JP3479917B2 - 二重駆動型スピーカ装置 - Google Patents

二重駆動型スピーカ装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低音の再生を大型のス
ピーカ装置と同様に良好に実現できる小型の二重駆動型
スピーカ装置の改良に関する。
【0002】現在、スピーカ装置は、設置スペースの関
係で小型化されたものが普及し、また、その性能は、か
なり向上しているのであるが、依然、低音再生が充分で
はない旨の不満が多く聞かれる状況にあり、また、充分
な低音再生の実現を図ったとする提案もないではない
が、音の濁りを生ずるなどの問題があるので、このよう
な問題を解決しなければならない。
【0003】
【従来の技術】通常、スピーカ・ユニットの基本特性を
知る為には、無限大バッフルを用いて試験する。そのよ
うな試験で、口径が20〔cm〕以上のスピーカ・ユニッ
トについては、多くの人々が低音について満足感を得る
ことができるのであるが、口径が16〔cm〕以下のスピ
ーカ・ユニットになると、その満足感はかなり低いもの
となる。
【0004】一般の家庭に於いては、スペースの関係か
ら無限大バッフルを用いることはできないので、スピー
カ・ユニットをキャビネットに入れるのであるが、その
キャビネットも同じくスペースの関係で余り大きなもの
は用いることはできず、普通は内容積が20リットル以
下のものが多い。
【0005】例えば、口径20〔cm〕のスピーカ・ユニ
ットを内容積20〔リットル〕の密閉キャビネットに取
り付けた場合、キャビネット内のコンプライアンスが不
足して最低共振周波数f0 が100〔Hz〕程度まで上
昇し、無限大バッフルを用いた際の満足感は失われる。
【0006】従って、現在、小型のスピーカ装置に於い
ては、ダクトを付加してバスレフ方式にしたキャビネッ
トに口径10〔cm〕程度のスピーカ・ユニットを取り付
け、キャビネット内容積を低音で共鳴させて低音補強を
行ったものが多い。
【0007】このようなスピーカ装置は、通常行われて
いる連続波を用いた測定では、極めて良好なデータが得
られ、また、スピーカ・ユニットの後方に放射される音
は半周期遅れで前面の音と同相になって音圧レベルを高
めるように作用するものであり、そのような作用のメカ
ニズム自体に起因する歪みは発生せず、聴感上でも低音
が放射されている旨の感覚が得られる。
【0008】然しながら、バスレフ方式キャビネットを
用いた小型スピーカ装置で得られる低音は、大型スピー
カ装置乃至無限大バッフルを用いたスピーカ装置で再生
される自然な低音とは異なっている。
【0009】その理由は、スピーカ・ユニットに於ける
コーンの振幅が大きくなり過ぎて歪みを発生すること、
また、コーンの前面に放射された音に対し、コーンの後
方、即ち、キャビネット内に放射された音は時間的に遅
れてダクトから放射されて耳に到達することにある。
【0010】この場合に於ける音の遅れは高々10〔ミ
リ秒〕程度であるから、音がエコーのように分離して聞
こえることはないが、自然の音とは異なる違和感を感じ
るのである。即ち、本来は一つであるべき音が、約10
〔ミリ秒〕遅れた音を伴って再生される為に起こるもの
で、所謂、歯切れの悪い低音として感じられるのであ
る。
【0011】ところで、前記密閉キャビネットを用いた
スピーカ装置に於いて、密閉キャビネットが小さい場
合、充分な低音再生を行うことができない点で問題はあ
るが、音の自然さの点ではバスレフ方式キャビネットを
用いたスピーカ装置には優っている。
【0012】この密閉キャビネットを用いたスピーカ装
置では、当然のことながら、スピーカ・ユニットの背面
空間は密閉され、その背面空間が等価的に空気バネとし
て作用し、それが原因でスピーカ装置の最低共振周波数
0 がスピーカ・ユニット自体の最低共振周波数f0
比較して高い値となり、小さい密閉キャビネットでは充
分な低音再生を行うことができないのである。
【0013】このような問題を解消する一つの手段とし
て、第一のスピーカ・ユニットを取り付けた第一の密閉
キャビネット内に、第一のスピーカ・ユニットと略同等
の第二のスピーカ・ユニットを取り付けた第二の密閉キ
ャビネットを設け、第一のスピーカ・ユニットと第二の
スピーカ・ユニットとを並列に駆動することで、前記背
面空間に依る空気バネの影響を軽減し、低音域の改善を
図ろうとする技術が知られている(要すれば、雑誌「電
気通信学会」昭和62年12月号 第13頁乃至第18
頁、を参照)。以下、この種のスピーカ装置を二重駆動
型スピーカ装置と呼ぶことにする。
【0014】図5は従来の二重駆動型スピーカ装置を解
説する為の要部説明図である。図に於いて、BX1は第
一の密閉キャビネット、BX2は第二の密閉キャビネッ
ト、SP1は第一の密閉キャビネットに取り付けられた
第一のスピーカ・ユニット、SP2は第二の密閉キャビ
ネットに取り付けられ第一のスピーカ・ユニットと略同
等の第二のスピーカ・ユニット、SLは信号供給線、E
inは入力電圧をそれぞれ示している。尚、この二重駆動
型スピーカ装置では、第一の密閉キャビネットBX1内
に設けられた第二の密閉キャビネットBX2は、密閉キ
ャビネットの構成部材を互いに一部共用している。
【0015】図から明らかなように、この従来例では、
第一のスピーカ・ユニットSP1と第二のスピーカ・ユ
ニットSP2とを同軸上で前後に配置して並列駆動する
ようになっている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】残念ながら、図5につ
いて説明した二重駆動型スピーカ装置は、市場に受け入
れられる存在とはならなかった。この理由を次に説明し
よう。
【0017】一般に、二個のスピーカ装置を並列駆動す
る場合、聴取位置から各スピーカ装置までの距離は同一
となるように配置する。これは、聴取位置から各スピー
カ装置までに距離差がある場合、音の干渉、特に中音及
び高音の干渉が起こって、濁って聞こえるのを防止する
為である。
【0018】然るに、図5について説明した二重駆動型
スピーカ装置では、第一のスピーカ・ユニットSP1
び該第一のスピーカ・ユニットSP1と略同等の第二の
スピーカ・ユニットSP2とを同軸上で前後に配置し、
これを並列接続して駆動するのであるから、当然に中音
及び高音の干渉が起こって音の濁りを生じてしまい、清
澄な音を放射することはできないのである。
【0019】本発明は、極めて簡単な手段を採ること
で、二重駆動型スピーカ装置に於ける中音や高音の干
渉、即ち、音の濁りが発生するのを防止して、延びやか
な低音を含む清澄な音を放射できるようにする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明では、第一のスピ
ーカ・ユニットの背面空間の空気バネ効果を緩和する働
きをする第二のスピーカ・ユニットを駆動する信号から
音の干渉を生じ易い周波数、即ち、中音及び高音の周波
数を除去することが基本になっている。
【0021】即ち、本発明に依る二重駆動型スピーカ装
置に於いては、 (1)第一の密閉キャビネット(例えば第一の密閉キャ
ビネットBX1)に音を外方に放射するよう取り付けら
れた第一のスピーカ・ユニット(例えば第一のスピーカ
・ユニットSP1)と、前記第一の密閉キャビネット内
に在って前記第一のスピーカ・ユニットの背面側に設け
られた第二の密閉キャビネット(例えば第二の密閉キャ
ビネットBX2)に取り付けられ且つ前記第一のスピー
カ・ユニットの口径に比較して小さい口径をもつと共に
前記第二の密閉キャビネット内の空間に於ける空気バネ
に抗して充分な圧縮を行うのに耐える程度以上に高い剛
性のコーンをもつ第二のスピーカ・ユニット(例えば第
二のスピーカ・ユニットSP2)と、前記第一のスピー
カ・ユニットと並列駆動される前記第二のスピーカ・ユ
ニットへの信号供給線(例えば第二のスピーカ・ユニッ
トへの信号供給線SL)に介挿されて前記第一の密閉キ
ャビネットに取り付けられた前記第一のスピーカ・ユニ
ットに於ける最低共振周波数f0 を越える周波数を遮断
するフィルタ(例えばフィルタFC)とを備えてなるこ
とを特徴とするか、或いは、
【0022】(2)前記(1)に於いて、第一の密閉キ
ャビネットに取り付けられた第一のスピーカ・ユニット
SP1に於ける開口面と第二の密閉キャビネットに取り
付けられた第二のスピーカ・ユニットSP2に於ける開
口面のそれぞれが非平行状態に配置されてなることを特
徴とするか、或いは、
【0023】(3)前記(1)或いは(2)に於いて、
第一の密閉キャビネットに取り付けられた第一のスピー
カ・ユニットSP1及び第二の密閉キャビネットに取り
付けられた第二のスピーカ・ユニットSP2のそれぞれ
は各背面が対向する状態に配置されてなることを特徴と
するか、或いは、
【0024】(4)前記(1)或いは(2)或いは
(3)に於いて、第一のスピーカ・ユニットを駆動する
信号から分岐した信号が加えられる増幅器を第二のスピ
ーカ・ユニットへの信号供給線に介挿してなることを特
徴とする。
【0025】
【作用】前記手段を採ることに依り、第一の密閉キャビ
ネットに取り付けられた第一のスピーカ・ユニットから
外方に放射される高音及び中音は第二の密閉キャビネッ
トに取り付けられた第二のスピーカ・ユニットから放射
される音と干渉することは皆無になるから、第一のスピ
ーカ・ユニットから外方に放射される高音並びに中音は
濁りのない清澄な音となり、しかも、第一のスピーカ・
ユニットが取り付けられている第一の密閉キャビネット
内のコンプライアンスの不足は第二のスピーカ・ユニッ
トの作用で補償されるので、第一の密閉キャビネットに
取り付けられた第一のスピーカ・ユニットに於ける最低
共振周波数f0 の上昇は抑止され、従って、小型の密閉
キャビネットであっても、延びの良い低音を充分に再生
することができる。
【0026】
【実施例】図1は本発明に於ける第一実施例を解説する
為の二重駆動型スピーカ装置を表す要部説明図であり、
図5に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或い
は同じ意味を持つものとする。
【0027】図から明らかであるが、本実施例の構成
は、第一の密閉キャビネットに取り付けられた第一のス
ピーカ・ユニットSP1並びに第二の密閉キャビネット
に取り付けられた第二のスピーカ・ユニットSP2が同
軸上で前後に配置され且つ並列駆動される点に於いて、
図5について説明した従来の技術に依るスピーカ装置と
類似している。
【0028】然しながら、本実施例では、第二のスピー
カ・ユニットSP2の駆動を第一のスピーカ・ユニット
SP1の最低共振周波数f0 及び低い周波数を通過させ
て中音及び高音の周波数を遮断し得るフィルタFCを介
して行う構成になっている点で図5に見られるスピーカ
装置と大きく相違し、そして、第二のスピーカ・ユニッ
トSP2は高忠実度で音を再生するわけではなく、要
は、第一のスピーカ・ユニットSP1に於ける背面空間
の空気バネ効果を緩和する為のものであるから、その目
的に沿ったものであることが必要であり、従って、その
口径は第一のスピーカ・ユニットSP1に比較して小さ
くなっていて、しかも、そのコーンは第二の密閉キャビ
ネット内の空間に於ける空気バネに抗して充分な圧縮を
行うのに耐える程度以上に高い剛性をもつものであるこ
とが必要である。また、ここで用いるフィルタFCは、
通常のCRフィルタ、或いは、LCフィルタなど適宜の
ものを採用することができ、要は、前記の周波数を遮断
して低い周波数のみを通過させることができるものであ
れば良い。また、ここで、フィルタFCに於ける特性の
目安になっている最低共振周波数f0 は厳密に守られる
べき値ではなく、その近傍の値が維持されていれば
たる支障はない。
【0029】このような構成にすると、第二のスピーカ
・ユニットSP2は第一のスピーカ・ユニットSP1の
最低共振周波数f0 よりも高い周波数の振動はしないの
で、第一のスピーカ・ユニットSP1から放射される音
が干渉を受けることは皆無となり、しかも、第二のスピ
ーカ・ユニットSP2の振動は、第一のスピーカ・ユニ
ットSP1に於ける背面空間が空気バネとして作用する
のを有効に軽減させることができ、従って、低音再生帯
域は拡大され、伸びやかな低音が再生され、勿論、中音
並びに高音の濁りも生じない。
【0030】図2は本発明に於ける第二実施例を解説す
る為の二重駆動型スピーカ装置を表す要部説明図であ
り、図1に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか
或いは同じ意味を持つものとする。
【0031】本実施例では、第一のスピーカ・ユニット
SP1と第二のスピーカ・ユニットSP2とが同軸上に
はなく、しかも、第一のスピーカ・ユニットSP1並び
に第二のスピーカ・ユニットSP2それぞれの開口面が
平行ではない配置になっている。
【0032】この構成を採ると、第一実施例に比較し、
更に干渉が少なくなり、また、第一のスピーカ・ユニッ
トSP1並びに第二のスピーカ・ユニットSP2の間に
介在する隔壁SWが斜めになっていることから、密閉キ
ャビネット内で定在波が立ち難い旨の利点もある。
【0033】図3は本発明に於ける第三実施例を解説す
る為の二重駆動型スピーカ装置を表す要部説明図であ
り、図2に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか
或いは同じ意味を持つものとする。
【0034】本実施例では、第二のスピーカ・ユニット
SP2が第一のスピーカ・ユニットSP1に対して逆向
きに取り付けられている。一般に、スピーカ・ユニット
に於けるコーンは、正面に向かって円錐形に開口し、そ
の形状は正面軸上に低音から高音まで効率良く音響エネ
ルギを放射する為に好適なものであり、そして、このよ
うなコーンの形状から、背面軸方向では中音から高音の
音響エネルギは分散し、背面軸上での音響レベルは中音
域から高音域で低下することとなり、しかも、背面には
磁気回路が存在する為、背面軸上での周波数特性は中音
〜高音で急激に低下する。実測例に依れば、3〔kH
z〕で40〔dB〕の低下が観測された。従って、第二
のスピーカ・ユニットを逆向きに配設することで、第一
のスピーカ・ユニットに与える干渉は大幅に少なくする
ことができ、第二実施例に比較すると更に干渉が少なく
なり、しかも、第二実施例と同様、密閉キャビネット内
の定在波が立ち難い旨の利点を享受できることも勿論で
ある。尚、本実施例のように第二のスピーカ・ユニット
SP2を第一のスピーカ・ユニットSP1に対して逆向
きに配置した場合、本発明の目的からして、各スピーカ
・ユニットは逆相で駆動することが必要なのは自明であ
るが、その為には、各スピーカ・ユニットに対する信号
供給線を相互に逆接続すれば良い。この点は、次に説明
する第四実施例に於いても同じである。
【0035】ここで、第二のスピーカ・ユニットSP2
を逆向きに取り付けることで中音及び高音の干渉が少な
くなる理由は、本来、スピーカ・ユニットに於いては、
コーンを始め、その他の部材も含めて音を前方に放射す
る設計になっていることに依る。尚、この構成にして
も、第一のスピーカ・ユニットSP1の背面に於ける空
気バネの影響を低減する機能が阻害される虞は全くな
い。
【0036】図4は本発明に於ける第四実施例を解説す
る為の二重駆動型スピーカ装置を表す要部説明図であ
り、図2及び図3に於いて用いた記号と同記号は同部分
を表すか或いは同じ意味を持つものとする。
【0037】本実施例では、第一実施例乃至第三実施例
で用いているフィルタFCに通常のオーディオ周波数の
増幅を行うことができる増幅器APを組み合わせて用い
たものである。
【0038】この構成を採ると、 増幅器APの利得を調節して第二のスピーカ・ユニ
ットSP2の駆動パワーを最適化することができるこ
と。
【0039】 高性能のフィルタFCを簡単なCRを
用いて安価に実現できること。因に、増幅器APがない
場合、100〔Hz〕程度のフィルタは極めて大型のコ
イル(例えば5〔mH〕、0.1〔Ω〕)が必要とな
り、大変に高価なものになってしまう。
【0040】 主増幅器(図示せず)側から二重駆動
型スピーカ装置を見た場合、第一のスピーカ・ユニット
SP1が負荷となるのみであって、第二のスピーカ・ユ
ニットSP2のインピーダンスは負荷にならない。即
ち、図1乃至図3及び図5の従来例も含めて、第一のス
ピーカ・ユニットSP1及び第二のスピーカ・ユニット
SP2の合成インピーダンスが主増幅器の負荷となるの
であるが、本実施例では、第二のスピーカ・ユニットS
P2が主増幅器から切り離されるので、大型のキャビネ
ットに第一のスピーカ・ユニットSP1のみを取り付け
た状態と等価になる。 など多くの利点を生ずる。
【0041】本発明に於いては、前記説明した実施例に
限られることなく、特許請求の範囲に記載されたところ
を逸脱しない範囲で多くの改変を行うことができる。
【0042】例えば、第二のスピーカ・ユニットSP2
に於けるコーンを高剛性のものとして、第二の密閉キャ
ビネット内の空間に於ける空気バネに抗して充分な圧縮
を行うことが可能であるようにする為、コーンの材料を
従来から多用されている紙に限定することなく、例えば
合成樹脂材料、金属材料、硬質ゴム材料、合成樹脂材料
や硬質ゴム材料を金属材料で挟むなどした複合材料など
を適宜に選択して使用することができる。
【0043】
【0044】本発明に依る二重駆動型スピーカ装置で
は、第一の密閉キャビネットに音を外方に放射するよう
取り付けられた第一のスピーカ・ユニットと、前記第一
の密閉キャビネット内に在って前記第一のスピーカ・ユ
ニットの背面側に設けられた第二の密閉キャビネットに
取り付けられ且つ前記第一のスピーカ・ユニットの口径
に比較して小さい口径をもつと共に前記第二の密閉キャ
ビネット内の空間に於ける空気バネに抗して充分な圧縮
を行うのに耐える程度以上に高い剛性のコーンをもつ
二のスピーカ・ユニットと、前記第一のスピーカ・ユニ
ットと並列駆動される前記第二のスピーカ・ユニットへ
の信号供給線に介挿されて前記第一の密閉キャビネット
に取り付けられた前記第一のスピーカ・ユニットに於け
る最低共振周波数f0 を越える周波数を遮断するフィル
タとを備える。
【0045】前記構成を採ることに依り、第一の密閉キ
ャビネットに取り付けられた第一のスピーカ・ユニット
から外方に放射される高音及び中音は第二の密閉キャビ
ネットに取り付けられた第二のスピーカ・ユニットから
放射される音と干渉することは皆無になるから、第一の
スピーカ・ユニットから外方に放射される高音並びに中
音は濁りのない清澄な音となり、しかも、第一のスピー
カ・ユニットが取り付けられている第一の密閉キャビネ
ット内のコンプライアンスの不足は第二のスピーカ・ユ
ニットの作用で補償されるので、第一の密閉キャビネッ
トに取り付けられた第一のスピーカ・ユニットに於ける
最低共振周波数f0 の上昇は抑止され、従って、小型の
密閉キャビネットであっても、延びの良い低音を充分に
再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に於ける第一実施例を解説する為の二重
駆動型スピーカ装置を表す要部説明図である。
【図2】本発明に於ける第二実施例を解説する為の二重
駆動型スピーカ装置を表す要部説明図である。
【図3】本発明に於ける第三実施例を解説する為の二重
駆動型スピーカ装置を表す要部説明図である。
【図4】本発明に於ける第四実施例を解説する為の二重
駆動型スピーカ装置を表す要部説明図である。
【図5】従来の二重駆動型スピーカ装置を解説する為の
要部説明図である。
【符号の説明】
BX1 第一の密閉キャビネット BX2 第二の密閉キャビネット SP1 第一のスピーカ・ユニット SP2 第二のスピーカ・ユニット SL 信号供給線 Ein 入力電圧 FC フィルタ AP 増幅器

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一の密閉キャビネットに音を外方に放射
    するよう取り付けられた第一のスピーカ・ユニットと、 前記第一の密閉キャビネット内に在って前記第一のスピ
    ーカ・ユニットの背面側に設けられた第二の密閉キャビ
    ネットに取り付けられ且つ前記第一のスピーカ・ユニッ
    トの口径に比較して小さい口径をもつと共に前記第二の
    密閉キャビネット内の空間に於ける空気バネに抗して充
    分な圧縮を行うのに耐える程度以上に高い剛性のコーン
    をもつ第二のスピーカ・ユニットと、 前記第一のスピーカ・ユニットと並列駆動される前記第
    二のスピーカ・ユニットへの信号供給線に介挿されて前
    記第一の密閉キャビネットに取り付けられた前記第一の
    スピーカ・ユニットに於ける最低共振周波数f0 を越え
    る周波数を遮断するフィルタとを備えてなることを特徴
    とする二重駆動型スピーカ装置。
  2. 【請求項2】第一の密閉キャビネットに取り付けられた
    第一のスピーカ・ユニットSP1に於ける開口面と第二
    の密閉キャビネットに取り付けられた第二のスピーカ・
    ユニットSP2に於ける開口面のそれぞれが非平行状態
    に配置されてなることを特徴とする請求項1記載の二重
    駆動型スピーカ装置。
  3. 【請求項3】第一の密閉キャビネットに取り付けられた
    第一のスピーカ・ユニットSP1及び第二の密閉キャビ
    ネットに取り付けられた第二のスピーカ・ユニットSP
    2のそれぞれは各背面が対向する状態に配置されてなる
    ことを特徴とする請求項1或いは請求項2記載の二重駆
    動型スピーカ装置。
  4. 【請求項4】第一のスピーカ・ユニットを駆動する信号
    から分岐した信号が加えられる増幅器を第二のスピーカ
    ・ユニットへの信号供給線に介挿してなることを特徴と
    する請求項1或いは請求項2或いは請求項3記載の二重
    駆動型スピーカ装置。
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