JPS6140786Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、原画を載せる台と布張設部を有す
る本体と、台上の原画を指向する固定のならい針
とよりなり、ならい針を標的にして本体をならい
針か原画をなぞるが如く操作することによつて原
画の写し縫いを行うミシンの刺しゆう器に関す
る。

この種の刺しゆう器には、布張設部が前後左右
動のみする一般的に知られるタイプのものと、台
と布張設部が回動可能で、台の回動操作が布張設
部に伝えられ、糸並びの角度の異なつた刺しゆう
が得られるタイプのものとがあるが、いづれのも
のもミシン針が指向する座標軸上の位置とならい
針が指向する座標軸上の位置は常に同一であり、
変えることはできなかつた。そのため原画に描か
れていない文字や図形等の模様は写し縫いするこ
とができず、例え同一の模様を周方向に連続的に
或いは一定間隔毎に刺しゆうしていく場合にも原
画には得られる刺しゆうと同一の模様が描かれて
いなければならず、また数種類の模様が描かれて
いる原画より所望の模様を選び、それを写し縫い
しようとならい針下に移動させると、写し縫いさ
れる箇所も移動し、布を張設したのちに所定の箇
所に刺しゆうしようとすれば、布の張設をし直さ
ねばならなかつた。

またポケツトのように刺しゆうされる生地によ
つては、得られる刺しゆうが所定の方向に向き、
傾かないようにすることが望まれるが、それには
原画の向きと一致するようにして布を張設し、或
いは張設された布の向きと一致するように原画を
取りつけねばならず、一旦取りつけたのちの向き
の変更は面倒である。しかも同一の原画より種々
の生地に刺しゆうしようとする場合、布張設部よ
りはみ出た布が立胴部側に片寄るようなときには
はみ出た布が立胴部で支えて刺しゆう器の操作上
の障害となつたり、張設された布上に覆い被さつ
て刺しゆうの邪摩となり易かつた。

この考案はかゝる問題を解消するため、原画を
載せる台と布張設部のいづれか一方を単独で回動
できるようにしたものである。

これを図面によつて説明すると、第１図は原画
の取付面である台１を一側部に備えた本体２の他
側部に内枠と外枠とよりなる刺しゆう枠３を着脱
可能に止着した取付枠４を外接するコロ５によつ
て回動可能に取りつけた刺しゆう器を示すもので
ある。ここで取付枠４はコロによつて支持される
代りに歯車によつて支持されるようにしてもよい
し、また本体２に回動可能に嵌着させるようにし
てもよい。また布を内枠と外枠よりなる刺しゆう
枠で張設する代りに取付枠に既知の如く張設させ
るようにしてもよい。

以上は布張設部を回動可能に構成した例を示す
ものであるが、他の実施例として本体２に原画台
のみを或いは布張設部とともに回動可能に軸支し
たものがあげられる。

第２図は本体１１に原画台１２と取付枠１３を
回動可能に取着するとともに原画台の回動がギヤ
ー１５を介して取付枠１３に伝えられ、糸並びの
角度の変化した刺しゆうが得られるようにした刺
しゆう器において、上記ギヤー１５を本体２に取
着の一対のブロツク１６に遊嵌される螺杆１７端
に設けられる断面コ字形枠１８に軸支し（第３図
参照）、ブロツク間の螺杆１７に螺着され、本体
１１に形成されるスロツト１９より突出するダイ
ヤル２０を回動することによつて螺杆１７を進退
させ、ギヤー１５を原画台１２と取付枠１３に係
脱可納にしたもので、ギヤーを原画台及び取付枠
より離間させたとき原画台或いは取付枠の単独で
の回動が行われるようになつている。ここでギヤ
ー１５は原画台と取付枠より同時に離間するよう
にしてもよいが、いづれか一方よりのみ離脱しう
るようにしてもよい。

第４図はギヤー１５をコ字形枠２２に軸支する
とともに軸端部を本体に形成のスリツト２３にス
ライド可能に嵌合し、コ字形枠をバネ２４によつ
てギヤー１５が原画台と取付枠に係合するよう付
勢したもので、バネ２４に抗してギヤー１５を後
退させることにより原画台と取付枠より離脱する
ようになつている。

以上は原画台の回動がギヤーを介して取付枠に
伝えられるようになつている例を示すものである
が、ギヤーの代りに摩擦車に置きかえてもよい。

なお上記各実施例において、原画台或いは取付
枠は所定量回動したのち、その状態で固定されう
るように、例えば原画台或いは取付枠の周面に喰
い込む爪よりなるストツパーを設けるのが望まし
い。

本考案によれば、布に所定の向きの刺しゆうを
写し縫いしようとする場合にも原画や布を適当な
或いは望ましい方向に取りつけたのち、原画を載
せる台或いは布を張設する枠を所定量回すことに
より原画の向きと布の望ましい向きとを簡易かつ
迅速に一致させ、セツトすることができるように
なる。

また原画に描かれた一固の図形から刺しゆうを
終える都度布張設枠を回動することにより（第１
図参照）或いは原画台を回動することによつて連
続した模様或いは一定間隔で並ぶ模様を得ること
ができるようになり、また原画に描かれた周方向
に並ぶ複数個の模様の中から所望の模様を選び、
それを原画台のみを回し、或いは布張設枠ととも
に回してならい針下に位置させ、後者の場合には
更に布張設枠を単独で回して所定の箇所をミシン
針下に位置させることによつて所定の箇所に所望
の模様を写し縫いすることができるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る刺しゆう器の平面図、第
２図は別の実施例の平面図、第３図は第２図に示
されるギヤーの進退装置の断面図、第４図はギヤ
ー進退装置の別の態様を示す図である。 １……台、２……本体、３……刺しゆう枠、４
……取付枠、１１……本体、１２……原画台、１
３……取付枠、１５……ギヤー、１６……ブロツ
ク、１７……螺杆、１８……コ字形枠、１９……
スロツト、２０……ダイヤル、２２……コ字形
枠、２３……スリツト、２４……バネ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 原画を載せる台と布張設部を有する本体と台
   上の原画を指向する固定のならい針とよりな
   り、ならい針を標的にして本体をならい針が原
   画をなぞるが如く操作することによつて原画の
   写し縫いを行うミシンの刺しゆう器において、
   上記台と布張設部のいずれか一方若くは双方を
   本体に回動可能に取着し、台或いは布張設部を
   単独で回動操作できるようにしたことを特徴と
   する刺しゆう器。 (2) 台の回動操作がギヤー或いは摩擦車を介して
   布張設部に伝えられるようにするとともにギヤ
   ー或いは摩擦車は台と摩擦車のいづれか一方若
   くは双方に係脱可能に構成される登録請求の範
   囲第１項記載の刺しゆう器。 (3) ギヤー或いは摩擦車はコ字形枠に軸支されコ
   字形枠は上記本体に一定の間隔を設けて並設さ
   れるブロツクに螺着される螺杆の突出端部に固
   着され、上記ブロツク間に介在し、螺杆に螺着
   のダイヤルの操作によつて進退する登録請求の
   範囲第２項記載の刺しゆう器。 (4) ギヤー或いは摩擦車はコ字形枠に軸支される
   とともにその軸端部を本体に形成のスリツトに
   スライド可能に嵌合し、コ字形枠はバネによつ
   て一方向に付勢され、ギヤー或いは摩擦車を台
   及び布張設部に係合させる登録請求の範囲第２
   項記載の刺しゆう器。 (5) 回転可能な台或いは布張設部には台或いは布
   張設部に係脱可能に係合してその回転を止める
   ためのストツパーが設けられる登録請求の範囲
   第１項又は第２項記載の刺しゆう器。