JPS6137742Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として自動車の扉の窓ガラスを上
下方向に作動させる形式の窓開閉装置において、
窓ガラス取付用ブラケツトが摺動するガイドレー
ルの一端部に、ヘヤーピン状に曲折させた１本の
ワイヤを掛けはめるプーリの組付構造の改良に関
する。

従来のこの種のプーリの組付構造は、通常第６
図に示した如く、固定部Ｉによつて扉（図示省
略）の内面に固定されたガイドレールＤの一端部
に、プーリＥを枢着する軸Ｆを設ける為のコの字
形金具Ｇを固着し、ヘヤーピン状に曲折させたワ
イヤＪの曲折部J′をプーリＥに掛けはめてから軸
Ｆを軸穴Ｈに固着する構造となされていた。この
ような構造になされていた理由は、ワイヤＪの両
端（図示省略）は駆動装置（図示省略）に掛止さ
れて、前記プーリによつてワイヤが釣瓶の縄の動
作の如く駆動されるが、扉を組立てる場合にワイ
ヤの曲折部J′をプーリＥに掛けはめてから後に複
雑な構造の駆動装置側にワイヤＪの両端を掛止す
ることは極めて面倒である。したがつて、分秒単
位の自動車の組立てにあつては先に駆動装置側に
ワイヤＪの両端を掛止し、後にワイヤＪの曲折部
J′をプーリＥに掛けはめて軸Ｆをコの字金具Ｇに
固着し、プーリを枢着していたのである。

従来のこの種のプーリの組付けは、上述の如く
であるから極めて面倒であるばかりでなく、自動
車の窓の様にしばしば開閉するものにあつては、
窓開閉装置の修理の度にプーリＥからワイヤＪを
離脱させねばならないが、この場合になつても容
易でなく極めて不便な欠点であつた。

本考案の目的は、上述の如き従来の欠点に鑑
み、ワイヤの曲折部を極めて容易にプーリに掛け
はめうる形式のプーリ組付構造を提供するにあ
る。同時にプーリの取替や、プーリからワイヤの
曲折部をはずすことも極めて容易なプーリ組付構
造を提供するにある。

本考案の一実施例を図面によつて説明すると、
第１図において、ガイドレール１は、第２図にも
示される如く、その両側は折曲げられてレール部
１１，１２となされ、窓開閉に必要な適当な長さ
を有して自動車の扉（図示省略）の内部に固定部
１３によつて固着される。

前記ガイドレール１の平面部１４（第２図参
照）の外面に沿う如く窓ガラス４取付ける為のブ
ラケツト３が位置し、該ブラケツトに設けられた
数個のスライドシユー３１によつて前記レール部
に摺動可能にかつ離脱しないように装着してあ
る。

ガイドレール１に沿つて、ヘヤーピン状に曲折
された１本のワイヤ５が配設され、該ワイヤの１
個所に固定手段３２によつてブラケツト３が固定
されている。かつガイドレール１の一端部には第
３図、第４図に示されている如き枠状のプーリ組
付部材６が嵌着されている。

前記プーリ組付部材６には第５図にも示されて
いる如きプーリ７の両側に同心に設けられた軸７
１，７２が嵌め付けられうる前記ガイドレール１
の長手方向に長く正対させた一対の軸受窪６１，
６２が設けられている。一方の軸受窪６１側のガ
イドレール１の平面部１４には、軸受窪６１より
実質的に大なる切欠１６が設けてある。

この実施例では、ガイドレール１の平面部に設
けられた係合手段１５とプーリ組付部材６に設け
られた係合手段６３が互に係合しうる如く設けら
れ、かつ前記係合手段６３が設けられている部分
は第４図にも示されている如く適度の弾性をもた
せうるように適当に長くしてある。

ブラケツト３に設けられた穴で示した固着手段
３３は、ビス等によつて窓ガラス４を固着する為
の手段である。

本考案の作用と効果を説明すると、両端が駆動
装置に掛止されている（図示省略）ワイヤ５の曲
折部５′を、未だ扉に固着されていないガイドレ
ール１の一端部側に位置させ、ガイドレールの一
端部にプーリ組付部材６を嵌着させると、係合部
６３と係合部１５との係合によつて離脱しなくな
る。しかる後、ワイヤ５の曲折部５′をプーリ７
に掛けはめてからプーリ７の両軸７１，７２をプ
ーリ組付部材６の両軸受窪６１，６２に嵌め入
れ、そののち、ワイヤ５の緩みがないようにガイ
ドレール１の固定部１３によつて扉に固定する。
かくすることにより、ワイヤ５は遊びがなく駆動
装置によつて駆動され、ワイヤに固定手段３２に
よつて固定されているブラケツト３はＢ，Ｃ方向
に作動し、窓ガラス４を自由に開閉することがで
きる。

ワイヤ５は、ガイドレール１か前述の如く扉に
固定されるともはや緩まず、ワイヤによりＢ方向
に引張られているので、プーリ７がプーリ組付部
材６から離脱することなく、同時に、たとへ前記
係合手段１５と係合手段６３による係合がなくて
も、プーリ組付部材６がガイドレール１の一端部
から離脱することもない。

上述の如く、本考案はワイヤ５の曲折部５′を
極めて容易にプーリ７に掛けはめうると共に、プ
ーリ７のプーリ組付部材６に対する嵌め付けも従
来になく容易にでき、かつプーリの取替、或はプ
ーリからワイヤを離脱させることも従来になく容
易であるから、自動車の扉の窓開閉装置に用いて
極めて好適なプーリ組付構造である。

猶、プーリ組付部材６に設けた係合手段６３と
ガイドレール１に設けた係合手段１５との係合構
造は本考案の必須要件ではないが、窓開閉装置の
組立時にガイドレールからプーリ組付部材が離脱
することがないので、組立が容易になる便利があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例に係るものであつて、
第１図は窓開閉装置の要部の一部切欠正面図、第
２図は第１図Ａ−A′線におけるガイドレール１
とプーリ組付部材６の断面図、第３図はプーリ組
付部材６の正面図、第４図は第３図の側面図、第
５図はプーリ７の側面図、第６図は従来の窓開閉
装置の要部の正面図である。 １：ガイドレール、３：ブラケツト、３１：ス
ライドシユー、３２：固定手段、３３：固着手
段、４：窓ガラス、５：ワイヤ、５′：曲折部、
６：プーリ組付部材、６１，６２：軸受窪、７：
プーリ、７１，７２：軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プーリに掛けはめられヘヤーピン状に曲折させ
   た１本のワイヤの駆動によつて、窓ガラス取付用
   ブラケツトが適当長のガイドレールに沿つて摺動
   する形式の窓開閉装置において、前記ガイドレー
   ルの一端部にガイドレールの長手方向に長い一対
   の正対する軸受窪が設けられた略枠状のプーリ組
   付部材が嵌着され、前記軸受窪にプーリの両側面
   に設けられた同心の両軸を挿入嵌め付けるごとく
   なされたことを特徴とする窓開閉装置のプーリ組
   付構造。