JPS6139024B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は海苔抄機に簀を一枚ずつ供給する簀
入機の簀束補給装置に係り、爪車に係合する送り
爪を揺動させて爪車を回転させる爪車機構と連動
して回転している相対する循環チエンに取付けた
簀束支持板に搬送コンベヤー上に積み上げてある
簀束を載せて上昇させ、残簀束に次の簀束をドツ
キングさせて連続的に簀束を補給する簀束の補給
ドツキング装置に関するものである。

従来の簀束補給装置はドツキングさせる簀束を
ほゞ簀一枚分の厚さの所定の等速で上昇し、残簀
束それより遅い上昇速度にすることによりドツキ
ングを行なつている。従つて簀束の上面（簀取出
面）は除々に下降する。しかも次の簀束を搬送コ
ンベヤー又は円形台車で残簀束の直下に送り込
み、その簀束を持ち上げる迄のタイミングの遅れ
の分迄下降させなければならない。そのために簀
束は連続的にドツキングされるが海苔抄機への一
枚宛の簀供給がとぎれて抄機への連続的自動供給
が行なわれずに簀供給の欠落となる。又簀束上面
（簀取出面）を一定にするために、相対する循環
チエンそれぞれ等間隔Ｐに簀束支持板を固着し、
その間隔Ｐと等しい高さｈに積み上げた簀束を簀
束支持板の間へ供給する簀束補給装置が提案され
ている。この装置では簀束支持板の間へ簀束が連
続的に供給されるだけであつて簀のドツキング補
給が行なわれない。周知のように簀束からの簀の
取出しは簀把持具の把持爪を簀上面からの簀杆の
間に挿し込むか又は数本の簀杆を挾持したり、或
は吸気管を簀上面から押しつけて吸着しなければ
ならないので、斯ゝる装置では簀束支持板の直下
付近の簀を取出す際に簀束支持板が干渉して簀取
出しが不可能なため実用に供し得ない。そして搬
送コンベヤーに積み重ねる簀束は通常、120枚乃
至150枚或はそれ以上の多量の簀を手作業で積み
上げるのであるが、その高さｈを常に一定にする
ことは実用上困難であり、ｈ＞Ｐのときには簀束
支持板の間に簀束を挾圧保持することになつて簀
の取出しはますます困難となり、又ｈ＜Ｐのとき
には簀束の間に間隙ができて初期の目的を達しな
いばかりか簀供給の欠落を招くことになる。

この発明はこのような問題点を解消し、搬送コ
ンベヤー上に積み上げられた簀束の高さに数枚の
簀の厚さ分に相当する高さのバラツキがあつても
支障なく簀束の補給ドツキングを行なえるととも
に簀の取出し供給が連続自動的に行なえるように
したもので図面に示す実施例について説明する。

１は海苔抄機の等速回転と海苔抄機に簀を供給
する簀取出装置と同期回転している板カムで、こ
の板カム１に機枠に軸支されている揺動腕２がス
プリング３によつて圧接されている。機枠に回動
自在に支承されている上軸４に遊嵌されているＬ
字型揺動腕５の一端にピン６を植設し、ピン６が
揺動腕２に連結した連杆７の長孔７ａに嵌つてい
る。この長孔７ａは揺動腕２の揺動ストローク以
上に長い長孔に形成されている。Ｌ字型揺動腕５
の他端に枢支した送り爪８と機枠に軸支されてい
る係止爪９が上軸４に固着した爪車１０の爪に係
合している。簀束の上面（簀取出面）を検出する
簀束上面検知杆１１（以下検知杆１１と記す）を
機枠に回動自在に設け、検知杆の腕１２と送り爪
８の揺動腕５を連杆１３で連結するとともにスプ
リング１４によつて検知杆１１を下方に向けて
（第１図の反時計方向に）付勢する。従つてこの
スプリング１４によつて送り爪の揺動腕５が第１
図において時計方向に回されて、前記ピン６は連
杆７の長孔７ａの上面に当接して検知杆１１の回
動が制されて検知杆１１は第１図の実線のように
簀取出面より下方に位置して制御されている。従
つて本発明の爪車機構は、簀束上面が検知杆１１
に当接していないときには揺動腕５のピン６が連
杆７の長孔７ａの上面に当接したまゝで恰も揺動
腕５と連杆７が一体のようになり、板カム１の回
転に伴つて揺動腕５が最大限戻し回動され、これ
により爪車１０を大きく回動させるが、検知杆１
１が図の仮想線のように簀取出面に押上げられて
いるときは、揺動腕５が反時計方向に回動されて
いるのでカム１によつて揺動腕２が上下に揺動す
るのみで揺動腕５は停止したまゝで戻り回動をし
ない。そして検知杆１１のその中間位置にあると
きには爪車１０は最初の1/2だけ回動される。即
ち検知杆１１の検知位置により爪車１０の回動量
が制御されるようになつている。

上軸４と中間軸１５に取付けた同径の歯車１
６，１７を噛合し、中間軸１５と右側の上軸４′
に夫々固着した同径の鎖車１８，１９にチエン３
４が懸回されている。上軸４，４′に取付けた上
鎖車２０，２０と機枠に軸支２７されている下鎖
車２１，２１の間に懸回した左右の循環チエン２
２，２２に等間隔Ｐで数個のブラケツト２３を左
右相対するように取付け、後端にローラー２５を
軸支した簀束支持板２４がそれぞれのブラケツト
２３に回動自在に軸着３４されている。従つて爪
車１０の間歇回動に伴ない左右対称に簀束支持板
２４を軸支した左右の循環チエン２２，２２は等
速で回動する。２６は簀束支持板２４のローラー
２５を当接させて簀束支持板２４を支持する案内
板で、本実施例（第３図）では簀束支持板の間隔
Ｐと等しい長さのものを例示しているが好ましく
は簀束支持板２４の間隔Ｐより短かい長さの直立
平面２６ａと僅かの勾配θを付して下り勾配面２
６ｂと下鎖車軸２７の軸心を中心とする円弧面２
６ｃに形成されていて簀束支持板２４のローラー
２５が直立平面２６ａに当接されているときには
簀束支持板２４が水平に、そして下り勾配面２６
ｂにローラー２５が当接されているときには簀束
支持板２４が下位に傾斜するように案内板２６を
機枠に固着する。２８は循環チエン２２を直立に
保持するためのチエン押えで循環チエン２２の外
周が軽く接する程度に機枠に固定されている。尚
案内板２４の案内面をローラー２５が嵌る案内溝
に設計すればチエン押え２８を省略することがで
きる。左右の下鎖車２１の軸心より低位置の複数
の補給簀束を並べる搬送コンベヤー２９が配設さ
れていて、モーターＭを回転されると歯車列３１
を介してプーリー３２が回されて補給簀束３０Ａ
を順次残簀束３０の直下に送り込むようになつて
いる。３３は簀束３０を案内して簀杆方向の巾を
揃えるガイドプレートである。

海苔抄機の回動に同期して簀束上面の簀が取り
出されると、同時に検知杆１１は簀一枚分の厚さ
だけ第１図の仮想線の位置から下方へ下る。検知
杆１１の下降に伴ない送り爪の揺動腕５が簀一枚
分戻り回動するので、カム１の回動により爪車１
０は簀一枚分の厚さの間歇回動行ない、簀束支持
板２４に支持されている簀束３０は簀一枚分上方
へ押し上げられて次の簀取り出しが行なわれる。
簀が一枚ずつ取り出されて簀束３０が所定高さま
で送られてくるとモーターＭが回転して搬送コン
ベヤー２９に積み上げられている次の簀束３０Ａ
を残簀束３０の直下に送り込む。そして次の簀束
支持板２４Ａが第３図の仮想線で図示した２４
A′の位置から実線図示の２４Ａに至る円弧回動
の間は簀一枚分の厚み分以上に順次持ち上げられ
るので補給簀束３０Ａが搬送コンベヤー２９で残
簀束３０の直下に送られ、その簀束３０Ａを水平
位に持ち揚げる迄のタイミングの遅れ分が吸収さ
れる。今仮にｎ＝Ｐ−簀束支持板２４の厚さ（爾
後の説明では説明の便宜上簀束支持板の厚さを無
視してｈ＝Ｐと云うことにする）に補給簀束３０
Ａが積み上げられているものとすると、上記のよ
うに簀束３０Ａを水平位置迄持上げたときには、
補給簀層３０Ａの上面が簀束支持板２４の下面に
丁度面接触する。そして次からの残簀束３０と補
給簀束３０Ａの持ち上げは簀束支持板２４Ａによ
つて行なわれて行く。簀束支持板２４はローラー
２５が案内板２６の下り勾配面２６ｂに接触する
ことなく簀束３０と３０Ａに水平状態で挾まれた
まゝ上昇し、上鎖車２０の円弧面のところで順次
外側に抜きとられて行く。そして簀束３０，３０
Ａの間から簀束支持板２４が外れるとその厚みの
分だけ簀束３０の上面は余分に降下するが、検知
杆１１の検知により爪車１０を簀一枚分の厚み以
上例えば二枚分の厚みの送りが行なわれるので簀
の連続取出しに支障なく簀層３０と３０Ａのドツ
キングが行なわれる。

ｈ＜Ｐのときには補給簀束３０Ａを次の簀束支
持板２４Ａで第３図示のような持ち上げても、補
給簀束３０Ａの上面は簀束支持板２４の下面に接
触せずに簀束高さｈの不足分に相当する隙間がで
きる。このときには残簀束３０には簀束支持板２
４にそして補給簀束３０Ａは次の簀束支持板２４
Ａに支持されて上昇する。簀束支持板２４は下り
勾配面２６ｂに案内されるので残簀束３０の上面
は順次下降し、その下降分だけ簀束支持板２４と
簀束３０Ａ上面の隙間が縮まつて行く。簀束上面
の下降分は検知杆１１の検知により爪車１０は簀
１枚分の厚み以上に回動されて簀束上面は所定の
簀取出面に維持されて簀の連続取出しが続けられ
る。そして案内板２６の勾配面２６ｂの途中で第
４図のように簀束支持板２４の先端が補給簀束３
０Ａの上面に、そして中間で残簀束３０の下端部
を支持した状態となつて即ち簀束支持板２４を斜
めに挾んだ状態で簀束３０と３０Ａが接続する。
その後はその状態のまゝ簀束３０と３０Ａとは恰
かも一体のようになつて送られ、簀束支持板２４
が上鎖車２０のところで引抜かれるときには残簀
束３０と補給簀束３０Ａの間隙に相当する送り補
正が検知杆１１によつて行なわれる。ｈ＜Ｐの差
が非常に大きくて、簀束支持板２４が案内板２６
の勾配面２６ｂから外れるときに簀束支持板２４
の先端の下面と補給簀束３０Ａの上面が接触せず
に数枚分の簀の厚さ分程度の隙間が残つていると
きでも、残簀束３０は簀束支持板２４が案内板２
６から外れた瞬間にプレート３３に案内されて簀
数枚分瞬間的に落下するだけで、その分の送り補
正が検知杆１１によつて検知されて次の送りによ
り直ちに行なわれる。ｈ＜Ｐのときに残簀束３０
と補給簀束３０Ａの接続を容易にするために案内
板２６の直立平面２６ａは簀束支持板の間隔Ｐよ
り短かい方が好ましいがその長さをＰと等しいか
或はそれ以上にしても勾配角度θを適宜選定する
ことにより目的に達することができる。

万一ｈ＞Ｐに補給簀束３０Ａが積み上げられて
いるときには、次の簀束支持板２４Ａが案内板２
６の円弧面２６ｃに案内されているときに残簀束
３０を簀一枚分以上例えば簀二枚分程度持ち上げ
て残簀束３０と補給簀束３０Ａが簀束支持板２４
を挾んで接続する。このときには余分に送られる
簀一枚分の厚み分は検知杆１１と簀束支持板２４
の間で簀束３０，３０Ａの全部が圧縮されて簀束
３０の上面の簀取出面が維持される。そして２枚
の簀が取り出されてから検知杆１１の検知により
次の簀束送りが行なわれて簀取出しは連続的に行
なわれる。

第５図は、循環チエン２２の回動に伴ない、ぶ
ら下つている簀束支持板を水平位迄揚げるための
案内板２６の他の実施例である。案内板２６′は
角度αの上り勾配面２６c′と簀束支持板２４Ａを
水平位に保持するための垂直平面２６ａと前記第
３図示と同様の角度θの下り勾配面から形成さ
れ、簀束支持板２４Ａは、循環チエン２２に直接
軸支されている軸３４に回動自在に軸着されてい
る。このような案内板２６′を使用すると上り勾
配面２６c′の角度αを適宜に設計することにより
ぶら下つている簀束支持板２４Ａを水平位にする
揚げ速度を任意に選定できる。そして第５図では
搬送コンベヤー２９の上面が下鎖車２１の軸心と
ほゞ同一平面の場合を例示したが、上り勾配面２
６c′の位置に応じて搬送コンベヤー２９を適宜配
置することができる。

尚、以上実施例では説明の便宜上検知杆１１が
簀一枚分の厚さの下降毎に爪車１０が簀一枚分送
る場合について説明したが、例えば爪車１０と係
合する送り爪８と係止爪９をそれぞれ長さの異な
る複数の爪を並べて軸着し、爪車の細かい間歇送
りに設計すれば、上記の簀束の接続時やドツキン
グ時の簀取出面の下降変位は小さくなる。又送り
爪の揺動腕を揺動させるリンク装置は上記実施例
に限定するものではなく、簀取出面で検知杆が簀
束上面を押圧しているときに揺動腕が戻り回動し
ない構成であれば目的を達する。

本発明は以上のように簀束上昇中にドツキング
補給され、かつ簀束上面検知杆の検知により簀束
の送り量を制御して、簀の連続的手動供給が行な
われ、積み重ねた簀束の高さのバラツキは自動的
に調整されて抄機への簀供給の欠落もなく、円滑
に自動供給されるので、補給簀束の積み重ね作業
が容易、かつ迅速となり実用上の効果が大きい発
明である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の簀束補給ドツキング装置の実施
例で、第１図は同装置の側面図、第２図は同装置
の平面図、第３図と第４図は要部の側面図で簀束
支持板の動作を示し、第５図は他の実施例の要部
の側面図で簀束支持板の動作を示したものであ
る。 ５……揺動腕、８……送り爪、１０……爪車、
１４……スプリング、２２……循環チエン、２
４，２４Ａ……簀束支持板、２５……ローラー、
２６，２６′……案内板、２６ａ……垂直平面、
２６ｂ……下り勾配面、２６ｃ……円弧面、２６
c′……上り勾配面、２７……下鎖車軸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 爪車に係合する送り爪を揺動させて爪車を間
   歇回転させる爪車機構と連動して回転している相
   対する循環チエンに取付けた簀束支持板に搬送コ
   ンベヤー上に積み上げてある簀束を載せて上昇さ
   せるようにしてなる簀束補給装置において、相対
   する循環チエンにはそれぞれ等間隔Ｐに後端にロ
   ーラーを軸支した数個の簀束支持板を回動自在に
   軸着し、循環チエンの回動に伴ない簀束支持板の
   ローラーが案内板に当接して、ぶら下つている簀
   束支持板を水平位迄揚げるための上り勾配面又は
   下鎖車軸を中心とする円弧面と、同支持板を水平
   位に保持するための直立平面と、同支持板を下位
   に傾けるための下り勾配面とに形成した案内板を
   機枠に固着してなる簀束の補給ドツキング装置。 ２ 爪車に係合する送り爪を揺動させて爪車の間
   歇回転させる爪車機構と連動して回転している相
   対する循環チエンに取付けた簀束支持板に搬送コ
   ンベヤー上に積み上げてある簀束を載せて上昇さ
   せるようにしてなる簀束補給装置において、相対
   する循環チエンにはそれぞれ等間隔Ｐに後端にロ
   ーラーを軸支した数個の簀束支持板を回動自在に
   軸着し、循環チエンの回動に伴ない簀束支持板の
   ローラーが案内板に当接して、ぶら下つている簀
   束支持板を水平位迄揚げるための上り勾配面又は
   下鎖車軸を中心とする円弧面と、同支持板を水平
   位に保持するための直立平面と、同支持板を下位
   に傾けるための下り勾配面に形成した案内板を機
   枠に固着し、スプリングで簀束上面に圧接するよ
   うに付勢されている簀束上面検知杆を送り爪の揺
   動腕と連結するとともに簀束上面検知杆が簀束上
   面を押圧しているときには、揺動腕が戻り回動し
   ないように揺動腕をリンク装置と連結してなる簀
   束の補給ドツキング装置。