JPS6145072Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はデイスタツカーに関し、特に供給動作
中の余剰シートを自動的に分離するための装置に
係る。

デイスタツカーは積み重ね状態の磁性シート例
えば鋼板を上から一枚ずつ取り出し、これを後の
加工工程例えばプレス加工機に供給する装置であ
る。ところが積み重ね状態の鋼板群がそれらの間
の油により密着状態にあると、バキユームカツプ
は一度に複数例えば２枚の磁性シートを吸着する
こともある。

とこで実用新案登録出願人はすでにそれらの重
合状態のシートのうち下方の余剰シートを磁気的
吸引力で分離する装置を開発している。ところが
密着状態の磁性シートはそのままの状態ではかな
りの大きな力でなければ分離しないが、それらの
間にずれを生じさせると両者は比較的簡単に分離
できる状態となる。

本考案は、その点に着目し、重合（ダブルブラ
ンク）状態の磁性シートを運搬する途中にそれら
の重合状態の磁性シート間に磁性シートを湾曲さ
せることにより、それらの間にずれを発生させ、
そのずれを契機として複数の磁性シートを磁気的
吸引力により分離するようにしている。

以下、本考案を図に示す一実施例にもとずいて
具体的に説明する。

まず、デイスタツカー１は、第１図および第２
図に示すように、積み重ね状態の磁性シート２を
複数のバキユームカツプ３により一枚ずつ取り出
し、上方に持ち上げる。これらの積み重ね状態の
磁性シート２は荷役パレツト４上に載せられ、搬
入コンベヤ５などにより送り込まれてくる。そし
てバキユームカツプ３はそれぞれロツド６などに
支持されており、このロツド６は図示しない駆動
手段により上下方向の往復運動をする。なお、マ
グネツトフロータ１８は磁性シート２の端面に磁
界を作用させ、相互の密着を解くように働いてい
る。

そしてバキユームカツプ３の上方位置に搬送方
向にそつて供給用の左右一対のコンベヤ７が設け
られている。このコンベヤ７はローラコンベヤ型
式のもので、搬送方向の両端縁に分割状態で配設
してある。このコンベヤ７の構造はフレーム８に
対し水平方向の軸９によりローラ１０を回転自在
に支持し、これらのローラ１０間に吸着用の磁石
１１を多数配設し、かつこれらのローラ１０をチ
エン１２およびチエンホイール１３により図示し
ないモータで駆動されるようにしてある。また上
記供給用のコンベヤ７の供給側下方に余剰シート
搬出用のコンベヤ１４が設けられている。このコ
ンベヤ１４は例えばベルトコンベヤ型式のもの
で、コンベヤローラ１５の間にエンドレス状のコ
ンベヤベルト１６を巻き掛け、その上側のベルト
の下方に余剰シート分離用の磁石１７を配設して
構成してある。分離用の磁石１７は搬送方向の中
央に配設してある。これら磁石１１，１７は永久
磁石または電磁石により構成するものとする。

さて、バキユームカツプ３は往復上下運動を繰
り返し、積み重ね状態の磁性シート２から一番上
の磁性シート２を吸着し、それを供給用のコンベ
ヤ７の下面位置まで案内する。その状態で吸着用
の複数の磁石１１は磁性シート２を吸着するため
磁性シート２はローラ１０の下面に接した状態で
磁力により保持され、ローラ１０の回転により供
給方向に移動する。このようにして磁性シート２
は一枚ずつ取り出されて所定の位置に供給され
る。

この搬送時において磁性シート２は両端の磁石
１１に吸着されているが、その中央部分では支持
されないため第２図に示すように中央部分で下向
きに湾曲する状態となる。もし磁性シート２が重
合（ダブルブランク）状態で送られてきた場合、
両磁性シート２はその中央部分の湾曲のため、両
材料の密着面の間でずれを発生する。このため重
合状態の磁性シート２はずれのため分離しやすい
状態となつている。そして重合状態の２枚の磁性
シート２が分離用の磁石１７の上方にさしかかる
と、下方の磁性シート２は下方の磁石１７に吸引
されて上方の磁性シート２の下面から分離しなが
ら下方に落下し、余剰シート搬送用のコンベヤベ
ルト１６の上に乗り、搬出位置に送り込まれる。
もちろん供給用のコンベヤ７に吸着されている他
の磁性シート２は一枚の状態となり、そのまま所
定の搬送位置に送り込まれることになる。

この実施例では、コンベヤ７のローラ１０が所
定の間隔をおき、それらの間に吸着用の磁石１１
が位置しているため、吸着状態の磁性シート２は
第３図に示すように、波状に湾曲しながら進行す
る。この波うち現象は重合状態の磁性シート２に
対し、吸着面でのずれをおこさせることになるか
ら、余剰の磁性シート２を確実に分離するのに役
立つ。

なお、上記実施例は吸着用の磁石１１を搬送方
向の両端部に分割した状態で配置した例である
が、第４図の実施例は下方の分離用の磁石１７を
２つに分割し、それらを磁性シート２の左右の端
部に対応させ、かつ上方の吸着用の磁石１１を搬
送方向のほぼ中央位置に配設した例である。これ
に対応して上方のコンベヤ７は左右に分割しない
で、ほぼ中央位置で比較的幅の広いローラ１０と
して構成してある。この第４図の実施例において
も重合状態の磁性シート２はその端縁において端
部の湾曲によりずれを発生するから、重合状態の
磁性シート２の分離は前記実施例と同様に確実な
ものとなる。

本考案によれば、重合状態の磁性シートが供給
用のコンベヤで搬送される途中で、両者間の密着
面でずれを発生させる状態で磁気的に吸引される
ため、両磁性シートの分離が確実なものとなり、
また両者の磁性シートの分離に必要な磁力が可及
的に小さくできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る余剰シート分離装置の概
略的側面図、第２図は正面から見た垂直断面図、
第３図はローラと磁性シートとの搬送状態を示す
側面図、第４図は本考案の他の実施例を示す正面
から見た垂直断面図である。 １……デイスタツカー、２……磁性シート、７
……供給用のコンベヤ、１０……ローラ、１１…
…吸着用の磁石、１４……余剰シート搬出用のコ
ンベヤ、１７……余剰シート分離用の磁石。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 積み重ね状態の磁性シート２を吸着して取り上
   げ、一枚ずつ所定の位置へ供給するデイスタツカ
   ー１において、 搬送方向にそつて供給用のコンベヤ７を設け、 このコンベヤの供給側下方に余剰シート搬出用
   のコンベヤ１４を設け、 上記供給用のコンベヤに上記磁性シートを当該
   コンベヤの下面で保持するための吸着用の磁石１
   １を組込み、 また上記余剰シート搬送用のコンベヤに余剰シ
   ートを分離するための磁石１７を設け、 さらに上記両磁石のうち一方の磁石を分割して
   搬送方向の両端縁に配設し、かつ他方の磁石を搬
   送方向の中央に配設してなることを特徴とする余
   剰シート分離装置。