JPS6138493Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は化粧料収納凹所を有する中皿容器を箱
状本体内に引出し自在に格納してなる引出し式コ
ンパクト容器に関するものである。

従来、この種のコンパクト容器としては中皿容
器内に化粧料収納凹所とは別に鏡収納凹所を並列
的に設け、中皿容器を箱状本体から引出すことに
よつて鏡を使用することができるようにしたもの
が公知となつている。しかしながら、コンパクト
容器のサイズはある程度限られているものである
から、化粧料収納凹所とのバランス上鏡の大きさ
は限られ、比較的小さく見にくいものとなつてい
しまう。また、従来の化粧料は比較的揮発性成分
が少ないため、ただ単に化粧料収納凹所を有する
中皿容器を箱状本体内に格納するだけでよかつ
た。しかし、最近種々の化粧料が開発されてお
り、揮発性成分を比較的多く含有した化粧料の場
合には、この化粧料を不使用時において気密に密
閉する必要があり、従来のコンパクト容器では所
望の気密性を得ることができなかつた。

本考案は上記のような問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は比較的大きな鏡を取付けるこ
とができ、しかも不使用時において化粧料収納凹
所の気密性を保持することのできる引出し式コン
パクト容器を提供するにある。

以下に本考案の好適な実施例に基づいて本考案
を詳述する。

第１図〜第３図は本考案の引出し式コンパクト
容器を示し、１は箱状本体を示し、この箱状本体
は上下両側面が閉鎖面となり前後面が開口した矩
形箱体となつている。この箱状本体１の後端部に
は蓋体２がピン３によつて開閉自在に枢着され、
蓋体２の内面にはそのほぼ全面に亘つて鏡４が取
付けられている。この蓋体２の前端縁部には爪片
５が一体的に垂下せられ、この爪片５の内面に第
１の係合突片６が形成されている。この爪片５に
対応し箱状本体１の前端縁部に凹状切欠部７が形
成され、その奥面には第２の係合突片８が一体的
に設けられてい。従つて、蓋体２を閉じるとその
爪片５が箱状本体１の凹状切欠部７内に入り、第
１の係合突片６と第２の係合突片８とが係合して
蓋体２は閉止位置を占めることになる。

箱状本体１の内部には中皿容器９が引出し自在
に格納されている。この中皿容器９は化粧用具収
納凹所１０と化粧料収納凹所１１とを前後に有
し、この化粧料収納凹所１１内には比較的揮発性
成分を多く含んだ化粧料が収納されるのである。
この中皿容器９の前端壁は下方に突出する鍔部１
２を有し、中皿容器９を箱状本体１内に充分に押
し込んだ時に箱状本体１の前方下端面と当接し
て、中皿容器９の前端面が箱状本体１の両側前端
面と同一垂直面内に位置するようになる。また、
中皿容器９の中央部と後方部下面には突起１３
ａ，１３ｂが形成され、これら突起に対応して箱
状本体１の内側下面の中央部と後方部とに凹陥部
１４ａ，１４ｂが隆起形成されており、中皿容器
９を箱状本体１内に充分に押し込んだ時に上記突
起１３ａ，１３ｂが凹陥部１４ａ，１４ｂにそれ
ぞれ嵌合して、以後は中皿容器９を箱状本体１か
ら引き出す方向に所定以上の力を加えない限り中
皿容器９が不用意に箱状本位本体１から飛び出す
ようなことはない。

また、中皿容器９の化粧料収納凹所１１の周縁
上面部は他の部分より上方に隆起せられて環状隆
起部１５を形成している。中皿容器９の化粧料収
納凹所１１に対向する箱状本体１の内側上面部に
は化粧料収納凹所１１の平面積よりも充分大きな
面積の凹部１６が形成され、ここにシート状の弾
性パツキン材１７を固着したプレート材１８が上
下動可能に挿入されている。

凹部１６には、内側水平鍔部を有する環状枠１
９を取付けてプレート材１８が落下しないように
し、プレート材１８と凹部１６の上面との間にク
ツシヨン材としてＯリング２０を介装し、弾性パ
ツキン材１７を常時下方に付勢し、弾性パツキン
材１７が凹部１６から若干下方へ突出した構成と
なつている。従つて、中皿容器９を箱状本体１内
に充分格納した時に、化粧料収納凹所１１の周縁
の環状隆起部１５が上記パツキン材１７を弾性的
に圧縮し、またＯリング２０によるクツシヨン力
を受け、これによつて化粧料収納凹所１１の上方
開口部が密閉され、内部の化粧料の揮発性成分が
蒸散するのを阻止する。

コンパクト容器の使用に際しては、第２図の状
態において箱状本体１の後端開口部から指で中皿
容器９を前方に押し出すと、中皿容器９の下面に
形成された突起１３ａ，１３ｂと箱状本体１の内
側下面に形成された凹陥部１４ａ，１４ｂとの嵌
合が第３図に示すように解除され、以後は中皿容
器９を容易に引き出して内部の化粧料を使用する
ことができる。一方、蓋体２は従来同様に開放方
向への力を加えることによつて、蓋体２の第１の
係合突片６が箱状本体１の第２の係合突片８から
離脱し、以後は蓋体２を自由に開けて鏡を所望の
角度に設置するこができる。

以上のように、本考案の引出し式コンパクト容
器によれば、箱状本体１の後端部に内面に鏡４を
取付けた蓋体２を開閉自在に枢着したので、鏡４
のサイズを蓋体２の大きさと同程度に大きなもの
とすることができる。また、箱状本体１内には化
粧料収納凹所１１を有する中皿容器９を引出し自
在に格納し、中皿容器の化粧料収納凹所の周縁部
を他の部分より若干上方へ突出し、箱状本体の内
側上面にパツキン材を下面に固着したプレート材
を配設するとともにプレート材を箱状本体の内側
上面に上下動自在に支持し、プレート材と箱状本
体の内側上面との間にＯリング等のクツシヨン材
を介装したので、中皿容器９を箱状本体１内に格
納した時に化粧料収納凹所１１の周縁上端部１５
がパツキン材１７を弾性的に圧縮するとともにＯ
リングによるクツシヨン力が作用するため、不使
用時において化粧料収納凹所を密閉しこの内部の
化粧料に含有される揮発性成分が蒸散するのを阻
止することができ、しかもこの密閉性を永続する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の引出し式コンパクト
容器を示し、第１図は中皿容器を引き出した状態
における斜視図、第２図は中皿容器を充分に押し
込んだ状態における断面図、第３図は中皿容器を
後方から押出した状態における断面図である。 １……箱状本体、２……蓋体、９……中皿容
器、１１……化粧料収納凹所、１５……環状隆起
部、１７……弾性パツキン材、１８……プレート
材、２０……Ｏリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 箱状本体の後端部に内面に鏡を取付けた蓋体を
   開閉自在に枢着し、該箱状本体内には化粧料収納
   凹所を有する中皿容器を引出し自在に格納し、該
   中皿容器の該化粧料収納凹所の周縁上端部を他の
   部分より若干上方へ突出形成し、該箱状本体の内
   側上面にパツキン材を下面に固着したプレート材
   を配設するとともに該プレート材を該箱状本体の
   内側上面に上下動自在に支持し、該プレート材と
   該箱状本体の内側上面との間にＯリング等のクツ
   シヨン材を介装し、該中皿容器を該箱状本体内に
   格納した時に該化粧料収納凹所の該周縁上端部が
   該パツキン材を弾性的に圧縮し、これによつて該
   化粧料収納凹所が密閉されることを特徴とする引
   出し式コンパクト容器。