JPS6128472Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスピーカに関し、更に詳細にはドーム
型のスピーカの改良に関する。

一般に、中音用ドーム型のスピーカは、第１図
に示される如く、ドーム型振動板１を含み、該振
動板１はその外周部に取付けられたエツジ２によ
りフレーム３に支持されて構成されている。符号
４はプレート、５はマグネツト、６はポールピー
ス、７はボイスコイルをそれぞれ示している。

このような従来のドーム型スピーカは最低共振
周波数を低下させて再生周波数帯域を拡大するた
めにポールピース６を中空構造にし、この中空部
を塞ぐようにポールピースの底面にバツクカバー
８を取付けて目的を達成させていた。すなわち、
このバツクカバー８は振動板背面の空気圧をスピ
ーカ外部に洩らさないことと、スピーカ装置とし
て例えば低音用スピーカなどから発生する音圧の
影響から振動板１を保護する目的で取付けられて
いた。この結果、振動板１により発生した音圧
は、ポールピース６の中空部を経てバツクカバー
８に達するが、このバツクカバー８内には、振動
板１により発生する強い音圧を受けとめ、中空部
にて生じる管共振の発生を抑えると共に端末にお
ける反射を少なくする目的で吸音材９が充填配置
されていた。

前記バツクカバー８の容積は必要とする最低共
振周波数から求められ、材質としては樹脂成形品
或いは鉄板などの金属性のものが多用されてい
る。しかしながら、振動板１から発生する音圧
は、非常に強く、樹脂成形品においても材質板厚
を３mm以上の厚さとしなければ良好なレスポンス
を得ることが難かしかつた。また、バツクカバー
８の材質に金属を使用した場合には、金属自体の
機械的共振のＱ値が高く、内部損失が少ないこと
から金属独特の固有音を強く発生し、良質なる再
生音が得られないという欠点があつた。

従つて、本考案の目的は、前記ドーム型スピー
カにおける欠点を除去し、バツクカバーにより発
生する反射音圧が少なく即ちバツクカバーの共振
を抑えて良質なる再生音を得るスピーカを提供す
ることにある。

以下、本考案のスピーカを添付図面に示された
好適な実施例を参照して更に詳細に説明する。

第２図には本考案のスピーカに係る一実施例が
示されている。この実施例において、第１図に示
された従来のドーム型スピーカの構成と同一の部
分又は相当する部分には同一の参照符号を付して
その説明を省略する。

第２図に示されるように、本考案における実施
例のドーム型スピーカは、バツクカバー８の内側
に拘束型制振材１０が貼着され、この拘束型制振
材によつて、振動板背面圧により励振されて発生
するバツクカバー８の固有振動をダンピングさせ
ている。

前記拘束型制振材１０はアルミなどの板に流体
のような粘性とスプリングのような弾性を併わせ
持つた力学的挙動をする高分子化合物のダンピン
グ剤を塗布したもので、拘束板とバツクカバー８
との間に挾まれたダンピング剤は振動を熱エネル
ギーに変換することで振動を減衰させることがで
きる。

また、第３図には本考案の別の実施例が示され
ているが、当該実施例は拘束型制振材１０をバツ
クカバー８の外側底部に貼着させていることを除
けば第２図に示された実施例と同様である。この
ように拘束型制振材１０はバツクカバー８の内外
いずれの側に貼着しても同様の効果を奏する。

叙上のように、本考案のスピーカによれば、ポ
ールピースの中空部を塞ぐように設けられたバツ
クカバーに拘束型制振材を設置することにより該
バツクカバーの反射音圧即ちバツクカバーの共振
を抑えることができ、この結果良質な再生音を得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のドーム型スピーカの断面図、第
２図は本考案のスピーカにおける一実施例のドー
ム型スピーカを示す断面図、第３図は本考案の他
の実施例を示す第２図と同様なドーム型スピーカ
の断面図である。 １…振動板、２…エツジ、３…フレーム、４…
プレート、５…マグネツト、６…ポールピース、
７…ボイスコイル、８…バツクカバー、９…吸音
材、１０…拘束型制振材。 なお、図中同一符号は同一部分又は相当部分を
示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドーム型振動板と、該振動板後面の圧力を調整
   するために設けられたバツクカバーとを含むスピ
   ーカであつて、前記バツクカバー自体の機械共振
   音を抑えるために該バツクカバーに拘束型制振材
   を取付けたことを特徴とするスピーカ。