JPS6135862Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は冷房及び暖房運転時に吸気と排気を同
時に行なわせて、冷房、暖房中の室内空気を換気
排出しながら熱回収し、且、換気冷房運転を単独
に行なわせるヒートポンプ式空気調和機に係わ
る。近年ビルデイング等気密性の良い建物では室
内空気の換気が必須要件となつて来たが、そうし
た換気を冷暖房運転中に熱回収しながら行なうペ
リメータゾーン設置のヒートポンプ式空気調和機
において、運転停止中、室外空気の流入を完全に
閉塞し、冷房時は室内熱量温度の上昇、暖房時は
室内熱量温度の降下等を軽減する構成のヒートポ
ンプ式空気調和機を得ることを目的とする。

従来、すでに考案されているペリメータゾーン
設置（スルーザウオール型式）のヒートポンプ式
空気調和機は、第１図に示すような構成となつて
いる。すなわち冷房時及び暖房時においては、全
熱交換器１に接して設けられるダンパーモータ２
並びにダンパ３，４は点線位置にあつて、ダクト
５を閉とし、外気吸込口６から入つた空気は矢示
Ａの如く、ダクト５の上下空間部を通つてクロス
に積層された全熱交換器１を通り、ダクト７を通
つて室内用フアン８により室内に吹出される。一
方、矢示Ｂによつて室内空気がダクト７を通つて
室内に吹出される。矢示Ｃは室内空気がダクト７
の上下空間部を通つて全熱交換器１を通り、多数
穴２を有するダンパー３（ダンパ４は平板状のも
の）を通り室外用フアン９によつて室外吹出口１
０より吹出される。一方矢示Ｄは外気吸込口６′
より入つた空気が室外用フアン９によつて室外吹
出口１０より吹出される。又、換気冷房運転時に
おいてはダンパ３，４が実線位置になり、矢示Ｅ
の如く外気吸込口６′より入つてダクト５を通
り、室内用フアン８によつて室内へ吹出され、一
方、室内空気は矢示Ｆの如く、室内空気排出口１
１より室外用フアン９によつて室外吹出口１０に
排出されて換気冷房を行なう。こうして従来は換
気冷房時と冷暖房時とにおいて、ダンパー３，４
の作動によつて空気の流通を構成していたが、ダ
ンパ３，４の位置が、換気冷房運転時の位置（実
線）冷暖房運転時の位置（点線）のいずれにおい
ても運転停止中は、ダンパ３に設けられた多数穴
１２より外気が室内側に流入するため、夜間等運
転停止中において特に暖房時における室内熱量温
度、即ち室温が降下すると共に、壁や物の負荷熱
量が増し、暖房の立上りが遅くなつていた。これ
は冷房時においても同じで、室温が上昇すると共
に、壁や物の負荷熱量が増して、全体の冷房負荷
を大きくする欠点を有していた。

本考案は上記従来の欠点を解消するもので、以
下にその実施例を第２〜３図にもとづいて説明す
る。図において、１５はヒートポンプ式空気調和
機の本体、１６はペリメータゾーンにある壁面、
１７は室内ユニツト室、１８は室内用フアン１
９、室内熱交換器２０を囲繞する如く設けられ仕
切板、２１はクロスに、交互に積層された公知の
全熱交換器で、室内ユニツト室の側方に設けられ
ている。２２はどちらも平板状のダンパ２３，２
４を有し、このダンパ２３，２４によつて室内ユ
ニツト室１７と、室外ユニツト室２５を区分けす
る如く設けられた両翼を有する第１ダンパーモー
タで、上記ダンパ２３，２４は冷房時及び暖房時
は実線位置に、換気冷房時は点線位置にそれぞれ
操作される。２６は第２ダンパーモータで、平板
状のダンパ２７，２８を有する。又、冷房時及び
暖房時は実線位置に、換気冷房時は点線位置にそ
れぞれ操作される。この室内ユニツト室１７に対
しては、外気流入口２９が設けられ、更には外気
流入口２９から入つた空気が導入される第１入口
３０と第２入口３１とが仕切板３２を介して分け
られている。一方、室外ユニツト室２５内には室
外用フアン３３、室外熱交換器３４が設けられて
いる。室外ユニツト室２５に対しては外気吹出口
３５が設けられている。３６は室内ユニツト室１
７側に設けられた室内空気を吸込む第１吸込口、
３７は同じく室内ユニツト室１７の室内側に設け
られた第２吸込口である。

上記構成において、冷房運転時及び暖房運転時
は第１ダンパーモータ２２が操作され、ダンパ２
３，２４が実線位置となり、又、第２ダンパーモ
ータ２６が操作されてダンパ２７，２８が実線位
置になる。この操作により、第１吸込口３６より
吸込んだ室内空気は室内フアン１９によつて室内
熱交換器２０を通り、室内吹出口３８より室内へ
吹出される流通路と外気流入口２９から第２入口
３１を通つて全熱交換器２１を通り、この時、第
２吸込口３７から入つた空気と熱交換をしながら
熱回収し、室内熱交換器２０を通つて室内吹出口
３８より吹出される流通路が構成される。一方室
内空気の一部が第２吸込口３７から全熱交換器２
１を経て、仕切板１８の裏側を通り、外気流入口
２９と、第１入口３０から流入した外気と合流し
て連通口４０を経て、外気吹出口３５より室外フ
アン３３によつて室外熱交換器３４を通つて外気
に吹出す流通路が構成される。次に換気冷房時時
は、第３図に示すように第１ダンパーモータ２２
の操作により、ダンパ２３が連通口４０を閉鎖
し、ダンパ２４が連通口３９を開放して室内空気
は第１吸込口３６より入つて室外フアン３３によ
り外気吹出口３５より室内空気を吹出す流通路
と、一方第２ダンパーモータ２６は連通口４１及
び連通口４２を閉鎖状態にしているから外気から
の空気流入と、室内からの空気排出は全熱交換器
２１を一切通らない。従つて外気流入口２９か
ら、第１入口３０を経て、仕切板１８の裏側を通
り、室内フアン１９によつて室内熱交換器２０を
通り、室内吹出口３８より外気を取入れ室内に吹
出す換気冷房の流通路が構成される。

このように本考案は全熱交換器２１を空気調和
機本体の側方に設け、この全熱交換器の通路にな
るところに第２ダンパーモータ２６を設け、空気
調和機本体の室内ユニツト室１７と、室外ユニツ
ト室２５を仕切る如く中央部に第１ダンパーモー
タ２２を設け、室内ユニツト室１７内に室内熱交
換器２０、室内フアン１９を囲繞し外気流入口２
９からの外気を流通させ、連通口４０を通つて外
気吹出口３５に向う流路及び連通口４０を閉鎖し
て外気を室内側に換気冷房するべく、室内吹出口
３８に向う流路とが構成され、冷暖房時は第２ダ
ンパーモータ２６の連通口４１，４２を開放し
て、室内空気と室外空気を全熱交換器２１におい
て流通交乂せしめて熱回収する流路が形成され、
換気冷房時は上記第２ダンパーモータ２６によつ
て連通口４１，４２を完全に閉鎖して外気の流入
を防いでいる。

従つて本考案は夜間等の運転停止中に、第１ダ
ンパーモータ２２のダンパー２３，２４を冷暖房
時の作動状態、即ち連通路３９を閉鎖し、連通路
４０を開放にすると共に第２ダンパーモータ２６
のダンパー２７，２８の換気冷房時の作動状態、
即ち連通口４１，４２の両方共に閉鎖するから外
気の室内流入を防止して、空気調和された室内温
度の変動を減少せしめ壁や物に対する負荷熱量も
減少し、特に暖房時においては外気流入による室
内温度の降下は大きいから、外気流入を防止する
ことによりその効果は大きく暖房の立上りを早め
るなどの効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のヒートポンプ式空気調和機の空
気流通系路を示す平面図、第２図は本考案の一実
施例におけるヒートポンプ式空気調和機の冷暖房
時における空気流通系路を示す構成平面図、第３
図は同空気調和機の換気冷房時の空気流通系路を
示す平面図である。 １５……ヒートポンプ式空気調和機の本体、１
７……室内ユニツト室、１８……仕切板、１９…
…室内用フアン、２０……室内熱交換器、２１…
…全熱交換器、２２……第１ダンパーモータ、２
５……室外ユニツト室、２６……第２ダンパーモ
ータ、３０……第１入口、３１……第２入口、３
４……室外熱交換器、３５……外気吹出口、３６
……第１吸込口、３７……第２吸込口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヒートポンプ式空気調和機の本体と、この本体
   の中央部に室内ユニツト室と、室外ユニツト室と
   に区分する如く両翼を有した第１ダンパーモータ
   と、前記室内ユニツト室の側方に全熱交換器と、
   室内用フアン及び室内熱交換器を囲繞する如く設
   けられた仕切板と、この仕切板と全熱交換器の近
   傍に両翼を有した第２ダンパーモータと、室内ユ
   ニツト室の室内側に室内空気吸込口となる第１吸
   込口、室内吹出口、全熱交換器を通して外気吹出
   口に吹出される第２吸込口とを有し、壁に対して
   は外気を流入し、外気吹出口に向う第１入口と、
   全熱交換器を通つて室内吹出口に向う第２入口
   と、前記第１入口から流入した外気が前記仕切板
   の裏側を通つて第１ダンパーモータの連通口を通
   り、室外熱交換器を介して室外に吹出される外気
   吹出口とを有し前記第１ダンパーモータ及び第２
   ダンパーモータをそれぞれ単独に運転操作して運
   転停止中は第１ダンパーモータは冷暖房時の操作
   位置に、一方第２ダンパーモータは換気冷房時の
   操作位置にして、外気の流入を防止したことを特
   徴とするヒートポンプ式空気調和機。