JPH0223268Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、洗い槽と脱水槽とを個別に有する二
槽式洗濯機にあつてそれら両槽へ水を切換え給水
する二槽式洗濯機の給水装置に関する。

（従来の技術） 従来より二槽式洗濯機では、脱水槽において所
謂脱水すすぎを行なう様にしたものがあり、この
ものでは、洗い槽に給水する場合と脱水槽へ給水
する場合とを給水装置にて切換える様にしてい
る。而してこの給水装置の構成は次の如くであつ
た。即ち、操作箱に水道等の水源に連結される給
水口部を設け、操作箱の底部に、洗い槽へ通ずる
第１の通水路と脱水槽へ通ずる第２の通水路とを
左右並置状態に設け、上面を幅広に開口し底部に
出水孔部を形成した容器状の給水ケースを、給水
口部の出水口下方部に左右方向への移動が可能な
様に設け、この給水ケースを左右に移動調節する
ことによりその出水孔部を第１の通水路と第２の
通水路とに選択的に臨ませ、以て、水源から給水
口部を通して供給される水を、給水ケースにて受
け、そしてその出水孔部から第１の通水路もしく
は第２の通水路を通して洗い槽、脱水槽に選択的
に供給させる構成となつている。

（考案が解決しようとする課題） ところが上記従来のものでは、給水ケースの上
面が開口しているため、給水口部の出水口から給
水ケースへ落下した水が其処で水跳ねを起こして
その開口から操作箱内へ飛散し、操作箱内の電装
品に水がかかる虞れがあつた。又、この種二槽式
洗濯機では、脱水すすぎを行なう場合、脱水槽内
の脱水籠への給水量が多いと脱水すすぎに供せず
に脱水籠から溢出してそのまま排出されるといつ
た水の無駄を来たす問題を抱えていた。

従つて本考案の目的は、操作箱内への水の飛散
を防止できると共に、脱水槽側へ給水する折りに
水の無駄をなくし得る二槽式洗濯機の給水装置を
提供するにある。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 本考案は、洗い槽と脱水槽とを個別に有する二
槽式洗濯機の操作箱に設けられそれら両槽へ水を
切換え給水するものにおいて、洗い槽へ通ずる第
１の通水路及びこれと水平方向に並置状態となる
様に設けられ脱水槽へ通じる第２の通水路と、水
道等の水源に連結され出水口が第２の通水路側か
ら第１の通水路側へほぼ水平に指向する給水口部
と、屈曲可能で且つ伸縮可能な蛇腹管から構成さ
れてその一端口部が前記給水口部の出水口に水平
に連結された給水管と、前記操作箱に水平方向に
移動可能に設けられ該給水管の他端口部をほぼ90
度の角度で下向きに屈曲保持して該他端口部を前
記第１の通水路と第２の通水路との間で移動させ
るガイド部材とを具備して成るものである。

（作用） 給水管を屈曲可能で且つ伸縮可能な蛇腹管から
構成し、この給水管に一端口部を給水口部の出水
口に連結し他端口部をガイド部材により第１の通
水路と第２の通水路との間で移動させるから、給
水口部から出た水がそのまま給水管を通して第１
の通水路または第２の通水路に選択的に供給され
る。従つて、給水口部から出た水を給水ケースに
て一旦受けていた従来とは異なり、水跳ねをなく
すことができる。

また、給水口部が第２の通水路側から第１の通
水路側へほぼ水平に指向し、この給水口部の出水
口に連結された給水管の他端口部をガイド部材に
よつてほぼ90度の角度で下向きに屈曲保持するか
ら、給水口部から水平方向に出た水は給水管の屈
曲部でほぼ90度に方向転換される。この場合給水
口部から出た水が直接的に屈曲部に作用するか
ら、給水管は第２の通水路側から第１の通水路方
向へ伸びようとする。従つて給水管の他端口部が
第２の通水路側にある場合であつて水圧が高いと
きには、給水管が伸びてその他端口部が第１の通
水路側へ移動することを期待できる。

さらには、給水管を蛇腹管から構成し、この給
水管を屈曲することで他端口部の向きを変えた構
成としているので、給水管を屈曲形態に型成形さ
れた成形品から構成する場合に比して、製作の容
易化を図ることができる。さらにまた、給水口部
の出水口がほぼ水平方向をなし、この給水口部に
給水管をほぼ水平に連結する構成であるから、上
下方向の配置スペースを小さくできて操作箱の高
さを低くすることができる。

（実施例） 以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明する。まず第１図において、１は外箱で、その
内部には洗い槽２及び脱水槽３が左右に並設され
ている。４は脱水槽３内に設けられた脱水籠で、
その内部には散水筒５が立設されている。６は脱
水槽３の内蓋７の裏面側に取着された注水器で、
これは中央部に流出口部６ａを有し、内蓋７の閉
塞時にその流出口部６ａが散水筒５に臨む様にな
つている。８は外箱１上部後方に形設された操作
箱で、これには周知の如く各種電装品が設けられ
ている。さて９は操作箱８に設けられた給水装置
で、以下これについて第２図も参照して詳述す
る。１０は操作箱８の底部に設けた樋状の通水ケ
ースで、これは所定部に仕切板１１を有してい
て、該仕切板１１の左方の部分は洗い槽２へ通ず
る第１の通水路１２とされ、又左右の部分は脱水
槽３の注水器６へ通ずる第２の通水路１３とされ
ている。１４は操作箱８内に設けた給水口部で、
これは逆Ｌ字状をなしていて、その出水口１４ａ
は第２の通水路１３側から左方即ち第１の通水路
１２側へ指向している。そしてこの給水口部１４
の入水口１４ｂは図示しないが水道等の水源に連
結されている。１５は操作箱８にほぼ水平方向こ
の場合左右方向への移動が可能な様に設けられた
ガイド部材で、これは一端部に操作箱８の横長な
透孔部９ａから突出する操作摘み１６を有し、又
他端部にリング状の管支持部１７を有する。１８
は屈曲可能で且つ伸縮可能な蛇腹管から構成され
た給水管であり、これの一端口部１８ａは給水口
部１４の出水口１４ａに水平に連結されている。
又、他端口部１８ｂがガイド部材１５の管支持部
１７に嵌着され、もつて該他端口部１８ｂがほぼ
90度の角度で下向きに屈曲保持されている。而し
て該他端口部１８ｂはガイド部材１５の移動によ
つて第１の通水路１２に臨む部位（第３図に示
す）と第２の通水路13に臨む部位（第２図に示
す）との間で移動される。

さて上記構成において、洗い槽２へ給水する場
合には、ガイド部材１５をその操作摘み１６の操
作により左方向へ移動調節せしめ、以て第３図に
示す如く給水管１８の他端口部１８ｂを第１の通
水路１２に臨ませ、しかる後、水道の蛇口を開放
して給水を開始すれば、その水は給水口部１４及
び給水管１８並びに第１の通水路１２を順に通つ
て洗い槽２内へ供給される。一方、脱水すすぎを
行なうべく脱水槽３の脱水籠４へ給水する場合に
は、ガイド部材１５をその操作摘み１６の操作に
より右方向へ移動調節せしめ、似て第２図に示す
如く給水管１８の他端口部１８ｂを第２の通水路
１３に臨ませる。しかる後給水を開始すれば、そ
の水は給水口部１４及び給水管１８並びに第２の
通水路１３を通つて注水器６に供給され、この注
水器６の流出口部６ａから脱水籠４の散水筒５内
へ供給される。この場合、脱水籠４が回転されて
いるので、上述の水は散水筒５から遠心力により
脱水籠４内の洗濯物に散水され、以て脱水すすぎ
が行なわれる。

ここで、上記いずれの給水時においても給水口
部１４の出水口１４ａから出た水はそのまま該出
水口１４ａに連結された給水管１８を通るので、
水跳ねが生ずること等全くなく、よつて操作箱８
内の電装品が濡れるようなことはない。

ところで、上記いずれの給水時においても、給
水管１８の屈曲部１８ｃには給水口部１４の出水
口１４ａから出た水の水圧特には動圧が直接的に
屈曲部１８ｃに矢印Ａで示す方向で作用する。こ
の結果、給水管１８にはこれを矢印Ａ方向へ伸長
させようとする力が作用する。

而して、脱水すすぎにあつての給水時、通常の
給水量ではガイド部材１５の静止摩擦力や給水管
１８自体の定形保持力によつて他端口部１８ｂが
第２図の如く第２の通水路１３を臨む部位に位置
されているが、給水量が過剰となつた場合には、
その水圧即ち動圧が大となり、この結果、給水管
１８が給水口部１４の出水口１４ａの向き方向即
ち第１の通水路１２方向へ伸長し、これにて給水
管１８の他端口部１８ｂが第２の通水路１３側か
ら第１の通水路１２側へと変位され（第３図参
照）、水が洗い槽２へ流入する。従つて脱水槽３
への給水が過剰となつた場合、その水を洗い槽２
に溜めることができて次の洗いに使用でき、よつ
て水の無駄をなくし得ると共に、上述の他端口部
１８ｂの変位に伴う摘み１６（ガイド部材１５）
の移動をもつて給水過剰を知ることができる。

さらに本実施例によれば、給水管１８を蛇腹管
から構成し、この給水管１８を屈曲することで他
端口部１８ｂの向きを変えた構成としているの
で、通常市販されている蛇腹管を使用することが
可能で、よつて給水管を予め屈曲形態に型成形さ
れた成形品から構成する場合に比して、複雑な型
を必要とせず、給水管についての製作の容易化及
びコスト安を図ることができる。さらにまた、給
水口部１４の出水口１４ａがほぼ水平方向をな
し、この出水口１４ａに給水管１８をほぼ水平に
連結する構成であるから、出水口を下向きとし且
つ給水管も下向きに連結する構成に比して、上下
方向の配置スペースを小さくできて操作箱８の高
さを低くすることができる。

［考案の効果］ 本考案は以上の記述にて明らかな様に、洗い槽
と脱水槽とを個別に有する二槽式洗濯機の操作箱
に設けられそれら両槽へ水を切換え給水するもの
において、洗い槽へ通ずる第１の通水路及びこれ
と水平方向に並置状態となる様に設けられ脱水槽
へ通じる第２の通水路と、水道等の水源に連結さ
れ出水口が第２の通水路側から第１の通水路側へ
ほぼ水平に指向する給水口部と、屈曲可能で且つ
伸縮可能な蛇腹管から構成されてその一端口部が
前記給水口部の出水口に水平に連結された給水管
と、前記操作箱に水平方向に移動可能に設けられ
該給水管の他端口部をほぼ90度の角度で下向きに
屈曲保持して該他端口部を前記第１の通水路と第
２の通水路との間で移動させるガイド部材とを具
備して成る二槽式洗濯機の給水装置であり、これ
にて、水跳ねを確実に防止できて電装品が濡れる
様な不具合をなくし得、さらに、脱水槽への給水
量が過剰であつた場合には、その水を洗い槽へ溜
めて洗いに使用することができ、よつて水がその
まま捨てられる様な無駄をなくし得、又、ガイド
部材の変位をもつて給水過剰であることを知るこ
とができて給水量の調整を速やかに行なうことが
でき、さらには、給水管についての製作性の向上
を図ることができ、また上下方向の配置スペース
を小さくできて操作箱の高さを低くすることがで
きる等、優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は二槽
式洗濯機全体の破断正面図、第２図は要部の一部
破断正面図、第３図は第２図とは異なる給水状態
を表す要部の一部破断正面図である。 図中、２は洗い槽、３は脱水槽、１２は第１の
通水路、１３は第２の通水路、１４は給水口部、
１４ａは出水口、１５はガイド部材、１８は給水
管、１８ａは一端口部、１８ｂは他端口部であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗い槽と脱水槽とを個別に有する二槽式洗濯機
   の操作箱に設けられそれら両槽へ水を切換え給水
   するものにおいて、洗い槽へ通ずる第１の通水路
   及びこれと水平方向に並置状態となる様に設けら
   れ脱水槽へ通じる第２の通水路と、水道等の水源
   に連結され出水口が第２の通水路側から第１の通
   水路側へほぼ水平に指向する給水口部と、屈曲可
   能で且つ伸縮可能な蛇腹管から構成されてその一
   端口部が前記給水口部の出水口に水平に連結され
   た給水管と、前記操作箱に水平方向に移動可能に
   設けられ該給水管の他端口部をほぼ90度の角度で
   下向きに屈曲保持して該他端口部を前記第１の通
   水路と第２の通水路との間で移動させるガイド部
   材とを具備して成る二槽式洗濯機の給水装置。