JPS6137753Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、老朽化したサツシを新たなサツシ
と取替える場合に、既に建物開口部に固定されて
いる旧サツシ枠を利用して建物に取付けられるよ
うにした取替えサツシ枠の取付け構造に関し、新
サツシの枠である取替えサツシ枠を精度よく確実
に取付けることができる取付け構造を得ることを
目的とした考案である。

例えば、建物に取付けられていたスチールサツ
シが老朽化したため、これを新しいアルミニウム
サツシと取替えようとするような場合に、建物開
口部に取付けられている既存の旧サツシ枠に新し
い取替えサツシ枠を取付ければ、旧サツシ枠を建
物から除いて新サツシ枠を建物に取付けるための
面倒な工事を省略することができて、工事を著し
く簡単にすることができる。

このように既存の旧サツシ枠を利用して取替え
サツシ枠を取付けることは従来も行なわれて来た
が、後述するように、取付けに確実さを欠く弱点
があつた。

この考案は、従来の取替えサツシ枠の取付け構
造の弱点を改良して確実な取付けのできる取替え
サツシ枠の取付け構造を得たものである。

次に先ず、従来の取替えサツシ枠の取付け構造
について説明する。

第１図は従来の取替えサツシ枠の取付け構造の
第一例を略示する縦断面図で、１は建物２の開口
部に固着されて残る旧上枠、３は同じく旧下枠、
４は取替えようとする新サツシの枠、即ち取替え
サツシ枠を示す。図示の例は旧上枠１、旧下枠３
をスチール枠とした例であるが、アルミニウム枠
の場合も同様である。

旧上枠１にブラケツト５，６を小ねじ又は溶接
で結合し、旧下枠３にブラケツト７，８を同様に
小ねじ又は溶接で結合し、ブラケツト７の上に取
替えサツシ枠４と新皿板９とを載せ、取替えサツ
シ枠４をブラケツト６に当るまで室内側に押込
み、この枠４と旧上枠１との間を外側から覆板１
０で覆い、覆板１０の内側に形成した係合溝１１
にブラケツト１２を係止して、これとブラケツト
６とにボルト１３を挿通し、ナツト１４を緊締し
て覆板１０をパツキング１５を介して旧上枠１、
取替えサツシ枠４に押付けて取替えサツシ枠４の
上部を旧上枠１に取付け、左右の竪枠（図示せ
ず）についても同様に取付けを行なつて取替えサ
ツシ枠４を旧枠に取付けるものである。

第２図は、上記のように取替えサツシ枠４と別
体の覆板１０を使用する代りに、取替えサツシ枠
４の上枠に係合溝１１ａを有するフランジ状の突
出部を形成した従来の取付け構造の第二例を示
し、この係合溝１１ａに係合したブラケツト１２
と旧上枠１に固着したブラケツト５ａ、６ａとの
間にボルト１３を挿入し、ナツト１４を緊締して
取替えサツシ枠の上枠をパツキング１５を介して
旧上枠１に押付け、左右の竪枠についても同様に
取付けを行なつて取替えサツシ枠４を建物に取付
けるものである。この枠４の下部は旧下枠３に固
着したブラケツト１６の上に載置される。皿板９
はブラケツト１６に取付けられる。１７，１８は
サツシの室内側の周囲部分を覆う額縁である。上
記の何れの例においても、取替えサツシ枠４を旧
枠に取付けた後は、建物との間にコーキング材
（図示せず）を充填して雨水が隙間に入らないよ
うにする。

このような従来の取替えサツシ枠の取付け構造
においては、建物の壁面に直角な方向の新サツシ
枠の働きは、ボルト１３、ナツト１４の緊締によ
り確実に阻止できるが、建物の壁面に平行な方
向、例えば第１〜２図の縦方向の動きは、覆板１
０や取替えサツシ枠の上枠、竪枠（図示せず）が
パツキング１５を介して旧上枠に圧接されている
だけであるため、強い力を受けると摺動する可能
性があり、その他の建物壁面に平行な方向の力に
対しても同様であつて、取替えサツシ枠自体を確
実に建物に固定できず、取替えサツシ枠を精度よ
く取付けたり、この枠の狂いを防止することが十
分できないという弱点があつた。特に防音サツシ
では、枠と障子との関係が厳密に狂いのない状態
に保たれることが要求されるので、この従来構造
ではこの要求に対して不十分である。

この考案は、新しい取替えサツシ枠と旧枠との
結合を強固にして、取付けを精度よくでき、また
使用中に取替えサツシ枠に狂いを生じないように
したものである。

以下図示の実施例によりこの考案を説明する。

第３図は、新しい取替えサツシ枠の上下枠と、
旧上枠、下枠との結合を示す縦断面図、第４図は
新竪枠と旧竪枠との結合を示す横断面図である。

第３図において、旧上枠１は、アルミニウム型
材の上の中間枠１９がねじ２０，２１（中心線で
示す。以下同様）で固着されている。中間枠１９
は、室外側の端部に段部２２を形成し、中央部に
断面Ｌ字形の隆条２３を下向きに形成し、段部２
２を旧上枠１の外側面に当てて位置決めし、ねじ
２０，２１による結合を行なう。取替えサツシ枠
の上枠４ａは、隆条２３に衝き当てると共に後述
の下枠の位置決めにより高さを決めてねじ２４に
より隆条２３に締結される。中間枠１９の室外側
端部と上枠４ａの外面内側との間にはパツキング
２５を介在させて雨水の侵入を防ぐが、更に、こ
の中間枠１９と上枠４ａとの接合部分と建物２と
の間にコーキング材２６を充填して水密を一層良
好にしている。上枠４ａには、中空部２７を形成
して剛性を高くし、捩れ、膨出等の変形を防止し
ている。２８は中間枠１９の隆条２３と中間枠１
９の室内側端部とに突起２８ａ，２８ｂ，２８ｃ
を係合させ、ねじ２９により隆条２３を固着した
アルミニウム型材の額縁である。上記の上枠４ａ
の取付け時には、上枠４ａと上の中間枠１９との
距離を第３図に示したａの範囲で調整することが
できる。

旧下枠３には、段階状に屈折させたアルミニウ
ム型材の下の中間枠３０をねじ３１，３２により
固定する。このとき下の中間枠３０と旧下枠３と
の間には２個のくさび３３，３３を高さを調節し
て挿入し、中間枠３０が所定の水平姿勢で旧下枠
３に取付けられるようにする。下の中間枠３０に
は、断面がかぎ状に室外側に開いた突条３４を形
成し、取替え枠４ｂの下面に形成した室内側に開
く断面かぎ状の突条３５を係合させると共に、取
替えサツシ枠の下枠４ｂの第３図右端部とこの下
枠４ｂの下面に形成した突条３８，３９とをそれ
ぞれ中間枠３０の段部４０，４１および左端に衝
き当てて下枠４ｂと中間枠３０との結合位置を一
定にした後、ねじ４２により両者を固定する。突
条３９には水切４３をねじ４４により取付け、水
切４３と下枠４ｂおよび建物との間には、コーキ
ング材４５，４６を充填して水密を良好にする。
４７は下枠４ｂおよび下の中間枠３０の室内側端
部を覆い図示しないねじによりこれらに固定され
る額縁である。

第４図は竪枠について、取替えサツシ枠の竪枠
４ｃをアルミニウム型材の竪の中間枠４９を使用
して旧竪枠５０に取付ける構造を示している。竪
枠４ｃは障子に接する内面の形状が上枠４ａと相
違することおよび中空部５１が２個に分割されて
いないことの他は、上枠４ａと同様であつて、新
旧竪枠を結合する構造は上枠の場合と同様である
から説明を省略する。

以上の実施例に見るように、この考案の取替え
サツシ枠の取付け構造は、錆び難いアルミニウム
型材の中間枠１９，３０，４９を使用することに
より新サツシの枠である取替えサツシ枠を取付け
位置を一定にして旧枠に取付け、ねじにより固定
するから、取替えサツシ枠は上下左右とも精度よ
く確実に旧枠に取付けられて変形を生じることが
ない。防音サツシは障子の閉鎖を確実にするため
に障子を竪枠に強く衝突させる傾向があり、その
ため四角形に組立てた枠の支持が確実でなかつた
従来の取替え枠では、狂い変形を生じ易かつた
が、この考案の構造によれば上下左右の枠をそれ
ぞれ旧枠にねじ等で固定し、建物に支持させるた
め、このような変形を生じることなく、上枠４
ａ、竪枠４ｃは、パツキング２５に上および竪の
中間枠１９，４９の前端をくい込ませるように圧
着させて取付けるから、取替えサツシ枠の動きを
抑制すると共に防水、防風、防音を良好に保持す
ることができるものである。

またこのように旧枠に取付けたアルミニウム型
材の中間枠１９，３０，４９に外側から取替えサ
ツシ枠を嵌合させてねじ止めするから、室内側か
らの作業だけで容易にしかも確実に新しい取替え
サツシ枠を取付けることができるものであつて
（下枠４ｂと皿板４３とは嵌合前にねじ４４で結
合しておく。）、取替えサツシ枠を建物外面に沿つ
て吊下げながら、上記の取付け作業をすることが
できるから、足場を組む必要がなく、従来のよう
に旧枠と新しい取替えサツシ枠との間に取付け用
のブラケツトやボルト、ナツト等を介在させない
ため、取替えサツシ枠の上枠４ａ、左右の竪枠４
ｃをそれぞれ旧枠に接近させて取付けることがで
きて、サツシ交換のため建物の開口部が狭くなる
ことも少ない等の実用上の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１〜２図は従来の取替えサツシ枠の取付け構
造を例示し、第１図は覆板を別体にしたもの、第
２図は覆板を取替えサツシ枠と同体に造つたもの
を示す。第３〜４図はこの考案の実施例を示し、
第３図は縦断面図、第４図は室内から見て右側の
竪枠部の横断面図である。 １：旧上枠、２：建物、３：旧下枠、４：取替
えサツシ枠、４ａ：上枠、４ｂ：下枠、４ｃ：竪
枠、５，５ａ，６，６ａ，７，８：ブラケツト、
９：皿板、１０：覆板、１１，１１ａ：係合溝、
１２：ブラケツト、１３：ボルト、１４：ナツ
ト、１５：パツキング、１６：ブラケツト、１
７，１８：額縁、１９：上の中間枠、２０，２
１：ねじ、２２：段部、２３：隆条、２４：ね
じ、２５：パツキング、２６：コーキング材、２
７：中空部、２８：額縁、２８ａ〜ｃ：突起、２
９：ねじ、３０：下の中間枠、３１，３２：ね
じ、３３：くさび、３４，３５，３６，３７，３
８，３９：突条、４０，４１：段部、４２：ね
じ、４３：水切、４４：ねじ、４５，４６：コー
キング材、４７：額縁、４９：竪の中間枠、５
０：旧竪枠、５１：中空部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物に固定されている既存のサツシ枠の旧上枠
   １にねじ２０，２１により取付けられる上の中間
   枠１９を、平板状で下方に断面Ｌ形の隆条２３を
   持させてアルミニウム型材で造り、旧竪枠５０に
   ねじで取付けられる竪の中間枠４９を同様形状に
   アルミニウム型材で造り、旧下枠３にねじ３１，
   ３２で取付けられる下の中間枠３０を段部４０，
   ４１および断面がかぎ状に外方い開いた隆条３４
   を持つ階段状の形状にアルミニウム型材で造り、
   取替えサツシ枠４の上枠の室内側端面と上の中間
   枠の隆条２３との当接、取替えサツシ枠の下枠と
   下の中間枠の段部４０または段部４１との当接、
   下の中間枠３０の前端と取替えサツシ枠の下枠の
   突条３９との当接、または取替えサツシ枠の下枠
   に形成した断面が室内側に開いたかぎ状の隆条３
   ５と下の中間枠の隆条３４との当接、の何れかに
   より位置決めし、上および竪の中間枠１９，４９
   の外端を取替えサツシ枠に取付けたパツキング２
   ５に圧着させて、上下左右の中間枠１９，３０，
   ４９内に挿入した取替えサツシ枠４を、ねじ２
   ４，４２で各中間枠に固定して成る取替えサツシ
   枠の取付け構造。