JP6277825B2 - 電池用包装材料 - Google Patents

電池用包装材料 Download PDF

Info

Publication number
JP6277825B2
JP6277825B2 JP2014071371A JP2014071371A JP6277825B2 JP 6277825 B2 JP6277825 B2 JP 6277825B2 JP 2014071371 A JP2014071371 A JP 2014071371A JP 2014071371 A JP2014071371 A JP 2014071371A JP 6277825 B2 JP6277825 B2 JP 6277825B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin
acid
packaging material
battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014071371A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015195090A (ja
Inventor
洋平 橋本
洋平 橋本
山下 力也
力也 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2014071371A priority Critical patent/JP6277825B2/ja
Priority to KR1020167029922A priority patent/KR102352119B1/ko
Priority to US15/129,615 priority patent/US10199613B2/en
Priority to PCT/JP2015/060077 priority patent/WO2015152216A1/ja
Publication of JP2015195090A publication Critical patent/JP2015195090A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6277825B2 publication Critical patent/JP6277825B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)

Description

本発明は、優れた耐電解液性及び絶縁性を備える電池用包装材料に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されているが、あらゆる電池において電極や電解質等の電池素子を封止するために包装材料が不可欠な部材になっている。従来、電池用包装として金属製の包装材料が多用されていたが、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話等の高性能化に伴い、電池には、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の電池用包装材料では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、近年、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用包装材料として、基材層/接着層/バリア層/シーラント層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなフィルム状の電池用包装材料では、シーラント層同士を対向させて周縁部をヒートシールにて熱溶着させることにより電池素子を封止できるように形成されている。
従来のフィルム状の電池用包装材料において、バリア層は、包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光等が侵入するのを防止する機能を担っており、金属箔が多用されている。このような金属箔は、他の層との接着性が低くなり、層剥離が生じ易いという特性がある。また、通常、電解液には水が含まれていないが、何らかの要因により水が電解液に混入すると、フッ化水素が生成し、これが金属箔の腐食や溶解させることがある。そこで、従来、フィルム状の電池用包装材料に積層させる金属箔の一方又は双方の面には、クロメート処理を行うことによって耐電解液性を付与しており、金属箔と他の層との接着の安定化、金属箔の腐食や溶解の防止等を図っている。しかしながら、フィルム状の電池用包装材料に対する要求性能は多様化しており、金属箔のクロメート処理以外の手法で、耐電解液性を向上させる技術の開発が望まれている。
また、電池の製造工程において、電極活物質や電極タブの破片等の微小異物がシーラント層の表面に付着すると、ヒートシール時の熱と圧力によって微小異物がバリア層と接触して短絡が生じることがある。そのため、フィルム状の電池用包装材料では、このような微小異物が混入しても、高い絶縁性を維持し、安全性を向上させておくことが求められる。
特開2001−202927号公報
本発明の目的は、優れた耐電解液性と絶縁性を兼ね備える電池用包装材料を提供することである。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、少なくとも、基材層、接着層、金属箔層、及びシーラント層をこの順に有する積層体からなる電池用包装材料において、当該シーラント層に熱溶着性樹脂と共に酸硬化性樹脂を含有させることにより、優れた耐電解液性と絶縁性を備えさせることが可能になることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、基材層、接着層、金属箔層、及びシーラント層をこの順に有する積層体からなり、
前記シーラント層が、熱溶着性樹脂及び酸硬化性樹脂を含有することを特徴とする、電池用包装材料。
項2. 前記酸硬化性樹脂が、酸硬化性フラン樹脂、及び/又は酸硬化性フェノール樹脂である、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記シーラント層において、熱溶着性樹脂100質量部当たり、酸硬化性樹脂が0.1〜35質量部含まれる、項1又は2に記載の電池用包装材料。
項4. 前記金属箔層が、アルミニウム箔である、項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 下記工程を含む、電池用包装材料の製造方法。
接着層を介して、基材層を金属箔層に積層させた積層体を形成する第1工程、及び
前記第1工程で得られた積層体の基材層とは反対側の面に、熱溶着性樹脂及び酸硬化性樹脂を含有するシーラント層を積層させる第2工程。
項6. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、基材層、接着層、金属箔層、及びシーラント層をこの順に有する積層体において、当該シーラント層に熱溶着性樹脂と酸硬化性樹脂が含有されている。前記酸硬化性樹脂は、ヒートシール後でも、酸と接触していない状態では未硬化状態の酸硬化性樹脂が残っているが、電解液に水が混入してフッ化水素等の酸が生じると、当該酸を捕捉すると共に未硬化状態の酸硬化性樹脂が硬化して酸に対するバリア機能を高めるので、酸が金属箔層まで侵入して腐食や溶解するのを防止することができる。更には、前記シーラント層が酸と接触すると、未硬化状態の酸硬化性樹脂の硬化により密着性が向上するので、電解液による密着強度の低下を抑制することもできる。
また、本発明の電池用包装材料は、前記シーラント層は、ヒートシール後でも、酸硬化性樹脂の少なくとも一部が未硬化の状態の存在することによって適度な弾性を備えるので、微小異物の圧入に対してもクラックが発生し難く、微小異物が貫通し難くなっている。そのため、本発明の電池用包装材料は、微小異物がシーラント層に付着した状態でヒートシールしても、微小異物が前記金属箔層にまで貫通するのを抑制して、高い絶縁性を維持させることができる。
更に、本発明では、前記シーラント層に酸硬化性樹脂を含有させることによって、優れた耐電解液性を備えることが可能になっているので、クロメート処理を施していない金属箔層を使用した電池用包装材料を提供することもできるので、環境汚染の要因になるクロムの使用を避け、環境負荷の軽減に資することもできる。
本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、基材層、接着層、金属箔層、及びシーラント層をこの順に有する積層体からなり、当該シーラント層が、熱溶着性樹脂及び酸硬化性樹脂を含有することを特徴とする。以下、本発明の電池用包装材料について詳述する。
1.電池用包装材料の積層構造
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、基材層1、接着層2、金属箔層3、及びシーラント層4をこの順に有する積層体からなる積層構造を有する。図1に、本発明の電池用包装材料の断面構造の一例として基材層1、接着層2、金属箔層3、及びシーラント層4がこの順に積層されている態様について示す。
また、本発明の電池用包装材料には、シーラント層4の基材層1側には、シーラント層4の接着性を高める目的で、必要に応じて接着層5が設けられていてもよい。
本発明の電池用包装材料は、基材層1が最外層になり、シーラント層4が最内層になる。電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置するシーラント層4同士を接面させて熱溶着することにより電池素子が密封され、電池素子が封止される。
2.電池用包装材料を形成する各層の組成
[基材層1]
本発明の電池用包装材料において、基材層1は最外層を形成する層である。基材層1を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。基材層1を形成する素材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ、アクリル、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。
前記ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル等が挙げられる。また、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル−ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)等が挙げられる。また、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてブチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。ポリエステルは、耐電解液性に優れ、電解液の付着に対して白化等が発生し難いという利点があり、基材層1の形成素材として好適に使用される。
また、前記ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体等の脂肪族系ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)等のヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸−テレフタル酸共重合ポリアミド、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等の芳香族を含むポリアミド;ポリアミノメチルシクロヘキシルアジパミド(PACM6)等の脂環系ポリアミド;さらにラクタム成分や、4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート等のイソシアネート成分を共重合させたポリアミド、共重合ポリアミドとポリエステルやポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体やポリエーテルエステルアミド共重合体;これらの共重合体等が挙げられる。これらのポリアミドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。延伸ポリアミドフィルムは延伸性に優れており、成形時の基材層1の樹脂割れによる白化の発生を防ぐことができ、基材層1の形成素材として好適に使用される。
基材層1は、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルムで形成されていてもよく、また未延伸の樹脂フィルムで形成してもよい。中でも、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルム、とりわけ2軸延伸された樹脂フィルムは、配向結晶化することにより耐熱性が向上しているので、基材層1として好適に使用される。
これらの中でも、基材層1を形成する樹脂フィルムとして、好ましくはナイロン、ポリエステル、更に好ましくは2軸延伸ナイロン、2軸延伸ポリエステル、特に好ましくは2軸延伸ポリエステルが挙げられる。
基材層1は、耐ピンホール性及び電池の包装体とした時の絶縁性を向上させるために、異なる素材の樹脂フィルムを積層化することも可能である。具体的には、ポリエステルフィルムとナイロンフィルムとを積層させた多層構造や、2軸延伸ポリエステルと2軸延伸ナイロンとを積層させた多層構造等が挙げられる。基材層1を多層構造にする場合、各樹脂フィルムは接着剤を介して接着してもよく、また接着剤を介さず直接積層させてもよい。接着剤を介さず接着させる場合には、例えば、共押出し法、サンドラミ法、サーマルラミネート法等の熱溶融状態で接着させる方法が挙げられる。
また、基材層1には、成形性を向上させるために低摩擦化させておいてもよい。基材層1を低摩擦化させる場合、その表面の摩擦係数については特に制限されないが、例えば1.0以下が挙げられる。基材層1を低摩擦化するには、例えば、マット処理、スリップ剤の薄膜層の形成、これらの組み合わせ等が挙げられる。
前記マット処理としては、予め基材層1にマット化剤を添加し表面に凹凸を形成したり、エンボスロールによる加熱や加圧による転写法や、表面を乾式又は湿式ブラスト法やヤスリで機械的に荒らす方法が挙げられる。マット化剤としては、例えば、粒径が0.5nm〜5μm程度の微粒子が挙げられる。マット化剤の材質については、特に制限されないが、例えば、金属、金属酸化物、無機物、有機物等が挙げられる。また、マット化剤の形状についても、特に制限されないが、例えば、球状、繊維状、板状、不定形、バルーン状等が挙げられる。マット化剤として、具体的には、はタルク,シリカ,グラファイト、カオリン、モンモリロイド、モンモリロナイト、合成マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛,酸化マグネシウム,酸化アルミニウム,酸化ネオジウム,酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム,硫酸バリウム、炭酸カルシウム,ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム,シュウ酸カルシウム,ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ類、高融点ナイロン、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、ニッケル等が挙げられる。これらのマット化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのマット化剤の中でも、分散安定性やコスト等の観点から、好ましくはりシリカ、硫酸バリウム、酸化チタンが挙げられる。また、マット化剤には、表麺に絶縁処理、高分散性処理等の各種表面処理を施しておいてもよい。
前記スリップ剤の薄膜層は、基材層1上にスリップ剤をブリードアウトにより表面に析出させて薄層を形成させる方法や、基材層1にスリップ剤を積層することで形成できる。スリップ剤としては、特に制限されないが、例えば、脂肪酸アマイド、金属石鹸、親水性シリコーン、シリコーンをグラフトしたアクリル、シリコーンをグラフトしたエポキシ、シリコーンをグラフトしたポリエーテル、シリコーンをグラフトしたポリエステル、ブロック型シリコーンアクリル共重合体、ポリグリセロール変性シリコーン、パラフィン等が挙げられる。これらのスリップ剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
基材層1の厚さについては、例えば、10〜50μm、好ましくは15〜30μmが挙げられる。
[接着層2]
本発明の電池用包装材料において、接着層2は、基材層1に密着性を付与させるために、基材層1上に配置される層である。即ち、接着層2は、基材層1と基材層1と金属箔層3の間に設けられる。
接着層2は、基材層1と金属箔層3とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層2の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。また、接着層2の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。
接着層2の形成に使用できる接着剤の樹脂成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン系樹脂;ふっ化エチレンプロピレン共重合体等が挙げられる。これらの接着剤成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上の接着剤成分の組み合わせ態様については、特に制限されないが、例えば、その接着剤成分として、ポリアミドと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリアミドと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリアミドとポリエステル、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリエステルと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂等が挙げられる。これらの中でも、展延性、高湿度条件下における耐久性や応変抑制作用、ヒートシール時の熱劣化抑制作用等が優れ、基材層1と金属層2との間のラミネーション強度の低下を抑えてデラミネーションの発生を効果的に抑制するという観点から、好ましくはポリウレタン系2液硬化型接着剤;ポリアミド、ポリエステル、又はこれらと変性ポリオレフィンとのブレンド樹脂が挙げられる。
また、接着層2は異なる接着剤成分で多層化してもよい。接着層2を異なる接着剤成分で多層化する場合、基材層1と金属箔層3とのラミネーション強度を向上させるという観点から、基材層1側に配される接着剤成分を基材層1との接着性に優れる樹脂を選択し、金属箔層3側に配される接着剤成分を金属箔層3との接着性に優れる接着剤成分を選択することが好ましい。接着層2は異なる接着剤成分で多層化する場合、具体的には、金属箔層3側に配置される接着剤成分としては、好ましくは、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリエステルを含む樹脂等が挙げられる。
接着層2の厚さについては、例えば、2〜50μm、好ましくは3〜25μmが挙げられる。
[金属箔層3]
本発明の電池用包装材料において、金属箔層3は、包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光等が侵入するのを防止するためのバリア層として機能する層である。金属箔層3を形成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタン等の金属箔が挙げられる。これらの中でも、アルミニウムが好適に使用される。包装材料の製造時にしわやピンホールを防止するために、本発明において金属箔層3として、軟質アルミニウム、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O)又は(JIS A8079P−O)等を用いることが好ましい。
金属箔層3の厚さについては、例えば、10〜200μm、好ましくは20〜100μmが挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、特定組成のシーラント層4を設けることにより優れた耐電解液性を備えているので、金属箔層3にはクロメート処理を施さなくてもよい。環境汚染の要因になるクロムの使用を避け、環境負荷の軽減を重視する場合には、クロメート処理を施していない金属箔層3を使用すればよく、耐電解液性をより一層向上させる場合には、クロメート処理を施した金属箔層3を使用すればよい。
クロメート処理としては、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロムなどのクロム酸化合物を用いたクロム酸クロメート処理;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸等のリン酸化合物を用いたリン酸クロメート処理;下記一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理等が挙げられる。
一般式(1)〜(4)中、Xは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基またはベンジル基を示す。また、R1及びR2は、それぞれ同一または異なって、ヒドロキシル基、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1及びR2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基が1個置換された炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基及びヒドロキシアルキル基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般式(1)〜(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシル基またはヒドロキシアルキル基であることが好ましい。一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500〜100万であることが好ましく、1000〜2万程度であることがより好ましい。
クロメート処理において金属箔層3の表面に形成させる耐酸性皮膜の量については、特に制限されないが、例えば、金属箔層3の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、リン化合物がリン換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、及びアミノ化フェノール重合体が約1mg〜約200mg、好ましくは約5.0mg〜150mgの割合で含有されていることが望ましい。
クロメート処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、金属箔層3の表面に塗布した後に、金属箔層3の温度が70℃〜200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、金属箔層3にクロメート処理を施す前に、予め金金属箔層3を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、金属箔層3の表面のクロメート処理をより効率的に行うことが可能となる。
更に、金属箔層3には、必要に応じて、耐食性を付与する化成処理が施されていてもよい。金属箔層3に耐食性を付与する化成処理方法として、具体的には、リン酸中に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、150℃以上で焼付け処理を行うことにより、金属層3の表面に耐食処理層を形成する方法が挙げられる。また、耐食処理層の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層をさらに形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノール等が挙げられる。これらのカチオン性ポリマーとしては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤等が挙げられる。これらの架橋剤としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
[接着層5]
本発明の電池用包装材料において、接着層5は、シーラント層4を強固に接着させために、金属箔層3とシーラント層4の間に、必要に応じて設けられる層である。
接着層5は、金属箔層3とシーラント層4を接着可能である接着剤によって形成される。接着層5の形成に使用される接着剤の組成については、特に制限されないが、例えば、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物が挙げられる。接着層5に使用される熱硬化性樹脂の具体例については、前記接着層2で例示したものと同様である。
接着層5の厚さについては、例えば、1〜40μm、好ましくは2〜30μmが挙げられる。
[シーラント層4]
本発明の電池用包装材料において、シーラント層4は、最内層に該当し、電池の組み立て時にシーラント層同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。
本発明の電池用包装材料において、シーラント層4は、熱溶着性樹脂及び酸硬化性樹脂を含有する。このように、シーラント層4において、熱溶着性樹脂と共に酸硬化性樹脂を含有させることにより、ヒートシール性と共に、優れた耐電解液性と絶縁性を備えさせることが可能になる。
熱溶着性樹脂としては、ヒートシールによって収容する電池素子を密封できるものであることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンが挙げられる。
前記ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等の結晶性又は非晶性のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー;等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、等が挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、更に好ましくはノルボルネンが挙げられる。
前記カルボン酸変性ポリオレフィンとは、前記ポリオレフィンをカルボン酸で変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
前記カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β―不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β―不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、変性に使用されるカルボン酸としては、前記酸変性シクロオレフィンコポリマーの変性に使用されるものと同様である。
これらの熱溶着性樹脂の中でも、好ましくは結晶性又は非晶性のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、及びこれらのブレンドポリマー;更に好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとノルボルネンの共重合体、及びこれらの中の2種以上のブレンドポリマーが挙げられる。
これらの熱溶着性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
酸硬化性樹脂とは、酸により重縮合して硬化する性質を有する樹脂である。本発明で使用される酸硬化性樹脂の種類については、特に制限されないが、例えば、酸硬化性フラン樹脂、酸硬化性フェノール樹脂等が挙げられる。
酸硬化性フラン樹脂として、具体的には、フルフリルアルコール、フルフリルアルコールの縮合物、フルフリルアルコールとアルデヒド類との縮合物、フルフリルアルコールと尿素との縮合物、フルフリルアルコールとフェノール類とアルデヒド類との縮合物、フルフリルアルコールとメラミンとアルデヒド類との縮合物、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類との縮合物等が挙げられる。これらの酸硬化性フラン樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
フルフリルアルコールと縮合される前記アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキザール、フルフラール、テレフタルアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
フルフリルアルコールと縮合される前記フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールF等が挙げられる。これらのフェノール類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、酸硬化性フェノール樹脂としては、ノボラック型又はレゾール型のいずれであってもよい。酸硬化性フェノール樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの酸硬化性樹脂の中でも、より一層優れた耐電解液性及び絶縁性を備えさせるという観点から、好ましくは熱硬化性フラン樹脂、更に好ましくはフルフリルアルコールと尿素との縮合物、フルフリルアルコールと尿素とアルデヒド類との縮合物等の尿素変性フラン樹脂が挙げられる。
これらの酸硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シーラント層4において、酸硬化性樹脂は、少なくとも一部が未硬化の状態で含有されていることを限度として、一部が硬化した状態であってもよい。このように、酸硬化性樹脂の少なくとも一部が未硬化の状態の存在することにより、電解液中で生じた酸と接触すると硬化して優れた耐電解液性を備えることが可能になる。また、酸硬化性樹脂の少なくとも一部が未硬化の状態の存在することによって、シーラント層4は適度な弾性を備え、微小異物の圧入に対してもクラックが発生し難く、微小異物が貫通し難くなっているので、微小異物がシーラント層4に付着した状態でヒートシールしても、当該微小異物が金属箔層3にまで貫通するのを抑制し、高い絶縁性を維持させることができる。
シーラント層4において酸硬化性樹脂の一部を硬化させた状態で存在させるには、シーラント層を形成させる樹脂組成物を塗布した後に、加熱処理を行えばよい。加熱処理の条件としては、使用する酸硬化性樹脂の種類や硬化させる程度等に応じて適宜設定すればよいが、例えば120〜250℃、好ましくは150〜200℃で、0.1〜60秒、好ましくは1〜30秒が挙げられる。
また、シーラント層4において、前記熱溶着性樹脂と酸硬化性樹脂の比率ついては、特に制限されないが、例えば、熱溶着性樹脂100質量部当たり、酸硬化性樹脂が0.1〜35質量部、好ましくは0.1〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部、更に好ましくは3〜15質量部が挙げられる。このような比率を充足させることによって、より一層優れたヒートシール性、耐電解液性、及び絶縁性を備えさせることができる。
更に、シーラント層は、1層のみで形成されていてもよいが、同一組成又は異なる組成のもので2層以上形成されていてもよい。シーラント層を2層以上設ける場合には、前記酸硬化性樹脂は、シーラント層4を構成する2以上の層の内、いずれか少なくとも1つの層に含まれていればよい。
また、シーラント層4の厚みとしては、特に制限されないが、例えば、2〜2000μm、好ましくは5〜1000μm、更に好ましくは10〜500μmが挙げられる。
3.電池用包装材料の製造方法
本発明の電池用包装材料の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されないが、例えば、以下の第1工程〜第3工程を備える方法が例示される:
接着層2を介して、基材層1を金属箔層3に積層させた積層体(以下、「積層体A」と表記することもある)を形成する第1工程、及び
前記第1工程で得られた積層体Aの基材層とは反対側の面に、熱溶着性樹脂及び酸硬化性樹脂を含有するシーラント層を積層させる第2工程。
前記第1工程における積層体Aの形成は、具体的には、接着層2の形成に使用される接着剤を介して基材層1と金属箔層3を貼り合わせた状態で当該接着剤を硬化させることにより行われる。例えば、積層体Aの形成をドライラミネート法によって行う場合であれば、基材層1又は金属箔層3の上に接着層2の形成に使用される接着剤を、グラビアコート法、ロールコート法等の塗布方法で塗布・乾燥した後に、当該金属箔層3又は基材層1を積層させて加熱処理を行えばよい。当該加熱処理の条件としては、接着剤の樹脂成分の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば25〜100℃、好ましくは30〜80℃で、1〜10日間、好ましくは2〜7日間が挙げられる。
前記第2工程は、接着層5を設けない場合であれば、前記積層体Aの基材層1とは反対側の面に、熱溶着性樹脂及び酸硬化性樹脂を含む樹脂組成物をグラビアコート法、ロールコート法等の方法により塗布することにより行えばよい。また、接着層5を設ける場合であれば、前記第2工程は、例えば、(1)積層体Aの基材層1とは反対側の面に、接着層5及びシーラント層4を共押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネーション法)、(2)別途、接着層5とシーラント層4が積層した積層体を形成し、これを積層体Aの基材層1とは反対側の面に熱ラミネーション法により積層する方法、(3)積層体Aの基材層1とは反対側の面に、接着層5を形成させるための接着剤を押出し法や溶液コーティングした高温で乾燥さらには焼き付ける方法等により積層させ、この接着層5上に予めシート状に製膜したシーラント層4をサーマルラミネーション法により積層する方法、(4)積層体Aの基材層1とは反対側の面と、予めシート状に製膜したシーラント層5との間に、接着層5を形成させるための接着剤を溶融させた状態で流し込みながら、接着層5を介して積層体Aの基材層1とは反対側の面とシーラント層5を貼り合せる方法(サンドラミネーション法)等が挙げられる。また、シーラント層5に含まれる前記酸硬化性樹脂の一部を硬化させるには、例えば、熱溶着性樹脂及び酸硬化性樹脂を含む樹脂組成物を所定部位に塗布した後に加熱処理を行えばよい。当該加熱処理の条件については、前記[シーラント層4]の欄に記載の通りである。
上記のようにして、基材層1、接着層2、金属箔層3、及びシーラント層4をこの順に有する積層体が形成される。
本発明の電池用包装材料において、積層体を構成する各層は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性等を向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理を施していてもよい。
4.電池用包装材料の用途
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、本発明の電池用包装材料で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子が外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(シーラント層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部のシーラント層同士をヒートシールして密封させることによって、電池用包装材料を使用した電池が提供される。なお、本発明の電池用包装材料を用いて電池素子を収容する場合、本発明の電池用包装材料のシーラント部分が内側(電池素子と接する面)になるようにして用いられる。
本発明の電池用包装材料は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池である。本発明の電池用包装材料が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛畜電池、ニッケル・水素畜電池、ニッケル・カドミウム畜電池、ニッケル・鉄畜電池、ニッケル・亜鉛畜電池、酸化銀・亜鉛畜電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の電池用包装材料の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
1.電池用包装材料の製造
実施例1〜11及び比較例1
クロメート処理を施していないアルミニウム箔(厚さ40μm)からなる金属箔層の一方面に、ポリエステル系の主剤とイソシア系硬化剤の2液型ウレタン接着剤からなる接着層を厚さが3μmとなるように塗布した後に、二軸延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)からなる基材層をドライラミネーション法により積層させ、基材層/接着層/金属箔層(クロメート処理なし)の積層体を調製した。
次いで、下記に示すシーラント層用樹脂組成物1(金属箔層側に配置)及びシーラント層用樹脂組成物2(最内層)を、それぞれ厚みが23μmとなるように共押し出しすることにより、金属箔層上に2層からなるシーラント層を積層させた。その後、190℃で、3秒間加熱処理を行った。斯して、基材層/接着層/金属箔層(クロメート処理なし)/2層のシーラント層が順に積層された積層体からなる電池用包装材料を得た。
<シーラント層用樹脂組成物1>
・カルボン酸変性ポリプロピレン(熱溶着性樹脂) 100質量部
・尿素変性フラン樹脂(HP6200N、旭有機材社製) 表1に示す所定量
<シーラント層用樹脂組成物2>
・ホモポリプロピレン(熱溶着性樹脂) 100質量部
・尿素変性フラン樹脂(HP6200N、旭有機材社製) 表1に示す所定量
実施例12〜22及び比較例2
アルミニウム箔(厚さ40μm)の両面にクロメート処理を施した金属箔層を使用したこと以外は、前記実施例1と同様の条件で、基材層/接着層/金属箔層(クロメート処理あり)/2層のシーラント層が順に積層された積層体からなる電池用包装材料を得た。なお、クロメート処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥重量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム箔の両面に塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件で20秒間焼付けすることにより行った。当該クロメート処理によって形成された耐酸性皮膜の厚み(片面の厚み)は0.005μmであった。
2.電池用包装材料の評価
<耐電解液性の評価>
電池用包装材料をそれぞれ、60mm(MD方向、縦方向)×150mm(TD方向、横方向)に裁断した。次に、裁断した電池用包装材料をTD方向においてシーラント層同士が対向するようにして2つ折りにし、TD方向の対向する1辺とMD方向の1辺を熱溶着し、TD方向の1辺が開口する袋状の電池用包装材料を作製した。なお、熱溶着の条件は、温度190℃、面圧1.0MPa、加熱・加圧時間3秒とした。次に、開口部から3gの電解液を注入し、開口部を7mm幅で、上記と同じ条件で熱溶着した。なお、電解液は、エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート:ジメチルカーボネート=1:1:1の容積比で混合した溶液に6フッ化リン酸リチウムを混合して得られたものである。次に、電池用包装材料の開口部が位置していた部分を上向きにして、85℃の恒温層内に24時間静置した。
次に、各電池用包装材料を恒温層から取り出して、電池用包装材料を開封して電解液を取り出した。その後、電池用包装材料の折り返されていた部分を15mm巾の短冊状に切り取り試験片を得た。得られた試験片のシーラント層と金属層とを引張り機(島津製作所製の商品名AGS−50D)を用いて、50mm/分の速度で引張り、試験片の剥離強度(N/15mm)を測定した(耐久性試験後の剥離強度)。電池用包装材料を15mm巾に切り取った試験片について、同様にして剥離強度を測定した(耐久性試験前の剥離強度)。得られた耐久性試験前後の剥離強度の値から、下記式に従って、剥離強度残存率(%)を算出した。
剥離強度残存率(%)=(耐久性試験後の剥離強度/耐久性試験前の剥離強度)×100
<耐久性試験前の剥離強度>
比較例1の電池用包装材料について前記耐久性試験前の剥離強度(N/15mm)を100%として、各電池用包装材料の前記耐久性試験前の剥離強度の相対値(%)を算出した。
<微小異物噛み込みに対する絶縁性評価>
電池用包装材料を幅40mm、長さ100mmのサイズに切り取り試験片を得た。次に、この試験片を短辺同士が対向するように折り返し、試験片のシーラント層の表面が互いに対向するように配置した。次に、互いに対向するシーラント層の表面の間に25μmφのワイヤーを挿入した。次に、この状態で電池用包装材料の長さ方向に直交する方向に上下共に7mm幅の平板状熱板からなるヒートシール機でシーラント層同士をヒートシールした(ヒートシール条件:190℃、1.0MPa)。次に、電池用包装材料のワイヤーが挟まれた部分が中央になるようにして、両側の基材層の表面にテスターの端子をそれぞれ接続した。次に、テスター間に100Vの電圧をかけ、短絡するまでの時間(秒)を測定した。
<評価結果>
得られた結果を表1に示す。この結果から、シーラント層を、熱溶着性樹脂と酸硬化性樹脂を用いて形成することによって、耐電解液性及び微小異物噛み込みに対する絶縁性が飛躍的に向上することが確認された。更に、熱溶着性樹脂と酸硬化性樹脂を含むシーラント層と共に、クロメート処理が施された金属箔層を使用することによって、より一層優れた耐電解液性を備えることも明らかとなった。なお、シーラント層中に熱溶着性樹脂と酸硬化性樹脂を共存させても、十分なシール強度を備えていた。
1 基材層
2 接着層
3 金属箔層
4 シーラント層

Claims (6)

  1. 少なくとも、基材層、接着層、金属箔層、及びシーラント層をこの順に有する積層体からなり、
    前記シーラント層が、熱溶着性樹脂及び酸により重縮合して硬化する性質を有する酸硬化性樹脂を含有することを特徴とする、電池用包装材料。
  2. 前記酸硬化性樹脂が、酸硬化性フラン樹脂、及び/又は酸硬化性フェノール樹脂である、請求項1に記載の電池用包装材料。
  3. 前記シーラント層において、熱溶着性樹脂100質量部当たり、酸硬化性樹脂が0.1〜35質量部含まれる、請求項1又は2に記載の電池用包装材料。
  4. 前記金属箔層が、アルミニウム箔である、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
  5. 下記工程を含む、電池用包装材料の製造方法。
    接着層を介して、基材層を金属箔層に積層させた積層体を形成する第1工程、及び
    前記第1工程で得られた積層体の基材層とは反対側の面に、熱溶着性樹脂及び酸により重縮合して硬化する性質を有する酸硬化性樹脂を含有するシーラント層を積層させる第2工程。
  6. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
JP2014071371A 2014-03-31 2014-03-31 電池用包装材料 Active JP6277825B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014071371A JP6277825B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 電池用包装材料
KR1020167029922A KR102352119B1 (ko) 2014-03-31 2015-03-31 전지용 포장 재료
US15/129,615 US10199613B2 (en) 2014-03-31 2015-03-31 Packaging material for batteries
PCT/JP2015/060077 WO2015152216A1 (ja) 2014-03-31 2015-03-31 電池用包装材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014071371A JP6277825B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 電池用包装材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015195090A JP2015195090A (ja) 2015-11-05
JP6277825B2 true JP6277825B2 (ja) 2018-02-14

Family

ID=54433956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014071371A Active JP6277825B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 電池用包装材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6277825B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09288996A (ja) * 1996-04-23 1997-11-04 Sumitomo Electric Ind Ltd 非水電解質電池
JPH10261386A (ja) * 1997-03-19 1998-09-29 Asahi Chem Ind Co Ltd 電池用外装体および電池
JP2000268787A (ja) * 1999-03-19 2000-09-29 Hitachi Maxell Ltd 薄型電池用外装材
KR101537399B1 (ko) * 2011-11-11 2015-07-16 다이니폰 인사츠 가부시키가이샤 전기화학 셀용 포장재료

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015195090A (ja) 2015-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6596869B2 (ja) 金属端子用接着性フィルム
WO2015152216A1 (ja) 電池用包装材料
WO2016052293A1 (ja) 金属端子用接着性フィルム
JPWO2015125806A1 (ja) 電池用包装材料
JP6446950B2 (ja) 電池用包装材料
JP6015066B2 (ja) 電池用包装材料
JPWO2016047790A1 (ja) 電池用包装材料
JP2017188227A (ja) 電池用包装材料及び電池
JP6657732B2 (ja) 金属端子用接着性フィルム
WO2016159190A1 (ja) 電池用包装材料、その製造方法及び電池
JP2017139120A (ja) 金属端子用接着性フィルム
JP2016072160A (ja) 電池用包装材料
JP2017139121A (ja) 金属端子用接着性フィルム
JP2017069107A (ja) 接着性保護フィルム
JP6589331B2 (ja) 電池用包装材料
JP6736837B2 (ja) 電池用包装材料
WO2016153060A1 (ja) 電池用包装材料
JP6686634B2 (ja) 電池用包装材料、その製造方法及び電池
JP2016048658A (ja) 電池用包装材料
JP6476679B2 (ja) 電池用包装材料
WO2016159233A1 (ja) 電池用包装材料、その製造方法、及び電池
JP6277824B2 (ja) 電池用包装材料
JP5682648B2 (ja) 電池用包装材料
JP2016186873A (ja) 金属端子用接着性フィルム
JP6277825B2 (ja) 電池用包装材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171003

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180101

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6277825

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150