JPS6135461Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用無線通信アンテナの取付装置
に関する。

近年、夜行貨物便等のトラツクその他各種の自
動車において、業務用無線等のほか特に趣味とし
ての無線通信機器を装備することが多くなつてい
る。この場合の無線通信アンテナの取付方法の一
つとして運転台等の車体の天井部周縁、つまり車
体天井部と側部との境界部に有するヘムを利用し
て取付ける場合がある。

従来よりこの種アンテナの取付装置としては
種々のものが提案されているが、アンテナ立設方
向の設定はヘムに対する取付状態を変える以外に
調整できないものか、あるいは複雑な機構により
調整できるようにしたものでしかない。

本考案は、上記に鑑みて、きわめて簡単な構造
によつてアンテナを固定立設した台板部を折曲可
能にして、アンテナ方向の調整を容易かつ確実に
行なえるようなしたものであり、その実施例を図
面に基いて説明する。

図の１は自動車の車体、２は車体１の天井部の
周縁の側部との境界部分に有する雨水等の排水溝
を兼ねる所要幅の突出状のヘムであり、ヘム２は
図示のごとく側端部上部側に突縁３が設けられて
いる。

１０は上記ヘム２に対する取付部材であつて断
面略コ字形に一枚板より折曲形成されており、そ
の縦板部１１の上端から折曲延成された上板がア
ンテナ１２を固定立設できる台板部１３として形
成され、その略中央にアンテナ取付用孔１４が設
けられている。前記台板部１３における縦板部１
１との折曲境界部１５近傍には、例えば第１図〜
第３図の実施例のように両側端から内方へ延びた
切欠１６、または第４図のように所要数の孔状の
切欠１７、または第５図のような溝状の凹部１８
による断面積縮小部１９が前記折曲境界部１５に
沿つて設けられており、アンテナ１２を立設した
台板部１３が前記断面積縮小部１９から折曲調整
できるように構成されている。さらに図示する各
実施例の場合、台板部１３と縦板部１１とにそれ
ぞれ側端部から補強用の側板２０と２１とを折曲
延設し、この側板２０と２１を一部重合せしめる
とともに、この重合部分の内側になる一方の側板
２１にネジ孔２２を、他方外側の側板２０に断面
積縮小部１９を曲率中心とする弧状の長孔２３を
設け、台板部１３を断面積縮小部１９から折曲調
整した任意の位置でビス２４により固定できるよ
うに設けている。

なお、取付部材１０のヘム２に対する取付け構
造として、図示する実施例では、縦板部１１の下
端から折曲延成した下板部２５をヘム２の下面に
当接できるようヘム幅よりやや長く形成するとと
もに、該下板部２５のヘム２との当接部より縦板
部１１側の数個所に締付けボルト２６を貫挿でき
る貫通孔２７を設け、また前記取付部材１０とは
別に、断面略鉤形状をなしかつその側板２８の下
端２８ａをヘム２の突縁３より内側上面に当接係
合できるとともに上板２９の側端２９ａを前記取
付部材１０の縦板部１１に略直角に当接できる取
付部材３０を設け、さらに前記上板２９における
貫通孔２７との対応位置に締付けボルト２６が螺
合できるネジ孔３１を設け、取付部材１０の下板
部２５と取付部材３０の側板下端２８ａとの間に
ヘム２を挾着した状態で締付けボルト２６を貫通
孔２７に下方から貫挿してネジ孔３１に螺合し、
両取付部材１０，３０を締結できるようにしてい
る。このほか種々の取付構造による実施が可能で
ある。

また台板部１３に対するアンテナ１２の固定立
設手段としては、図示のように台板部１３に有す
る取付用孔１４にアンテナ１２の基部を嵌挿して
締付けナツト等で締着固定するほか種々の実施が
可能である。

本考案は、上記のように自動車の車体ヘム２に
対する取付部材１０の縦板部１１に折曲延成した
台板部１３と縦板部１１との折曲境界部１５近傍
に切欠または凹部による断面積縮小部１９を設け
てあるので、台板部１３および折曲境界部１５が
人的手段では容易に折曲できない程の強度を保有
するものであつても、前記断面積縮小部１９から
は折曲可能となつており、従つてアンテナ１２を
固定立設した台板部１３をヘム２に対する取付け
後に折曲調整でき、アンテナ１２の方向等を設定
できる。殊に自動車の種類によつて、ヘム２が水
平のものもあれば傾斜しているのもあつて取付部
材１０の取付状態、つまり縦板部１１の立設状態
が異なるが、本考案の場合このように取付状態が
異なつても、台板部１３をアンテナ１２の立設状
態が最適なるよう容易に折曲調整できるものであ
る。

さらに上記調整後に台板部１３を側板２０，２
１の重合部分でのビス止め手段等により固定すれ
ば、最良のアンテナ立設状態を安定よく保持でき
るものである。

このように本考案は、トラツク等の自動車に業
務用あるいは趣味としての無線通信機器を装備す
る場合のアンテナ取付装置としてきわめて好適で
実用的なものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであり、第１図
は斜視図、第２図は取付状態の斜視図、第３図は
同断面図、第４図および第５図はそれぞれ他の実
施例を示す一部の斜視図である。 １……車体、２……ヘム、３……突縁、１０…
…取付部材、１１……縦板部、１２……アンテ
ナ、１３……台板部、２５……下板部、２６……
締付ボルト、３０……取付部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ アンテナ１２を固定立設できる台板部１３を
   自動車車体のヘムに対する取付部材１０の縦板
   部１１の上端より折曲延成してなり、台板部１
   ３と縦板部１１との折曲境界部１５近傍に切欠
   １６，１７または凹部１８等による断面積縮小
   部１９を設け、台板部１３を前記断面積縮小部
   １９から折曲調整できるようなしたことを特徴
   とする自動車用無線通信アンテナの取付装置。 ２ 台板部１３と縦板部１１とが、それぞれの側
   端部から折曲延設された側板２０と２１とを重
   合して該重合部分で任意にビス止め固定できる
   ように設けられた実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の自動車用無線通信アンテナの取付装
   置。