JPS6138590Y2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6138590Y2
JPS6138590Y2 JP1979021758U JP2175879U JPS6138590Y2 JP S6138590 Y2 JPS6138590 Y2 JP S6138590Y2 JP 1979021758 U JP1979021758 U JP 1979021758U JP 2175879 U JP2175879 U JP 2175879U JP S6138590 Y2 JPS6138590 Y2 JP S6138590Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bag
amount
air
vinyl chloride
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP1979021758U
Other languages
English (en)
Other versions
JPS55122733U (ja
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP1979021758U priority Critical patent/JPS6138590Y2/ja
Publication of JPS55122733U publication Critical patent/JPS55122733U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPS6138590Y2 publication Critical patent/JPS6138590Y2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
本考案はフタル酸エステル系可塑剤の溶出の少
ない医薬用薬液バツグに関するものである。 リンゲル、生理食塩水、ブドウ糖、血液製剤等
の医薬用薬液は、従来ガラスびん又はポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のボトルに入れられてい
る。 薬液はこれらのびん又はボトルに充填後、ゴム
製のキヤツプをし、100〜120℃のオートクレープ
で滅菌、冷却した後、使用に供される。 ガラスびんは内容物に比べ重量が重く、破損し
やすいこと、及びオートクレーブの加熱により溶
出したガラス成分が冷却時に再結晶して謂ゆるガ
ラスフレークを生じ、人体の血液に静注した場合
血栓等の危険がある等の欠点がある。 一方プラスチツク製のボトルは軽量で、割れに
くく、コストが安い等の長所があるが、ガラスび
んと同様剛性が高いため、使用時にはエアー針と
呼ばれる針をボトルにさし、外気を導入しながら
薬液を静注するのが通例である。 そのためエアーフイルター等の種々の工夫が為
されているが、外気からの細菌汚染等の危険があ
る。 このためフタル酸エステル系可塑剤を添加した
軟質塩化ビニル樹脂フイルム乃至シートをバツグ
状にした薬液容器が近年使用されつつある。 この薬液容器はバツグが可撓性に富むため、薬
液の自重で容易に薬液を落下、流出させることが
出来、容器が変形することにより、空気等の外気
の置換の必要もなく、細菌汚染を防ぐことが出来
る。 又薬液量の確認はガラスびん又はプラスチツク
ボトルよりは若干不正確ではあるが容器内に薬液
量に対し、あらかじめ10%前後の空気等を充填し
ておくことにより行なわれている。 しかしながらこの薬液容器は輸送、保存中やオ
ートクレーブによる加熱操作時等にフタル酸系可
塑剤等が溶出しやすく、溶出した可塑剤等が油滴
状になつて血栓等をひき起こす危険性があるとい
われている。 これらの可塑剤等の溶出を防ぐ方法として、フ
タール酸エステル系可塑剤の代りにポリエステル
系可塑剤、ポリウレタン樹脂等の高分子量可塑剤
やエポキシ化大豆油を用いることが提案されてい
るが、可塑化能が低下すること、コストが大巾に
高くなること、他の衛生上の問題があること等の
種々の実用上の問題がある。 本考案者らは、このフタル酸エステル系可塑剤
を含有する軟質塩化ビニル樹脂のフイルム乃至シ
ートからなる薬液バツグの該可塑剤の溶出量を減
少させることを目的に種々検討した結果、バツグ
内の空気又は気体量が少なければ可塑剤の溶出が
少なくなるという現象を見い出し、更に検討を重
ね本考案を為すに至つた。 即ち本考案は、リンゲル、生理食塩水、血液製
剤等の医療用薬液を充填した袋状包装体であつ
て、該包装体はフタル酸エステル系可塑剤を10乃
至80重量部含有する塩化ビニル系樹脂のフイルム
乃至シートを袋状に加工したものであり、当該薬
液と共存する空気又は気体量が薬液容量に対して
5%以下であることを特徴とする薬液バツグであ
る。 以下本考案を更に詳しく述べる。 本考案者らはDOPを25乃至60重量部程度含有
するもつとも一般的な軟質塩化ビニル樹脂のシー
トを用いて種々の形状の袋状容器を作成し、各種
の液状物質を充填して、DOPの溶出状態を検討
していた所、容器内の液状物質と共存する空気又
は気体量がある一定以下、例えば溶液量に対し5
%以下になれば、DOPの溶出量が大巾に減少す
るという現象を見い出した。 フイルムからのDOPの溶出は、一般には空気
等と接触している面よりは、液状物質、特に脂
質、蛋白質、界面活性剤等を含むDOPと相溶性
のある溶液と接触している面からの溶出がはるか
に多いと考えられており、考案者らの見い出した
現象は従来の一般的な常識に反するものであり、
又この現象は単なる水又は生理食塩水等のみなら
ず、脂質、蛋白質、界面活性剤等を含む溶液に
も、同様な効果があるという興味ある事実を見い
出した。 従来より食品等の包装物に於いては、謂ゆる真
空包装により包装体内部の空気量を少なくした
り、又は包装体内部の空気を窒素等の不活性ガス
で置換しておけば、食品の酸化即ち腐敗が防止出
来ることは、当然周知のことであつたが、前述の
如く液状物の包装体に於いて、包装体内部に共存
する空気等の気体量が少なくなると、包装材料中
の可塑剤の溶出が減少するということは、当然考
えられる酸化防止という現象とは全く異なり、き
わめて特異な現象である。 本考案者らはこの現象に着目して更に研究を進
めた結果、この現象を医薬用薬液バツグに適用す
れば、従来のフタル酸エステル系可塑剤を含有す
る軟質塩化ビニル樹脂よりなる薬液バツグの長所
を生かしたまま、欠点を解消出来ることを確認
し、本考案を完成したものである。 本考案で用いる包装容器は塩化ビニル系樹脂を
主成分として、フタル酸系エステル系可塑剤及び
必要に応じて各種の安定剤、滑剤、顔料等を含有
するものを、各種の方法でフイルム乃至シートと
なし、これを加工して袋状に加工したものであ
る。 樹脂としては塩化ビニル樹脂単独及び各種の樹
脂との共重合体、ブレンド物を含むものである。 フタル酸系可塑剤としては、DBP(フタル酸ジ
ブチル)、DOP(フタル酸ジオクチル)、DIOP
(フタル酸ジイソオクチル)、DNP(フタル酸ジ
ノニル)等通常の塩化ビニル樹脂の可塑剤として
用いるものは全て用いることが出来るが、
DOP、DBP等塩化ビニル系樹脂より溶出しやす
い可塑剤を用いたものが、特に本考案の目的に合
致している。 フタル酸エステル系可塑剤の含有量としては、
80重量部以上の如くあまり含有量が多いと、溶出
量があまりに大なるため、薬液と共存する気体量
が少なくても溶出量を減少せる効果が少なく、薬
液バツグとして不適当である。 又20重量部以下では、溶出量が元来少ないの
で、特に共存する気体量が溶出量に与える影響が
小さく又バツグの可撓性も低下するので、本考案
の薬液バツグとしては不適当である。 次に薬液と共存する空気又は気体量は、薬液に
対して5%以下であることが必要である。 5%以上ではフタル酸エステル系可塑剤の溶出
を減少させる効果はなく、5%前後以下になると
その効果が顕著にあらわれ、各種の薬液に対して
医薬用薬液バツグとして好ましい結果が得られ
る。 本考案の薬液バツグは、リンゲル、生理食塩
水、ブドウ糖液、血液製剤等の通常用いられる医
療用薬液に広く適用出来るものである。 本考案の薬液バツグは通常の液体充填法によつ
ても得られるが、更に好ましくは減圧脱気した薬
液を真空充填すればよい結果が得られる。 以上述べてきた如く、本考案の医薬用薬液バツ
グはバツグ中の気体量が5%以下と少ないため、
従来の薬液バツグより薬液量の確認を目視に頼ら
ず、重量計量方式を用いる必要があるが、従来よ
り用いられていた包装材料をほぼ同様な形状の包
装体として用いる事が出来るため、従来の薬液バ
ツグの各種の長所を生かしたまま、フタル酸エス
テル系可塑剤の溶出が実用上問題にならない程少
なくすることが可能となつた画期的な医療用薬液
バツグである。 以下実施例により更に本考案を詳しく説明す
る。 実施例 第1表に示した配合例1〜5の各処方の組成物
を熱ロールにより混練し、0.4mm厚のシートを作
成し、このシートをヒートシールすることによ
り、内容量が約500c.c.のバツグを作つた。 該バツグを0.45μのフイルターにて漏過した無
塵水で3回洗浄した後、0.45μのフイルターで漏
過した生理食塩水を第2表に示した種々の量の空
【表】 (注) 配合例の部数は重量部で示した。
【表】 第2表から明らかなようにDOP量が配合例1
の如く少ない場合は、DOPの溶出量が少なく、
バツグ中の空気量の影響は少ないが、配合例2〜
4の如くDOP量が塩化ビニル樹脂100重量部に対
して20乃至80重量部含有するものは、バツグ中の
空気量が生理食塩水に対して5%以下の場合は震
盪試験後の溶出異物、即ち溶出可塑剤量が非常に
少なくなることがわかる。 又DOP量が配合例5の如く100重量部と多いも
のは、バツグ中の空気量を減じても、溶出可塑剤
量が非常に大きく効果がない。 又バツグに充填する薬液としてブドウ糖液、血
液を用いた場合もほぼ同様の結果を得た。 又空気の代わりに窒素ガスを用いた場合は、同
等乃至むしろ良好な結果が得られた。 又バツグに用いるシートとして、0.3mm厚、0.6
mm厚を用いた場合もほぼ同様な結果が得られた。 このように本考案の医薬用薬液バツグは、フタ
ル酸エステル系可塑剤の溶出の少ない、きわめて
有用なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の医薬用薬液バツグの使用例の
概略図である。 図中1は吊り具、2は袋状包装体、3は注出
口、4は注出針、5は導管、6は薬液、7は薬液
と共存する空気を示す。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. リンゲル、生理食塩水、血液製剤等の医療用薬
    液を充填した袋状包装体であつて、該包装体は塩
    化ビニル系樹脂100重量部に対してフタル酸エス
    テル系可塑剤を10乃至80重量部含有する塩化ビニ
    ル系樹脂のフイルム乃至シートを袋状に加工した
    ものであり、当該薬液と共存する空気又は気体量
    が薬液容量に対して5%以下であることを特徴と
    する医薬用薬液バツグ。
JP1979021758U 1979-02-23 1979-02-23 Expired JPS6138590Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1979021758U JPS6138590Y2 (ja) 1979-02-23 1979-02-23

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1979021758U JPS6138590Y2 (ja) 1979-02-23 1979-02-23

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS55122733U JPS55122733U (ja) 1980-09-01
JPS6138590Y2 true JPS6138590Y2 (ja) 1986-11-07

Family

ID=28855245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1979021758U Expired JPS6138590Y2 (ja) 1979-02-23 1979-02-23

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6138590Y2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4914475U (ja) * 1972-05-12 1974-02-06
JPS51142887A (en) * 1974-11-21 1976-12-08 Baxter Travenol Lab Molded collapsible solution container

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4914475U (ja) * 1972-05-12 1974-02-06
JPS51142887A (en) * 1974-11-21 1976-12-08 Baxter Travenol Lab Molded collapsible solution container

Also Published As

Publication number Publication date
JPS55122733U (ja) 1980-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100351555B1 (ko) 비경구유체용용기
EP0140929B1 (en) Enema bag
JPH0137954B2 (ja)
TW201235033A (en) Multi-cell container
JPH04200465A (ja) 包装体
JPS63186652A (ja) バツグ入り医薬用液剤
JPS6138590Y2 (ja)
TW200835473A (en) Multicompartment bag
JPS63275346A (ja) 輸液剤の包装体
US4069517A (en) Migration-resistant plasticizer for vinyl halide polymers
CN208297383U (zh) 一种翻转式大输液杂质检测装置
JPH038778B2 (ja)
JPH0380024B2 (ja)
CN220431019U (zh) 一种半渗透性容器包装系统
JP4680454B2 (ja) 無菌カルシトニン製剤及びその製造方法
JPS63120254A (ja) 血液保存容器
JPH0364139B2 (ja)
JP2937565B2 (ja) 輸液容器
RU2134565C1 (ru) Способ подготовки парантерального лекарственного средства к хранению
CN102429860A (zh) 一种双腔袋包装的硫酸头孢匹罗注射液及其制备方法
JPS63164950A (ja) 医療用物品包装体および包装材料
CN1190576A (zh) 软塑料容器
CN208541574U (zh) 一种包装橄榄油脂肪乳、复方氨基酸和复方葡萄糖注射液多腔室输液袋
JPH119655A (ja) 注射剤
JPS63275345A (ja) アミノ酸および還元糖を含有する輸液剤の包装体