JPS6143144B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、連続鋳造用鋳型の振動装置に関す
るものである。

連続鋳造設備は、一般にタンデイツシユ、鋳
型、ガイドロール、ピンチロール等から構成され
ており、溶鋼はタンデイツシユから鋳型に注入さ
れ、鋳型内でシエルを形成し、ガイドロールで冷
却案内されながらピンチロールで引抜き鋳造され
る。前記鋳型は、その側壁内面に溶鋼が焼着する
のを防ぐために、一定の振幅で軸線方向に振動さ
せることが行なわれている。

上記した鋳型の振動手段としては、各種の方法
が知られているが、タンデイツシユと鋳型との接
続部のシールが完全になされ（水平連続鋳造の場
合）適切な振動の与えられることが必要である。

上記した要求を満足させる手段として、先に、
連続鋳造機の鋳型側壁外面に複数個の超音波振動
子を取付け、超音波振動子の振動によつて鋳型側
壁内面を鋳片の引抜き方向に共振せしめる装置が
開発された（特開昭54−86432号）。

上記した装置は、鋳型の内壁に、複数個の超音
波振動子を直角に配設し、各超音波振動子は、そ
の振動の節が鋳型側壁の厚さ方向の中心部にくる
ように振動させることによつて、鋳型側壁内面を
鋳片引抜き方向（即ち、軸線方向）の振動の共振
をおこさせるとともに、鋳型側壁の両端に共振に
よる振動の腹がくるように配設したことを特徴と
するものである。

このような超音波を利用した振動装置によれ
ば、鋳型のみを微動振動させることができ、タン
デイツシユと鋳型との接続部のシールは完全にな
され、溶鋼洩れの生じない効果があるが、効率的
な振動を行なわせる点において、必ずしも十分で
はなかつた。

第１図には、超音波振動を利用した連続鋳造用
鋳型の振動装置の一例が断面図により示されてい
る。図面において、１はタンデイツシユ、２は鋳
型、８はタンデイツシユ１に取付けられたノズル
である。鋳型２の冷却水孔７を有する銅製の鋳型
側壁外面３には、複数個の超音波振動子４が等間
隔に取付けられ、夫々別に設けられた超音波発振
機用電源５に接続されている。６は鋳造する鋳片
に応じた内面形状を有するように組まれている鋳
型側壁３が、注入される溶鋼の重量に対してその
内面形状を保持するように、鋳型側壁３の外面に
接してその外側から支持するための鋳型フレーム
（バツクアツプフレーム）である。鋳型フレーム
６は、鋳型２の近辺に位置する連続鋳造設備の機
枠に支持されており、鋳型フレーム６と鋳型側壁
３とは、鋳型フレーム６の外面から鋳型側壁３に
螺合したボルトによつて結合されている。振動子
４は、鋳型フレーム６に開けた開孔内に臨ませ
た、鋳型側壁３の外面部分に取付けられている。
各超音波振動子４と、鋳型側壁３とは、その縦波
振動の節が鋳型側壁３の厚さの中心部にするよう
にセツテイングされている。これによつて、鋳型
側壁３内面は縦波振動の共振を起し、鋳型側壁３
の内面は、前記超音波振動子４の振動方向に対し
て、90゜変向した方向、即ち、鋳片９の引抜方向
（軸線方向）に振動する。なお、このとき上記共
振による軸線方向の振動の腹が、鋳型２の上下両
端面にくるように超音波振動子４を配設すること
が必要であり、これによつて、鋳型側壁３内面を
効率よく振動せしめることができる。

第２図には、スラブ用の鋳型２に、前記複数個
の超音波振動子４を配設した状態が鋳型部分の水
平方向拡大断面図により示されている。

この場合、上記した鋳型側壁３の軸線方向およ
び周方向に複数個列設された超音波振動子４同志
の相互干渉により、鋳型側壁３全体を振動させる
膜振動的な振動が生じ、鋳型側壁３の内面全体に
わたつて均一に縦波振動の共振を生じさせること
が困難であつた。

この発明は、上述した問題を解決した連続鋳造
用鋳型の振動装置を提供するもので、連続鋳造用
鋳型の側壁外面に、軸線方向および周方向に所定
間隔で超音波振動子を取付けた連続鋳造用鋳型の
振動装置において、軸線方向の前記各超音波振動
子毎に前記鋳型側壁を、分割したことに特徴を有
するものである。

次に、この発明を実施例により図面とともに説
明する。

第３図には、この発明にかかる連続鋳造用鋳型
の振動装置の１態様が断面図により示されてい
る。図面において、２は鋳型、３は鋳型側壁、６
は鋳型フレームで、鋳型側壁３には、軸線方向お
よび周方向に所定間隔で複数個の超音波振動子４
が取付けられている。そして、鋳型側壁３は、軸
線方向の前記複数個の超音波振動子４の配設部分
毎に分割された側壁（例えば、図中３ａ，３ｂ，
３ｃ，３ｄで示す）により構成されている。７は
冷却水孔である。

この発明の連続鋳造用鋳型の振動装置は、上述
のように構成されているので、鋳型側壁３に、そ
の軸線方向に列設された複数個の超音波振動子４
同志の相互干渉がなくなる。従つて、分割された
側壁の各々において、超音波振動子４により、そ
の内面に極めて効率的に縦波振動を生ぜしめるこ
とができる（この場合、側壁内面の縦波振動の腹
が、鋳型周方向の両端にくるように各超音波振動
子と、側壁とをセツテイングすることが好まし
い。）。

上記した実施例において、鋳型側壁３を構成す
る分割側壁（例えば３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ）
は、それぞれが必ずしも完全に分割されていなく
てもよく、一部分がつながつているスリツト状と
なしてもよい。

また、上記したこの発明の連続鋳造用鋳型の振
動装置は、垂直型連続鋳造および水平型連続鋳造
の何れにも適用でき、鋳型側壁を効率的に振動せ
しめることができる。

以上述べたように、この発明の振動装置を設置
して連続鋳造を行なえば、鋳型側壁の内面全体を
均一に縦波振動させることができ、タンデイツシ
ユと鋳型との接続部のシールが完全になされた状
態で、鋳型のみを効率的に振動せしめることがで
き、鋳片が鋳型に焼付くことはなく、性状の優れ
た鋳片を製造することができる等、工業上優れた
効果をもたらされる。

【図面の簡単な説明】

第１図は超音波振動を利用した連続鋳造用鋳型
の振動装置を示す断面図、第２図は従来の振動装
置を示す鋳型部分の幅方向拡大断面図、第３図は
この発明にかかる振動装置の１態様を示す断面図
である。図面において、 １……タンデイツシユ、２……鋳型、３……鋳
型側壁、３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ……分割された
鋳型側壁、４……超音波振動子、５……電源、６
……鋳型フレーム、７……冷却水孔、８……ノズ
ル、９……鋳片。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 連続鋳造用鋳型の側壁外面に、軸線方向およ
   び周方向に所定間隔で超音波振動子を取付けた連
   続鋳造用鋳型の振動装置において、 軸線方向の前記各超音波振動子毎に前記鋳型側
   壁を分割したことを特徴とする連続鋳造用鋳型の
   振動装置。