JPH0136400Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スピーカ、特に、センタキヤツプを
設けた振動板の内周をダンパにより支持するスピ
ーカの改良に関する。

第１図は従来のこの種のものを示し、１，２，
３は、それぞれ、磁気回路のセンタポール、マグ
ネツト、プレート、４はフレーム、５は振動板、
６はボイスコイルボビン、７はボイスコイル、８
はダンパ、９はセンタキヤツプである。

上記従来のものでは、振動板５の内周を、ボイ
スコイルボビン６を介し、フレーム４に結合支持
するダンパ８がその伸長に限度のあるものである
ため、ボイスコイル７に供給される入力信号によ
る振動板５の振動は、振幅が大きくなるにつれ、
入力信号に対する直線性がなくなつて高調波歪が
増す、さらには、ダンパ８がフレーム４などにぶ
つつかる、いわゆる底当りをさせたり、振動板５
に横ゆれなどをさせたりするようになり、これら
によつても、高調波歪が増すという欠点がある。

本考案は、上記のような従来のものの欠点を除
去することを目的とし、このため、ダンパを磁気
回路のセンタポール上面に固着される外周部と、
センタキヤツプ背面に固着される中央部と、外周
部と内周部との間に放射状に、しかも、内側に山
形に湾曲するように形成された、弾性を有する複
数の支持部とから成るものとするものである。

第２図は本考案の一実施例を示し、１〜７，９
はそれぞれ第１図におけると同じもの、１０は本
考案によるダンパであり、ダンパ１０は、第３図
に示すその斜視図からさらに明らかなように、
ａ，ｂ，ｃの三部分から成り、ａはセンタポール
１の上面に固着される円環状の外周部、ｂはセン
タキヤツプ９の背面に固着される椀状の中央部、
ｃは外周部ａと中央部ｂとの間に放射状に、しか
も、内側に山形に湾曲するように形成された、弾
性を有する、複数の支持部である。

上記実施例では、ダンパ１０の支持部ｃが、そ
の形状、材質により、振動板５の振動方向には大
きな範囲に伸縮することができ、しかも、その際
外周部ａの固着面に達することなく、また、振動
板５の振動方向を直角の方向には大きな剛性を示
すものであるので、ボイスコイル７に供給される
入力信号による振動板５の振動は、従来と異な
り、大振幅時にも、ダンパ１０の柔軟な追従によ
りその振幅を制限されることなく、また、ダンパ
１０の底当りや振動板５の横ゆれなどを生じさせ
ることもなく行なわれ、入力信号に対する直線性
が保たれ、高調波歪が少なく、低域から高域まで
平坦な再生周波数特性を示すものとなる。第４図
はその第２高調波歪（実線）を、従来のもののそ
れ（点線）と対比して、示すものである。

また、本考案は、そのダンパの支持部の長さ、
材質の調整により、種々のスピーカに実施するこ
とができる。

以上のように、本考案によれば、センタキヤツ
プを設けた振動板の内周側をダンパにより支持す
るスピーカを、従来のもののように高調波歪を増
すことなく、振動板の大振幅振動が得られるもの
とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスピーカを示す側断面図、第２
図は本考案の一実施例を示す側断面図、第３図は
第２図示のダンパの斜視図、第４図は第２図示の
ものの第２高調波歪の周波数特性図である。 １……センタポール、５……振動板、６……ボ
イスコイルボビン、９……センタキヤツプ、１０
……ダンパ、ａ……外周部、ｂ……中央部、ｃ…
…支持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. センタキヤツプ９を設けた振動板５の内周側を
   ダンパ１０により支持するスピーカにおいて、上
   記ダンパ１０を、磁気回路のセンタポール１上面
   に固着される外周部ａと、上記センタキヤツプ９
   背面に固着される中央部ｂと、上記外周部ａと中
   央部ｂとの間に放射状に、しかも、内側に山形に
   湾曲するよう形成された、弾性を有する、複数の
   支持部ｃとから成るものとしたことを特徴とする
   スピーカ。