JPS6139653Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車における後部車体構造に関する
ものである。

自動車の後部車体は第１図に示すように、一対
のリヤフエンダ１，１と該両リヤフエンダ間に配
設されたリヤエンドパネル２とからなつていて、
前記リヤフエンダ１，１およびリヤエンドパネル
２で囲繞する空間がトランクルーム３として利用
されている。４はトランクルーム３を開閉自在に
覆うトランクリツド、５はリヤバンパ、６はリヤ
フエンダに形成されたレインレールである。

上記のような自動車の後部車体構造としては、
従来、第２図に示すように、各リヤフエンダ１の
後端部とリヤエンドパネル２両端部のトランクツ
ド受け面７とを、第３図に示すようなコーナプレ
ート８で接合して、トランクルーム３の周縁を形
成するようにしたものがあり、各リヤフエンダ１
の後端部の車体内側に設けた垂直壁１０にコーナ
プレート８の垂直壁１１を接合する一方、リヤエ
ンドパネル２両端部のトランクリツド受け面７
に、コーナプレート８の水平壁１２の後縁から側
縁に亘る部分が接合されている。

ところで、上記の後部車体構造においては、車
体の外観意匠等の向上を図る目的でリヤフエンダ
１の後端部を彎曲させているが、この彎曲加工に
よつてリヤフエンダ１の垂直壁１０に縮みシワが
生じ易く、コーナプレート８の垂直壁１１と接合
する接合部に間隙ができるので、従来は前記接合
部の間隙にシーラを充填しているが、この間隙が
大きいためにシーラ充填部に亀裂やピンホール等
が生じ易い。その結果、自動車のルーフやリヤウ
インド等を経てリヤフエンダ１のレインレール６
に流れ込んだ多量の雨水がレインレール６の後端
部に至つてリヤフエンダ１の垂直壁１０とコーナ
プレート８の垂直壁１１との接合部の近傍を流れ
る際に、その雨水が接合部のシーラの亀裂等を経
てトランクルーム３内に侵入して収納物品を汚損
したり、内部の腐蝕発生を招いたりするという欠
点がある。

本考案はかかる欠点に鑑みてなされたものであ
り、リヤフエンダとコーナパネルの間にクロージ
ングパネルを設けて、リヤフエンダのレインレー
ルから後方に向つて流れる雨水等と、リヤフエン
ダの垂直壁とクロージングパネルの垂直壁との接
合部から侵入する雨水とを、クロージングパネル
の両側方に位置せしめたコーナプレートの水平壁
によつてそれぞれ後方へ導いて流すことにより、
トランクルーム内への雨水等の侵入を防止しうる
ようにした自動車の後部車体構造を提供すること
を目的とする。

以下、本考案を一実施例について詳細に説明す
る。なお、自動車の後部車体構造の基本構造につ
いては第１図ないし第３図により既述しているの
で、同一の部分については同一の符号を用いる。

第４図に示すように、リヤフエンダ１の後端部
とリヤエンドパネル２のトランクリツド受け面７
とをコーナプレート２１で接合してトランクルー
ム３の周縁が形成されている。

コーナプレート２１は第６図に示すように、主
水平壁２２と、該主水平壁から延長された横方向
延長水平壁２３と、該横方向延長水平壁２３およ
び主水平壁２２の端縁に設けた上向きフランジ２
５，２６と、前記横方向延長水平壁２３に垂直壁
２７を介して連続する後方延長水平壁２８と、該
後方延長水平壁の周縁に設けた下向きフランジ３
０とを具備して形成されている。２９は主水平壁
２２に設けて、その後端部を横方向延長水平壁２
３に隣接せしめた横溝、３１は垂直壁２７に設け
た縦溝である。

前記リヤフエンダ１の後端には、リヤエンドパ
ネル２より後方に位置せしめた下向きの開口部３
２が形成されており、該開口部はコーナプレート
２１の後方延長水平壁２８で閉塞するとともに、
下向きフランジ３０がリヤフエンダ１にスポツト
溶接ｗされている。リヤフエンダ１の垂直壁１０
とコーナプレート２１の主水平壁２２の横溝２９
とは、両者の間に介設したＬ字形断面のクロージ
ングパネル３３（第５図参照）の垂直壁３５およ
び水平フランジ３６とのスポツト溶接ｗによつて
接合され、該クロージングパネル３３の垂直壁３
５とコーナプレート２１の上向きフランジ２５と
横溝２９の一部と横方向延長水平壁２３とによつ
て裏側レインレール３７が形成されている。

上記の構造において、降雨時にリヤフエンダ１
のレインレール６に流れ込んだ雨水が、リヤフエ
ンダ１の垂直壁１０とクロージングパネル３３の
垂直壁３５との接合部付近を通過するときに、該
接合部から侵入しても、その雨水は裏側レインレ
ール３７からリヤフエンダ１の開口部３２もしく
はコーナプレート２１の縦溝３１を経て車外に排
出される。

また、コーナプレート２１は該コーナプレート
の主水平壁２２とリヤフエンダ１の垂直壁１０と
の間にクロージングパネル３３を介設するととも
に、後方延長水平壁２８の下向きフランジ３０を
リヤフエンダ１に溶接することによりコーナプレ
ート２１の剛性が増大される。

なお、上記実施例では、コーナプレート２１の
後方延長水平壁２８は、横方向延長水平壁２３か
ら垂直壁２７を介して形成されているが、該垂直
壁を介さずに、後方延長水平壁２８からそのまま
後方に延長して後方延長水平壁を形成し、下向き
フランジ３０は、垂直壁２７の長さを加えて下方
に延ばして形成してもよいものである。

本考案は上記の構成により、コーナプレートは
主水平壁と、該主水平壁から延長された横方向延
長水平壁と、該横方向延長水平壁および前記主水
平壁の端縁に設けた上向きフランジと、前記横方
向延長水平壁に連続する後方延長水平壁と、該後
方延長水平壁の周縁に設けた下向きフランジとを
包含して形成し、該コーナプレートの主水平壁と
リヤフエンダの垂直壁とはクロージングパネルを
介して接合し、かつリヤフエンダの後端に設けた
下向きの開口部をコーナプレートの後方延長水平
壁で閉塞するとともに、下向きフランジをリヤフ
エンダに溶接するという簡単な構造によつて、リ
ヤフエンダの垂直壁とクロージングパネルの垂直
壁との接合部から侵入した雨水は、車外へ排出さ
れるのでトランクルームへの雨水の侵入を確実に
防止できるとともに、自動車の後部車体強度が増
大する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は従来例を示し、第１図は
自動車の後部を示す斜視図、第２図は第１図の
部を拡大した斜視図、第３図はコーナプレートの
斜視図、第４図ないし第８図は本考案の実施態様
を例示し、第４図は自動車後部の斜視図、第５図
はクロージングパネルの斜視図、第６図はコーナ
プレートの斜視図、第７図は第４図の−線に
おける断面図、第８図は同−線における断面
図である。 １……リヤフエンダ、２……リヤエンドパネ
ル、３……トランクルーム、１０……垂直壁、２
１……コーナプレート、２２……主水平壁、２３
……横方向延長水平壁、２５，２６……上向きフ
ランジ、２８……後方延長水平壁、３０……下向
きフランジ、３２……開口部、３３……クロージ
ングパネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. リヤフエンダの後部とリヤエンドパネルの側部
   とをコーナプレートで接合して、トランクルーム
   の周縁を形成した自動車の後部車体において、コ
   ーナプレートは主水平壁と、該主水平壁から延長
   された横方向延長水平壁と、該横方向延長水平壁
   および前記主水平壁の端縁に設けた上向きフラン
   ジと、前記横方向延長水平壁に連続する後方延長
   水平壁と、該後方延長水平壁の周縁に設けた下向
   きフランジとを包含してなり、リヤフエンダの後
   端には、リヤエンドパネルより後方に位置する下
   向きの開口部が形成され、かつリヤフエンダでリ
   ヤエンドパネル側に形成される下向きの垂直壁と
   コーナプレートの主水平壁とは、Ｌ字形断面のク
   ロージングパネルを介して接合され、前記後方延
   長水平壁で開口部を閉塞するとともに、下向きフ
   ランジがリヤフエンダに溶接されたことを特徴と
   する自動車の後部車体構造。