JPS6143090Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、切断酸素流路を形成する内側管と可
燃混合ガス流路を形成する外側管をともに電気の
良導体から構成し、それら両管の先端に点火用ス
パークポイントを形成するとともに、前記両管間
の、前記スパークポイントおよび電源に対する正
負の接続端子部を除くほぼ全域に亘つて電気絶縁
体を介在してある切断用火口に関する。このよう
な構成の火口は、着火機構付きの切断用のトーチ
ヘツドに装着し、或いは火口自身の内部に着火機
構を設け、着火機構内の電源（圧電素子）からの
給電スパークをもつて着火するものである。

電気スパークによる着火の良否は、電圧の高さ
やスパークの一点集中性などの他に着火対象ガス
の混合比によつても大きな影響を受ける。

本考案の目的は、混合比を酸素リツチとするこ
とにより着火性を改善するに当たり、逆火の危険
を防止しながら、構造的には極めて簡単な改良の
みで達成できるようにする点にある。

本考案による火口は、頭記構成であつて、それ
の内側管の前記スパークポイントの上流位置管壁
部とこれに対応する前記絶縁体部分とに、切断酸
素の一部を前記スパークポイント又はその近くに
導く孔および流路を形成してあることを特徴とす
る。

即ち電源として、電池のような消耗がなく叩き
さえすれば何時でも起電し、しかも小型である反
面、電圧は空中放電するほど大であるが電力が甚
だ低い圧電素子を用いる場合であつても、切断酸
素の本来の出口位置に比べ半径方向でよりスパー
クポイント近いところに切断酸素を供給し、もつ
て空気中酸素のみでは現出不能な酸素リツチ状態
を現出させて、微弱電力のスパークにても着火を
確実化できる。しかも、このように燃料ガスに切
断酸素を補給するに当たり、燃料ガスの流路の途
中において合流させるのではなく、流路出口又は
その直近において合流させるから、着火直後の逆
火のおそれはない。

そして上記着火性能の改善を図るために、内側
管に孔を、絶縁体に流路を形成するだけの極く簡
単な改良のみで達成できる。従つて、火口自身を
スパーク電極に利用し、圧電素子を電源とする着
火方式の実用化に資するところ大である。

以下、本考案の実施態様を図面に基づいて説明
する。

火口ａは内側管１と外側管２からなり両者とも
銅を主成分として構成され導電体を兼ねている。
内側管１を外側管２との間は先端スパークポイン
トＳを除き、電気絶縁体３にて完全に絶縁されて
いる。火口ａの内側管１は切断酸素流路４を、外
側管２は混合（可燃混合）ガス流路５を形成して
いる。両管１，２の後端部は圧電機構ｃに対する
接続端子部６，７を構成している。可燃混合ガス
流路５は外側管２に対するスエージング加工によ
つて形成され、その後端近くには燃料ガス流路８
が連通形成されている。可燃混合ガス流路５、燃
料ガス流路８の数は１つの場合と複数の場合とが
ある。Ｈは切断酸素流入孔である。

このように、本実施例の火口は、いわゆるスエ
ージング型火口の変形であり、可燃混合ガス流路
５をスエージング加工した外側管２の軸線周囲の
全長にわたつて、孔を貫通し、その孔に外周面に
絶縁加工を施した内側管１を嵌挿したものであ
る。したがつて一般のスエージング型火口と同様
に、各ガスの流れが乱されないという長所を備え
た火口である。

スパークポイントＳの上流位置において内側管
１に孔９が形成され、絶縁体３には孔９をスパー
クポイントＳに連絡する流路１０が形成されてい
る。１１はスパークを確実化、強力化するために
外側管２の先端内面に一体形成した先端尖鋭な環
状突起である。この突起１１は結果として、流路
１０からの酸素の流出方向を可燃混合ガス流路５
出口からの可燃性ガスから遠ざけることになるの
で着火ミスを生ずることもある。この改善策とし
て第３図のようにテーパ面１２付きの環状突起１
３を内側管１の方に一体形成することが好まし
い。この場合は、ガス流路５出口からの燃料ガス
に対して流路１０からの酸素を近づけるため、燃
料ガスとの混合ガスが酸素リツチになりやすい。
尚、本考案の火口では着火時には、可燃混合ガス
流路５には燃料ガスのみを流すようにする。

ｂは火口ａを前方から差し込んだうえでナツト
１５の締付けにより固定するトーチヘツドで、そ
の後部に圧電機構ｃのユニツト内管１６をパツキ
ング１７を介して当てがい、ユニツト内管１６の
後端との間にオリフイススペーサ１８を介在させ
る状態でユニツト外管１９をトーチヘツドｂ後部
に螺合し、ロツクナツト２０で固定している。

トーチヘツドｂには燃料ガス管２１、予熱酸素
管２２、切断酸素管２３が、この順に前方から後
方にかけて互いに平行姿勢において接続固定され
ている。ユニツト内管１６には圧電体２４が摺動
自在に内蔵されている。圧電体２４には磁性体製
弁座２６に対する磁石２５が付設されている。

着火要領は次の通りである。

燃料ガス管２１途中のバルブを開ける。

切断酸素管２３途中のバルブを開ける。圧電
体２４の一方の極である当金２７が端子部６に
激突し高電圧を生じ、内側管１に伝えられる。
他方の極は内管１６、外管１９、ヘツドｂを介
して内側管２に常時接続されている。従つてス
パークポイントＳにおいてスパークが生じる
が、スパークポイントＳでは流路１０からの切
断酸素ガスがガス流路５からの可燃性ガスに混
合し、酸素リツチとなつているので、確実に着
火する。

切断酸素管２２のバルブを閉じる。圧電体２
４は磁気吸引力により待機位置へ戻される。

予熱酸素管２１のバルブを開けて流路５に混
合ガスを流す。

本考案は、第４図のように圧電体２４等を火口
自身に内蔵してある火口ａも含む。この図におけ
る符号は第１図等において用いられる符号と同一
ないし同種の部品を指す。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る切断用火口の実施の態様を
例示し、第１図は切断用トーチに装着した状態の
断面図、第２図は第１図の要部断面図、第３図は
別態様の要部断面図、第４図は応用例の部分断面
図である。 Ｓ……スパークポイント、１……内側管、２…
…外側管、３……電気絶縁体、４……切断酸素流
路、５……可燃混合ガス流路、６，７……接続端
子部、９……孔、１０……流路、１２……テーパ
面、１３……環状突起、Ｈ……切断酸素流入孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 切断酸素流路４を形成する内側管１と可燃混
   合ガス流路５を形成する外側管２をともに電気
   の良導体から構成し、それら両管１，２の先端
   に点火用スパークポイントＳを形成するととも
   に、前記両管１，２間の、前記スパークポイン
   トＳおよび電源に対する正負の接続端子部６，
   ７を除くほぼ全域に亘つて電気絶縁体３を介在
   してある切断用火口であつて、前記内側管１の
   前記スパークポイントＳの上流位置管壁部とこ
   れに対応する前記絶縁体部分とに、切断酸素の
   一部を前記スパークポイントＳ又はその近くに
   導く孔９および流路１０を形成してあることを
   特徴とする切断用火口。 前記スパークポイントＳにおいて前記内側管
   １先端に、前記孔９および流路１０を経て流出
   する酸素を外側管２の可燃混合ガス出口部に向
   けて誘導するテーパ面１２付き環状突起１３を
   付設してある実用新案登録請求の範囲第項に
   記載の切断用火口。 前記内側管１の接続端子部６が後端部におい
   て外部に突出し、その突出部の側面に切断酸素
   流入孔Ｈが形成されている実用新案登録請求の
   範囲第項又は第項に記載の切断用火口。