JP3918233B2 - スピーカ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はテレビジョン受像機等の映像用機器や自動車、情報通信等の各種音響機器に使用されるスピーカ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からスピーカ装置の低音域再生や広帯域再生を可能とする技術の一つとして、スピーカユニットをキャビネットなどのボックス構造体で覆うものが一般的に用いられている。
【0003】
従来のスピーカ装置について図5により説明する。図5は上記従来のスピーカ装置の後面分解斜視図を示すものである。同図において、1はキャビネット本体、2は後面カバーであり、3はキャビネット本体1の内部に固着したスピーカユニットで、4はキャビネット本体1の一部に設けた空気が出入りするポート部である。5はキャビネット本体1とスピーカユニット3を固定するスピーカユニット取付ビスで、6はキャビネット本体1と後面カバー2を固定する後面カバー取付ビスである。
【0004】
以上のように、キャビネット本体1と後面カバー2を後面カバー取付ビス6で固定することでキャビネットを形成している。
【0005】
以上のように構成された従来のスピーカ装置について以下にその動作を説明する。まず、スピーカユニット3に電気信号を印加すると音響信号に変換され音の波が発生する。その際音の波として、スピーカユニット3の前面から出る音を正の音とすると後面から出る音は逆相の負の音となり、打ち消しあおうとするが、干渉しないようにするためにスピーカユニット3をキャビネット本体1の内部にスピーカユニット取付ビス5で固着して周りをキャビネット本体1と後面カバー2で覆い、後面カバー取付ビス6で密閉し、更にキャビネットの内部の音の波をキャビネット本体1の一部に設けたポート部4を通して放射するようにしたことにより、スピーカユニット3のみでは出すことのできなかった低音域の再生を可能としていた。この時キャビネットの内部の音の波は、ポート部4によって共振を起こし、且つ位相を反転させることができるためスピーカユニット3の前面から出る正の音と同相になって特定の周波数を補強しあうことができ、このポート部4とキャビネットによって低音域での音の波をコントロールしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来の構成では、ポート部4はプラスチックのパイプや紙管あるいはキャビネットの面の一部で構成し、キャビネットの表面に出るポート部4の開口端はキャビネット本体1に結合しているので、ある程度の強度を確保することができるが、キャビネット本体1の内部のポート部4の終端部はフリーな状態となるため、ポート部4が弱くなり、特に音の波がポート部4の細い管の中を通ろうとすると、音の波の圧力によってポート部4自身が共振してしまい、必要な低音域の再生を阻害することになり、うまく低音域の共振周波数をコントロールすることができず、音圧周波数特性に悪影響を及ぼしていた。更にポート部4の中を音の波が通る際、層流となって放射されるため音響的高調波歪みの発生を招き、異常音の原因にもなっていた。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、スピーカ装置に必要な低音域再生を容易に実現することができ、更に音の波がポート部を通る際に発生する共振を抑え、任意な値に低音域の共振周波数をコントロールするとともに、ポート部の中を音の波が通る際に発生する層流を拡散し乱すことにより音響的高調波歪みの発生をも防止することができる優れた音響性能を兼ね備え持ったスピーカ装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のスピーカ装置は、キャビネット本体と後面カバーとで形成される箱状のキャビネットと、このキャビネットに装着されたスピーカユニットと、一端を上記キャビネットの開口部に装着したポート部と、このポート部の他端の開口端の対向する両端にこのポート部と一体にこのポート部の他端の内壁が開口部に向かって曲面となるように形成した上記後面カバーにビス固定される円柱状のボス部とで構成して、ポート部の開口端側もボス部を介して上記キャビネットに固着したので、ポート部自体の強度確保と音の波がポート部内を通る時に発生する共振を抑え、低音域の共振周波数をコントロールするというポート部本来の目的を障害なく実現できると共に、他端開口端を上記ボス部による曲面状として上記ポート部内を音の波が通過するときに発生する層流を拡散して乱すことにより高調波歪みの発生も抑制する優れたスピーカ装置の提供を可能とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載のものは、キャビネット本体と後面カバーとで形成される箱状のキャビネットと、このキャビネットに装着されたスピーカユニットと、一端を上記キャビネットの開口部に装着したポート部と、このポート部の他端の開口端の対向する両端にこのポート部と一体にこのポート部の他端の内壁が開口部に向かって曲面となるように形成した上記後面カバーにビス固定される円柱状のボス部とで構成して、ポート部の開口端側もボス部を介して上記キャビネットに固着したので、ポート部自体の強度確保と音の波がポート部内を通る時に発生する共振を抑え、低音域の共振周波数をコントロールするというポート部本来の目的を障害なく実現できると共に、他端開口端を上記ボス部による曲面状として上記ポート部内を音の波が通過するときに発生する層流を拡散して乱すことにより高調波歪みの発生も抑制する優れたスピーカ装置の提供を可能としたものである。
【0010】
以下、本発明のスピーカの一実施の形態について図1から図4により説明する。なお、従来技術と同一部分は同一番号を付して説明を省略して説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態のスピーカ装置の分解斜視図であり、図2は同上面図であり、図3は同音圧周波数および第二高調波歪特性図である。
【0012】
同図によると、4aは一端がキャビネットの開口部に装着され、他端の開口部で柱状のボス部4eと一体に形成されたポート部4cを有するポートである。なお、上記ボス部4eはポート部4cの開口部の対向する両コーナー端に設けられた円柱状のものであり、これによって上記ポート部4cの他端の開口部の内壁面は開口部に向かって曲面を形成している。
【0013】
なお、8はボス部固定ビスであり、このボス部固定ビス8によってキャビネットの後面カバー2とポート4aはポート部4cの他端の開口部側でもキャビネットに強固に装着されることになる。
【0014】
以上のように、ポート4aはその両端を強固にキャビネットに装着してポート4aの強度の向上を図ると共に、ポート4aの共振現象を抑制してスピーカ装置に必要な低音域再生を障害なく行えるものである。ポート部4cの容量等を変更することで必要とする低音域再生を容易に得ることができるものである。
【0015】
また、ポート部4cの開口部端部を柱状のボス部4eと一体に設けたので、開口部端部の内壁面を曲面状としてポート部4cを通過する時に発生する層流を拡散して高調波歪みの発生を抑制するものである。
【0016】
図3は従来のスピーカ装置と本実施の形態のスピーカ装置の音圧周波数特性と第二高調波歪特性の比較を示すものであり、11は本実施の形態のスピーカ装置の音圧周波数特性を、12は従来のスピーカ装置のそれを示すものであり、本実施の形態のスピーカ装置の方が平坦で且つ高帯域の音圧周波数特性を示し、低音域で伸びのある低域再生を示し、中音域にてもピークディップの少ない平坦な音圧周波数特性を示している。
【0017】
また、13は本実施の形態のスピーカ装置の第二高調波歪みを、14は従来のスピーカ装置のそれを示すものであり、本実施の形態のスピーカ装置の方が低歪みを実現した高いリニアリティーを有するものであることが確認された。
【0018】
(実施の形態2)
図4は他の実施の形態の上面図であり、実施の形態1との相違点のみ説明すると、4bはポートであり、ポート部4dの両端の開口部間の内壁面はポート部4dと一体でキャビネット本体1に固着される複数の柱状のボス部4fによって少なくとも一部の内壁面が凹凸状部10を形成している。なお、ポート4bの上面は開口となっており、後面カバー2によってキャビネット本体1の開口部が覆われたとき、ポート4bの上面の開口も上記後面カバー2で覆ってポート4bが形成されるものである。
【0019】
以上の構成によってポート部4dの中を音の波が通るときに発生する風切音などの層流をこの凹凸状部10で拡散して高調波歪みをより抑制できるものである。
【0020】
なお、上記各実施の形態におけるポート部4c,4dは矩形形状としているが、低域再生を目的とする他の形状であっても良い。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明のスピーカ装置は、ポートの両端をキャビネットに固着してポートの強度向上と共振現象を抑制するとともに、ポート部の開口端の内面壁を曲面状にして高調波歪みの発生も抑制する優れたスピーカ装置を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスピーカ装置の一実施の形態の分解斜視図
【図2】 同上面図
【図3】 同音圧周波数・第二高調波歪特性図
【図4】 同他の実施の形態の上面図
【図5】 従来のスピーカ装置の分解斜視図
【符号の説明】
1 キャビネット本体
2 後面カバー
3 スピーカユニット
4a,4b ポート
4c,4d ポート部
4e ボス部
4f 他のボス部
Claims (1)
- キャビネット本体と後面カバーとで形成される箱状のキャビネットと、このキャビネットに装着されたスピーカユニットと、一端を上記キャビネットの開口部に装着したポート部と、このポート部の他端の開口端の対向する両端にこのポート部と一体にこのポート部の他端の内壁が開口部に向かって曲面となるように形成した上記後面カバーにビス固定される円柱状のボス部とで構成されるスピーカ装置。
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JP15336497A JP3918233B2 (ja) | 1997-06-11 | 1997-06-11 | スピーカ装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15336497A JP3918233B2 (ja) | 1997-06-11 | 1997-06-11 | スピーカ装置 |
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JPH114492A JPH114492A (ja) | 1999-01-06 |
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ID=15560846
Family Applications (1)
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JP15336497A Expired - Fee Related JP3918233B2 (ja) | 1997-06-11 | 1997-06-11 | スピーカ装置 |
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1997
- 1997-06-11 JP JP15336497A patent/JP3918233B2/ja not_active Expired - Fee Related
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