JPH0419441Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車板金作業で使用するスケール
に関する。

従来、上記スケールとしては、一本の棒尺の一
端にこれと直角に固定指針部材を固定し、さらに
該棒尺に直交位置関係を維持したまま摺動自在に
移動指針部材を取付けたものが知られている。こ
れは同一平面内にありかつ周囲に障害物のない２
つの穴の間隔等を測定することはできるが、指針
部材が揺動しないから高低差のある２つの穴の間
隔（距離）の測定には不便である。また、棒尺の
移動指針部材に関し固定指針部材と反対側の部分
が、被測定位置の周囲のものに対し障害となる。
さらに、自動車板金作業で比較的多く行われる内
法測定も、上記スケールでは不可能である。

本考案は上記従来のスケールの問題を解決した
自動車板金用スケールを提供することを目的とす
るものであつて、その構成上の特徴とするところ
は、相互に摺動可能な第１主尺と第２主尺と、該
第１主尺の摺動側端部に固着された目盛指標付の
第１主尺摺動部材と、上記第２主尺に取付けられ
た目盛部材と、上記第１及び第２主尺の外側端部
に取付けられる２つの指針部材と、上記第１及び
第２主尺の外側端部に該指針部材を揺動可能に取
り付ける２つのマウント部材からなり、上記マウ
ント部材は上記指針部材を揺動角度位置に固定可
能であることである。

以下本考案の実施例を図にもとづいて説明す
る。スケール１は、第１図に示すように、主目盛
２付の第１主尺４と、第１主尺に摺動可能に取付
けられた第２主尺６と、第１主尺４の端部に回動
可能に取付けられた第１マウント部材８と、第２
主尺６の端部に回動可能に取付けられた第２マウ
ント部材１０と、第１マウント部材８に摺動可能
に取付けられた第１指針部材１２と、第２マウン
ト部材１０に摺動可能に取付けられた第２指針部
材１４とからなる。

第１主尺４は、一端に第２主尺６を摺動可能に
支持する第２主尺摺動部材である第１コの字型部
材１６を有する。第２主尺４は、第２図に示すよ
うに、一端に、第１主尺４を摺動可能に支持し、
主目盛のインデツクス部１８を有する第１主尺摺
動部材である第２コの字型部材２０を有する。第
２コの字型部材２０は、また、第１主尺４と第２
主尺６とを相互に固着するための主尺固定ネジ２
２を有する。

第１マウント部材８は第１固定ネジ２４によつ
て第１主尺４の端部に固着され、第１マウント部
材８と第１主尺４との相互位置関係は、第１主尺
４に植設されたピン２６が第１マウント部材８の
下面に多数設けられたピン穴２８に嵌合すること
によつて決まる。第２マウント部材１０の構造
も、第１マウント部材８と実質上同一である。第
１マウント部材８および第１指針部材１２及び第
２指針部材１４が第１主尺４に対し直角、60°、
30°及び0°（平行）となるように設けられる。

第１指針部材１２は第１指針固定ネジ３０によ
つて第１マウント部材８に固定され、第２指針部
材１４は第２指針固定ネジ３２によつて第２マウ
ント部材１０に固定される。

インデツクス部１８によつて示される主目盛２
の値は第１マウント部材８の回転中心位置と第２
マウント部材１０の回転中心との間の距離を示
す。また、第１指針部材１２に貼付された第１副
目盛３４は、第１マウント部材８のインデツクス
部３６によつて、第１指針部材１２の指針先端か
ら第１マウント部材８の回転中心位置までの距離
を示す。さらに、第２指針部材１４に貼付された
第２副目盛３８は、第２マウント部材１０のイン
デツクス部４０によつて、第２指針部材１４の指
針先端から第２マウント部材１０の回転中心位置
までの距離を示す。

上記構成のスケールは、距離測定の際は、第１
副目盛３４と第２副目盛３８との目盛値が等し
く、かつ第１指針部材１２と第２指針部材１４と
が平行となるようにして固定する。そして、第３
図Ａ，Ｂ，Ｃに示すように、第１主尺４と第２主
尺６とを相互に摺動させて測定する。第３図Ａ，
Ｃにおいては、第１指針部材１２と第２指針部材
１４とが第１主尺４（第２主尺６）に対し垂直に
固定され、高さの等しい２点間の距離測定を行つ
ているが、該２点間にエンジン等の測定の障害と
なるものがあつても測定可能である。第３図Ｂに
おいては、第１指針部材１２と第２指針部材１４
とが相互に平行で、かつ両者が第１主尺４（第２
主尺６）に対し直角以外の角度をなすように固定
され、高さの異なる２点間の距離測定を行つてい
る。内法測定の際は、第３図Ｄに示すように、第
１指針部材１２、第１主尺４、第２主尺６及び第
２指針部材１４を直線状にし、第１主尺４及び第
２主尺６を相互に摺動させ、第１指針部材１２の
先端部及び第２指針部材１４の先端部を被測定位
置に当接させる。この内法測定値は、主目盛２の
読取値、第１副目盛３４の読取値及び第２副目盛
３８の読取値の合計である。

他の実施例としては、主尺とマウント部材との
相互位置の固定手段を、上記両部材に平歯車を設
けることによつて構成する。

さらに他の実施例としては、指針部材に副目盛
を貼付せず、複数のピン穴を長手方向に直線状に
設け、他方、マウント部材に該ピン穴に嵌合する
ピンを植設するものである。

本考案は、以上説明したように、構造が簡単で
あるが、自動車の板金作業において高低差のある
２つの穴等の間隔を容易かつ正確に測定すること
ができる利点を有する。また、測定点のすぐ外側
あるいはスケールを測定点に近づける経路付近に
障害物があつても、本考案のスケールはマウント
部材より外側へ突出する部分がないから、これら
の測定が可能であり、さらに内法も他の間隔測定
等と同等の制度で測定できる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の平面図、第２図は第
１図の線−に沿つた断面図、第３図は実施例
の使用説明図である。 １……スケール、２……主目盛、４……第１主
尺、６……第２主尺、８……第１マウント部材、
１０……第２マウント部材、１６……第１コの字
型部材、１８……インデツクス部、２２……主尺
固定ネジ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 相互に摺動可能な第１主尺と第２主尺と、該
   第１主尺の摺動側端部に固着された目盛指標付
   の第１主尺摺動部材と、上記第２主尺に取付け
   られた目盛部材と、上記第１及び第２主尺の外
   側端部に取付けられる２つの指針部材と、上記
   第１及び第２主尺の外側端部に該指針部材を揺
   動可能よ取り付ける２つのマウント部材とから
   なり、上記両マウント部材は上記指針部材が互
   いに平行となる揺動角度位置に安定して固定す
   る手段を有することを特徴とする自動車板金用
   スケール。 (2) 上記指針部材が補助目盛を有し、かつ上記マ
   ウント部材上を摺動可能であり、該マウント部
   材が補助目盛指標を有する実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の自動車板金用スケール。 (3) 上記指針部材の先端が、上記マウント部材の
   揺動中心と該先端点とを結ぶ線を中心とする対
   称先細型に形成された実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の自動車板金用スケール。