JPS6140402Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は２主軸旋盤のローデイング、アンロー
デイングにクロスアーム形のスイングローダを用
いて半成品をローデイング途中で反転させる工作
物反転装置の改良に関する。

従来２主軸で両面を加工する場合クロスアーム
形のスイングローダを用いてローデイング、アン
ローデイングしその途中において半成品を反転さ
せるように反転装置を特別に設けておりその装置
で半成品を把持して180゜旋回させている。その
反転装置としては例えばスイングローダの旋回軸
の上方に垂直な旋回軸で180゜旋回されるアーム
の先端にグリツパを有する反転ローダと固定の把
持装置とよりなり、特定のクロスアームのグリツ
パから半成品を受け反転ローダのアームを180゜
旋回してクロスアームの別の一本のグリツパの手
前に固設されている把持装置に渡し、この把持装
置からクロスアームのグリツパは半成品を受取る
ものが広く知られている。このため反転のためグ
リツパ付旋回装置及び把持装置が必要で構造が複
雑でコストアツプになり、また余分のシーケンス
を必要とする欠点があつた。

従つて本考案は反転のためのグリツパ付旋回装
置を用いずシユートによつて反転させるようにな
したローデイング装置の工作物反転装置を提供し
ようとするもので、本考案は２主軸NC旋盤にお
いてクロスアーム形のスイングローダを用い該ロ
ーダが成品と半成品を放出するとともに主軸チヤ
ツクに工作物をローデイングする第２位置におい
て半成品を受取るシユートを半成品が降下中に垂
直面内でほぼ90゜方向変換させるように湾曲して
形成したシユートとし、この90゜変換された状態
で反転半成品と素材を受取り、チヤツクの成品を
アンローデイングする第１位置のローダアームの
受取り位置より高く押し上げるエレベータを設け
押し上げられた半成品をローダの第１位置の反転
半成品受取り位置迄降下させる途中に更にほぼ90
゜方向を変換させて裏向きとするように湾曲して
形成したシユートとを含むことを特徴とするもの
である。

以下本考案の実施例を図面にもとづき説明す
る。NC旋盤のベツド１の後寄り位置に先端に動
力チヤツク２ａ，２ｂを嵌着した２本の主軸３
ａ，３ｂが回転可能に水平に軸承されている主軸
台４が設けられている。この主軸３ａ，３ｂはそ
れぞれ単独に図示しない動力伝導機構を介して主
モータ５ａ，５ｂで制御回転される。またベツド
１上に主軸台４の前面の左右両側には主軸と直角
（Ｘ軸）方向の案内面６にそれぞれサドル７ａ，
７ｂが摺動可能に載置され、Ｘ軸サーボモータ２
５によつてそれぞれ位置決め制御される。サドル
７ａ，７ｂの上面には主軸（Ｚ軸）方向の案内面
にそれぞれ刃物台送り台８ａ，８ｂが載置されＺ
軸サーボモータ９ａ，９ｂによつて位置決め制御
される。送り台８ａ，８ｂ上にはそれぞれタレツ
ト刃物台１０ａ，１０ｂが固定されている。この
左右刃物台１０ａ，１０ｂに対して主軸の前面の
切削空間を除く左右前後、上面に固定カバー１１
ａ，１１ｂが設けられており、中央前面に左右に
開く２枚の開閉カバー１２ａ，１２ｂがまた上面
にはチヤツク２ａ，２ｂの上面を流体圧シリンダ
１３で前後に開閉する天井カバー１４が設けられ
ている。主軸３ａ，３ｂの２等分面上で天井カバ
ー１４の上にローダ旋回軸１５がローダ旋回用サ
ーボモータ１６で旋回割出し本例では３等分位置
に割出されるとともに軸方向の２位置に流体圧シ
リンダ装置１７によつて位置決めされる。このロ
ーダ旋回軸１５の前端直角面内にはＫ形のローダ
アームでなるスイングローダ１８が固着されてい
る。即ちそれぞれのアームの先端に流体圧若しく
は電気で開閉するグリツパ１９ａ，１９ｂを有し
チヤツク２ａ，２ｂにそれぞれで同時にアンロー
デイングする２本のローダアーム１８ａ，１８ｂ
とこのローダアーム１８ａ，１８ｂが第１象限内
に位置したとき第２象限内に位置し90゜の線に対
して対称で先端に動力で開閉するグリツパ１９
ｄ，１９ｃを有しチヤツク２ａ，２ｂにそれぞれ
同時にローデイングする２本のローダアーム１８
ｄ，１８ｃの計４本がＫ形をなしている。従つて
ローダアーム１８ａと１８ｄとは180゜即ち一直
線となるか又はローダアーム１８ｂ，１８ｃ側に
傾く180゜以内の角度となる。そしてローダアー
ム１８ａ，１８ｂと１８ｃ，１８ｄとの対称軸が
３角度位置に割出されるが好ましくは主軸２等分
面に対して右側60゜の第１位置と左側60゜の第２
位置と旋回中心より上方の２等分面位置の第３位
置の３等分位置に割出される。

スイングローダの第１位置ではローダアーム１
８ａのグリツパ１９ａは第１工程を受持のチヤツ
ク２ａに対面し、ローダアーム１８ｂのグリツパ
１９ｂは第２工程を受持のチヤツク２ｂに対面す
る。ローダアーム１８ｃのグリツパ１９ｃは素材
を供給するインシユート２０に、ローダアーム１
８ｄのグリツパ１９ｄは反転済半成品のシユート
２１に対面するようになつている。インシユート
２０は素材の未加工工作物本例ではフランジ工作
物が送り込まれその先端には工作物をスイングロ
ーダの割出しにともない素材供給指令で１個づつ
送り出しローダアーム１８ｃのグリツパ１９ｃに
対面させる補助シユート２０ａが設けられてい
る。

スイングローダの第２位置ではローダアーム１
８ｃのグリツパ１９ｃが第１工程のチヤツク２ａ
に対面し、ローダアーム１８ｄのグリツパ１９ｄ
が第２工程のチヤツク２ｂに対面し、ローダアー
ム１８ｂのグリツパ１９ｂはアウトシユート２２
に対面し、ローダアーム１８ａのグリツパ１９ａ
は半成品受取シユート２３に対面する。第１工程
で片面が加工された半成品を受けるシユート２３
は右下に傾斜して90゜方向を変えるように曲げら
れた形状でエレベータ２４の下端に連結されてい
る。エレベータ２４は複数個のホツパ２６を等間
隔に外周に設け上端のローラ２７と下端のプーリ
２８で垂直方向に張設されたエンドレスコンベア
２９と、プーリ２８を指令で所定量回転させるギ
ヤードモータ３０と、案内筒３１とよりなり、コ
ンベア２９の停止時ホツパ２６の１個は下端に位
置してシユート２３からの半成品を受け、このと
きホツパ２６の１個は上端に位置する。第２工程
の半成品を供給するシユート２１はエレベータ２
４の上端より90゜方向をかえ右下に傾斜して下端
の受止め台２１ａがローダアーム１８ｄに対面す
る。

スイングローダの第３位置では、ローダアーム
１８ａ，１８ｄがほぼ水平位置となりローダアー
ム１８ｂ，１８ｃが上方を向く状態で待機する。

次いで作用を説明するNC旋盤は連続加工運転
がされていてチヤツク２ａでは第１工程の加工、
チヤツク２ｂでは第２工程の加工が既に完了して
交換指令が出されたとする。先づ天井カバー１４
が流体圧シリンダ１３で開けられ第４図イの待機
位置の第３位置にあつてグリツパを用いている。
スイングローダ１８はサーボモータ１６により
120゜時計方向に旋回して第４図ロの第１位置を
とる。即ちローダアーム１８ａがチヤツク２ａの
前面ローダアーム１８ｂがチヤツク２ｂの前面に
それぞれ位置する。ローダアーム１８ｃは交換指
令でインシユート２０の補助シユート２０ａで送
り出された素材の前面に、またローダアーム１８
ｄは反転されて未加工側がローダのグリツパ側と
なつて受止め台２１ａにある半成品の前面にそれ
ぞれ位置する。第１位置のローダは旋回軸１５が
流体圧シリンダ１７により軸方向チヤツク側に移
動され各ローダアームのグリツパはそれぞれ工作
物を把持する。把持完了によつてチヤツク２ａ，
２ｂは爪を開き流体圧シリンダ１７の圧力流体流
路を切換え旋回軸１５は反対方向に移動され工作
物をチヤツク、受け止め台より取出す。次にロー
ダはサーボモータ１６により時計方向に120゜旋
回されて第４図ハの第２位置をとる。即ちローダ
アーム１８ａは半成品受取シユート２３の受取口
前面、ローダアーム１８ｂはアウトシユート２２
の前面、ローダアーム１８ｃは第１工程のチヤツ
ク２ａの前面及びローダアーム１８ｄは第２工程
のチヤツク２ｂの前面に位置する。次に流体圧シ
リンダの圧力流体流路を切換えローダをチヤツク
側に移動させチヤツク２ａ，２ｂで工作物を把持
するとともに各グリツパを開放する。グリツパ１
９ｂの工作物はアウトシユート２２に放出され、
グリツパ１９ａの工作物は受取りシユート２３に
送り出される。即ちシユート２３で受けられた工
作物は曲つたシユートに案内され右下後に転動す
るとともに90゜向きを変えエレベータ２４の下端
のホツパ２６上では加工済の面が右方を向けられ
て受止められる。エレベータ２４のギヤードモー
タ３０が所定量回転しホツパ２６を１ピツチ移動
させ上端に位置したホツパ２６から工作物がシユ
ート２１に移り右下手前に転動し更に90゜方向を
変えて加工済側が裏側となり反転した状態で受止
め台２１ａに位置する。流体圧シリンダ１７の圧
力流体流路が切換えられローダはチヤツクより離
れるとともにサーボモータ１６により時計方向に
120゜旋回されローダが上向きとなる第３位置の
待機位置をとる。割出し完了で流体圧シリンダ１
３の圧力流体流路が切換えられ天井カバー１４が
閉められローダ１８は切削空間と区切られる。加
工完了によつて上述のサイクルを繰返すものであ
る。なお第１シユートと第２シユートは各90゜方
向変換するようになしたが両シユートで反転され
る角度であれば90゜に限定されるものではない。

以上詳述したように本考案はクロスアーム形の
スイングローダの第２位置での半成品放出位置並
びに第１位置での反転半成品受取り装置に方向を
90゜変換する傾斜した第１シユートと更に90゜変
換する第２シユートとを設けこのシユート間をエ
レベータで連結するようになしたので、反転装置
に旋回手段、把持手段を必要とせずガイドとエレ
ベータの組合わせできる極めて単純な構成でコス
とダウンに大きく役立つとともに、また可動部分
が少く故障原因が減少されて耐久性、及び信頼度
が向上する特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のスイングローダ及び前面カバ
ーを取除いた２主軸旋盤の正面図、第２図は同天
井カバーを取除いた平面図、第３図は同右刃物台
側のカバーを取除いた側面図、第４図はスイング
ローダの３位置を示しイは、待機の第３位置、ロ
は第１位置、ハは第２位置を示す図、第５図はエ
レベータ部分の側面図である。 ２ａ，２ｂ……チヤツク、３ａ，３ｂ……主
軸、１０ａ，１０ｂ……タレツト刃物台、１３…
…流体圧シリンダ、１４……天井カバー、１５…
…旋回軸、１８……スイングローダ、１８ａ，１
８ｂ，１８ｃ，１８ｄ……ローダアーム、１９
ａ，１９ｂ，１９ｃ，１９ｄ……グリツパ、２０
……インシユート、２２……アウトシユート、２
１，２３……シユート、２４……エレベータ、２
６……ホツパ、２９……コンベア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２主軸を有するNC旋盤において、２主軸の上
   部に設けられ反転半成品受取りの第１位置、半成
   品放出の第２位置、待機の第３位置に旋回割出さ
   れ且軸方向に位置決めされるとともに先端にグリ
   ツパをそれぞれ有するクロスアーム形スイングロ
   ーダと、前記第２位置で放出される半成品を受取
   り降下させる途中で加工面を垂直面内でほぼ90゜
   方向変換する第１シユートと、ほぼ90゜方向変換
   された半成品を前記第１位置での半成品受取り位
   置より高く押し上げるエレベータと、該エレベー
   タで押し上げられた半成品を前記受取り位置迄降
   下させる途中で垂直面内で更にほぼ90゜方向変換
   する第２シユートとを含んでなることを特徴とす
   るローデイング装置の工作物反転装置。