鉛に還元す
    る工程、次いで時効処理を施す工程からなること
    を特徴とする30重量%以下のシリコン、並びに
    銅、マグネシウム、亜鉛、ニツケル及びマンガン
    の2種以上を合計で1〜10重量%含有し、残部が
    実質的にアルミニウムからなる過共晶組成を有
    し、初晶シリコンが微細かつ均一に分布した組織
    を有する基地中に、1〜10重量%の鉛を分散させ
    た耐焼付性に優れる強力なアルミニウム合金製摺
    動部材の製造方法。 2 コンテナ中に充填される被加工材が、混合粉
    を圧縮成形して得られた圧粉体である特許請求の
    範囲第1項記載のアルミニウム合金製摺動部材の
    製造方法。
JP14169681A 1981-09-10 1981-09-10 アルミニウム合金製摺動部材の製造方法 Granted JPS5845348A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14169681A JPS5845348A (ja) 1981-09-10 1981-09-10 アルミニウム合金製摺動部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14169681A JPS5845348A (ja) 1981-09-10 1981-09-10 アルミニウム合金製摺動部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5845348A JPS5845348A (ja) 1983-03-16
JPS6145694B2 true JPS6145694B2 (ja) 1986-10-09

Family

ID=15298078

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14169681A Granted JPS5845348A (ja) 1981-09-10 1981-09-10 アルミニウム合金製摺動部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5845348A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58113342A (ja) * 1981-12-26 1983-07-06 Toyota Motor Corp アルミニウム軸受合金

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4099314A (en) * 1976-03-10 1978-07-11 Societe De Vente De L'aluminium Pechiney Method of producing hollow bodies in aluminum-silicon alloys by powder-extrusion
JPS551311A (en) * 1978-06-14 1980-01-08 Silver Seiko Knitting width indicator

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4099314A (en) * 1976-03-10 1978-07-11 Societe De Vente De L'aluminium Pechiney Method of producing hollow bodies in aluminum-silicon alloys by powder-extrusion
JPS551311A (en) * 1978-06-14 1980-01-08 Silver Seiko Knitting width indicator

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5845348A (ja) 1983-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0100470B1 (en) Heat-resistant, wear-resistant, and high-strength aluminum alloy powder and body shaped therefrom
US4099314A (en) Method of producing hollow bodies in aluminum-silicon alloys by powder-extrusion
JPH0118982B2 (ja)
JPS6121295B2 (ja)
JPH0137464B2 (ja)
JPS6320298B2 (ja)
JPH0120215B2 (ja)
US4155756A (en) Hollow bodies produced by powder extrusion of aluminum-silicon alloys
EP2327808A1 (en) Magnesium-based composite material having ti particles dispersed therein, and method for production thereof
JPH0118981B2 (ja)
JPH029099B2 (ja)
JPS6145694B2 (ja)
JPS6150132B2 (ja)
US4236925A (en) Method of producing sintered material having high damping capacity and wearing resistance and resultant products
JP4008597B2 (ja) アルミニウム基複合材およびその製造方法
JPH0118983B2 (ja)
JPH0246659B2 (ja)
EP0019569A1 (fr) Corps creux composite et procédé de fabrication
JPH0686871B2 (ja) 摺動部材の組合せ
RU2789324C1 (ru) Износостойкий антифрикционный материал на основе двухфазного сплава Al-Sn, легированного железом, и способ его получения
JPS63266004A (ja) 耐熱耐摩耗性高力アルミニウム合金粉末
JPH0118984B2 (ja)
JPS63266005A (ja) 耐熱耐摩耗性高力アルミニウム合金粉末
JPH01243A (ja) 耐熱・耐摩耗アルミニウム合金
JPH0637682B2 (ja) 潤滑性に優れた耐熱耐摩耗性高力アルミニウム合金粉末成形体およびその製造方法