JPS6222741Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高圧燃焼炉で使用するガス・バーナの
改良に関する。

一般に例えば略３Kg／cm²Ｇ程度の高圧の炉内に
は燃焼に必要な空気（酸素）はほとんど存在しな
い。したがつて炉内で使用される点火装置に対し
理論空気量以上の空気を強制的に供給する必要が
ある。かかる高圧燃焼炉用のガス・バーナとして
従来第１図に示すような同軸型ガス・バーナが使
用されている。第１図は同軸型バーナの先端部の
断面を示す。図についてこの型のバーナの構造を
説明すれば、一端（図では左端）が炉内に開口し
ている保炎筒１の内部に筒軸と同軸にイグナイ
タ・ステツク２が配置されており、このステツク
の一端部にイグナイタ・プラグ３を固定する。プ
ラグ３の先端に、中心電極と側電極の間に半導体
硝子が装着されてリーケージカレントにより低電
圧で作動する、いわゆる低電圧沿面プラグ４が露
出する。このイグナイタ・ステツクの周囲は空隙
部を隔て、混合ガス供給管６でおおわれている。
この混合ガス供給管６はプラグ３が固定されてい
るステツク端部との間に混合ガスの噴出口を形成
する。混合ガス供給管の内部空隙には右方より混
合ガスが強制的に供給されプラグ３の側面の噴出
口６１より保炎筒１内の開口部附近に噴出する。
この混合ガスは燃焼ガスと一次空気との混合ガス
であり、（一次空気はバーナに供給される空気全
体の１割程度であり、）燃焼ガスと予め混合され
る。予混合の手段はここでは省略する。また、保
炎筒１の内部には二次空気が筒の開口部分に向つ
て流出する。

このような構造の同軸型ガス・バーナにおいて
は混合ガス供給管６の先端部とプラグ３の側面で
形成する混合ガス噴出口６１より噴出する混合ガ
ス流の巻込みによつてプラグ先端に流れ込む混合
ガスに先端部で発生する火花で着火し混合ガスの
燃焼が行われる。したがつて混合ガスの流速が着
火に微妙に影響し、混合ガスの供給圧力の変動お
よび炉内圧の変動により着火が不確実になる。ま
た、燃焼ガスの供給量を多くできない欠点があ
る。

本考案は上記の欠点を除去するために考案され
たものである。本考案によるバーナの特徴は(i)二
次空気用パイプをバーナ・ノズルと並列に設け、
これにより理論空気量以上の空気を炎に供給し火
炎を安定化した点および(ii)点火用ノズルをイグナ
イタ・プラグの先端の近傍に設け、これにより着
火性の向上とプラグの焼損を防止した点に存す
る。

以下、図面を参照して本考案を説明する。

第２図Ａは本考案を実施せるガス・バーナの端
部の側断面図、Ｂは火炎発生端からみたバーナの
前面図である。図において、１は保炎管で左端の
火炎発生端ａは燃焼炉内に開口する。保炎管内に
は一端にイグナイタ・プラグ３を固定するイグナ
イタ・ステツク２、二次空気用パイプ５（図では
２本）、および端部にバーナ・ノズル７が固定さ
れている混合ガス供給管６が並列に配置される。
イグナイタ・プラグ３の端面４には放電火花間隙
４が露出している。二次空気用パイプ５およびバ
ーナ・ノズル７は保炎筒１の開口端に向かつて開
口する。混合ガス供給管６は側壁から枝管８を分
岐し枝管８の側壁に点火用ノズル８１が開口し、
このノズルからプラグ端面４に向つて供給管６を
流れる混合ガスの一部が噴出する。９はイグナイ
タ・ステツク２と二次空気用パイプ５および混合
ガス供給管６のサポートである。

本考案の特徴は、１個の空気供給口（図示せ
ず）より供給される空気を１次空気および２次空
気に分離する簡単な分離構造（図示せず）を具備
し、この内１次空気は燃焼ガスと混合し主として
混合ガス供給管６を通りその端部のバーナ・ノズ
ル７に供給される。（通常１次空気量はこのバー
ナに供給される空気全体の１割程度に選定され
る。）２次空気は主に二次空気用パイプ５内を流
れ保炎筒１の開口端ａの近くで噴出される。なお
残余の二次空気はパイプ５外の保炎管内壁部を流
れ、イグナイタ・プラグに接してこれを冷却しな
がら開口端ａ側に供給される。混合ガス供給管６
を流れる混合ガスの１部（混合ガスの数％程度）
は枝管８を通り点火用ノズル８１からプラグ端面
４に向かつて噴出する。この噴出混合ガスに対し
て保炎管内壁部を流れる二次空気が拡散混合して
着火可能な混合比となる。図ではイグナイタ・プ
ラグに火花が発生するときこれによりノズル８１
から噴出面４の火花間隙に向つて混合ガスを噴出
する構造になつているが、必しも枝管８を設ける
必要はない。混合ガスの一部を混合ガス供給管６
からプラグ端面の火花の発生部分の近傍に噴出し
噴出せる混合ガスを放電火花によつて点火するよ
うにしてもよい。（第３図参照） 以上説明せる本考案実施例のガス・バーナは次
に列記せる長所を有している。

(i) 本考案の点火方式は混合ガスの流速による巻
込みを利用する方式でないので、混合ガス、燃
焼用空気の圧力の変動および炉内の圧力の変動
に左右されずに点火栓の火花によつて安定な着
火が行なわれる。

(ii) 本案は混合ガス管６に流れる混合ガスの一部
を点火栓端部４の近傍に噴出し火花により袖火
を形成する方式であるから火炎が安定し空気圧
の変動があつても炎は吹消されない。

(iii) イグナイタ・プラグは袖火による火炎にのみ
さらされ、またプラグ挿入部分の隙間からの二
次空気による冷却効果もあり、焼損されにく
い。

(iv) 二次空気用パイプ５を設けることにより高発
熱性のガスまたはガス流が多い場合でも燃焼ガ
ス量に見合う理論空気量以上の燃焼用空気を供
給することができる。すなわち燃焼ガスの着火
性に影響なく確実に着火するガス・バーナを実
現することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来公知の同軸型ガス・バーナの先端
部の断面を示す。第２図Ａは本考案によりガス・
バーナの先端部の断面を示す。Ｂは火炎発生端か
らみたバーナ前面図である。第３図は本考案実施
例における二次ガス供給管とイグナイタ・プラグ
部分の関係を示す。 第２図において、１……保炎管、２……イグナ
イタ・ステツク、３……イグナイタ・プラグ、４
……イグナイタ・プラグ端面、５……二次空気用
パイプ、６……混合ガス供給管、７……バーナ・
ノズル、８……混合ガス供給管の枝管、８１……
点火用ノズル、９……サポート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 保炎管内に挿入され、その開口端近くに開口す
   る二次空気供給用パイプと、同じく上記保炎管内
   に挿入され上記二次空気供給用パイプの開口部よ
   り奥側に開口すると共にその開口端部にバーナー
   ノズルが固定された燃焼ガスおよび一次空気の混
   合ガス供給管路と、同じく上記保炎管路内に挿入
   され上記混合ガス供給管路の開口部より奥側に上
   記保炎管路の内壁に近接して配置されると共にそ
   の先端部にイグナイタ・プラグが固定されている
   イグナイタ・ステツクと、上記イグナイタ・プラ
   グの火花発生部附近に上記混合ガスの一部が噴出
   するように上記供給管路の管壁に形成された貫通
   穴とを有し、上記二次空気の一部は上記保炎管の
   内壁部を上記イグナイタ・プラグに接すると共に
   上記混合ガスに拡散混合して上記保炎管の開口部
   側に供給されることを特徴とするガス・バーナ。