JPS6139813B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気調理器に関し、食品材料を密閉容
器の中において、加熱することにより水蒸気を閉
じ込め内部を１気圧、100度以上の高圧高温の状
態とし、鍋料理およびオーブン料理の高速調理化
および、それによる燃料費の節約を目的とするも
のである。

従来、鍋料理はいくら加熱しても煮炊きものの
温度は100度以上に上がらないため調理に時間が
かかつた。特に、豆、乾物、かたい肉等を使用し
た料理においては非常に手間がかかるため、料理
そのものを敬遠しがちであつた。

またオーブン料理においても同様で、大きな肉
やいもの塊になると、表面は焦げているのに中央
は生のままのことがあり、これを防ぐためには時
間をかけて弱い火力で調理を行なわねばならない
という欠点があつた。

最近、鍋料理には圧力鍋が使用され高速調理が
できるようになつたが、煮込み料理しかできない
うえ、密閉容器内での高速煮込みにより、青味の
魚や肉類は生臭みが残る等の新たな問題を有して
いた。

本発明は上記従来の欠点を解消するもので、以
下、その一実施例を添付図面に基いて説明する。

第１図において、１は略有底筒状の内圧力容器
で、その上端部は内パツキング２を介して蓋３に
より密閉されていると同時に、外底面が外圧力容
器４の底面略中央に空密的に固定された底ヒータ
ー５に密着しており、さらに内圧力容器１の外側
部に位置して、調理物を直接加熱する輻射形側部
ヒーター６が外圧力容器４の上側面に空密的に固
定されている。

また外圧力容器４の略中央内周面には、内圧力
容器１の位置決めと、着脱自在に焼き網、受け皿
等の支持を兼ねるフランジ部４ａを有し、かつ開
口上端部は可撓性の外パツキング７を介して蓋３
により密閉され、内圧力容器１内および外気と隔
室を形成している。

蓋３の上面略中央には内圧力容器１内の圧力を
一定圧とする圧力調整用の調整孔８と、これを閉
塞する調整用おもり９が配置されている。

１０は締付ビス１１により蓋３が固定されたハ
ンドルで、これを第２図矢印のように回転するこ
とにより、蓋３の外周に設けた適数個の爪３ａが
外圧力容器４の上端開口部に設けた対応する突起
部４ｂに係合するようになつている。

１２は外圧力容器４を保持するとともに外殻を
構成するボデーで、外周の一部に器体外差込プラ
グ１３と内部配線と連結するブツシユ１４が設け
られている。

上記構成において、内圧力容器１内に水を入
れ、蓋３をして電源を入れると、圧力調整孔８は
閉塞しているため、密閉された容器内での水の沸
騰による蒸気により圧力と温度は第４図のように
上昇し、圧力調整用の調整孔８にかかる圧力と調
整用おもり９の自重との釣り合うt₁点では例えば
２Kg/cm²になり、それ以上になろうとすると調整
用おもり９を押し上げ調整孔８を開放し蒸気が外
部へ逃げ、圧力を２Kg/cm²に保つようになつてく
る。

このため、通常大気圧（１Kg/cm²）のもとでは
蒸気は100℃以上に上がらないが、２Kg/cm²のもと
では内圧力容器１内の水蒸気は水分がある限り約
120℃で一定となり、内圧力容器１内に水と一緒
に食品材料を入れると鍋料理の高速調理を行なう
ことが可能である。

また第３図のように内圧力容器１を取外し、外
圧力容器４のフランジ部４ａに焼網または受け皿
４ｄを装着した状態においては、外圧力容器４内
は外パツキング７を介した蓋３により密閉容器を
形成し、密閉されたオーブン状となる。そこで食
品材料を焼網または受け皿４ｄの上に乗せた後、
通電すれば容器内の空気の膨張と食品材料自体の
水分による水蒸気により、圧力、温度ともに第４
図のように上昇し、内圧力容器１の装着された場
合と同様に内部の水蒸気は圧力調整装置により２
Kg/cm²、120℃のt₁点に達する。ここで食品材料に
水蒸気と成ることのできる水分を含有している間
は温度も120℃を保ち、圧力、温度とも一定のま
まであり、水分がなくなるt₂点になると急に温度
が上昇し、内部圧力は水蒸気の発生の停止ととも
に外パツキング７部からの微かの漏れにより徐々
に低下する。この圧力、温度特性により焼網また
は受け皿４ｄに乗せられた肉やいもの塊は前記の
ように２Kg/cm²、120℃の水蒸気で高速に蒸された
後、内部温度の急激な上昇により表面にこげめも
つけることができる。なお、第４図において、イ
は圧力、ロは温度を示す。

また、第５図に示すように、温度検知器１５に
より底ヒーター５の中心部の温度を検知し、電力
制御装置１６により側部ヒーター６および底ヒー
ター５の発熱量を制御すると、内圧力容器１内お
よび外圧力容器４内の温度を料理に適した温度に
自動調整することができる。

さらに第６図に示すように、調理の種類に応じ
て底ヒーターと側部ヒーター６を同時またはいず
れか一方のみに給電を行うように選択できる切換
スイツチ１７を設けると、その調理に適した加熱
方法を選ぶことができる。また、１８はタイムス
イツチで、調理に合つた加熱時間にセツトすれば
自動的に通電が切れるので時間を気にする必要が
なく便利である。

以上の説明から明らかなように本発明によれ
ば、内圧力容器を底部から加熱する底ヒーター
と、調理物を直接加熱する輻射形側部ヒーターへ
の給電を切換スイツチにより同時またはいずれか
一方のみに選択切換え可能に構成するとともに、
調理物の種類に応じて内圧力容器の外圧力容器に
対する着脱を選択可能にしているため、内圧力容
器を外圧力容器内に装着した場合は、切換スイツ
チにより底ヒーターのみへの給電に切換えること
により、圧力鍋として高速の煮込み、茄でる、蒸
す、炊く等の料理ができるとともに、内圧力容器
を取外して外圧力容器内に焼網または受け皿を装
着した場合は、調理物に応じて必要なヒーターに
給電することにより、高圧中の焙焼が行なえ、か
つ従来に比べ密閉状態で使うため、熱の発散がな
く、調理時間も短いので燃料費を低減することが
でき、しかも表面にこげめがつくため、肉や青味
の魚の場合でも生臭さを感じない等種々のすぐれ
た効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す電気調理器の
断面図、第２図は同平面図、第３図は同電気調理
器の他の使用状態における断面図、第４図は同電
気調理器の圧力および温度の時間特性図、第５図
は本発明の第２の実施例を示す電気調理器の一部
欠截断面図、第６図は本発明の第３の実施例を示
す電気調理器の一部欠截断面図である。 １……内容器、３……蓋、４……外容器、５…
…底ヒーター、６……側部ヒーター、１５……温
度検知器、１６……電力制御装置、１７……切換
スイツチ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 調圧弁を備えた蓋により密閉してなる外圧力
   容器と、この外圧力容器に着脱自在に密閉内蔵さ
   れた内圧力容器と、前記外圧力容器の内底部に設
   けられ、かつ内圧力容器を底部から加熱する底ヒ
   ーターと、前記外圧力容器の内側部に設けられ、
   かつ調理物を直接加熱する輻射形側部ヒーター
   と、前記底ヒーターと側部ヒーターへの給電を同
   時またはいずれか一方のみに選択切換え可能な切
   換スイツチとを備えるとともに、調理物の種類に
   応じて前記内圧力容器の着脱を選択可能とした電
   気調理器。 ２ 内容器の温度を検知する温度検知器と、この
   温度検知器の出力によりヒーターの発熱量を制御
   する電力制御装置を設けてなる特許請求の範囲第
   １項記載の電気調理器。