JPS6143428Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、洗濯槽と脱水槽が内装された脱水
外槽とを並設し、洗濯槽と脱水槽に適宜切換え
て給水する洗濯機の給水装置に関する。

(ロ) 従来の技術 この種の洗濯機の一例が実開昭54−18972号
公報に開示してある。この従来例は各槽への給
水路を仕切り、この仕切を境界にして給水パイ
プをいずれかに向けて給水する。そして、洗濯
槽への給水路には低い溢水堰によつて仕切られ
た溢流部が別に作つてある。

しかし、給水パイプが洗濯槽側に向けられ、
水圧が高い時には水の跳ね返りが生じ、この飛
散水が脱水槽側に落ち、脱水した後、脱水槽内
に残つていた洗濯物を再び濡らすことがあつ
た。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 本考案は、給水中に一部の水が脱水槽側へ入
いるのを阻止して脱水物が濡れるのを防止せん
とするものである。

(ニ) 問題点を解決るための手段 本考案による解決手段は、洗濯槽と、脱水槽
を内装した脱水外槽とを並設したものに於い
て、前記洗濯槽及び脱水槽への互に異なる給水
路を有する給水ボツクスを備え、該給水ボツク
スには前記両給水路を仕切る区分壁を突設する
と共に、前記洗濯槽への給水路には前記区分壁
より低い溢水部を形成し、この溢水部から溢れ
た水を前記洗濯槽又は前記脱水外槽へ導く導水
路を、前記区分壁と溢水部によつて囲んで形成
し、この導水路上には前記区分壁又は溢水部を
越えて前記各給水路に向けられる給水パイプを
配設した構成である。

(ホ) 作用 洗濯槽側への給水路に給水している時、水が
給水路の底や側壁に当つて溢水部を越えて跳ね
返つても、この水は導入路内に落下し、そのま
ま洗濯槽又は脱水外槽へ導かれて、脱水槽側へ
は流れ出ない。

(ヘ) 実施例 以下図面に基き説明する。１は洗濯機機枠で
内部に洗濯槽２と脱水外槽３とが並設され、洗
濯槽２の底部には回転翼４が、又脱水外槽３内
には脱水槽５が夫々設けられている。６は洗濯
槽２や脱水外槽３の後部上端に設置された制御
箱で、前面が開放した基台７と基台７の前面開
放部を覆う操作パネル８とより構成され、タイ
マー９，１０等が内蔵されている。

前記基台７の底面には上方への膨出部１１が
設けられ、この膨出部１１には給水筒１２が一
体成形され、この給水筒１２の上端は操作パネ
ル８に設けた開口１３より突出しており、この
上端部に水栓に接続された給水ホース１４が挿
入されるものである。給水筒１２の下端部は略
Ｌ字形の給水パイプ１５の上端部に挿入され
る。このパイプ１５の途中よりパイプ上端部の
外周壁と共同して水受容器１６を形成する円形
フランジ１７が外方へ突出され、このフランジ
１７の先端が、膨出部１１の内壁より突出した
複数の支持片１８上に回転自在に載置されてい
る。

基台７の外底面には、給水パイプ１５の下端
より放出される給水を受ける給水ボツクス１９
が装着されている。２０は基台７の底面に設け
た係合孔２１に弾性的に係合する爪である。給
水ボツクス１９には、給水パイプ１５からの給
水を洗濯槽２へ給水口２２より供給する洗濯槽
２への給水路２３と、脱水槽５へ供給する脱水
槽への給水路２４を有する。両給水路２３，２
４は区分壁２５で仕切られている。又洗濯槽へ
の給水路２３には、区分壁２５の上端より低い
位置に溢水部２６が設けられている。

前記給水パイプ１５の円形フランジ１７の上
面には第４図の如く複数の突起３５が等間隔で
突設されている。一方操作パネル８の裏面に
は、このパネルに沿つて左右移動自在に操作板
３６が取付けられ、この操作板３６には、前記
突起３５と同一ピツチでその１部が図の如く突
起３５とかみ合う複数の送り爪３７が突設され
ている。

そこで操作板３６に取付けられた摘子３８を
持つて操作板３６をパネル８に沿つて右左に移
動させると、突起３５と送り爪３７とのかみ合
いが順次変わつてゆき、つまり給水パイプ１５
が回転する。給水パイプ１５の下端を第５図及
び第３図実線の如く給水路２３へ向けた場合は
給水口２２より洗濯槽２へ給水され、給水パイ
プ１５を回転してその下端を第３図一点鎖線の
如く給水路２４へ向けた場合は脱水外槽５へ給
水され、脱水槽を回転しながら給水して脱水槽
内ですすぎを行なうことができる。

ところで洗濯槽２へ給水している際、給水パ
イプ１５から出る水の量が多すぎると、給水路
２３より区分壁２５を乗り越えて脱水槽の給水
路２４中を流れようとするが、区分壁２５を乗
り越える前に前記溢水部２６より第２図矢印の
如く円形の導水路２７へ溢出し、この導水路２
７の１部に設けた放出口２８より放出される。
この放出口２８は第６図から明らかな如く洗濯
槽２のコーナー部に設けた溢水口（図示せず）
を有する溢水室２９上にあり、結局溢水部２６
より導水路２７へ溢れた水は放出口２８より溢
水室２９へ放出される。従つて洗濯槽２への給
水量が多すぎても、区分壁２５を乗り越えて給
水路２４より脱水槽５へ給水されるようなこと
はなく、脱水槽内の脱水の終了した衣類を濡ら
すようなことがない。又放出口２８より溢水室
２９へ放出された水は、結局溢水カバー３０の
多数の通水孔３１より洗濯槽２へ供給されるの
で無駄になることはない。

又放出口２８より出る水を溢水室２９ではな
く脱水外槽３へ導くように導水路２７を設けて
もよいが、この場合は放出される水は無駄にな
る。

尚給水パイプ１５は回転し易いようにその上
端部に給水筒１２の下端部をゆとりをもつて挿
入しているので、給水量が多いと、この挿入部
分３２より水が飛び出し、制御箱６内に飛散し
て中の電気部品を濡らしその絶縁を劣化させる
ことが考えられる。しかし給水筒１２には挿入
部分３２より飛び出した水を前記水受容器１６
へ導くガイド壁３３が一体に設けられ、又水受
容器１６の底部には水抜き穴３４が設けられ、
この水抜き穴３４が前記導水路２７上に開口さ
れているので、挿入部分３２より飛び出した水
は、第２図矢印の如く水受容器１６へ更に水抜
き穴３４より導水路２７へと導かれ、前記放出
口２８より溢水室２９へと放出されて制御箱６
内へ飛散するようなことがない。

(ト) 考案の効果 本考案の構成によれば、洗濯槽及び脱水槽へ
の互に異なる給水路を有する給水ボツクスによ
り洗濯槽及び脱水槽のいずれへも給水できるよ
うにしたもので、洗濯槽へ給水中給水量が多く
なり過ぎた場合、洗濯槽への給水路２３を溢れ
た水は導水路により洗濯槽あるいは脱水外槽へ
導かれるので、脱水槽への給水路２４へ溢れ出
て脱水槽内へ給水され、脱水槽内の脱水の終了
した衣類を濡らすようなことがないものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を示し、第１図は洗濯機の外観斜
視図、第２図は同要部縦断面図、第３図及び第４
図は要部斜視図、第５図及び第６図は給水ボツク
スの配置状態を示す斜視図と平面図である。 ２……洗濯槽、５……脱水槽、３……脱水外
槽、２３……洗濯槽への給水路、２４……脱水槽
への給水路、１９……給水ボツクス、２５……区
分壁、２６……溢水部、２７……導水路、３１…
…通水孔、３０……溢水カバー、２９……溢水
室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗濯槽と、脱水槽を内装した脱水外槽とを並設
   したものに於いて、前記洗濯槽及び脱水槽への互
   に異なる給水路を有する給水ボツクスを備え、該
   給水ボツクスには前記両給水路を仕切る区分壁を
   突設すると共に、前記洗濯槽への給水路には前記
   区分壁より低い溢水部を形成し、この溢水部から
   溢れた水を前記洗濯槽又は前記脱水外槽へ導く導
   水路を、前記区分壁と溢水部によつて囲んで形成
   し、この導水路上には前記区分壁又は溢水部を越
   えて前記各給水路に向けられる給水パイプを配設
   したことを特徴とする洗濯機の給水装置。