JPS6145678Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はドーム型スピーカの改良に関するも
のである。

第１図は従来のドーム型スピーカを示す。第１
図において、１は振動板、２は振動板１をフレー
ム４に支持するためのエツジである。また、３は
振動板１と一体に設けたボイスコイル、５はフレ
ーム４の後面に固定されたプレート、６はプレー
ト４後面とポールピース７の外周部との間に設け
られたマグネツトであり、これらによつて磁気回
路部が構成されている。８は上記ポールピース７
の後面に空気洩れ防止用パツキング１０を介して
固定したバツクカバー、９はバツクカバー８に設
けた吸音材である。

ドーム型スピーカにおいて、再生帯域を広く設
計しようとした場合には、最低共振周波数を低く
する必要があり、このために、第１図に示すよう
に、振動板１後方部分の背圧を抜き、磁気回路部
の後部にバツクカバー８を取付けてキヤビテイを
大きくとり、これによつて空気のステイフネスを
低下させることが広く行われている。

そして、上記バツクカバー８は、一般に金属板
のプレス加工品や、プラスチツクの成形品で作ら
れることが多く、磁気回路部との接触部からの空
気洩れを生じないようにするために、磁気回路部
とバツクカバー８との間に空気洩れ防止用パツキ
ング１０を介在させている。

ところで、振動板１後方部分の圧力は磁気回路
部を通過してバツクカバー８に作用するが、内部
音圧は低い周波数に向つてオクターブ１２dBで
上昇するため、低域ではかなりの圧力でバツクカ
バー８を振動させる。バツクカバー８が振動する
と、この振動によつて発生する微小圧力が振動板
１に作用し、このため周波数特性に乱れを生じる
と共に、悪影響を与える。そこで、従来は、第２
図に示すように、バツクカバー８への共振抑制用
として、バツクカバー８にダンピング材１１を貼
付けていた。しかし、このようなスピーカは部品
数が多くなると共に、作業時間が長くかかるとい
う問題があつた。

この考案は、空気洩れ防止用パツキングをバツ
クカバー内壁まで延ばし、この延ばした部分にダ
ンピング材を兼用させてバツクカバーの制振作用
を持たせることにより、部品数を減らすと共に製
作に要する作業時間を短くし、上述した従来のも
のの問題を解決したドーム型スピーカを提供する
ことを目的としている。

以下、この考案の一実施例を第３図，第４図に
ついて説明する。これらの図において、８はバツ
クカバーであり、このバツクカバー８のフランジ
８ａには空気洩れ防止用シール材すなわち空気洩
れ防止用パツキング１０の外周部が支持され、こ
のパツキング１０の内周部１０ａがバツクカバー
８の内壁まで延ばされて、この内壁に接着されて
いる。なお、上記内周部１０ａには円周方向に沿
つて多数の倒立Ｖ型切欠き１０ｂが形成されてい
る。また、上記パツキング１０はダンピング性能
が高い材質のものが選ばれる。そして、この実施
例の前述した以外の構成は第１図に示す従来のス
ピーカーと同様であるから図示および説明を省略
する。

以上説明したように、この考案のドーム型スピ
ーカーは、磁気回路部とバツクカバーとの間に介
在させる空気洩れ防止用パツキングを利用して、
このパツキングを上記バツクカバー内壁にまで延
ばし、このカバーに制振作用を持たせたので、上
述した従来のものに比べて、部品数を減らすと共
に製作に要する作業時間を短くすることができ、
安価に提供することができ、しかも上記パツキン
グが空気洩れのシール作用と、バツクカバーの共
振抑制作用とを有し、バツクカバーの共振が抑制
されることにより、性能が高いという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のドーム型スピーカの一例を示す
縦断面図、第２図はバツクカバーおよび空気洩れ
防止用パツキング部の縦断面図、第３図はこの考
案の一実施例によるバツクカバーおよび空気洩れ
防止用パツキング部の平面図、第４図は同縦断面
図である。 ８……バツクカバー、１０……空気洩れ防止用
パツキング、１０ａ……内周部。なお、図中同一
符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気回路部と、この磁気回路部の後部に取付け
   るバツクカバー８との間に介在させる空気洩れ防
   止用パツキング１０を上記バツクカバー８内壁に
   まで延ばし、上記パツキング１０にバツクカバー
   ８の制振作用を持たせたことを特徴とするドーム
   型スピーカー。