JPS6144732Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、フライス作業における円弧状加工
用アタツチメントに関するものである。

従来、横中ぐり盤やフライス盤等によるフライ
ス作業においてコーナー部の円弧溝加工等の際に
は、特殊機械による加工やケガキ線を追つての手
送りによる加工をしたりしていたが、これは仲々
面倒でもあり時間経費共に要して厄介であつた。

そこで本考案はこうした難点を解消し、本アタ
ツチメントを使用して主軸ヘツドの前面に装着
し、簡単に任意の円弧溝加工を可能としたもの
で、図面に基づいてこの考案による一実施例を説
明する。

主軸ヘツド２１に主軸２２を回転自在に支承し
た機械加工機、例えば横中ぐり盤の主軸ヘツド２
１の前面に着脱可能なアタツチメントケース１を
取付け、該アタツチメントケース１内に前後の軸
受１２、１３を介して回動可能に支承した中間中
筒２を設け、該中間中筒２はウオームギヤ装置２
４等により任意位置に回動し抑止可能とする。

そして中間中筒２の前部には、これと一体関係
にある偏心ケース部３を取付け、両者内に前後の
軸受１６、１６を介して回転自在に支承したメイ
ンシヤフト５を挿通し、該メインシヤフト５の後
端は横中ぐり盤の主軸２２にカツプリング２３を
介して連結し、且つ偏心ケース部３内に位置する
前端にはピニオン８を取付ける。

また偏心ケース部３の前面には偏心ケース部３
に対して回動可能な回動盤４を取付け任意の回動
位置に抑止可能とする。該回動盤４の内部には、
その回転中心に一致させた位置に前後の軸受１
７、１８を介して回転自在に支承した中心軸６を
設け、その後端には前記ピニオン８と噛合うアイ
ドルギヤ９および前部には中間歯車１０をそれぞ
れ取付ける。

さらに中心軸６から偏心した位置に配置した副
主軸７を設け、該副主軸７は前後の軸受１９、２
０を介して回転自在に支承すると共に、前記中間
歯車１０と噛合う被動歯車１１を固着し、副主軸
７の前端テーパー孔に溝加工用の回転切削刃１４
あるいは研削砥石１５等を装着して本円弧状加工
用アタツチメントは構成されている。

本アタツチメント使用に当つては、偏心ケース
部３に対する回動盤４の回動位置を調整してメイ
ンシヤフト５の中心線に対する副主軸７の中心線
の偏心量を加工しようとする円弧溝の半径に等し
くしたのち、ねじ込みボルト等を締付けて偏心ケ
ース部３に回動盤４を固定する。主軸ヘツド２１
の前面にアタツチメントケース１を連結し、主軸
２２にカツプリング２３を介して連結したメイン
シヤフト５を回転させ、順次ピニオン８、アイド
ルギヤ９、中心軸６と回転させ、さらに中間歯車
１０、被動歯車１１をへて副主軸を回転させる。
ウオームギヤ装置２４を非回転状態に保ち、即ち
アタツチメントケース１に対して中間中筒２を固
定状態に保つて、副主軸７を回転させながら、主
軸ヘツド２１に対するテーブル（図示省略）の相
対位置を水平方向に移動させると、第３図イの上
下の水平直線溝の切削加工及び第３図ロの上下の
水平直線溝の切削加工が行われる。

副主軸７を回転させながら、主軸ヘツド２１に
対するテーブルの相対位置を上下方向に移動させ
ると、第３図イの左右の垂直直線溝の切削加工が
行われる。

また、フライス盤のテーブルを停止させた状態
において副主軸７を回転させながら、ウオームギ
ヤ装置２４を手動によつて回わすと、中間中筒２
が回わつて偏心ケース部３が回わり、メインシヤ
フト５の中心線を中心にして副主軸７の中心線が
回転し、両中心線の偏心量を半径とする円弧溝加
工を行う。即ち第３図(イ)の四隅の各1/4円弧溝加
工、第３図ロの左右の各1/2円弧溝加工、第３図
ハの左端の1/4円弧溝加工、それに隣接する上に
凹の1/2円弧溝加工、それに隣接する上に凸の1/2
円弧溝加工、右端の1/4円弧溝加工を行うが、各
円弧溝加工毎にテーブル等を移動調整させるもの
である。即ち、偏心ケース部の回動角度によつ
て、円弧の中心角を決めるものである。

上述した如くこの考案に係る円弧状加工用アタ
ツチメントは、主軸ヘツド２１に主軸２２を回転
自在に支承した機械加工機において、主軸ヘツド
２１の前面にアタツチメントケース１を着脱可能
に取付け、アタツチメントケース１内に主軸２２
と同一中心線上に並ぶ如く中間中筒２を軸受１
２、１３を介して回動可能に支承すると共に該中
間中筒２を任意の手段により任意の回動位置に抑
止可能な如く構成し、中間中筒２内に同心的に回
転自在に挿通支承されたメインシヤフト５を主軸
２２に連結可能に構成し、中間中筒２の前部に偏
心ケース部３を固着し、偏心ケース部３内に位置
するピニオン８を前記メインシヤフト５の前端に
取付け、メインシヤフト５に対し偏心した位置で
回わる回動盤４を偏心ケース部３の前面に回動可
能且つ任意位置に抑止可能に取付け、メインシヤ
フト５と平行にして且つ回動盤４の回転中心に一
致させて中心軸６を配置すると共に該中心軸６を
回動盤４に回転可能に支承し、中心軸６に対し平
行にして且つ偏心した位置に配置したところの副
主軸７を回動盤４に回転自在に支承すると共に該
副主軸７の前端に回転切削刃１４や研削砥石１５
を取付可能に構成し、メインシヤフト５の前端に
固着したピニオン８と噛合うアイドルギヤ９を中
心軸６の後端に固着し、中心軸６に固着した中間
歯車１０と噛合う被動歯車１１を副主軸７に設け
たものである。

このように本アタツチメントは円弧状溝等の加
工に際し、従来の如く特殊機械を使用する必要は
なく、通常の横中ぐり盤やフライス盤或はプラノ
ミラー等の主軸ヘツドに簡単に取付けられ、主軸
の回転を各シヤフトや歯車を介して前端の回転切
削刃へ伝動し、偏心ケース部に対する回動盤の位
置を調整し且つ偏心ケース部を任意角度回わすこ
とにより任意な半径の円弧状溝加工ができるた
め、その効果は非常に大きいものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案による円弧状加工用アタツチ
メントの一実施例を示し、第１図は全体の概略正
面図、第２図は同上側面図、第３図は各種加工
例、第４図は要部詳細正面断面図を示す。 １……アタツチメントケース、２……中間中
筒、３……偏心ケース部、４……回動盤、５……
メインシヤフト、６……中心軸、７……副主軸、
８……ピニオン、９……アイドルギヤ、１０……
中間歯車、１１……被動歯車、１２，１３……軸
受、１４……回転切削刃、１５……研削砥石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主軸ヘツド２１に主軸２２を回転自在に支承し
   た機械加工機において、主軸ヘツド２１の前面に
   アタツチメントケース１を着脱可能に取付け、ア
   タツチメントケース１内に主軸２２と同一中心線
   上に並ぶ如く中間中筒２を軸受１２、１３を介し
   て回動可能に支承すると共に該中間中筒２を任意
   の手段により任意の回動位置に抑止可能な如く構
   成し、中間中筒２内に同心的に回転自在に挿通支
   承されたメインシヤフト５を主軸２２に連結可能
   に構成し、中間中筒２の前部に偏心ケース部３を
   固着し、偏心ケース部３内に位置するピニオン８
   を前記メインシヤフト５の前端に取付け、メイン
   シヤフト５に対し偏心した位置で回わる回動盤４
   を偏心ケース部３の前面に回動可能且つ任意位置
   に抑止可能に取付け、メインシヤフト５と平行に
   して且つ回動盤４の回転中心に一致させて中心軸
   ６を配置すると共に該中心軸６を回動盤４に回転
   可能に支承し、中心軸６に対し平行にして且つ偏
   心した位置に配置したところの副主軸７を回動盤
   ４に回転自在に支承すると共に該副主軸７の前端
   に回転切削刃や研削砥石を取付可能に構成し、メ
   インシヤフト５の前端に固着したピニオン８と噛
   合うアイドルギヤ９を中心軸６の後端に固着し、
   中心軸６に固着した中間歯車１０と噛合う被動歯
   車１１を副主軸７に設けたことを特徴とする円弧
   状加工用アタツチメント。