JPS6141918Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、折畳み式ドアにおける中折部下端の
シーリング構造の改良に関するものである。

マイクロバス等の乗降口には、第１図に示すよ
うに２枚のドアパネルａ，a′で構成された、いわ
ゆる折畳み式ドアＡが多く採用されており、一方
のドアパネルａの前端はヒンジ１を介して車体の
ドア開口部（図示せず）に回動自在に枢着され、
又、他方のドアパネルa′の前端は前記ドアパネル
ａの後端にヒンジ２を介して折畳み可能に連結さ
れ、該ドアパネルa′の後端は、車体のドア開口部
上縁に設けられたガイド機構（図示せず）に係合
され、該ドア開口部を前後方向に摺動可能になさ
れている。３，３′は前記一方のドアパネルａの
前後端に設けられたウエザーストリツプ、４，
４′は前記他方のドアパネルa′の前後端に設けら
れたウエザーストリツプである。

そして従来は前記ドアＡと車体のステツプフロ
ア面５との隙間をなくすために、第２図乃至第６
図に示すように、それぞれのドアパネルａ，a′の
下端に設けられたレインフオース６，６′を介し
てシールラバー７，７′を垂下してその隙間をシ
ールするようにし、かつ、一方のシールラバー７
の後端と他方のシールラバー７′の前端を延長し
て互いに突合させ、前記ドアパネルａ，a′の連結
部、すなわちドアＡの中折部の隙を塞ぐようにし
ていたが、この従来の方法では、組付け作業上の
バラツキにより、該突合せ部分８に隙が生じるな
どしてシール性が低下する虞れがあり、そのた
め、前記シールラバー７，７′をさらに延長さ
せ、ドアＡを閉じたとき、該シールラバー７，
７′を互いに重合させるようにすることも考えら
れたが、このようにすると該重合部がベコつきシ
ール性を向上させることはできず、その対策に苦
慮していた。９はドア開口部のステツプフロア面
５の後端に設けられたストツパ部材、１０はシー
ルラバー取付用ビスである。

そこで本考案は上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであつて、その目的とするところは、折
畳み式ドアを構成するドアパネルのうち他方のド
アパネルの中折部側下端に、該ドアの閉扉時にお
いて、先端がヒンジ中心を越え隣接する他方のド
アパネルの中折部側端部に近接するように延設さ
れた押え部材を固設し、かつ、該ドアパネルの下
端に垂設されたシールラバーの先端を前記押え部
材の先端部まで延設して構成し、ドアの閉扉時に
おいて一方のドアパネルの下端に垂設されたシー
ルラバーと重合させ、該重合部分のシールラバー
がベコつかないよう前記押え部材でバツクアツプ
させてシール性を向上させるようにしたことにあ
る。

以下、本考案を図示せる実施例に随つて説明す
る。

Ｂは車両用折畳み式ドアであつて、２枚のドア
パネルｂ，b′で構成され、一方のドアパネルｂの
前端はヒンジ１１を介して車体のドア開口部（図
示せず）の前端に回動自在に枢着され、又、他方
のドアパネルb′の前端は前記ドアパネルｂの後端
にヒンジ１２を介して折畳み可能に連結され、該
ドアパネルb′の後端は、車体のドア開口部上縁に
設けられたガイド機構（図示せず）に係合され、
該ドア開口部を前後方向に摺動可能になされてい
る。１３，１３′は前記一方のドアパネルｂの前
後端に設けられたウエザーストリツプ、１４，１
４′は前記他方のドアパネルb′の前後端に設けら
れたウエザーストリツプである。

１５，１５′は前記２枚のドアパネルｂ，b′を
構成するアウタパネル１６，１６′とインナパネ
ル１７，１７′との下端を接合するレインフオー
ス、、１８，１８′は前記アウタパネル１６，１
６′の下端外側面に取付けられるシールラバーで
あつて、その外側からリテーナ１９，１９′で押
えられ、ビス２０，２０′により前記アウタパネ
ル１６，１６′に固定されている。前記一方のシ
ールラバー１８とリテーナ１９の後端は、前記ヒ
ンジ１２中心に近接する位置まで延長された延長
部１８ａ，１９ａが夫々形成され、その上端は前
記一方のウエザーストリツプ１３′の下端と重合
するようになされている。又、前記他方のシール
ラバー１８′の前端は前記ヒンジ１２中心を越
え、ドアＢの閉扉時において前記一方のシールラ
バー１８の延長部１８ａと重合するように延長さ
れた延長部１８a′が形成され、その延長部１８
a′の上端は、前記他方のウエザーストリツプ１４
の下端と重合するようになされ、かつ、該延長部
１８a′の先端は前記一方のウエザーストリツプ１
３′と重合しないようにその上端は切欠かれてい
る。又、前記他方のリテーナ１９′の前端は、前
記一方のリテーナ１９と同様に前記ヒンジ１２中
心に近接する位置まで延長された延長部１９a′が
形成されている。２１は前記他方のアウタパネル
１６′の前端下部の内側面に固着された押え部材
であつて、その先端部２１ａは前記他方のシール
ラバー１８′の前端の延長部１８a′と略一致する
位置まで延長され、該先端部２１ａは、対応する
一方のシールラバー１８の肉厚分を内側にオフセ
ツトして形成し、他方のシールラバー１８′をラ
ツプさせたとき、該他方のシールラバー１８′が
ベコつかないようにバツクアツプするようになさ
れている。したがつて、ドアＢの閉扉時において
前記シールラバー１８，１８′のそれぞれの延長
部１８ａ，１８a′の重合部は前記一方のドアパネ
ルｂ側に設けたリテーナ１９の延長部１９ａと、
前記他方のドアパネルb′側に設けた押え部材２１
の先端部２１ａとで挾込まれるようになる。２２
は車体のステツプフロア、２３はドアＢを構成す
る両ドアパネルｂ，b′の連結部に形成された、該
ドアＢの中折部である。

尚、上記実施例では、他方のドアパネルb′すな
わち後側ドアパネルに垂設したシールラバー１
８′の前端を一方のドアパネルｂすなわち前側ド
アパネルの中折部２３側端部近傍まで延長させた
が、これに限ることなく、一方のドアパネルｂ
（前側ドアパネル）に垂設したシールラバー１８
の後端を他方のドアパネルb′（後側ドアパネル）
の中折部２３側端部近傍まで延長させて、他方の
シールラバー１８′の延長部１８a′に重合させる
ようにしてもよい。又、押え部材２１も前記重合
部をいずれか一方のリテーナ１９，１９′とで挾
込むようにバツクアツプできればよく、その取付
位置は限定されない。又、図示では押え部材２１
を取付けた側のレインフオース１５′の前端を延
長したように示してあるが、必ずしも延長させる
必要はなく、押え部材２１のみを延長させてもよ
い。

以上述べたように本考案によれば、ドアを閉じ
た時に該ドアを構成する２枚のドアパネルの下端
に垂設したシールラバーのいずれか一方の端部を
延長して重合させ、該重合部を、シールラバーを
押付けるリテーナと、いずれか一方のドアパネル
に設けた押え部材とで挾込むようにしたので該重
合部がベコつかなくなり、したがつて、ドアの中
折部下端のシール性を向上させることができ、よ
つて、水や塵埃等の車室内への侵入を防止するこ
とができた。

又、本願考案のように、シールラバーをドアパ
ネルのアウタパネルの外側に取付けるようにすれ
ば、該取付作業が容易になり、しかも、該ドアパ
ネルの下部の防錆性を向上させることができる等
の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は車両用折畳み式ドアの平面図、第２図
は従来のドア下部のシーリング構造を示す斜視
図、第３図は同上のシールラバーの取付状態を示
す要部拡大斜視図、第４図は同上の要部拡大正面
図、第５図は第４図のＣ−Ｃ線拡大横断面図、第
６図は同上の要部拡大縦断面図、第７図は本考案
によるシールラバーの取付状態を示す折畳み式ド
アの要部拡大斜視図、第８図は同上の要部拡大分
解斜視図、第９図はドアを閉じた状態を示す要部
拡大正面図、第１０図は第９図のＤ−Ｄ線拡大横
断面図、第１１図はドアを開いた状態を示す要部
拡大横断面図、第１２図はシールラバーの取付状
態を示す要部拡大縦断面図である。 Ｂは折畳み式ドア、ｂ，b′はドアパネル、１
５，１５′はレインフオース、１８，１８′はシー
ルラバー、１９，１９′はリテーナ、２１は押え
部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２枚のドアパネルをヒンジを介して折畳み可能
   に連結された折畳み式ドアにおいて、該２枚のド
   アパネルｂ，b′の下端にリテーナ１９，１９′に
   よりシールラバー１８，１８′を垂下するように
   して取付け、該ドアパネルｂ，b′下端と車体フロ
   面との間をシールするようになされた折畳み式ド
   アＢの一方のドアパネルｂのシールラバー１８と
   リテーナ１９及び他方のドアパネルb′のリテーナ
   １９′とはヒンジ１２中心近くまで延設されてい
   ると共に、他方のドアパネルb′に取付けられたシ
   ールラバー１８′は、該ドアパネルの中折部２３
   側下端に固着された押え部材２１の先端部２１ａ
   と共に、該折畳み式ドアＢの閉扉時において、前
   記ヒンジ１２中心を越え隣接する一方のドアパネ
   ルｂの中折部２３側端部近傍まで延設され、該ド
   アＢの閉扉時において、前記一方のドアパネルｂ
   に取付けられたシールラバー１８と重合するよう
   にしたことを特徴とする折畳み式ドアにおける中
   折部下端のシーリング構造。