JPS6138491Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は化粧料等を収納する凹所を備えた容器
本体に蓋体を開閉自在に枢着してなるコンパクト
容器に関するものである。

従来この種のコンパクト容器においては、蓋体
の前端縁から垂下させた爪片の内側面に第１の係
合突片を形成し、この爪片に対応する容器本体の
前端縁に第２の係合突片を形成し、蓋体を閉じた
時に両係合突片が係合して蓋体が閉止位置を占め
るように形成されている。しかしながらこの係合
突片は極めて正確に形成されなければならず、も
しもこの突出量が所定値よりも多い時には係合が
強くなつて開放しにくくなり、逆に突出量が所定
値よりも少い時には係合が弱くなつて蓋体が不用
意に開放してしまうと言つた問題点があつた。従
つて、この係合突片のコンパクト容器成形時にお
ける成形誤差許容範囲は極めて狭く、このためこ
れが不良品発生の主たる原因となつていた。ま
た、上記両突片の係合によるコンパクト容器の場
合には、蓋体を開放する時に比較的大きなこじ開
けるような力を加えるため、両突片の係合が解除
されるや否や蓋体が急に開いて、内部のパフ等が
飛び出すようなことがあつた。

上記係合上の問題とは別に、この種のコンパク
ト容器に収納される化粧料は比較的揮発性成分が
少ないため、ただ単に化粧料収納凹所を蓋体で覆
うだけでよかつた。しかし、最近種々の化粧料が
開発されており、揮発性成分を比較的多く含有し
た化粧料の場合には、この化粧料を不使用時にお
いて気密に密閉する必要があり、従来のコンパク
ト容器では所望の気密性を得ることができなかつ
たのである。

本考案は上記のような問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は蓋体と容器本体との係合に従
来のような係合突片を用いることなく蓋体の開放
操作を極めて簡単に行うことができるとともに蓋
体の閉止位置において化粧料収納凹所の気密性を
保持することができ、しかも蓋体を長期間に亘つ
て繰返し開閉しても気密性が低下することのない
コンパクト容器を提供するにある。

以下に本考案の好適な実施例に基づいて本考案
を詳述する。

図に於て、１は容器本体を示し、この容器本体
１の内部にはパフ等の化粧用具を収納するための
凹所２と比較的多くの揮発性成分を含有した化粧
料３を収納する凹所４とが前後に並列して形成さ
れている。この化粧料収納凹所４の周縁上端面は
他の部分より若干上方に突出して環状隆起部５を
形成している。

容器本体１の後端部には蓋体６がピン７により
開閉自在に枢着され、第１図における蓋体６の内
面上方部には鏡８が接着されている。蓋体６の鏡
８より第１図に於ける下方部分、第２図ではその
後方部分、には凹所９が形成され、この凹所９内
にはスポンジ等の弾性パツキン材１０を下面に接
着したプレート材１１が挿入されている。このプ
レート材１１は上記凹所９の内周部に嵌挿された
枠体１２の水平方向の環状鍔部によつて凹所９か
ら離脱しないように係止され、またプレート材１
１の外面と蓋体７の凹所９内面との間にはクツシ
ヨン性を有するＯリング１３が介装され、これに
よつてプレート材１１はＯリング１３によつて枠
体１２の環状鍔部に弾性的に押圧されている。こ
のパツキン材１０は平面矩形で容器本体１の化粧
料収納凹所４よりも大きな平面積を有し、蓋体６
を容器本体１に対して閉じた時に、化粧料収納凹
所４の環状隆起部５がこのパツキン材１１の内側
周面に当接してこれを圧縮するように形成されて
いる。

蓋体６の前方略半分はその上面部及び両側部が
その後方部から段差を付けて面方向に切除され、
比較的肉薄な前方蓋部１４を形成している。ま
た、容器本体１の前方略半分はその下面部及び両
側部がその後方部から段差を付けて面方向に切除
され、前方容器部１５を形成している。この前方
容器部１５の両側には前後方向に延長する案内溝
１６−１６が形成され、この各案内溝１６の前端
は閉じられている。また、前方容器部１５には後
端面が開口した箱状ホルダー１７が冠着し、箱状
ホルダー１７の後端内面から突出した突起１８−
１８が上記案内溝１６−１６に摺動自在に係合し
ている。容器本体１は蓋体６よりも前後に長く形
成され、箱状ホルダー１７を最前方位置まで引出
した状態に於て、蓋体６は容器本体１上に閉じる
ことができる。このように蓋体６を閉じた後に箱
状ホルダー１７を後方に摺動させると、箱状ホル
ダー１７内に前方容器部１５並びに前方蓋部１４
が格納されるため蓋体６は止錠され、以後再び箱
状ホルダー１７を最前方位置まで移動させない限
り開錠させることができず、蓋体６を開放させる
ことができない。

尚、好ましくは、箱状ホルダー１７の上下両側
面の肉厚は前方蓋部１４と後方蓋部との間の段差
及び前方容器部１５と後方容器部との間の段差の
量と同一にし、箱状ホルダー１７を後方に摺動し
て前方蓋部１４と前方容器部１５に冠着した蓋体
の止錠時に後方蓋部と後方容器部の面と同一面を
なすようにすることである。また、箱状ホルダー
１７を後方に摺動して前方蓋部１４と前方容器部
１５とに冠着した時に、蓋体６の内面に設けたパ
ツキン材１０が容器本体１の化粧料収納凹所４の
周縁部の環状隆起部５に押圧されて圧縮されるよ
うに箱状ホルダー１７の開口寸法を設定する。

上記説明から明らかなように、使用に当つて箱
状ホルダー１７を前方に充分引き出すと、これが
蓋体６の前端から抜けるため、以後は蓋体６を自
由に開け、容器本体１内の化粧料を使用して化粧
することができる。不使用時には蓋体６を閉じ、
箱状ホルダー１７を後方に摺動させて前方蓋部１
４と前方容器部１５に冠着すれば蓋体６は止錠さ
れ、以後箱状ホルダー１７を再び前方へ移動させ
て開錠しない限り蓋体は開放しないし、また容器
本体の化粧料収納凹所４はパツキン材１０で密閉
される。

以上のように本考案のコンパクト容器では、箱
状ホルダー１７を前後に摺動することによつて蓋
体６の開錠及び止錠操作が行われ、従来のように
係合突片を正確に成形しなければならないと言つ
た問題が解決する。また、本考案では、化粧料収
納凹所の周縁部上端面５を他の部分より若干上方
へ突出形成し、化粧料収納凹所に対向する蓋体の
内面にパツキン材収納凹所９を形成し、パツキン
材１０を蓋体とは別体に形成したプレート材１１
の内面に固着してプレート材をパツキン材収納凹
所内にて蓋体の内面から離間・近接する方向に移
動可能に支持し、プレート材の外面と蓋体との間
にＯリング等のクツシヨン材１３を介装してなる
ため、蓋体を閉じた時に化粧料収納凹所がパツキ
ン材で密閉され、化粧料間の揮発性成分が蒸散さ
れるのを防止することができる。また、この蓋体
を閉じた時にパツキン材自体の弾性とクツシヨン
材のクツシヨン性が２重に作用するため蓋体を長
期間に亘つて繰返し開閉しても気密性が低下する
ことがないと言つた優れた作用効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコンパクト容器の開放状
態における斜視図、第２図は上記コンパクト容器
の止錠状態における断面図、第３図は第２図の状
態におけるコンパクト容器の斜視図、第４図は第
３図の状態から箱状ホルダーを引出した開錠状態
を示す斜視図である。 １……容器本体、４……化粧料収納凹所、５…
…環状隆起部、６……蓋体、１０……パツキン
材、１３……Ｏリング、１４……前方蓋部、１５
……前方容器部、１７……箱状ホルダー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料等を収納する凹所４を備えた容器本体１
   に蓋体６を開閉自在に枢着し、該蓋体並びに該容
   器本体の前方部分を後方部分よりも肉薄に形成
   し、該蓋体を該容器本体に対して閉じた状態にお
   いて、後端が開口した箱状ホルダー１７を該蓋体
   及び該容器本体の肉薄前方部に摺動嵌合自在とし
   てなるコンパクト容器において、該化粧料収納凹
   所の周縁部上面５を他の部分より若干上方へ突出
   形成し、該化粧料収納凹所に対向する蓋体の内面
   にパツキン材収納凹所９を形成し、パツキン材１
   ０を該蓋体とは別体に形成したプレート材１１の
   内面に固着して該プレート材を該パツキン材収納
   凹所内にて該蓋体の内面から離間・近接する方向
   に移動可能に支持し、該プレート材の外面と該蓋
   体との間にＯリング等のクツシヨン材１３を介装
   してなることを特徴とするコンパクト容器。