JP3585608B2 - 火葬炉用バーナ - Google Patents

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  • Pre-Mixing And Non-Premixing Gas Burner (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、火葬炉に取り付けて使用されるバーナに関する。
【0002】
【従来の技術】
火葬炉用バーナには、最短時間で燃焼を行うために、次のような要件を揃えることが要求される。
a.火炎が長炎であること。
b.火炎にある程度のまとまり(シャープさ)があること。
c.噴出圧力があること。
d.燃焼の幅が大きいこと(絞りがきくこと)。
e.火炎の安定性(保持能力)が高いこと。
f.過剰空気燃焼に強いこと。
g.40〜50万kcal/h程度の燃焼能力があること。
従来、このような要求を満たすものとして、図7に示すバーナが知られている。このバーナは、バーナ外管100の内側の途中まで内管101を挿入し、バーナ外管100の先端には燃焼管102とこの中にバーナヘッド103を組み込んだ構成であって、バーナはその炎口104側を上下に制御できる構成である。図中105はガス制御バルブ、106はエアー制御バルブである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の火葬炉用バーナの場合、次のような欠点がある。
a.高速噴流で直進火炎が形成しにくい。
b.メインバーナへの着火が不確実である。
c.高速火炎にするとリフトが発生する。
d.火炎が広がるために燃焼に時間を要し、炉体への影響が大きい。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するのが目的であって、その構成は以下のとおりである。
1.バーナ外管の先端に燃焼管を取り付けると共にこの燃焼管内にバーナヘッドを挿入し、前記バーナヘッドの中央にはメイン炎孔を形成し、このメイン炎孔の周囲にはパイロット炎孔を形成し、前記バーナ外管内の中途まで後方より内管を挿入し、ガスをこの内管内に供給し、燃焼用空気を内管とバーナ外管により形成される空気流路から供給してガスと空気をバーナ外管内において予混合して前記メイン炎孔及びパイロット炎孔から噴出させるように構成して成る火葬用バーナにおいて、
【0005】
前記内管内に高圧空気噴出管を挿入してこの高圧空気噴出管の先端を前記メイン炎孔内に臨ませたこと、
前記高圧空気噴出管内に点火プラグを挿入し、この先端の電極を高圧空気噴出管の先端に臨ませたこと、
前記バーナヘッドの上流側に整流板を挿入して混合気の整流を行うこと、
前記バーナ外管は炉内方向に前進自在に取り付けられていること、
を特徴とする火葬炉用バーナ。
2.パイロット炎孔を断面四角形に形成して成る前記1記載の火葬炉用バーナ。
3.パイロット炎孔から噴出する混合気の割り合いを、メイン炎孔から噴出する混合気の量に対して20%〜25%に設定して成る前記1又は2記載の火葬炉用バーナ。
【0006】
【作用】
バーナに点火を行う場合、内管内にガスを供給し、外管内に空気を供給してバーナ外管内で混合し、更に整流板で整流してからメイン炎孔とパイロット炎孔から混合気を噴出させ、点火プラグを起動すると、先ずメイン炎孔から噴出する混合気に点火が行われ、続いてパイロット炎孔から噴出する混合気に火移りが行われて燃焼管の先端に火炎が形成される。この火炎は、空気とガスの混合比及び噴出圧力を調整することにより、長炎かつ直進火炎(シャープな火炎)とすることが可能である。更に整流板によりある程度の圧損をもたせることにより、ガスと空気との混合が促進されて安定した火炎となる。
【0007】
上記バーナは、更に高圧空気噴出管からメイン炎孔中に高圧空気を噴出させることにより、火炎のシャープ性を高めることができる。この状態でバーナヘッドを炉内側に前進させると、強力でシャープな火炎が棺の一部に集中する。この結果、棺の一部に穴があき、ここから内部に火炎が入り込むため、火廻わりが早められて、燃焼時間を大巾に改善することができる。
【0008】
【発明を実施するための形態】
図1〜図6に基づいて本発明の実施例を詳述する。
1はバーナ外管、2はこのバーナ外管1の先端に取り付けられた燃焼管、3は燃焼管2内に組み込まれたバーナヘッドであって、このバーナヘッド3は中央にメイン炎孔4を形成し、このメイン炎孔4の外周に断面四角形のパイロット炎孔5を形成した構成である。
【0009】
6はバーナ外管1の基部、7はこの基部6内からバーナ外管1の中途まで挿入された内管、8は前記内管7内を経由してバーナヘッド3のメイン炎孔4に臨ませた高圧空気噴出管、9は高圧空気噴出管8内に挿入し、先端の電極10をメイン炎孔4内に臨ませた点火プラグである。
【0010】
11は前記バーナヘッド3内に取り付けられた整流板であって、この整流板11には多数の小孔12が形成されている。
13はガス供給口、14は空気供給口である。
図5及び図6において、15は炉体、16はバーナ取付板、17は支軸、18はバーナヘッドの角度を上下に制御するシリンダー、19は覗窓である。
【0011】
上記バーナは、火葬炉の炉体15の奥(後壁)の中央から炉の入口側に向けて前後にスライド自在に取り付けられ、燃焼を行う場合には、先にガスと空気を供給し、点火プラグ7を駆動して電極10部分で放電を行うことによりメイン炎孔4から噴出する混合気とパイロット炎孔5から噴出する混合気に点火を行い、燃焼管3の先端に火炎を形成する。更に高圧空気噴出管8から高圧空気を噴出させることにより、燃焼管3の先に高速噴流によりシャープな長炎と直進火炎を形成する。燃焼開始直後は、バーナを前進させて火炎を棺の一部に集中させる。この集中により、棺は集中部分に早く穴があき、この穴から棺内に火炎が入り、棺の内部の火廻りを早めて燃焼時間の短縮を行う。整流板11はバーナ外管1の混合空間1a内で混合したガスと空気を整流して混合率を高めて安定した火炎を形成する。
【0012】
実施例はパイロット炎孔5から噴出する混合気の割り合いをメイン炎孔4から噴出する量に対して22%に設定したことにより、安定した保炎効果を奏し、実用的には20〜25%の範囲が最も効果的である。又、パイロット炎孔5は断面を四角形とすることにより、小さな面積において全体の開口面積を大きくとることができ、よって前記比を20%〜25%に設定しながら、バーナヘッド部分の小型化(小径化)が可能である。
【0013】
【発明の効果】
本発明は以上の如き構成から成るため、次の効果を奏する。
a.高速噴流で長炎、直進火炎となる。
b.点火プラグでダイレクト着火を行う事により、メインバーナへの点火が確実となる。
c.高圧空気を火炎中に供給することにより、シャープな火炎が形成でき、これにより棺に素早く穴をあけて内部の火廻りを早めることができる。よって、燃焼時間の短縮が可能となる。
d.高速火炎にもかかわらず整流板を挿入して混合率を高め、更にパイロット炎孔からの混合気の噴出量をメイン炎孔からの噴出量に対して20%〜25%に設定したことにより、火炎が安定し、然も保炎性が高まる。
e.長炎、直進火炎になる為に炉体への影響が少なくなり、炉材の損傷が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る火葬バーナの断面図。
【図2】A−A′線断面図。
【図3】B−B′線断面図。
【図4】C−C′線断面図。
【図5】ガスバーナを火葬炉に取り付けた状態の正面図。
【図6】ガスバーナを火葬炉に取り付けた状態の断面図。
【図7】従来の火葬炉バーナの説明図。
【符号の説明】
1 バーナ外管
2 燃焼管
3 バーナヘッド
4 メイン炎孔
5 パイロット炎孔
6 基部
7 内管
8 高圧空気噴出管
9 点火プラグ
10 電極
11 整流板
12 小孔
13 ガス供給口
14 空気供給口
15 炉体
16 バーナ取付板
17 支軸
18 シリンダー
19 覗窓

Claims (3)

  1. バーナ外管の先端に燃焼管を取り付けると共にこの燃焼管内にバーナヘッドを挿入し、前記バーナヘッドの中央にはメイン炎孔を形成し、このメイン炎孔の周囲にはパイロット炎孔を形成し、前記バーナ外管内の中途まで後方より内管を挿入し、ガスをこの内管内に供給し、燃焼用空気を内管とバーナ外管により形成される空気流路から供給してガスと空気をバーナ外管内において予混合して前記メイン炎孔及びパイロット炎孔から噴出させるように構成して成る火葬用バーナにおいて、
    前記内管内に高圧空気噴出管を挿入してこの高圧空気噴出管の先端を前記メイン炎孔内に臨ませたこと、
    前記高圧空気噴出管内に点火プラグを挿入し、この先端の電極を高圧空気噴出管の先端に臨ませたこと、
    前記バーナヘッドの上流側に整流板を挿入して混合気の整流を行うこと、
    前記バーナ外管は炉内方向に前進自在に取り付けられていること、
    を特徴とする火葬炉用バーナ。
  2. パイロット炎孔を断面四角形に形成して成る請求項1記載の火葬炉用バーナ。
  3. パイロット炎孔から噴出する混合気の割り合いを、メイン炎孔から噴出する混合気の量に対して20%〜25%に設定して成る請求項1又は2記載の火葬炉用バーナ。
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