JPS6142350Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、前処理部で刈取つた穀稈を、脱穀部
に供給するコンバインにおいて、機体の回行等に
際して前処理部を上昇させるのに伴つて脱穀部の
穀稈供給口をその前方に張出して穀稈を案内する
供給口板で閉じ、脱穀部の穀稈供給口から穀粒や
藁屑が噴出し四散するのを防止すると共に扱胴の
回転による危険を防止して安全を確保するように
した脱穀部の穀稈供給口自動開閉装置に係るもの
である。

機体の前部に設けた前処理部で刈取つた穀稈を
脱穀部に供給して脱穀するコンバインにおいて
は、収穫作業中機体の回行時に際し穀稈の刈取り
を一時中断して前処理部を上昇させる操作をする
が、この前処理部を上昇させた際には脱穀部の穀
稈供給口での穀稈の供給が途断えるので、穀稈供
給口は開放状態となつて、ここから扱室内の穀粒
や藁屑等が噴き出して四散する現象がみられる。
又、刈取作業の一時中断時においても、扱胴が回
転しているので穀稈供給口が開放されていると、
ここから誤まつて手を挿入することがあるなど、
危険でもある。

本考案は、上記の如き実状に鑑み創案されたも
のであつて、その目的とするところは、脱穀部の
穀稈供給口前方に張出して穀稈を穀稈供給口へ案
内する供給口板を穀稈供給口に対して開閉自在に
し、供給口板の開閉を前処理部の昇降に連動させ
て開閉することにより、刈取作業を一時中断して
前処理部を上昇させた際には、これと同時に脱穀
部の穀稈供給口を自動的に閉じて扱室からの穀粒
や藁屑等の噴出し四散を完全に防止することがで
きるばかりでなく、穀稈供給口を供給口板で閉じ
る際に、その板面にたまつた穀粒や藁屑等をすべ
て扱室内に戻すことができ、その上穀稈供給口が
閉じられていることと相俟つて扱室内に誤まつて
も手を挿入するなどの惧れをなくして人体への危
険を防止し安全を確保することができるコンバイ
ンにおける脱穀部の穀稈供給口自動開閉装置を提
供しようとするにある。

本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、１は機体の前部に設けられた前処
理部、２はその後方に設けられた脱穀部であつて
前処理部１はリンク３および油圧シリンダ４によ
つて昇降自在に支持されている。５は穀稈梳起し
装置、６は刈刃、７は刈取つた穀稈を後方へ揚送
する穀稈搬送体である。又脱穀部２には上記穀稈
搬送体７の搬送終端に対応して穀稈供給口８が開
口されており、該穀稈供給口８の下端側前方には
供給口板９が張出しており、この供給口板９の基
端側は穀稈供給口８の下端側に回動自在に枢着さ
れていて、穀稈供給口８は供給口板９によつて開
閉自在となつている。又、穀稈供給口８にはその
上端側からゴム板等の弾性カバー１０が垂下され
ている。１１は扱室、１２は扱胴、１３は穀稈フ
イードチエン、１４は挾扼レールである。

前記、供給口板９は穀稈供給口８の前方で水平
状態をなし、前処理部１の穀稈搬送体７から供給
される穀稈を受止め、これを穀稈供給口８へ案内
するためのものであるが、この供給口板９はリン
ク１５によつて前処理部１のリンク３に連結され
ていて前処理部１を下降させて刈取作業状態とす
れば、供給口板９は水平に支持され、前処理部１
を上昇させた場合には供給口板９が穀稈供給口８
閉じるようになつている。

叙上の如き構成において、いま、収穫作業を行
なうには前処理部１を下降させた状態にして穀稈
を刈取るが、前処理部１で刈取られた穀稈は、穀
稈搬送体７によつて後方の脱穀部２に供給され、
脱穀部２で脱穀される。即ち前処理部１が下降状
態にあると、穀稈供給口８の前方には供給口板９
が水平状態となつているので穀稈搬送体７から送
られてくる刈取穀稈はこの供給口板９上に一旦受
止められたうえ脱穀フイードチエン１３によつて
穀稈供給口８へ挿入され脱穀される。上記収穫作
業中、機体を回行させる際には刈取作業を一時中
断し前処理部１を上昇させるが、前処理部１を上
昇させると、これと連動して供給口板９が上方へ
回動されて穀稈供給口８が閉じられる。従つて刈
取作業が一時中断され脱穀部２の穀稈供給口８に
供給される穀稈が途断えても、穀稈供給口８が開
放状態となることはなく、扱室１１内から穀粒や
藁屑等が噴出して四散するのを未然に防止するこ
とができる。しかも穀稈供給口８はこの前方の供
給口板９を上方へ回動させて閉じるので、その際
に供給口板９上にたまつていた穀粒や藁屑もすべ
て扱室１１内へ戻され、その四散をも防止するこ
とができる。又、刈取作業の一時中断に際して
は、上記の如く穀稈供給口が閉じられているの
で、扱室１１内に誤つて手を挿入する危険がなく
安全を確保することができる。

これを要するに本考案は、脱穀部の穀稈供給口
前方に張出して、前処理部で刈取つた穀稈を穀稈
供給口へ案内する供給口板の基端側を穀稈供給口
の下端側に回動自在に枢着すると共に、上記供給
口板を前処理部の上昇時には脱穀部の穀稈供給口
を閉じ、その下降時には穀稈供給口を開くように
連動構成したから、機体の回行時等、刈取作業を
一時中断して前処理部を上昇操作すると同時に脱
穀部の穀稈供給口を自動的に閉じて扱室からの穀
粒や藁屑等の噴出四散を確実に防止でき、かつそ
の際に穀稈供給口から扱室内に誤つても手を挿入
するなどの惧れを無くし、扱胴の回転による人体
への危険を防止して安全を確保できるばかりでな
く、穀稈供給口を供給口板で閉じる際にその板面
にたまつた穀粒や藁屑等をすべて扱室内に戻すこ
とができ、穀粒や藁屑等の四散を完全に防止する
ことができる極めて有用な実用的効果を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係るコンバインにおける脱穀
部の穀稈供給口自動開閉装置の一実施例を示すも
のであつて、第１図はコンバインの一部を切欠し
た側面図、第２図および第３図は、それぞれ一部
の斜視図、第４図は１部の分解斜視図である。 図中、１は前処理部、２は脱穀部、３はリン
ク、４は油圧シリンダー、６は刈刃、７は穀稈回
転体、８は穀稈供給口、９は供給口板、１１は扱
室、１２は扱胴、１３は穀稈フイードチエン、１
４は挾扼レール、１５はリンクである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脱穀部の穀稈供給口前方に張出して、前処理部
   で刈取つた穀稈を穀稈供給口へ案内する供給口板
   の基端側を穀稈供給口の下端側に回動自在に枢着
   すると共に、上記供給口板を前処理部の上昇時に
   は脱穀部の穀稈供給口を閉じ、その下降時には穀
   稈供給口を開くように連動構成したことを特徴と
   するコンバインにける脱穀部の穀稈供給口自動開
   閉装置。