JPS6139282Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は物体に開けられた穴の径や、構造物間
の間隙などのいわゆる内径を測定する内径測定器
に関するものである。

この種の測定においては、たとえばノギスの
「くちばし」を用いての測定や、また精度を上げ
る場合にはインサイドマイクロメータなどが用い
られる。

しかしマイクロメータの目盛は読み取りにくい
ものであり、またその計測には熟練を用し、個人
差の大きなものである。

そこで、取扱いが便利で、しかも目盛を読み取
り易いダイヤルゲージを用いた内径測定器も提供
されている。

すなわち第１図に示すように一端に測定子１ａ
を有する長尺な脚１の他端にダイヤルゲージ２を
取り付けたものであつて、脚１の軸芯と、ダイヤ
ルゲージ２の測定子２ａの軸芯とを一致させたも
のである。

従つて、ダイヤルゲージ２の測定子２ａはその
軸芯に沿つてスピンドル２ｂ内で出没することに
なり、脚１の長さなどをあらかじめ求めておく
と、測定子１ａと２ａの距離がダイヤルゲージ２
の目盛板から読み取ることができる。

このダイヤルゲージ２を用いた内径測定器によ
れば、上記欠点は無くなるものの、次のような欠
点もある。

すなわち、間口よりも内側の穴の径が大きい場
合に測定器が内側に入れにくいということであ
る。上記ダイヤルゲージ２の測定子２ａをスピン
ドル２ｂ内に押し込んで長さを縮め、穴内に入れ
てから離すことも可能であるがそれにも限度があ
る。

本考案はこれらの欠点を排除するものであつ
て、一端に測定子を有する長尺な脚と、同脚の他
端に配設されるダイヤルゲージとからなり、脚の
軸芯とダイヤルゲージの測定子の軸芯を一致させ
てなる内径測定器において、上記ダイヤルゲージ
をその測定子の軸芯を含む平面内で、回転可能に
上記脚の軸芯からずれて脚に取り付けられた係止
部材を介して脚の他端に装着してなることを特徴
とし、その目的とするところは広範囲な内径や間
隙の測定に対応することの可能な内径測定器を提
供するものである。

以下本考案を第２図に示す一実施例について説
明する。

３は長尺な脚であり、その一端には測定子３ａ
が螺合により固定されている。上記脚３の他端３
ｂは係止部材３ｃが一体的に取り付けてあり、脚
３の軸芯から若干ずれて係止部材３ｃが位置す
る。ダイヤルゲージ４は上記係止部材３ｃに支持
されるもので、その測定子４ａの軸芯を含む平面
内でダイヤルゲージ４は回転可能であり、かつ脚
３の軸芯も平面に含まれる。

なお５はダイヤルゲージ４を係止部材３ｃに固
定するナツトであり、ナツト５を緩めることによ
つてダイヤルゲージ４は回転可能となる。

さて、物体Ｓの内径の測定は次の手順で行なわ
れる。

まず適当な測定子３ａ（この測定子３ａには長
さの異なるものを数種類用意しておき、その測定
範囲を拡大させることが好ましい。）を選び、脚
３の一端に螺合して固定するとともに、ナツト５
を利用して脚３の軸芯とダイヤルゲージ４の測定
子４ａの軸芯を一致させて固定する。

次に別途の計長器を用いて測定子３ａおよび４
ａ間の距離を測り、また必要に応じ計測し易いよ
うにダイヤルゲージ４の零点調整を行う。

物体Ｓの間口S′の間隔が狭い場合にはナツトを
緩めダイヤルゲージ４を回転させ全体の長さを縮
めて間口S′内に入れ、内側の孔S″の位置でダイ
ヤルゲージ４を元に戻す。

脚３の軸芯とダイヤルゲージ４の測定子４ａの
軸芯を一致させ、両測定子３ａ，４ａを物体Ｓの
内側の孔S″の内面に当接する。

この場合のダイヤルゲージ４の目盛を読み、あ
らかじめ求めておいた測定子３ａ，４ａ間の距離
を加えることによつて内径が求まる。

このように本考案の一実施例の内径測定器で
は、従来測りづらかつた間口より径の広い内側の
内の径も測定可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の内径測定器の図、第２図は本考
案の一実施例を示す内径測定器の斜視図、第３図
は使用状態を示す図である。 ３……脚、３ａ……測定子、４……ダイヤルゲ
ージ、４ａ……測定子、５……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に測定子を有する長尺な脚と、同脚の他端
   に配設されるダイヤルゲージとからなり、脚の軸
   芯とダイヤルゲージの測定子の軸芯を一致させて
   なる内径測定器において、上記ダイヤルゲージを
   その測定子の軸芯を含む平面内で回転可能に上記
   脚の軸芯からずれて脚に取り付けられた係止部材
   を介して脚の他端に装着してなることを特徴とす
   る内径測定器。