JP2016072160A - 電池用包装材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材層、接着層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなる電池用包装材料において、高湿度環境下などにおいても、優れた絶縁性を有する電池用包装材料を提供する。
【解決手段】電池用包装材料は、基材層1、接着層2、金属層3、及びシーラント層4が、基材層1を最外層、シーラント層4を最内層として順次積層された積層体からなり、基材層1は、体積抵抗率が1×1015Ω・cm以上の熱可塑性樹脂からなる樹脂層Aを有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁性に優れた電池用包装材料に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されているが、あらゆる電池において、電極や電解質等の電池素子を封止するために包装材料が不可欠な部材になっている。従来、電池用包装として金属製の包装材料が多用されていた。
一方、近年、パソコン、カメラ、携帯電話等の高性能化に伴い、電池には、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の電池用包装材料では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、近年、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用包装材料として、基材層/金属層/シーラント層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている。このような電池用包装材料の基材層としては、ナイロンなどのポリアミドフィルムが広く使用されている(例えば特許文献1を参照)。
また、このような電池用包装材料は、従来、携帯電話、スマートフォン、ノートパソコン、タブレットなどの小型電化製品に主に使用されてきたが、近年、電動式自転車、自動車、蓄電デバイスなどにも使用される傾向にある。これに伴い、電池用包装材料が使用される電池の大型化、大容量化が進行すると共に、複数の電池をモジュール化(複数の電池をスタックする)して使用する傾向にある(例えば特許文献2を参照)。
しかしながら、基材層として広く使用されているポリアミドフィルムの絶縁性は低いため、基材層をポリアミドフィルムにより形成すると、自動車などに使用されるモジュール化された高容量の電池の絶縁性が低下する恐れがある。例えば、モジュール化された電池の一部において、絶縁性が低下して放電が生じた場合、隣接する他の電池を破壊して、電池機能が損なわれる可能性がある。特に、自動車等に用いられる電池には、苛酷な環境下での耐久性が求められているが、ポリアミドフィルムは、高湿度環境下において、絶縁性がより一層低下しやすいという問題がある。
また、近年の電池に対する高容量化の要求に伴い、電池用包装材料に対しては、より一層の薄型化が求められている。例えば、電池用包装材料の厚みが120μm以下にまで薄くなると、電池用包装材料の絶縁性が低下しやすくなるという問題も有している。
特開2008−288117号公報 特開2013−201027号公報
本発明の主な目的は、少なくとも、基材層、接着層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなる電池用包装材料において、高湿度環境下などにおいても、優れた絶縁性を有する電池用包装材料を提供することにある。
本発明者らは、前述の課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、基材層、接着層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなる電池用包装材料において、基材層が、体積抵抗率が1×1015Ω・cm以上の熱可塑性樹脂からなる樹脂層Aを有していることにより、優れた絶縁性が奏されることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の電池用包装材料及び電池を提供する。
項1. 少なくとも、基材層、接着層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
前記基材層は、体積抵抗率が1×1015Ω・cm以上の熱可塑性樹脂からなる樹脂層Aを有している、電池用包装材料。
項2. 前記樹脂層Aの厚みが、9〜25μmの範囲にある、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記樹脂層Aが、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートの少なくとも一方により形成されている、項1または2に記載の電池用包装材料。
項4. 前記積層体の厚みが、125μm以下である、項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 前記金属層は、アルミニウム箔により形成されている、項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項6. 前記金属層の少なくとも一方の面に化成処理が施されている、項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
項7. 二次電池用の包装材料である、項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
項8. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、基材層、接着層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、基材層が、体積抵抗率が1×1015Ω・cm以上の熱可塑性樹脂からなる樹脂層Aを有しているため、優れた絶縁性を有する。
本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。 本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、基材層、接着層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、基材層が、体積抵抗率が1×1015Ω・cm以上の熱可塑性樹脂からなる樹脂層Aを有していることを特徴とする。以下、本発明の電池用包装材料について詳述する。
1.電池用包装材料の積層構造
電池用包装材料は、図1に示すように、少なくとも、基材層1、接着層2、金属層3、及びシーラント層4が順次積層された積層体からなる。本発明の電池用包装材料において、基材層1が最外層になり、シーラント層4は最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置するシーラント層4同士が熱溶着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
また、本発明の電池用包装材料は、図2に示すように、金属層3とシーラント層4との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層5が設けられていてもよい。また、図示しないが、基材層1の表面(シーラント層4とは反対側の表面)にコーティング層を設けてもよい。
本発明の電池用包装材料を構成する積層体の厚みとしては、特に制限されないが、電池用包装材料を薄型化しつつ、優れた絶縁性を備えさせる観点からは、好ましくは125μm以下、より好ましくは90〜120μm程度が挙げられる。
2.電池用包装材料を形成する各層の組成
[基材層1]
本発明の電池用包装材料において、基材層1は最外層を形成する層である。基材層1は、体積抵抗率が1×1015Ω・cm以上の熱可塑性樹脂からなる樹脂層Aを有していることを特徴とする。本発明においては、基材層1がこのような体積抵抗率の高い熱可塑性樹脂からなる樹脂層Aを有していることにより、電池用包装材料の厚みが薄い場合(例えば、120μm以下)や、高湿度環境下(例えば、23℃、相対湿度90%)などにおいても、優れた絶縁性を有する。
本発明の電池用包装材料の絶縁性をより一層高める観点からは、樹脂層Aを形成する熱可塑性樹脂の体積抵抗率としては、好ましくは1×1016Ω・cm以上、より好ましくは1×1017Ω・cm以上が挙げられる。なお、樹脂層Aを形成する熱可塑性樹脂の体積抵抗率の上限値としては、通常、1×1019Ω・cmΩ・cm程度である。本発明において、樹脂層Aを形成する熱可塑性樹脂の体積抵抗率の測定方法は、JIS C 2151の規定に準拠した方法により、23℃、相対湿度50%の条件で測定した値である。
樹脂層Aを形成する熱可塑性樹脂としては、上記の体積抵抗率を有していれば特に制限されないが、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂;四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、四フッ化エチレン・エチレン共重合体などのフッ素系樹脂;ポリスチレン、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体などが挙げられる。これらの中でも、絶縁性、耐熱性、成形加工性などの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが特に好ましい。樹脂層Aを形成する熱可塑性樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
樹脂層Aの厚みとしては、電池用包装材料の厚みの増大を抑制しつつ、優れた絶縁性を発揮させる観点からは、好ましくは9〜25μm程度、より好ましくは12〜25μm程度が挙げられる。
また、高湿度環境下において優れた絶縁性を発揮させる観点からは、樹脂層Aを形成する熱可塑性樹脂の吸水率としては、好ましくは0.5%以下であることが好ましい。なお、熱可塑性樹脂の吸水率は、JIS K 7209に規定された方法に準拠し、23℃で24時間後の吸水率を測定した値である。
さらに、高湿度環境下において優れた絶縁性を発揮させる観点からは、樹脂層A表面の濡れ張力としては、好ましくは35mN/m以下であることが好ましい。濡れ張力が高いと水分が吸着しやすくなり、絶縁性を低下させる恐れがあるためである。なお、熱可塑性樹脂の濡れ性は、JIS K 6768に規定された方法に準拠し、23℃で50%RH雰囲気下で測定した値である。
基材層1は、樹脂層Aの単層により形成されていてもよいし、樹脂層Aと他の樹脂層(体積抵抗率が1×1015Ω・cm未満の樹脂からなる)との複数の層により形成されていてもよい。他の樹脂層を形成する樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂、珪素樹脂、フェノール樹脂、及びこれらの混合物や共重合物等の樹脂フィルムが挙げられる。これらの中でも、好ましくはポリアミド樹脂が挙げられる。ポリアミド樹脂としては、具体的には、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等が挙げられ、好ましくはナイロン6が挙げられる。他の樹脂層を形成する樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
基材層1が、樹脂層Aと他の樹脂層複数の層により形成されている場合、これらの層は、接着剤または接着性樹脂などの接着成分を介して積層させればよく、使用される接着成分の種類や量等については、後述する接着層2又は接着層5の場合と同様である。なお、2層以上の樹脂フィルムを積層させる方法としては、特に制限されず、公知方法が採用でき、例えばドライラミネーション法、サンドラミネーション法などが挙げられ、好ましくはドライラミネーション法が挙げられる。ドライラミネーション法により積層させる場合には、接着層としてウレタン系接着剤を用いることが好ましい。このとき、接着層の厚みとしては、例えば2〜5μm程度が挙げられる。
基材層1を形成する各層には、必要に応じて、酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、撥水剤などの添加剤を添加してもよい。
基材層1の総厚みについては、基材層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、10〜50μm程度、好ましくは15〜25μm程度が挙げられる。
[接着層2]
本発明の電池用包装材料において、接着層2は、基材層1と金属層3を強固に接着させるために、これらの間に設けられる層である。
接着層2は、基材層1と金属層3とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層2の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着層2の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。
接着層2の形成に使用できる接着成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン系樹脂等が挙げられる。これらの接着成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの接着成分の中でも、好ましくはポリウレタン系接着剤が挙げられる。
接着層2の厚さについては、接着層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、1〜10μm程度、好ましくは2〜5μm程度が挙げられる。
[金属層3]
電池用包装材料において、金属層3は、電池用包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止するためのバリア層として機能する層である。金属層3を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタンなどが挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。金属層3は、金属箔や金属蒸着などにより形成することができ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔により形成することがさらに好ましい。電池用包装材料の製造時に、金属層3にしわやピンホールが発生することを防止する観点からは、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O、JIS A8079P−O)など軟質アルミニウム箔により形成することがより好ましい。
金属層3として使用されるアルミニウム箔は、MD方向対して平行方向の引張試験を行った時の0.2%耐力と、TD方向対して平行方向の引張試験を行った時の0.2%耐力とが、共に55〜140N/mm2の範囲にあることが好ましく、60〜100N/mm2の範囲にあることがより好ましい。なお、当該0.2%耐力は、JIS Z 2241に規定する引張試験によって測定される値である。
金属層3の厚みは、金属層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、10μm〜50μm程度、好ましくは20μm〜40μm程度とすることができる。
また、金属層3は、接着の安定化、溶解や腐食の防止などのために、少なくとも一方の面、好ましくは両面が化成処理されていることが好ましい。ここで、化成処理とは、金属層の表面に耐酸性皮膜を形成する処理をいう。化成処理としては、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロムなどのクロム酸化合物を用いたクロム酸クロメート処理;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸などのリン酸化合物を用いたリン酸クロメート処理;下記一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理などが挙げられる。
一般式(1)〜(4)中、Xは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基またはベンジル基を示す。また、R1及びR2は、それぞれ同一または異なって、ヒドロキシル基、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1及びR2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基が1個置換された炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基及びヒドロキシアルキル基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般式(1)〜(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシル基またはヒドロキシアルキル基であることが好ましい。一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500〜100万であることが好ましく、1000〜2万程度であることがより好ましい。
また、金属層3に耐食性を付与する化成処理方法として、リン酸中に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、150℃以上で焼付け処理を行うことにより、金属層3の表面に耐食処理層を形成する方法が挙げられる。また、耐食処理層の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層をさらに形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノールなどが挙げられる。これらのカチオン性ポリマーとしては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤などが挙げられる。これらの架橋剤としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
化成処理は、1種類の化成処理のみを行ってもよいし、2種類以上の化成処理を組み合わせて行ってもよい。さらに、これらの化成処理は、1種の化合物を単独で使用して行ってもよく、また2種以上の化合物を組み合わせて使用して行ってもよい。化成処理の中でも、クロム酸クロメート処理や、クロム酸化合物、リン酸化合物、及びアミノ化フェノール重合体を組み合わせたクロメート処理などが好ましい。
化成処理において金属層3の表面に形成させる耐酸性皮膜の量については、特に制限されないが、例えば、上記のクロメート処理を行う場合であれば、金属層3の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、リン化合物がリン換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、及びアミノ化フェノール重合体が約1mg〜約200mg、好ましくは約5.0mg〜150mgの割合で含有されていることが望ましい。
化成処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、金属層の表面に塗布した後に、金属層の温度が70℃〜200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、金属層に化成処理を施す前に、予め金属層を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、金属層の表面の化成処理をより効率的に行うことが可能となる。
[シーラント層4]
本発明の電池用包装材料において、シーラント層4は、最内層に該当し、電池の組み立て時にシーラント層同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。
シーラント層4に使用される樹脂成分については、熱溶着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンが挙げられる。
前記ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー;等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、等が挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、更に好ましくはノルボルネンが挙げられる。
前記カルボン酸変性ポリオレフィンとは、前記ポリオレフィンをカルボン酸でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
前記カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β―不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β―不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、変性に使用されるカルボン酸としては、前記酸変性シクロオレフィンコポリマーの変性に使用されるものと同様である。
これらの樹脂成分の中でも、好ましくはカルボン酸変性ポリオレフィン;更に好ましくはカルボン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
シーラント層4は、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。更に、シーラント層4は、1層のみで成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上で形成されていてもよい。
また、シーラント層4の厚さとしては、シーラント層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、10〜100μm程度、好ましくは15〜50μm程度が挙げられる。
[接着層5]
本発明の電池用包装材料において、接着層5は、金属層3とシーラント層4を強固に接着させために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
接着層5は、金属層3とシーラント層4とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層5の形成に使用される接着剤について、その接着機構、接着剤成分の種類等は、前記接着層2の場合と同様である。接着層5に使用される接着剤成分として、好ましくはポリオレフィン系樹脂、更に好ましくはカルボン酸変性ポリオレフィン、特に好ましくはカルボン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
接着層5の厚さについては、接着層としての機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、2〜50μm程度、好ましくは15〜30μm程度が挙げられる。
[コーティング層]
本発明の電池用包装材料においては、意匠性、耐電解液性、耐擦過性、成形性の向上などを目的として、必要に応じて、基材層1の上(基材層1の金属層3とは反対側)に、必要に応じて、コーティング層を設けてもよい。コーティング層は、電池を組み立てた時に、最外層に位置する層である。
コーティング層は、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステイル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などにより形成することができる。コーティング層は、これらの中でも、2液硬化型樹脂により形成することが好ましい。コーティング層を形成する2液硬化型樹脂としては、例えば、2液硬化型ウレタン樹脂、2液硬化型ポリエステル樹脂、2液硬化型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、コーティング層には、マット化剤を配合してもよい。
マット化剤としては、例えば、粒径が0.5nm〜5μm程度の微粒子が挙げられる。マット化剤の材質については、特に制限されないが、例えば、金属、金属酸化物、無機物、有機物等が挙げられる。また、マット化剤の形状についても、特に制限されないが、例えば、球状、繊維状、板状、不定形、バルーン状等が挙げられる。マット化剤として、具体的には、タルク,シリカ,グラファイト、カオリン、モンモリロイド、モンモリロナイト、合成マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛,酸化マグネシウム,酸化アルミニウム,酸化ネオジウム,酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム,硫酸バリウム、炭酸カルシウム,ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム,シュウ酸カルシウム,ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ類、高融点ナイロン、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、ニッケル等が挙げられる。これらのマット化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのマット化剤の中でも、分散安定性やコスト等の観点から、好ましくはりシリカ、硫酸バリウム、酸化チタンが挙げられる。また、マット化剤には、表面に絶縁処理、高分散性処理等の各種表面処理を施しておいてもよい。
コーティング層を形成する方法としては、特に制限されないが、例えば、コーティング層を形成する2液硬化型樹脂を基材層1の一方の表面上に塗布する方法が挙げられる。マット化剤を配合する場合には、2液硬化型樹脂にマット化剤を添加して混合した後、塗布すればよい。
コーティング層の厚みとしては、コーティング層としての上記の機能を発揮すれば特に制限されないが、例えば、0.5〜10μm程度、好ましくは1〜5μm程度が挙げられる。
3.電池用包装材料の製造方法
本発明の電池用包装材料の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されないが、例えば、以下の方法が例示される。
まず、基材層1、接着層2、金属層3が順に積層された積層体(以下、「積層体A」と表記することもある)を形成する。積層体Aの形成は、具体的には、基材層1上又は必要に応じて表面が化成処理された金属層3に接着層2の形成に使用される接着剤を、押出し法、グラビアコート法、ロールコート法等の塗布方法で塗布・乾燥した後に、当該金属層3又は基材層1を積層させて接着層2を硬化させるドライラミネーション法によって行うことができる。
次いで、積層体Aの金属層3上に、シーラント層4を積層させる。金属層3上にシーラント層4を直接積層させる場合には、積層体Aの金属層3上に、シーラント層4を構成する樹脂成分をグラビアコート法、ロールコート法等の方法により塗布すればよい。また、金属層3とシーラント層4の間に接着層5を設ける場合には、例えば、(1)積層体Aの金属層3上に、接着層5及びシーラント層4を共押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネーション法)、(2)別途、接着層5とシーラント層4が積層した積層体を形成し、これを積層体Aの金属層3上に熱ラミネーション法により積層する方法、(3)積層体Aの金属層3上に、接着層5を形成させるための接着剤を押出し法や溶液コーティングした高温で乾燥さらには焼き付ける方法等により積層させ、この接着層5上に予めシート状に製膜したシーラント層4をサーマルラミネーション法により積層する方法、(4)積層体Aの金属層3と、予めシート状に製膜したシーラント層4との間に、溶融させた接着層5を流し込みながら、接着層5を介して積層体Aとシーラント層4を貼り合せる方法(サンドラミネーション法)等が挙げられる。
コーティング層を設ける場合には、基材層1の金属層3とは反対側の表面に、コーティング層を積層する。コーティング層は、例えばコーティング層を形成する上記の樹脂を基材層1の表面に塗布することに形成することができる。なお、基材層1の表面に金属層3を積層する工程と、基材層1の表面にコーティング層を積層する工程の順番は、特に制限されない。例えば、基材層1の表面にコーティング層を形成した後、基材層1のコーティング層とは反対側の表面に金属層3を形成してもよい。
上記のようにして、基材層1/接着層2/必要に応じて表面が化成処理された金属層3/必要に応じて設けられる接着層5/シーラント層4/必要に応じて設けられるコーティング層からなる積層体が形成されるが、接着層2及び必要に応じて設けられる接着層5の接着性を強固にするために、更に、熱ロール接触式、熱風式、近又は遠赤外線式等の加熱処理に供してもよい。このような加熱処理の条件としては、例えば150〜250℃で1〜5分間が挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、積層体を構成する各層は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性等を向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理を施していてもよい。
4.電池用包装材料の用途
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、本発明の電池用包装材料で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子が外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(シーラント層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部のシーラント層同士をヒートシールして密封させることによって、電池用包装材料を使用した電池が提供される。なお、本発明の電池用包装材料を用いて電池素子を収容する場合、本発明の電池用包装材料のシーラント部分が内側(電池素子と接する面)になるようにして用いられる。
本発明の電池用包装材料は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池である。本発明の電池用包装材料が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛畜電池、ニッケル・水素畜電池、ニッケル・カドミウム畜電池、ニッケル・鉄畜電池、ニッケル・亜鉛畜電池、酸化銀・亜鉛畜電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の電池用包装材料の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1−6及び比較例1−2
<電池用包装材料の製造>
以下の実施例1−6及び比較例1−2に示す基材層、金属層、接着層を用いて、基材層1/接着層2/金属層3が順に積層された積層体を作製した。具体的には、基材層1の一方面に、以下の接着層2を形成し、金属層3の化成処理面と加圧加熱貼合し基材層1/接着層2/金属層3が順に積層された積層体を作製した。別途、接着層5を構成する酸変性ポリプロピレン樹脂(不飽和カルボン酸でグラフト変性した不飽和カルボン酸グラフト変性ランダムポリプロピレン)と、シーラント層4を構成するポリプロピレン(ランダムコポリマー)を共押出しすることにより、接着層5とシーラント層4からなる2層共押出しフィルムを作製した。次いで、前記で作製した基材層1/接着層2/金属層3からなる積層体の金属層に、前記で作製した2層共押出しフィルムの接着層5が接するように重ねあわせ、金属層3が120℃となるように加熱してサーマルラミネーションを行うことにより、基材層1/接着層2/金属層3/接着層5/シーラント層4が順に積層された積層体を得た。得られた積層体を一旦冷却した後に、180℃になるまで加熱し、1分間その温度を保持して熱処理を施すことにより、実施例1−6及び比較例1−2の電池用包装材料を得た。実施例1−6及び比較例1−2で得られた電池用包装材料の積層構造と、各層の厚みは、以下の通りである。なお、金属層3、接着層2,及びシーラント層4は、実施例1−6及び比較例1−2で共通とした。
<実施例1>
(基材層1)
ポリエチレンテレフタレートを主成分とする原料からなる未延伸原反フィルムをテンター法による逐次二軸延伸した後、210℃で熱処理することにより製造したPET樹脂フィルム(厚み12μm)である。延伸倍率は流れ方向(MD)3.2倍、幅方向(TD)3.2倍の条件で製造した。
(金属層3)
以下の物性を有するアルミニウム箔(ALM1:8079材)を使用した。なお、引張破断強度及び引張破断伸度は、それぞれ、JIS K7127の規定に準拠した方法で測定した値である。また、0.2%耐力は、JIS Z 2241に規定する引張試験によって測定される値である。
・引張破断強度:MD方向86.0MPa、TD方向87.2MPa
・引張破断伸度:MD方向14.3%、TD方向12.2%
・0.2%耐力:MD方向38.6MPa、TD方向37.5MPa
(接着層2)
基材層1と金属層3とを接着する接着層2として、以下の接着剤を用いた。
ガラス転移点−5〜5℃、重量平均分子量10〜40×103、水酸基等量0.7〜1.9個/molのポリオール化合物とトルエンジイソシアネート(TDI)のトリメチロールプロパン(TMP)アダクト体を主成分とする芳香族イソシアネートを1:3の比率で混合したウレタン樹脂系接着剤
(積層構造)
PET樹脂フィルム(12μm)/接着層(3μm)/アルミニウム箔(35μm)/接着層(30μm)/シーラント層(30μm)
<実施例2>
(基材層1)
実施例1のPET樹脂フィルム(12μm)と以下のナイロンフィルムとを接着層2を形成する接着剤(厚み3μm)で接着した積層体である。ナイロン6を主成分とする原料からなる未延伸原反フィルムをチューブラー法による同時二軸延伸した後、200℃で熱処理することにより製造したナイロンフィルム(厚み15μm)である。延伸倍率は流れ方向(MD)3.0倍、幅方向(TD)3.3倍の条件で製造した。
(積層構造)
PET樹脂フィルム(12μm)/接着剤(3μm)/ナイロンフィルム(15μm)/接着層(3μm)/アルミニウム箔(35μm)/接着層(30μm)/シーラント層(30μm)
<実施例3>
(基材層1)
厚みが9μmであること以外は、実施例1と同様にして作製したPET樹脂フィルムと、実施例2のナイロンフィルム(厚み15μm)とを接着層2を形成する接着剤(厚み3μm)で接着した積層体である。
(積層構造)
PET樹脂フィルム(9μm)/接着剤(3μm)/ナイロンフィルム(15μm)/接着層(3μm)/アルミニウム箔(35μm)/接着層(30μm)/シーラント層(30μm)
<実施例4>
(基材層1)
ポリブチレンテレフタレートにポリエチレンテレフタレートを8重量%添加した樹脂を主成分とする原料からなる未延伸原反フィルムをチューブラー法による同時二軸延伸した後、205℃で熱処理することにより製造したPBT樹脂フィルムである。延伸倍率は流れ方向(MD)3.8倍、幅方向(TD)3.8倍とした。
(積層構造)
PBT樹脂フィルム(15μm)/接着層(3μm)/アルミニウム箔(35μm)/接着層(30μm)/シーラント層(30μm)
<実施例5>
(基材層1)
ポリエチレンテレフタレート樹脂と熱可塑性ポリエステル系エラストマーとナイロン6をTダイ法により押出して共押出フィルムを作製した後、逐次延伸法でMD、TD方向に二軸延伸し、200℃で熱処理することにより製造した、PET樹脂フィルム(厚み4μm)/接着剤(厚み1μm)/ナイロンフィルム(厚み20μm)の積層体である。延伸倍率は流れ方向(MD)3.4倍、幅方向(TD)3.8倍とした。接着剤は、接着層2を形成するものと同じである。
(積層構造)
PET樹脂フィルム(4μm)/接着剤(1μm)/ナイロンフィルム(20μm)/接着層(3μm)/アルミニウム箔(35μm)/接着層(30μm)/シーラント層(30μm)
<実施例6>
(基材層1)
厚みが6μmであること以外は、実施例1と同様にして作製したPET樹脂フィルム1層を用いた。
(積層構造)
PET樹脂フィルム(6μm)/接着層(3μm)/アルミニウム箔(35μm)/接着層(30μm)/シーラント層(30μm)
<比較例1>
(基材層1)
厚みが25μmであること以外は、実施例2と同様にして作製したナイロンフィルム1層を用いた。
(積層構造)
ナイロンフィルム(25μm)/接着層(3μm)/アルミニウム箔(35μm)/接着層(30μm)/シーラント層(30μm)
<比較例2>
(基材層1)
厚みが15μmであること以外は、実施例2と同様にして作製したナイロンフィルム1層を用いた。
(積層構造)
ナイロンフィルム(15μm)/接着層(3μm)/アルミニウム箔(35μm)/接着層(30μm)/シーラント層(30μm)
<体積抵抗率の測定>
実施例及び比較例で得られた各電池用包装材料において、基材層1の最外層に位置する樹脂層(それぞれの基材層において、最も体積抵抗率の大きな樹脂により形成されている)を形成する樹脂の体積抵抗率を、JIS C 2151の規定に準拠した方法により、23℃、相対湿度50%の条件で測定した。結果を表1に示す。
<絶縁破壊電圧の測定>
実施例及び比較例で得られた各電池用包装材料の絶縁破壊電圧を、JIS C 2110−1(短時間法)の規定に準拠した方法により、23℃、相対湿度50%の条件、及び23℃、相対湿度90%の条件で、基材層側から印加して測定した。絶縁性は、以下の基準により評価した。結果を表1に示す。
◎◎:8kV以上
◎:7kV以上、8kV未満
○:6kV以上、7kV未満
△:5kV以上、6kV未満
×:5kV未満
<電食試験法による評価>
電食試験法を用いて、実施例及び比較例で得られた各電池用包装材料の水に対する基材表面の絶縁性を評価した。まず、各電池用包装材料を80mm(MD方向、縦方向)×120mm(TD方向、横方向)に裁断した。次に、金型を用いた塑性加工を行うことにより、各電池用包装材料から深さ6mm、縦横50mm×35mmの凹型を形成した成型品を調製した。この成型品の一部である成型部に水を浸漬した状態で、水に浸漬した部分と成型品の一部を銅線でつなぎ、そこに3日間電圧3Vを印加し、金属層3を構成するアルミニウム箔の溶出による接着層2/金属層3の間の剥離(デラミネーション)が生じているか否かを評価した。結果を表1に示す。
○:剥離なし
×:剥離あり
表1に示される結果から明らかなように、基材層1に体積抵抗率が1×1015Ω・cm以上の熱可塑性樹脂により形成された樹脂層が含まれている実施例1−6では、電池用包装材料の絶縁破壊電圧が高く、絶縁性に優れていることが分かる。特に、当該樹脂層の厚みが9μmよりも厚い実施例1〜4においては、特に絶縁性が高かった。一方、基材層1に体積抵抗率が1×1015Ω・cm以上の熱可塑性樹脂により形成された樹脂層が含まれていない比較例1−2では、絶縁性が低かった。
1 基材層
2 接着層
3 金属層
4 シーラント層
5 接着層

Claims (8)

  1. 少なくとも、基材層、接着層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
    前記基材層は、体積抵抗率が1×1015Ω・cm以上の熱可塑性樹脂からなる樹脂層Aを有している、電池用包装材料。
  2. 前記樹脂層Aの厚みが、9〜25μmの範囲にある、請求項1に記載の電池用包装材料。
  3. 前記樹脂層Aが、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートの少なくとも一方により形成されている、請求項1または2に記載の電池用包装材料。
  4. 前記積層体の厚みが、125μm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
  5. 前記金属層は、アルミニウム箔により形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
  6. 前記金属層の少なくとも一方の面に化成処理が施されている、請求項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
  7. 二次電池用の包装材料である、請求項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
  8. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
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