JP3831986B2 - スピーカ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は映像・音響機器等に使用されるスピーカ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスピーカ装置を図9、図10により説明する。図9はスピーカ装置の分解斜視図、図10は同側断面図である。同図によると、46は音導管で内部に吸音材47を配置し開口48まで音波を導く音道49を形成している。さらに音導管46には空洞部50を形成すると共にその空洞部50と音道49との間に短管51を形成した共鳴器52を設けている。またカバー53a,53bは上記吸音材47を配置する吸音室54および上記空洞部50を構成するために装着され、スピーカ55はネジ56によって音導管46に固着される。57はスピーカ55の振動板である。
【0003】
以上のように構成されたスピーカ装置について以下にその動作について説明する。まず、スピーカ55に入力信号が印加されると振動板57から音波が放射される。その音波は音道49を通り開口48において外部へ放射される。しかしながら、開口48では外部からの反射があるため特定の周波数において音道49に定在波が発生する。この定在波が発生する周波数では音波が増強し合うため極端に音圧が高くなり、特性的にピークをもったバランスの悪い音質になってしまうので、音導管46の内部に吸音材47を配置し定在波を吸音させている。
【0004】
また、共鳴器52は空洞部50と短管51によってヘルムホルツの共鳴器を構成し、前記のピークとなる周波数で共鳴するように設定して、その周波数での音響エネルギーが共鳴器52に吸収され極端な音圧上昇が抑制できるようになっている。このように音導管46は吸音材47と共鳴器52によって特性的な音圧ピークを制御し平坦な再生音圧周波数特性をつくりだすように構成されているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、吸音室54と共鳴器52を形成するために複雑な構造となってしまい、組立ての作業性の悪さやコスト高の原因になっていた。また、カバー53a,53bの密閉性のバラツキが性能に大きく影響するために技術的にも品質的にも大きな課題となっていた。
【0006】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので安価でしかも性能的に安定したスピーカ装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スピーカと、このスピーカの前面に配置された音導管と、このスピーカの前面に配置された音導管内に一体または別体として設けられた上記音導管の音道に発生する定在波に基づく周波数と共振するように設定した共振板とで構成し、共振板で定在波のエネルギーを吸収して音圧ピークを制御し、平坦な音圧周波数特性をこの共振板を設ける簡単な構成で安価に性能的に安定した特性のものとして、実現できるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、スピーカと、このスピーカの前面に配置された音導管と、このスピーカの前面に配置された音導管内に一体または別体として設けられた上記音導管の音道に発生する定在波に基づく周波数と共振するように設定した共振板とで構成し、共振板で定在波のエネルギーを吸収して音圧ピークを制御し平坦な音圧周波数特性を共振板を設ける簡単な構成で実現できるものである。
【0009】
また、共振板を音導管と一体に設けた場合は、より部品点数の削減・装置の組み立て工数の低減を図れるものである。
【0010】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の音導管の音道に発生する定在波に基づく周波数と共振するように設定した共振板を音導管に一体に設けたスピーカ側に開口部を有する空洞部の前記開口部に設けたものであり、共振板の共振周波数は共振板と空洞部によって決められるものであり、より広い共振周波数範囲から共振周波数の選択が行えるものである。
【0011】
本発明の請求項3に記載の発明は、共振板が音導管の壁の穴部に装着されたものであり、共振板の形状を大きくできるので、音圧ピークの制御をより効果的に行えるものである。
【0012】
本発明の請求項4に記載の発明は、共振板を振動部とこの振動部と音導管を橋絡する支持部とで構成したので、振動部と音導管を橋絡する支持部の幅を調整することで、共振周波数の制御が容易に行えるものである。
【0013】
本発明の請求項5に記載の発明は、共振板が薄膜で形成され、請求項1に記載の音導管または請求項2または請求項3に記載の空洞部の開口部に保持されているので、共振板をより簡単な構成とすることができるものである。
【0014】
以下本発明の実施の形態について、図1〜図8により説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明のスピーカ装置の一実施の形態を示す分解斜視図、図2は同側断面図である。同図によると、1は音導管で空洞部2を内部に一体で形成しており、この空洞部2の開口面3に共振板4を接合させ開口5まで音波を導く音道6を形成している。共振板4は振動部7と振動部7の周辺を支持する支持部8によって構成され、振動部7が振動できるようになっている。また9はスピーカで振動板10を有しており、11はスピーカ9を音導管1に固定させるためのネジである。
【0015】
以上のように構成されたスピーカ装置についてその動作を説明する。まずスピーカ9に入力信号が印加されると振動板10から音波が放射される。その音波は音道6を通り開口5において外部へ放射される。
【0016】
しかしながら、開口5では外部からの反射があるため特定の周波数において音道6に定在波が発生する。この定在波が発生する周波数では音波が増強し合うため音圧特性にピークが生じてしまうが、共振板4をその周波数において共振するように設定することによって増強された音響エネルギーの一部が共振板4の振動エネルギーに変換されるため音圧特性のピークを抑えることができ、平坦な音圧特性が実現できるものである。ここで共振板4の共振周波数とは共振板4における振動部7の質量及び支持部8のコンプライアンスと空洞部2の容積によってきまる周波数であることは周知のことである。
【0017】
以上のように本実施の形態によれば音導管1に共振板4を設けることによって、従来技術のように音導管形状を複雑にすることもなくカバーも必要とせずに音圧周波数特性の制御ができるため、安価でしかも性能的に安定したスピーカ装置の供給を実現できるものである。
【0018】
(実施の形態2)
図3は本発明の他の実施の形態のスピーカ装置の側断面図であり、同図によると、12は音導管、13は開口、14は音道、15はスピーカ、16はスピーカ15の振動板で、構成として図2の構成と同様なものである。図2の構成と異なるのは図2に示した空洞部2がなく共振板17を構成する振動部18と支持部19が音導管12に一体で構成されている点である。
【0019】
上記のように構成されたスピーカ装置もまた実施の形態1と同様の動作をし、共振板17の共振周波数を音道14に定在波が生じる周波数近辺に一致させることで特定の周波数で発生する音圧増強を防ぎ音圧特性ピークを抑えることができる。このように構成された音導管12は共振板17を音導管12に一体で設けることにより音圧特性の制御が可能なばかりでなく部品点数も少なくできるようになっている。
【0020】
なお、共振板17は振動部18と支持部19で構成されるように示しているが、別々に構成させる必要はなく全体が薄膜のような一体形状でも共振するため十分に音圧特性を制御することが可能である。
【0021】
(実施の形態3)
図4は本発明の他の実施の形態のスピーカ装置の分解斜視図、図5は同側断面図である。同図によると、20は音導管、21は開口、22は音道、23はスピーカ、24はスピーカ23の振動板、25はネジで、以上の構成は図2の構成と同様なものである。図2の構成と異なるのは共振板26の構造であり、共振板26を構成する振動部27と支持部28が音導管20に一体で構成されると共に支持部28が帯状となっていることである。
【0022】
上記のように構成されたスピーカ装置もまた実施の形態1と同様の動作をし、共振板26の共振周波数を制御することで特定の周波数で発生する音圧増強を防ぎ音圧特性ピークを抑えることができる。このように構成された音導管20もまた共振板26を音導管20に一体で設けることにより音圧特性の制御が可能なばかりでなく部品点数も少なくできるようになっている。
【0023】
支持部28を帯状にしたのは振動部27を全周支持しなくても1箇所だけの支持でも十分に機能すると共に支持部28の幅を調整することで共振板26の共振周波数を調整し易くでき金型構造的にも性能を安定させることができるからである。
【0024】
なお、本実施の形態では共振板を1箇所のみ形成しているが、共振周波数の異なる共振板を数箇所設けることにより周波数特性の制御範囲が更に広げることは当然可能である。
【0025】
(実施の形態4)
図6は本発明のさらに他の実施の形態のスピーカ装置の分解斜視図、図7は同側断面図である。同図によると、29は音導管、30は開口、31は音道、32はスピーカ、33はスピーカ32の振動板、34はネジで、以上の構成は図2の構成と同様なものである。図2の構成と異なるのは共振板35の位置であり、共振板35を音導管29の壁面に構成するようにしたことである。
【0026】
上記のように構成されたスピーカ装置もまた実施の形態1と同様の動作をし、共振板35の共振周波数を制御することで特定の周波数で発生する音圧増強を防ぎ音圧特性ピークを抑えることができる。このように構成された音導管29は共振板35を音導管29の壁面に形成することで共振板35の振動部36の面積を大きくとることができ特性的なピーク発生の抑制に効果が大きいと共に振動部36の面積及び質量や支持部37の形状及び材質を調整することで共振周波数の制御も容易にできピーク抑制具合をも調節できるようになっている。
【0027】
また、共振板35はその位置の違いによっても特性制御の効果が大きく変わってしまうが、共振板35は音導管29の壁面に設けるので壁面に穴をあけて適宜装着することも可能である。なお、共振板35の数は何箇所設けてもよいことは言うまでもない。
【0028】
(実施の形態5)
図8は本発明の他の実施の形態の側断面図であり、同図によると、38は音導管、39は開口、40は音道、41はスピーカ、42はスピーカ41の振動板で、以上の構成は図7の構成と同様なものである。図7の構成と異なるのは共振板43の構造であり、共振板43を構成する振動部44と支持部45が音導管38に一体で構成されていることである。
【0029】
上記のように構成されたスピーカ装置も実施の形態4と同様の動作をし、共振板43の共振周波数を制御することで特定の周波数で発生する音圧増強を防ぎ音圧特性ピークを抑えることができる。このように構成された音導管38もまた共振板43を音導管38に一体で設けることにより音圧特性の制御が可能なばかりでなく部品点数も少なくできるものである。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明は共振板を音導管に設置もしくは音導管と一体で形成することにより音圧特性上発生する音圧ピークを抑制し、併せて部品数をも減らすことのできる安価で性能的に安定したスピーカ装置の供給を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピーカ装置の一実施の形態の分解斜視図
【図2】同側断面図
【図3】同他の実施の形態の側断面図
【図4】同他の実施の形態の分解斜視図
【図5】同側断面図
【図6】同他の実施の形態の分解斜視図
【図7】同側断面図
【図8】同他の実施の形態の側断面図
【図9】従来のスピーカ装置の分解斜視図
【図10】同側断面図
【符号の説明】
1,12,20,29 音導管
4,17,26,35 共振板
7,18,27,36 振動部
8,19,28,37 支持部
9,15,23,32 スピーカ
Claims (5)
- スピーカと、このスピーカの前面に配置された音導管と、このスピーカの前面に配置された音導管内に一体または別体として設けられた上記音導管の音道に発生する定在波に基づく周波数と共振するように設定した共振板とで構成されたスピーカ装置。
- 請求項1に記載の音導管の音道に発生する定在波に基づく周波数と共振するように設定した共振板を音導管に一体に設けたスピーカ側に開口部を有する空洞部の前記開口部に設けたスピーカ装置。
- 共振板が音導管の壁の穴部に装着されている請求項1に記載のスピーカ装置。
- 共振板を振動板とこの振動板と音導管を橋絡する支持部とで構成した請求項1、請求項2または請求項3に記載のスピーカ装置。
- 共振板が薄膜で形成され、請求項1に記載の音導管または請求項2の空洞部の開口部または請求項3に記載の音導管の壁の穴部に保持されているスピーカ装置。
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