JPS6140150A - 複合型制振鋼板およびその製造方法 - Google Patents

複合型制振鋼板およびその製造方法

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JPS6140150A
JPS6140150A JP16021484A JP16021484A JPS6140150A JP S6140150 A JPS6140150 A JP S6140150A JP 16021484 A JP16021484 A JP 16021484A JP 16021484 A JP16021484 A JP 16021484A JP S6140150 A JPS6140150 A JP S6140150A
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Japan
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resin
epoxy resin
composite
damping steel
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JP16021484A
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弘行 長井
白山 健三
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、2枚の鋼板の間に粘弾性高分子材料からなる
樹脂層を挟んでなる、特に高温での割振性にすぐれた拘
束型の複合型制振鋼板およびその製造方法に関する。
(従来の技術) モータリゼーションを始めとする機械文明の発達により
都市の騒音がますます高まっていくなかで、市民意識の
向上に伴い騒音規制に対するニーズもますます高くなっ
ている。特に、鋼板に対する割振化Φ要求が強く、モー
ター、ブロアー、コンプレッサーなどの振動体およびこ
れらのカバー、ならびに階段、ドア、シャッター、橋桁
等の建築資材、自動車のエンジンカバー、オイルパン等
の用途に対して制振鋼板の使用が試みられ、一部で実用
化されている。
制振鋼板には、大別して、金属のみからなる金属系と、
鋼板に粘弾性高分子材料からなる樹脂層を重ねた複合型
の2種類があり、さらに複合型制振鋼板には、2枚の鋼
板の間に芯材として粘弾性の樹脂層を挟んでなる、第1
図に構造を示したような拘束型の複合型制振鋼板と、1
枚の鋼板の片面に樹脂層を重ねただけの非拘束型の複合
型制振鋼板とがある。
これらの種々の割振鋼板の中では、拘束型の複合型制振
鋼板の割振効果が最も高い。
一般に吸音材あるいは振動吸収材としては、多くの種類
の高分子材料がこの用途に使用できることが報告されて
いる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル等の汎用樹脂、ポリ酢酸ビ
ニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリア
クリル酸エステル、ポリビニルブチラール、ABS樹脂
、ポリアミド、ポリウレタン、シリコーン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂、ならびにS
BR,’NBR,イソプレンゴム、イソブチレンゴム、
エチレン−プロピレンゴム、ブタジェンゴム等のゴム状
高分子材料が単独でまたは複合材の一部として吸音材ま
たは振動吸収材に用いられることが報告されている。
これに対して、前述した拘束型の複合型制振鋼板に芯材
として使用する高分子材料に関しては、粘弾性樹脂ある
いはゴム、アスファルト、プラスチ・ツクといった一般
的表現で記載されることが多く、芯材の種類を特定して
いる例は比較的少ない。具体的には、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(特公昭46−37902号ほか多数)、
アクリル樹脂(特公昭52−26555号)、ポリエス
テル樹脂(特公昭531794号)、アイオノマー(特
公昭54−1354号)、ポリアミド樹脂(特公昭54
−18700号) 、AS樹脂(特公昭54−2247
8号)、ポリ塩化ビニル(特公昭54−28878号)
、ポリウレタン(特公昭55−231号)、エチレン−
酢酸ビニル共重合体への塩化ビニルのグラフト重合体(
特公昭55−46422号)、ポリイソブチレン(特公
昭59−8368号)等が拘束型の複合型制振鋼板の芯
材と゛して報告されているにすぎない。
これらのうち、アクリル樹脂、ポリ、ウレタン、イソブ
チレンゴムなどの粘着性の樹脂が芯材として多く用いら
れている。このような粘着性樹脂を挟んだ割振鋼板は、
常温付近の温度で高い割振性を発揮する点で有利である
が4、この種の樹脂の凝集力が弱く、鋼板との接着強度
が低いため、深絞り、折り曲げなどの加工時に端面の口
開きなどの不都合を生じ、複合型制振鋼板としての加工
性に劣る。また、粘着質樹脂は柔らかい(粘稠である)
ため、取扱い時および保管時(特に積み重ね状態での)
に芯材樹脂のにじみ出しが起こる場合がある。さらに、
粘着質樹脂は常温付近では優れた割振性を示すが、後の
実施例にも示すように、使用温度が50℃以上になると
制振性が急激に低下するので、高温で使用する複合型制
振鋼板の芯材としては適当でない。
かかる粘着性芯材の欠点の改善を目的として、ポリエチ
レンまたはエチレン共重合体を主体とした熱可塑性樹脂
フィルムを芯材とした拘束型の複合型制振鋼板が提案さ
れている(特開昭59−80454号)。
これは、例え−ば自動車のエンジンオイルパンのような
80〜120℃といった高温での使用に適するとしてい
るが、加工性および取扱い性はすぐれている反面、その
高温での割振特性はなお十分に満足すべき水準に達して
いない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、特に高温で優れた割振性、すなわち、
高い振動エネルギー損失係数を示すと同時に、加工時お
よび取扱い時における芯材のはみ出しがなく、加工性も
良好な拘束型の複合型制振鋼板を提供することである。
別の目的は、電気抵抗溶接可能な拘束型の複合型制振鋼
板を提供することである。さらに、上記制振鋼板の新規
な製造方法を提供することも本発明の目的の1つである
(問題点を解決するための手段) そこで本発明者らは、従来のポリエチレン系樹脂よりさ
らにすぐれた高温割振性を与える芯材を開発するために
鋭意研究を重ねた。
その結果、本発明者らは粘弾性樹脂からなる芯材として
エポキシ樹脂を用いることにより、良好な高温割振性を
示すと同時に加工性および取扱い性にも優れた拘束型の
複合型制振鋼板が得られることを見出した。
また、エポキシ樹脂は一般に溶液として使用することか
ら、溶液型樹脂を芯材樹脂層とする拘束型の複合型制振
鋼板の製造方法についても研究を重ねた。
従来、拘束型の複合型制振鋼板の製造は、予めフィルム
状に成形した熱可塑性樹脂を2枚の鋼板の間に挟んで熱
プレスまたは連続ラミネートにより熱融着させて積層す
るフィル人法、または溶融状態の樹脂を押出機、カーテ
ンフローコータ―、ナイフコーター、ロールコータ−等
によって1枚の鋼板上に塗布し、これに別の鋼板を重ね
て熱プレスあるいは連続ロール圧着する塗布法で一般に
行われている。しかし、分子量が数百以上のエポキシ樹
脂のように、常温では固体であるために溶媒に熔かした
溶液の形態で通常利用される樹脂を芯材に使用するには
、この溶液を一方の鋼板に塗布してから溶媒を蒸散除去
し、高温で加熱して焼付けるという工程を経なければな
らない。したがって、ポリオレフィン系樹脂等を用いる
場合のように前述したフィルム法で行うことは不可能で
あるし、塗布法を採用しても、後から接合する鋼板と焼
付の済んだ樹脂層との間に充分な接着強度が得蝋い。ま
た、溶液型の樹脂を使用する場合には、ワキ等の問題か
ら一度に塗布する樹脂厚を厚くすることは困難であり、
芯材層の厚みを効率よく厚くすることができないという
問題もあった。
本発明者らは、2枚の鋼板の各々に予め熱可塑性−エポ
キシ樹脂の塗布・焼付により樹脂層を形成しておき、エ
ポキシ樹脂層が互いに接触するようにこれらの鋼板を重
ね合わせて、エポキシ樹脂が半溶融または溶融状態にな
るまで加熱し、この状態で鋼板を圧接することにより、
十分な接着強度と所望の芯材厚みを有する拘束型の複合
型制振鋼板を効率よく製造できることも見出した。ここ
で言う「熱可塑性エポキシ樹脂」とは、分子量約1万以
上のエポキシ樹脂であって、硬化剤を含まないものであ
る。
ここに、本発明は、2枚の鋼板の間にエポキシ樹脂を主
体とする樹脂層を挟んでなる拘束型の高温用複合型制振
鋼板である。
本発明はまた、熱可塑性エポキシ樹脂の塗布、乾燥、焼
付により形成した樹脂層をそれぞれ少なくとも片面に有
する2枚の鋼板を、エポキシ樹脂層が互いに接触するよ
うに重ね合わせ、エポキシ樹脂が半溶融もしくは溶融状
態になる温度に加熱し、この状態で前記2枚の鋼板を熱
圧着させることを特徴とする、拘束型の高温用複合型制
振鋼板の製造方法にも関する。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明で芯材樹脂として使用するエポキシ樹脂としては
、一般に用いられるビスフェノールA型エポキシ樹脂の
他に、ビスフェノールF型、ビスフェノールF型等の他
のビスフェノール型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキ
シ樹脂、フェノールノボラック型、タレゾールノボラッ
ク型、レゾルシンノボラック型エポキシ樹脂、ならびに
これらの共重合物および混合物が挙げられる。−エポキ
シ樹脂は、熱硬化性のものでも、また先に定義したよう
な熱可塑性のものでもよい。得られる割振鋼板の取扱い
時における芯材のにじみ出しを防止するには、熱可塑性
エポキシ樹脂の場合には分子量1万以上のものを、そう
でない場合には熱硬化性エポキシ樹脂を使用する必要が
ある。
エポキシ樹脂には、必要に応じて、アミン系、有taM
無水物系等の硬化剤を添加して熱硬化性としてもよく、
また従来の芯材と同様に、タール、ピッチ、他のポリマ
ーなどの有機材料、または炭酸カルシウムのような無機
充填剤を適宜配合してもよい。
エポキシ樹脂層は厚みが10〜200 、μm1好まし
くは10〜100μmの比較的薄いものであるのが好ま
しい。芯材の厚みが10μm未満になると、エポキシ樹
脂の量が少なくなりすぎ、所望の割振特性が得られない
。一方、樹脂層の厚みが200μmを越すと、得られる
制振鋼板の加工性および溶接性が低下し、使用条件によ
っては割振性もかえって悪化することがある。また、塗
布法で樹脂層を形成する場合には、かかる厚みにするに
は塗布を繰り返さなければならず、工程が煩雑になる。
割振鋼板、特に自動車用のものは、最終製品、への加工
時に電気抵抗溶接を受けることが多いが、通常の拘束型
の複合型制振鋼板では、芯材として使用する有機高分子
樹脂が一般に電気の不良導体であるために、例えばスポ
ット溶接、プロジェクション溶接等の電気抵抗溶接が不
可能である。したがって、従来の複合型制振鋼板におい
て電気抵抗溶接が必要な場合には、短絡回路を設けて溶
接を行わなければならないという欠点があった。これに
対して、有機高分子樹脂に導電性を付与する目的で、黄
銅、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル、亜鉛
、銀等の金属あるいは炭素等の電気の良導体を、繊維、
フレークまたは粉末粒子の形態で樹脂に添加分散させる
技術、およびこれを利用して樹脂を導体化し、電気抵抗
溶接可能にした制振鋼板は公知である。゛本発明に係る
割振鋼板にあっても、同じ目的で上記のような適当な導
電性材料をエポキシ樹脂中に分散させることができる。
導電性材料の種類は特に限定されないが、エポキシ樹脂
に亜鉛粉末を添加分散させた組成物が溶接性を損なわな
い鋼板用防食塗料として使用され、市販もされているこ
とがら、亜鉛粉末で芯材を導電性とするのが簡便であり
、溶接性および鋼板との接着性も良好である。亜鉛をた
とえば85重量%程度の高濃度で含有する市販のエポキ
シ樹脂組成物を使用しても、焼付硬化後の樹脂層は十分
満足できる水準の鋼板との接着性を示すことが判明した
エポキシ樹脂に添加する亜鉛粉末は、前述のように本発
明の芯材層の厚みが薄いことから、細かく、しかも粒度
分布の狭いものが望ましい。特に好ましい亜鉛粉末は粒
径分布1〜20μm1平均粒径が5μm程度のものであ
る。亜鉛粉末の平均粒径が20,17I11を越えると
、割振鋼板の加工性の劣化、特に加工時の肌荒れが生じ
ることがあるので、平均粒径2oμm以下のものを使用
するのがよい。亜鉛粉末の添加量はエポキシ樹脂100
重量部に対して、50〜800重量部の範囲内が好まし
い。これが50重量部未満であると、目的とする溶接性
が得られず、またBoo i置部を越えると、樹脂量が
少なくなるため、樹脂と鋼板との接着性が弱くなり、割
振鋼板の加工性が低下する上に、制振性も悪化する。亜
鉛粉末についてここに説明したが、粒径および添加量に
ついての上の説明は、他の導電性粉末を使用する場合に
もあてはまる。
本発明の割振鋼板の製造は、各種の方法で実施できる。
既述のように、エポキシ樹脂は適当な溶媒(例、ブチル
カルピトール、キジロール、メチルエチルケトン、ブチ
ルセロソルブ、n−ブタノール、ジオキサンまたはこれ
らの適宜混合物など)に熔かした溶液の形態、あるいは
低分子量の常温で低粘度液体状態のエポキシ樹脂の場合
は100%樹脂液の形態で入手できるので、このような
液状のエポキシ樹脂を利用し、前述の塗布法により樹脂
層を形成することが考えられる。100%樹脂液の場合
には、鋼板の片面に樹脂液を前述したような適当な塗布
手段により所望の厚みに塗布し、別の鋼板を重ねて加圧
・加熱し、樹脂を硬化させると、鋼板とエポキシ樹脂が
熱圧着し、十分に接着した割振鋼板を得ることができる
。樹脂液には、前述のように、亜鉛などの導電性粒子、
充填材などの添加材を配合することもできる。
しかし、溶液型のエポキシ樹脂では、塗布後にまず溶媒
の蒸散・乾燥と焼付を行うことが必要であり、既に述べ
たように、その後で別の鋼板を重ねて熱プレスしても、
後の鋼板と樹脂との間に十分な接着性が確保されない。
このような場合に通した方法として、本発明によると、
2枚の鋼板のそれぞれに溶液型エポキシ樹脂の塗布、乾
燥、焼付によってエポキシ樹脂被膜を形成しておく。こ
れには、熱可塑性のエポキシ樹脂を用いる。被膜形成は
常法により実施できる。この2枚の鋼板を、樹脂層が互
いに接触するように重ね合わせて加熱し、芯材のエポキ
シ樹脂を半溶融または熔融状態にする。この状態で、2
枚の鋼板を、たとえば連続コイル法によりロールで圧接
する。またi、熱プレスにより加熱と加圧を同時に行っ
てもよ・い。これにより、接触させた樹脂被膜間が熱接
合し、接着強度の良好な制振鋼板が形成される。必要に
より、得られた割振鋼板を巻き取る前に、冷却、乾燥な
どを行ってもよい。エポキシ樹脂の塗布は各鋼板の片面
に行っただけでもよいが、各鋼板のそれぞれ両面に塗布
しておくと、張り合わせ後に露出する側の面に対してエ
ポキシ樹脂により防食性を付与することができる。熱可
塑性のビスフェノールA型エポキシ樹脂に導電性粒子と
して亜鉛粉末を分散させた溶液型の鋼板表面処理用組成
物がジンクロメツト(登録商標)として市販されている
ので、これを塗布用にそのまま利用することができる。
また、ジンクロメツトの焼付硬化被膜を表面に設けた鋼
板がシンクロメタル(登録商標)として市販されており
、このような鋼板を用いればさら〆簡便に本発明の割振
鋼板を製造できる。
上記の製造方法によれば、割振鋼板の芯材の厚みは、各
鋼板に設けた塗膜厚みの2倍となるので、芯材厚みがた
とえば50μm以上と比較的厚めのものでも、塗布操作
を繰り返すことなく高能率で製造できる。したがって、
各鋼板への塗布時の塗膜厚みは、所望の芯材厚みの半分
とする。この塗膜厚みは5〜50μ諧の範囲内であるの
が好ましい。
この方法でも、樹脂溶液に導電性材料、充填材などを混
入することができ、液状であるため、かがる粒子状添加
材の均一な分散が容易である。この張り合わせ法による
制振鋼板の製造方法は液状樹脂であれば適用できるので
、溶液型エポキシ樹脂に代えて100%樹脂液を用いる
場合にも当然実施できる。
本発明の割振鋼板のさらに別の製造方法によると、粉末
状のエポキシ樹脂を利用する。エポキシ樹脂には、特に
成形用として粉末状で市販されている種類のものがある
。かかる粉末樹脂を1枚の鋼板の上に所望厚みに薄く均
一に散布し、次いで別の鋼板を重ねて熱プレスなどによ
り熱圧着させると、樹脂−鋼板間が十分に接着した割振
鋼板が得られる。充填材、硬化剤などを粉末中に配合し
た粉末状エポキシ樹脂も市販されており、これを利用す
ることも可能である。ただし、この方法は、導電性材料
などを別に添加する場合には、液状樹脂を用いる塗布法
に比べてこれらの添加材の均一分散性が劣るので、導電
性材料などを添加しない樹脂単独の場合に適していると
いえる。
以上に述べたいずれの製造方法においても、熱圧着の条
件は、使用エポキシ樹脂の軟化点、硬化温度などの特性
に応じて適宜選択できる。
本発明の割振鋼板の製造に使用する鋼板は、使用目的に
応じて適宜選択できる。鋼板には、所望により、めっき
、クロメート処理などの表面処理を予め施しておくこと
もできる。
以下、実施例により本発明を例示する。
iJL!〜3および比  1〜2 厚さ0.7mmの脱脂、水洗を経た表面の清浄な鋼板を
各2枚づつ用意した。実施例1〜3では2枚の鋼板の間
に粉末状の各種エポキシ樹脂を薄く散布し、比較例1お
よび2では予め形成したフィルム状の芯材を2枚の鋼板
の間に挟んだ。芯材を挟んだ2枚の鋼板を熱プレスに入
れ、50kg/cnlの圧力下で15分間熱圧着するこ
とにより複合型割振鋼板を得た。芯材樹脂の種類、熱プ
レス温度および芯材厚みを第1表にまとめて示す。
第1表 (注)ルゾルシン型エポキシ樹脂とビスフェノールA型
エポキシ樹脂を1:3の重量比で共重合したもの。
2無水マレイン酸で変性した直鎖状低密度ポリエチレン
の厚さ100μmのフィルム(Ml”4 g/10分、
密度0.92 g 7cm、無水マレイン酸含有量0.
7重量%)。
3厚み160μmのアクリル樹脂フィルム(日東電工株
式会社製、M 5200)。
得られた制振鋼板を、下記試験法により試験した。
結果を次の第2表に示す。
制振性: 20wX220 Mの短冊型試験片について
常温〜130℃の範囲で振動エネルギー損失係数を測定
した。測定装置はメカニカルアナライザーAVA〜■〔
明石製作所株式会社製〕を使用した。周波数1000H
zにおいて測定した振動エネルギー損失係数の温度依存
性を第2図に片対数目盛で示す。
接着強度二T型剥離試験 引張試験機で50mm/n+inの速度で剥離したとき
の剥離強度(kg/c+n)。
加工性:エリクセン試験機 直径66龍の円盤形の試験片を用意し、エリクセン試験
機により第3図に示すような高さ20m1の帽子型成形
品を形成した。使用ポンチ直径は33顛、クリアランス
は2.0■−で、WII滑用に出光興産株式会社製ラフ
ニオイルコー)SK防錆油を使用した。得られた成形品
の第3図中A部における2枚の鋼板のズレ量を測定し、
加工性の指標とした。
第2表 制振性については、第2図のグラフより、本発明の制振
wI@は80〜120℃付近の高温においてきわめて優
れた割振性を示すことが明らかである。一方、比較例1
の割振鋼板は、110℃付近の高温で制振性のピークを
示すが、損失係数はピーク時で約0.2であり、実施例
1〜3の割振鋼板における損失係数のピーク約0.9と
比べて非常に低い値である。また、比較例2の割振鋼板
は、20〜50℃の常温においては非常に優れた割振性
を示すが、50℃を越えると割振性が急激に低下する。
第1表に示した90℃での損失係数のデータから、比較
例1および2の制振鋼板はいずれもこの温度で実質的な
割振機能を果たさないことがわかる。
接着強度および加工性に関しては、本発明の割振鋼板は
比較例1のポリエチレン系フィル上を芯材とする割振鋼
板に匹敵する性情を示し、比較例2のアクリル系芯材の
場合とは異なって、接着性、加工性ともに劣化していな
い。
叉葺輿↓二度 厚さ0.8mmの冷延鋼板を脱脂、水洗した後、この鋼
板の片面に日本ダクロシャムロック社製のダクロメソト
(登録商標:亜鉛粉末を含有する無水クロム酸水溶液)
を塗布し、乾燥と焼付を行って、約300Ig/ボ厚の
クロメート層を有する鋼板を得た。このクロメート層の
上に、熱可塑性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(軟化
温度160℃)100重量部と亜鉛粉末(平均粒径5μ
l11) 670重量部との混合物を溶液化してなるジ
ンクロメツト(登録商標:日本ダクロシャムロソク社!
lりを常温で塗布し、乾燥後280℃で焼付け、片面に
約15μmの厚さのジンクロメツト層を有する鋼板(シ
ンクロメタル)を得た。
このように製造した2枚のシンクロメタル鋼板を、ジン
クロメツト面を両者とも内側にして重ね合わせ、210
℃の熱プレスによりラム圧力100 kg/cjの条件
で10分間加圧し、全厚1.63m+ (芯材厚み約3
0μm)の複合型制振鋼板を得た(以下、この張り合わ
せ法を本発明法という)。
比較のため社、前記のように製造したシンクロメタル鋼
板と前述のダクロメットによるクロメート処理のみを行
った鋼板とをジンクロメツト層を挟むように重ね合わせ
、上と同じ熱プレス条件で張り合わせ、全厚1.615
 M (芯材厚み約15μs)の複合型制振鋼板を得た
(以下、この張り合わせ法を比較法という)。
同様の方法で、ジンクロメツトに代えて、レゾルシン型
エポキシ樹脂(軟化温度140℃)100重量部に亜鉛
粉末(平均粒径5μm)を670.100および25重
量部の量で混合した塗布液(酢酸セロソルブ/シクロヘ
キサンの1:1混合溶媒で溶液化したもの)、ならびに
亜鉛無添加のビスフェノールA型エポキシ樹脂のみ(酢
酸セロソルブ/石油ナフサの4=1混合溶媒で溶液化)
もしくはレゾルシン型エポキシ樹脂のみ(酢酸セロソル
ブ/シクロヘキサンの1:1混合溶媒で溶液化)からな
る塗布液を使用して、片面に厚さ約15μ儀のエポキシ
樹脂被膜を有する各種の鋼板を製造し、これを上記の本
発明法および比較法により張り合わせて複合型制振鋼板
を得た。
これらの制振鋼板について、接着強度(T型剥離試験)
、溶接性(JIS規格によるスポット溶接性およびプロ
ジェクション溶接性試験(○:良好、×:溶接不能)〕
ならびに制振性〔振動エネルギー損失係数(1000H
zおよび90℃における測定値)〕を測定した。接着性
と割振性の試験方法は前述したとおりである。結果を第
3表にまとめて示す。なお、第3表中、芯材の厚みが3
0μ謡のものは本発明法で得た割振鋼板を、この厚みが
15μmのものは比較法で得た割振鋼板をそれぞれ示す
第3表 第3表の結果から明らかなように、本発明法(芯材厚み
30μl11)では、いずれの例でも比較法(芯材厚み
15μm)より著しく優れた接着強度が得られており、
制振性についても本発明法の方が高くなる傾向を示して
いる。溶接性に関しては、亜鉛粉末無添加か、その添加
量が20%程度以下の少量では溶接が不可能である。た
だし、接着強度および割振性は、亜鉛粉末の添加量の増
大とともに一般に低下する傾向を示すので、溶接性を要
求しない用途では、亜鉛粉末を添加しない方が特に割振
性に関しては好ましい。
(発明の効果) 以上の説明より明らかなように、本発明の拘束型の複合
型制振鋼板は、従来の制振鋼板では得られなかったよう
なすぐれた高温割振性を示すと同時に、加工性および接
着性も十分に高い。また、亜鉛などの導電性材料を芯材
に混入することにより、電気抵抗溶接可能にすることが
でき、自動車用などにも使用可能である。さらに、本発
明の製造方法によれば、制振性および接着性に優れた制
振鋼板が高能率で容易に得られ、導電性材料などの添加
も容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の拘束型の複合型制振鋼板の構造を示
す模式図、 第2図は実施例1〜3ならびに比較例1および2の制振
鋼板の振動エネルギー損失係数の温度依存性を示すグラ
フ、 第3図は、実施例1〜3ならびに比較例工および2で行
った加工性試験における成形品の形状を示す模式図であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)2枚の鋼板の間にエポキシ樹脂を主体とする樹脂
    層を挟んでなる拘束型の高温用複合型制振鋼板。
  2. (2)樹脂層が粒子状の導電性材料を含有する特許請求
    の範囲第1項記載の複合型制振鋼板。
  3. (3)導電性材料が亜鉛粉末である特許請求の範囲第2
    項記載の複合型制振鋼板。
  4. (4)熱可塑性エポキシ樹脂の塗布、乾燥、焼付により
    形成した樹脂層をそれぞれ少なくとも片面に有する2枚
    の鋼板を、エポキシ樹脂層が互いに接触するように重ね
    合わせ、エポキシ樹脂が半溶融もしくは溶融状態になる
    温度に加熱し、この状態で前記2枚の鋼板を圧接するこ
    とを特徴とする、拘束型の高温用複合型制振鋼板の製造
    方法。
  5. (5)樹脂層が粒子状の導電性材料を含有する特許請求
    の範囲第4項記載の複合型制振鋼板の製造方法。
  6. (6)導電性材料が亜鉛粉末である特許請求の範囲第5
    項記載の複合型制振鋼板の製造方法。
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