JPS6135392B2 - - Google Patents

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JPS6135392B2
JPS6135392B2 JP56012425A JP1242581A JPS6135392B2 JP S6135392 B2 JPS6135392 B2 JP S6135392B2 JP 56012425 A JP56012425 A JP 56012425A JP 1242581 A JP1242581 A JP 1242581A JP S6135392 B2 JPS6135392 B2 JP S6135392B2
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JP
Japan
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suction
compressor
blade chamber
refrigerant
vane
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Application number
JP56012425A
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English (en)
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JPS57126590A (en
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Teruo Maruyama
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication of JPS6135392B2 publication Critical patent/JPS6135392B2/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C28/00Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids
    • F04C28/18Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids characterised by varying the volume of the working chamber
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C28/00Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids
    • F04C28/24Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids characterised by using valves controlling pressure or flow rate, e.g. discharge valves or unloading valves

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は特にカーエアコン等に使用するベーン
形圧縮機に関するものである。 本発明の説明に先立ち、まず、スライデイング
ベーン式のカークーラー用ロータリー圧縮機につ
いて説明する。 一般のスライデイングベーン式の圧縮機は、第
1図に示す様に、内部に円筒空間を有するシリン
ダ1と、この両側面に固定され、シリンダ1の内
部空間である羽根室2をその側面において密閉す
る側板(第1図では図示せず)と、前記シリンダ
1内に偏芯して配置されるロータ3と、このロー
タ3に設けた溝4に摺動可能に係合されたベーン
5より構成される。6は側板に形成れた吸入孔、
7はシリンダ1に形成された吐出孔である。ベー
ン5は、ロータ3の回転に伴い、遠心力によつて
外側に飛出し、その先端面がシリンダ1の内壁面
を摺動しつつ、圧縮機のガスの漏洩防止を計つて
いる。 この様なスライデイングベーン式のロータリー
圧縮機は構成が複雑で、部品点数の多いレシプロ
式の圧縮機と比べ、小型シンプルな構成が可能で
あり、近年、カークーラー用の圧縮機に適用され
〓〓〓〓〓
るようになつた。しかし、このロータリー式はレ
シプロ式と比べて次の様な問題点があつた。 すなわち、カークーラーの場合、エンジンの駆
動力は、ベルトを介してクラツチのプーリーに伝
達され、圧縮機の回転軸を駆動する。したがつ
て、スライデイングベーン式の圧縮機を用いた場
合、その冷凍能力は車のエンジンの回転数に比例
してほぼ直線的に上昇してく。 一方、従来から用いられているレシプロ式のコ
ンプレツサを用いた場合は、吸入弁の追従性が高
速回転時においては悪くなり、圧縮ガスを十分に
シリンダ内に吸入出来ず、その結果、冷凍能力は
高速時においては飽和してしまう。つまり、レシ
プロ式では、高速走行時においては冷凍能力の抑
制作用が自動的に働くのに対してロータリー式で
はその作用がなく、圧縮仕事の増大によつて効率
を低下させ、あるいは過冷却(冷え過ぎ)の状態
になる。ロータリー圧縮機の前述した問題点を解
消させる方法として、ロータリー圧縮機の吸入孔
6に通ずる流通路に流通路の開口面積が変化する
電磁制御バルブを構成し、高速回転時に開口面積
を絞ることにより、その吸入損失を利用て能力制
御を行う方法が従来から提案されている。但し、
この場合、上記電磁バルブと別途附加せねばなら
ず、構成が複雑化し、コスト高となる問題点があ
つた。ロータリー圧縮機の高速時の能力過多を解
消する他の方法として、流体クラツチ、遊星歯車
等を用いて回転数を一定以上は増速させない構造
が従来から提案されている。 しかし、例えば、前者は相対移動面の摩擦発熱
によるエネルギーロスが大きく、後者は部品点数
の多い遊星歯車機構を附加することにより寸法形
状も大型となり、省エネルギー化の動向によつて
増々シンプル化、コンパクト化が要求されている
昨今において、実用化は難しい。 カークーラー用冷凍サイクルのロータリー化に
ともなう前述した問題を解消するために本発明者
らは、ロータリー圧縮機を用いた場合の羽根室圧
力の過渡現象の詳細な検討結果により、ロータリ
ー圧縮機の場合でも、その吸入孔面積、吐出量、
羽根枚数等のパラメータを適切に撰択、組合せる
ことにより、従来のレシプロ式同様に、高速回転
時における冷凍能力の自己抑制作用が効果的に働
くことを見い出しており、既に、特願昭55−
134048号(特開昭57−70986号)で出願中であ
る。 上記出願の発明では、ロータとシリンダ間が、
他と比べて最も近接している部分をシリンダ・ト
ツプ部とするベーン形圧縮機において、ロータの
回転中心とし、前記シリンダトツプ部から前記ベ
ーンのシリンダ側の端部までの角度をθラジア
ン、吸入行程終了時の前記角度θラジアンの値を
θsラジアン、吸入行程終了時の前記角度θsラ
ジアンのときの前記羽根室の容積をV0CC、エバ
ポレータから前記羽根室に至る吸入流通路の前記
角度θラジアンの時の有効面積をa(θ)cm2、重
み平均を =∫〓 θ2a(θ)dθ/∫〓 θ2dθ としたとき、パラメータθs/V0を 0.025<θs/V0<0.080の範囲となるようベ
ーン形圧縮機を構成したものであり、上記発明か
ら見い出される条件下で圧縮機を構成すれば、低
速時では吸入圧力の損失を極力小さくすることが
出来、高速時でのみ、有効な圧力損失が発生する
ため、従来のロータリー圧縮機に何ら附加しない
シンプルな構成で、効果的な能力制御が実現出来
るものである。 しかしながら、たとえば、車両を炎天下で長時
間放置、スタートさせる様な場合、車内温度が定
常状態に達するまでは能力の抑制作用は必要でな
く、むしろ、過剰の冷凍能力(クールダウン特
性)を有する方が好ましい。 本発明は、カーエアコンシステムにおける上記
要望に答えるものであり、車両の通常の走行状態
においては、圧縮機を構成するパラメータの適正
な選択によつて冷凍能力が効果的に抑制され、前
述した過渡的な状態の場合は、上記圧縮機の能力
抑制作用を解除させることにより、急峻なクール
ダウン特性を得ることが出来るベーン形圧縮機を
提供することを目的とするものである。 上述の目的を達成するために、本発明において
は、ベーン形圧縮機において、吸入孔と連絡した
流通路に設けられた冷媒温度を検出してエバポレ
ータから前記羽根室に至る吸入流通路の有効面積
を変化させるバルブを有し、このバルブの開状態
では、閉状態に比べ前記有効面積が大なる値をと
るよう構成すると共に、前記バルブの閉状態にお
いては、前記ロータと前記シリンダ間が、他と比
〓〓〓〓〓
べて最も近接している部分をシリンダ・トツプ部
とし、ロータの回転中心を中心とし、前記シリン
ダトツプ部から前記ベーンのシリンダ側の端部ま
での角度をθラジアン、吸入行程終了時の前記角
度θラジアンの値をθsラジアン、吸入行程終了
時の前記角度θsラジアンのときの前記羽根室の
容積をV0CC、前記バルブの閉状態でのエバポレ
ータから前記羽根室に至る吸入流通路の前記角度
θラジアンの時の有効面積をa1(θ)cm2、重み平
=∫〓 θ2a1(θ)dθ/∫〓 θ2dθ としたとき、パラメータθs/V0を 0.025<θs/V0<0.080の範囲となるようベ
ーン形圧縮機を構成し、バルブの開閉状態により
能力抑制作用を制御するようにしたものである。 以下、本発明の実施例について説明する。 以下、実施例として、2ベーンタイプのスライ
デイングベーンコンプレツサに本発明を適用した
場合について説明する。 第2図は、本発明の一実施例を示す圧縮機の正
面断面図(第3図のAA断面図)、第3図は側面
図である。 11はシリンダ、12は低圧側羽根室、13は
高圧側羽根室、14はベーン、15はベーンの摺
動溝、16はロータ、17は吸入孔、18はシリ
ンダ11の内壁面に形成された吸入溝、19は吐
出孔である。 第3図及び第4図において、20は側板である
フロントパネル、21はリアーパネル、22は回
転軸、23はリアーケース、24は回転軸22に
固着する側のクラツチのデイスク、25はプーリ
ーである。200はヘツドカバー、201はベー
ンカバー200に形成されたヘツド筒部、202
は前記筒部201内に収納された形状記憶合金に
よるコイルバネ、203は吸入側スプールヘツ
ド、204は軸、205はリアーケース側スプー
ルヘツド、206はリアーケース筒部、207は
リアーケース側筒部206に収納されたバイアス
バネ、211はヘツドカバー200にネジでもつ
て固定されるバネ押え、208は吸入配管継手で
ある。203,204,205,202,20
7,211で吸入冷媒の温度を検出して、吸入流
通路の有効面積を制御するバルブを構成してお
り、203,204,205が前記バルブのスプ
ール209に相当する。また、212は上部流通
路、210はバルブ流通路、213は下部流通路
であり、上記212,210,213,17,1
8で吸入配管継手208から羽根室12に致るま
での冷媒の流通路を形成している。 本実施例においては、温度に対応して伸縮する
形状記憶合金によるコイルバネ202を、バイア
スバネ207と対向させて設置させることによ
り、スプールの位置を規制し、冷媒の吸入温度の
変化によつて冷媒流量を制御している。 さて、実施例における圧縮機は下記の条件で構
成されたものである。
【表】 表1における吸入条件とは、下記の場合を示す。 吸入条件()…車両の定常走行状態 吸入条件()…車両が走行開始直後の状態 吸入条件()は、実施例では、吸入冷媒温度:
Aが−5℃<TA<15℃の範囲に設定した。 第4図ロは、上記吸入条件()の場合のバル
ブの状態を示すもので、吸入冷媒の温度が低いた
めに、形状記憶合金によるコイルバネ202は伸
長した状態にある。 圧縮バネ207は圧縮された状態でバルブ内に
収納されているが、圧縮バネ207のバネ さ
は、前記コイルバネ202よりも十分に弱いため
に、スプール209は右方に移動し、バルブ流通
路210は図のごとく、絞られた状態になる。 実施例では、上記条件で、能力制御が適切に行
なわれる様に、圧縮機の各パラメータを構成した
が、詳細については後で述べる。 〓〓〓〓〓
吸入条件()は、前述した様に、車両が炎天
下放置後走行を始めて、5分〜10分以内の過渡的
な状態を示す。 第5図イは、上記吸入条件()の場合のバル
ブの状態を示し、吸入冷媒の温度が高いために、
形状記憶合金によるコイルバネ202は収縮した
状態にある。そのため、圧縮バネ207の作用に
より、スプール209は左方へ移動する。 すなわち、吸入冷媒温度が高いときは、バルブ
流通路210は、図イのごとく開放された状態と
なり、高速走行時においても、冷媒を羽根室に十
分供給出来るために、冷凍能力はほとんど抑制さ
れない。 本実施例で用いた形状記憶合金とは、ある温度
で塑性変形をうけた材料を、材料に固有な臨界点
以上に加熱すると、この高い方の温度で保有して
いた形状に戻つてしまう現象を示す公知の合金を
示す。 すなわち、変形を行う温度がマルテンサイト変
態開始温度以下、加熱温度が逆変態完了温度以上
で変態したマルテンサイト組織が母相に可逆的に
復帰することによつて、形状記憶効果が生ずるも
のである。 したがつて、第4図の構成の場合、形状記憶合
金によるコイルバネ202は、高温下(15〜20℃
程度であり逆変態完了温度以上)で、最も収縮し
た状態に成形したものである。 形状記憶合金は、熱弾性型と規則格子型の2種
類あるが、熱弾性型はマルテンサイト変態開始温
度と逆変態開始温度差が、数10℃と小さく、カー
クーラー用冷凍サイクルの吸入冷媒の流量を、極
めて適切に制御することが出来た。 さて、上記パラメータで構成された本圧縮機の
回転数に対する冷凍能力の測定結果は、第7図の
様であつた。 但し、上記測定結果は、2次冷媒式カロリーメ
ーターを用いた。表2の条件下におけるものであ
る。
【表】 特性曲線:イは冷凍能力の損失がない場合の理論
吐出量から決さる冷凍能力を示す。ロは従来のロ
ータリー圧縮機の冷凍能力の特性の一例を示し、
これは、吸入有面積が十分に大きく形成された場
合(例えば表1の吸入条件()に相当する。 ハは従来のレシプロ式圧縮機の一例、ニは本発
明からなる圧縮機が、表1における吸入条件
()に設定されている場合を示す。 第8図は本圧縮機が吸入条件()に筋定され
た場合の体積効率:ηvの測定データである。 実施例の圧縮機は、第7図ニで示される様な、
理想的な冷凍能力特性を示し、ロータリー式は高
速時において能力過多になるという従来の常識と
はは異なるものであつた。すなわち、 (i) 低速回転においては、吸入損失による冷凍能
力の低下は僅少であつた。 第8図から、ω=1400rpm以下で体積効率の
低下がみられるが、これは摺動可能部の冷媒の
漏れに起因するものである。 冷凍能力の自己抑制作用のあるレシプロ式は
低速回転において吸入損失が僅少である事を特
徴とするが、ロータリー式の本圧縮機は、レシ
プロ式と比べても遜色のない特性が得られた。 (低速回転ではロ、ハ、ニは一致する) (ii) 高速回転においては、従来のレシプロと同等
以上の冷凍能力の抑制効果が得られた。 (iii) 制効果が得られるのは、1800〜2000rpm程度
以上に回転数が上昇した場合であり、カークー
ラー用圧縮機として用いた場合、理想的な省エ
ネルギー、好フイーリングの冷凍サイクルが実
現出来た。 上記(i)〜(iii)の結果は、カークーラー用冷凍サイ
クルにとつて理想的とも言えるものである。圧縮
機の吸入行程におけるポリトロープ変化に際し
て、吸入圧力が低く、比重量が小さい程、羽根室
〓〓〓〓〓
冷媒の総重量が小さく圧縮仕事が小さい。したが
つて、回転数の増大にともなつて、圧縮行程の手
前で冷媒重量の低下を自動的にもたらす本圧縮
機、高速回転時において、必然的に駆動トルクの
低下をもたらすことになる。 従来、過冷却防止のために、制御バルブを圧縮
機の高圧側と低圧側に連結し、随時上記バルブを
開放状態にさせることにより、高圧側冷媒を低圧
側羽根室に帰還させて能力制御を行う方法が、例
えばルーム用エアコンの冷凍サイクルで実用化さ
れている。しかし、この方法では、低圧側で再膨
張する冷媒の帰還量の分だけ圧縮損が発生し、効
率の低下をもたらすという問題点があつた。 カークーラー用圧縮機は、吸入条件()の状
態で使用される頻度が吸入条件()の場合と比
べて高く、それゆえ、前記圧縮損となる様な無駄
な機械仕事を行なわないで能力制御が達成できる
本圧縮機によつて省エネ、高効率の冷凍サイクル
を実現することが出来る。 第7図ロの実測データに示す様に、従来のロー
タリー圧縮機は、回転数に比例して冷凍能力が直
線的に増加する特性を示すが、従来ロータリー式
の短所と考えられた上記特性は、本発明では逆に
長所に転換される。 すなわち、高速回転において、吸入条件()
で実現される過剰の冷凍能力により、すぐれたク
ールダウン特性を得ることが出来る。 圧縮機においては、大流量の冷媒(例えば、Q
=86c.c./rev)が循環するが、ストロークの大き
な形状記憶合金を用いた本実施例では、第4図の
ごとく流体径路を大きくとることが出来るため、
能力制御が必要とされない場合(吸入条件
())の吸入損を僅少とすることが出来た。ま
た、形状記憶合金の様な感温材料を用いた実施例
では、吸入部にエバポレータの出口温度を出し
て、自から作動する温度アクチエータを構成して
いるが、従来のロータリー圧縮機と比べて、部品
点数は数点(202,207,211,209)
増すだけである。 すわち、小型、軽量でシンプルな構成が可能な
ロータリー式圧縮機の特徴をほとんど失うことな
く、能力制御付及び上記能力制御の解除がはかれ
る圧縮機を提供することが出来るのである。 前述した様に、実施例では吸入条件()にお
いて適切な能力制御がなされる様に圧縮機を構成
したが、以下、それについて詳しく説明する。 表1におけるベーン先端の吹込終了回転角度:θ
sを下記の様に定義する。 すなわち、第5図において、26aは羽根室
A、26bは羽根室B、27はシリンダ11のト
ツプ部、28aはベーンA、28bはベーンB、
29は吸入溝端部である。 ロータ16の回転中心を中心とし、シリンダの
トツプ部27に、ベーン先端が通過する位置をθ
=0とし、前記θ=0を原点として、ベーン先端
の任意の位置における角度をθとする。羽根室A
26aに着目すれば、第5図イはベーン28aが
吸入孔17を通過した直後であり、吸入行程が開
始された直後の状態を示している。羽根室A26
aには吸入孔17から直後に、また、羽根室B2
6bには吸入溝18を通つて冷媒が矢印のごとく
供給される。 第5図ロは、羽根室26aの吸入行程が終了す
る直後の位置を示し、ベーンB28bの先端部は
吸入溝端部29の位置にある。この時点で、ベー
ンA28aとベーンB28bで仕切られる羽根室
A26aの容積は最大となる。 また実施例では、シリンダ11の内壁面に形成
する吸入溝18を第6図の様に形成した。ベーン
28aの先端が第5図イのごとく、吸入溝18を
通過するとき、吸入配管(図示せず)から羽根室
B26bに到るまでの流体径路の断面積の中で、
条件()の場合におけるバルブ流通路210の
面積が最小となる様に吸入溝、吸入孔及び制御バ
ルブを形成した。 すなわち、吸入溝面積:S1=e×としたと
き、S1>a1となる様に、吸入溝を十分深くシリン
ダ内壁に形成した。 以下、本発明の重要なポイントである冷媒圧力
の過渡現象を詳細に把握するため行つた特性解析
について述べる。 羽根室圧力の過渡特性は、次の様なエネルギー
方程式によつて記述出来る。 Cp/AGTA−PadVa/dt+dQ/dt=d/d
t(Cv/Aγa Va Ta) 1式 上記1式において、G:冷媒の重量流量、
Va:羽根室容積、A:仕事の熱当量、Cp:定圧
〓〓〓〓〓
比熱、TA:供給側冷媒温度、k:比熱比、R:
気体定数、Cv:定積比熱、Pa:羽根室圧力、
Q:熱量、γa±羽根室冷媒の比重量、Ta:羽
根室冷媒の温度である。また、以下2式〜4式に
おいて、a:吸入孔有効面積、g:重力加速度、
γA:供給冷媒の比重量、Ps:供給側冷媒圧力で
ある。 1式において、左辺第一項は吸入孔を通過して
単位時間に羽根室にもちこまれる冷媒の熱エネル
ギー、第二項は冷媒圧力が単位時間に外部に対し
てなす仕事、第三項は外壁を通して外部から位時
間に流入する熱エネルギーを示し、右辺は系の内
部エネルギーの単位時間の増加を示す。冷媒が理
想気体の法則に従うものとし、圧縮機の吸入行程
は急速であるために、断熱変化とすればdQ/d=0 である。また冷媒は理想気体の法則に従うものと
すればγa=Pa/RTaであり、1式から次式が
得られる。 G=dVa/dt(A/CpT+1/kRT)Pa
+Va/kRT dPa/dt2式 また、1/R=A/Cp+1/kRの熱力学の関係式を
用いれば G=1/PT・dVa/dt・Pa+Va/kRT
dPa/dt3式 吸入孔を通過する冷媒の重量流量はノイズの理
論が適用出来 したがつて、3式、4式を連立させて解くこと
により、羽根室圧力:Paの過渡特性が得られ
る。 但し、上記羽根室の容積:Va:(θ)は、m
=Rr/Rcとして V(θ)=bRc/2{(1−m2)θ+(1+m)
/2sin2θ −(1−m)sinθ ×√1−(1−)2 2−sin-1〔(1−
m)sinθ〕}+△V0<θ<πのとき、Va(θ)=
V(θ) π<θ<θsのとき、Va(θ)=V(θ)−V
(π−θ) 5式 上記:△V(θ)、ベーンがロータ中心に対し
て偏芯れて配置されていることによる補正項であ
るが、通常1〜2%のオーダーである。△V
(θ)=0の場合と第8図に示す。 第10図は、3式〜5式及び表1、表2の条件
を用いて、t=0、Pa=Psの初期条件のもと
に、回転数をパラメータとして、羽根室圧力の過
渡特性を求めたものである。また、カークーラー
用冷凍サイクルの冷媒は通常R12を用いるた
め、k=1.13,R=668Kg・cm/〓Kg,γA=16.8
×10-6Kg/cm3,TA=283〓として解析を行つた。 第10図において、低速回転時(ω=
1000rpn)では、吸入行程の終了する手前:θ=
260゜附近で、既に羽根室圧力:Paは、供給圧:
Ps=3.18Kg/cm2adsに到達しており、吸入行程終了
時における羽根室圧力の損失は生じない。回転数
が高くなると、羽根室の容積変化に冷媒の供給が
追いつかず、吸入行程終了時(θ=270゜)にお
ける圧力損失は増大していく。例えば、ω=
4000rpmでは、供給圧:Psに対する圧力損失:
△P=1.37Kg/cm2であり、吸入冷媒総重量の低下
をもたらすため、大幅に冷凍能力が抵下すること
になる。 さて、羽根室の容積、Vaを求める(5式)を
用いる代りに、次の様な近似関数を用いて(3
式)(4式)を整理し、各パラメータを能力制御
効果の相函を把握する方法を提案する。 V0を冷媒の最大吸込容積、かつ、 =Ωt=(πω/θs)tとして、角度θを
に変換する。 このとき、は0からπまで変化し、t=0で
Va(0)=0,Va′(0)、かつ、吸入行程が終了
するt=θs/ωでVa′(π)=V0,Va′(π)=0
なる近似関数として例えば、6式を選ぶ。 Va()≒V/2(1−cos) 6式 また、η=Pa/Psとおけば、 G=ΩV/2 Ps/RT{sin・η+1/k(
1−cos) dη/d} 7式 4式は、 〓〓〓〓〓
したがつて、上記7式、8式から K1f(η)=sin・η+1/k(1−cos)dn/
d9式 K1は以下示す様な無次元量となり K1=2aθs/V0πω・√2A 10式 スライデイングベーン式の圧縮機の場合、Vthを
理論吐出量、nを羽根枚数とすれば、通常、Vth
=n×V0であり、10式次の様になる。 K1=2aθsn/Vthπω√2A 11式 上記9式において、比熱比:kは冷媒の種類の
みで決まる定数であり、したがつて、K1の一定
の条件下では、9式の解、η=η()は、常に
一義的に決定れることになる。 つまり、K1が等しく構成される圧縮機におい
ては吸入行程終了時における羽根室圧力の損失は
等しく、損失がない場合得られる冷凍能力:T
Kcalに対して、同一の割合で能力制御が働くこ
とになる。 さて、吸入行程終了時における羽根室圧力を
Pa=Pasとしたとき、圧力降下率:ηpを次の様
に定義する。 ηp=(1−Pas/Ps)×100 12式 第11図は、再度、K2=aθs/V0なるパラメータ を定義し、△T=10degをスーパーヒートとし
て、TA=283〓の条件下で圧力降下率:ηpを求
めたものである。 第11図から分ける様に、圧縮機のパラメータ
を適切に設定することにより、低速回転時におい
ては圧力損失が極力小さく、高速時のみ圧力損失
を有効に発生させるとが出来る。そのときの回転
数に対する圧力損失の特性は、低速時において、
不感帯とも言うべき領域を有し、この不感帯の存
在が本ロータリー圧縮機において、能力制御をよ
り効果的にする最も重要なポイントである。 さて、表1の実施例から、上記パラメータ:
K2を求めると、K2=0.450×4.71/43=0.04
93とな る。 第11図から、上記K2の値における、例えば
ω=3000rpmでの圧力降下率を求めると、ηp=
15%である。圧力の降下率は冷凍能力の降下率に
概略等しいと考えてよく、第6図の実験結果で
は、冷凍能力の降下率は、16.0%であり、よい近
似を示すことが分かる。 さて、圧縮機の実車走行テストの結果、カーク
ーラー用冷凍サイクルにとつて、実用上十分な性
能が得られる能力制御の効果は、例えば、次の様
であつた。 (i) ω=1800rpmにおいて、冷凍能力の降下率
(圧力損失)は5%以下のこと。 (ii) ω=3600rpmにおいて、冷凍能力の降下率は
10%以上のこと。 上記(i),(ii)を満足するK2の範囲は、 0.040<K2<0.075 13式 したがつて、上記13式を満足する様に圧縮機の
パラメータ、a,θs,n,Vthを構成すれば、
上記(i),(ii)の性能を有する能力制御付圧縮機が実
現出来る。但し、13式は、冷媒温度:TA=283〓
の条件下による場合得られるK2の値であり、上
記TAの設定いかんで、13式の範囲は若干異なつ
てくる。 カークーラー用冷凍サイクルに、フロントR1
2を用いた場合、冷媒の蒸発温度:TAは、以下
述べる様な点を考慮して設定される。 エバボレータの熱交換量は、外部空気と循環冷
媒の温度差が大きい程大きいため、冷媒温度:T
Aは低い程よい。但し、冷媒温度が空気中の水分
の氷結点以下となると、配管に空気中の水分が氷
結し、熱交換率を著しく低下させる。そのため、
冷媒が通常、上記氷結点以上の温度になる様に冷
凍サイクルを構成するのが好ましく、流動する空
気の場合、TA=−5℃近傍がベストであり、実
用上許容出来るところで、TA=−10℃程度が限
界である。冷媒の蒸発温度は熱交換条件の悪い低
速走行やアイドリング時に高くなる。熱交換量は
ブロアの風量を増すか、エバポレータの表面積を
増せば増加するが、車輛に組み込む際の実用上の
制約から限界がある。そのため、冷媒温度の上限
値はTA=10℃程度が実用上の限界であり、TA
5℃程度に押えられるならば、より好ましい。 したがつて、実用上支障のない範囲で冷凍サイ
〓〓〓〓〓
クルを構成するためには、 −10℃<TA<10℃ 14式 参考に、このときの冷媒供給圧力:Psは 2.26Kg/cm2bs<Ps<4.26Kg/cm2abs 15式 さらに、14式のTAにスーパーヒート:△T=
10degを見込むと、 0℃<TA<20℃ 16式 したがつて、16式から、例えば13式で決めた
K2の範囲が補正出来、K2の上限値は1.8%大き目
に下限値は1.7%小さ目になる様に補正するだけ
でよい。 さて、本発明における吸入有効面積とは、下記
の様なものである。 エバポレータ出口から、圧縮機の羽根室に致る
までの流体経路の中で、その断面積が最小となる
個所があれば、その断面積に縮流係数:C=0.7
〜0.9を乗じた値から、吸入有効面積:aの概略
値が把握出来る。但し、厳密にはJIS B8320等で
用いられる方法に準じて下記の様な実験から得ら
れる値を吸入有効面積:aと定義する。 第12図は、その実験方法の一例を示すもの
で、100は圧縮機、101は車輛に実装する際
にエバポレータから圧縮機の吸入孔に連結するパ
イプ、102は高圧空気供給用パイプ、103は
上記両パイプ101,102を連結するためのハ
ウジング、104は熱伝対、105は流量計、1
06は圧力計、107は圧力調整弁、108は高
圧のエアー源である。 第12図の一点鎖線:Nで包まれる部分が、本
発明の対称となる圧縮機に相当するものである。
但し、上記実験装置において、エバポレータ内部
に流体抵抗として無視出来ない絞り部分があれ
ば、それに相当する絞りを、上記パイプ101に
附加する必要がある。 さて、例えば、第2図で示す様な構造の圧縮機
の吸入有効面積:aを測定する場合は、クラツチ
のデイスク及びプーリー24,25をとりはず
し、フロントパネル20をシリンダ11からとり
はずした状態で、吸入条件(),()のいずれ
かになる様にスプール209の位置を設置して実
験を行なえばよい。 高圧空気源の圧力をP1Kg/cm2abs、大気圧をP2
=1.03Kg/cm2abs、空気の比熱比:k1=1.4、比重
量:γ、重力加速度:g=980cm2/sec2として
上記条件下で得られる重量流量をG1とすれば下
記の様に吸入有効面積:aが得られる。 但し、0.528<P2<P1<0.9の範囲になる様に高
圧:P1を設定する。 さて、パラメータK2が各種異なる圧縮機を塔
載した実車走行テストの結果は、次の様であつ
た。
【表】 第7図の実験データは、吸入圧:Ps、吐出圧
Pdが一定の条件の場合であるが、実車走行の場
合は、高速回転時において、吸入圧は減少し、吐
出温度が上昇する。 その結果、能力制御御がない場合は、圧縮比の
増大によつて、圧縮仕事(トルク)が増大するだ
〓〓〓〓〓
けではなく、吐出温度が高いため、コンデンサに
過負荷をきたし、最悪はクーラーの破損に致る。
コンデンサが大きい程、過負荷に対する余裕が増
すため、必然的に大きなコンデンサが塔載出来る
大型車程、圧縮機の過大な冷凍能力に対する余裕
度は大きいと言える。 表3の結果から、排気量の違いによる車種の選
択も見込んで、本発明が実用上、効果的に適用出
来る範囲は、0.025<K2<0.080であつた。 Π 吸入有効面積が吸入行程中変化する場合 以上、吸入流通路の羽根室へ通ずる有効面積が
吸入行程中一定とみなされる場合について、実施
例をあげて説明してきた。しかし、例えば、吸入
流通路の羽根室開口部がベーン走行方向で長く形
成され、ベーンの走行位置による前記開口部の有
効面積の変化が無視出来ない場合は、前述したパ
ラメータ:K1及びK2による整理は出来ない。な
ぜならば、9式においてK1がの関数となるた
め、ηは0<<πの範囲で、K1()によつ
て任意に変わり得るからである。 例えば、第1図の様に、側板(リアプレート)
に吸入孔6を有する圧縮機の場合は、ベーン5が
前記吸入孔6上を通過する吸入行程の最終段階に
おいて、羽根室へ通ずる有効面積は先細りの傾向
となる。 あるいは、第13図に示す様に、シリンダ内面
に吸入溝56及び吸入孔54を有し、かつ、吸入
溝56の幅:eと深さfと溝個数で決まる有効面
積:S1が前記吸入孔54よりも小さ目に形成され
ているときは、吸入行程後半において、吸入流通
路の有効面積は絞られることになる。(記号e,
fは第6図参照) 第13図において、50はロータ、51はシリ
ンダ、52はベーン、53は羽根室、54は吸入
孔、55は吐出孔、56は吸入溝である。 第13図の様な吸入溝形状が圧縮機の特性上、
許容出来るならば、ツール径の分だけ、断面の曲
面を見込むことが出来るため、量産加工上有利で
ある。 この様に、一般の圧縮機においては、加工上あ
るいは全体構成上の配慮等から、吸入行程中、吸
入流通路の有効面積が大きく変化する場合が多々
有り、以下、本発明の適用について述べる。 (i) 吸入流通路が前半において閉じられる場合、
吸入流通路が吸入行程の前半の一区間におい
て、第14図イのごとく閉じられる場合、すな
わち羽根室への冷媒の供給が遮断された場合に
冷媒の最終到達圧力に与える影響の大きさにつ
いて考察する。そのため、10式における有効面
積:a(θ)以外のパラメータを、表1、表2
の条件に設定し、かつ、回転数:ω=3600rpm
として、以下述べる様な数値実験を行つた。 第15図は、第14図イの吸入流通路が遮断
される区間(a(θ)=0の区間)をθとし
たとき、θ/θsに対する圧力降下率:ηp
を求めたものである。 0<θ/θs<0.5では、吸入流通路の有
無は最終到達圧力にほとんど影響を与えない。
つまり、吸入行程終了時における圧力降下率:
ηpは、前半における吸入流通路の開閉状態、
あるいは大小に関係なく、後半の吸入孔面積:
a(θ)=0.78cm2のみで決定されることが分か
る。 第16図は上記結果の具体例である過渡特性
を比較したもので、吸入流通路面積が全行程中
一定の場合(図中イ)と、0<θ/θs<0.37
の区間閉じられている場合(図中ロ)を示す。
図中ロの場合、羽根室圧力:Paは、流通路が
閉じらている区間では大きく降下するが、流通
路が開放されると急速に復帰し、吸入行程の終
了する時点:θs=225゜では両者(図中イ、
ロ)にほとんど差はなくなることが分かる。 (ii) 吸入流通路が後半において閉じられる場合吸
入流通路が後半において、角度:θだけ閉じ
られている場合の最終到達圧力に及ぼす影響を
求めたのが第17図である。 圧力降下率:ηpはθに比例して増大し、
θ/θs=0.5で、ほぼηp=80%程度にな
る。 上記(i),(ii)の検討結果を要約すれば次の様であ
る。すなわち、吸入流通路の開閉状態もしくは、
その開口面積の大小が最終到達圧力に与える影響
の度合は、吸入行程におけるベーン走行角度θに
よつて大きく異なり、吸入行程の前半、すなわち
0<θ<θs/2の区間での影響は僅少であり、θ= θsに近づくにつれて与える影響は増大する。 以上の結果は、吸入流通路の面積:a(θ)
〓〓〓〓〓
に、位置による「重みずけ」を与えることによ
り、任意の関数:a(θ)の適切な平均値
(θ)得られることを示唆するものである。 第18図に、各種重み函数:g(θ)を示す。 g1は、0<θ/θs<0.5でg(θ)=0.05<θ/
θs<1で、g(θ)=2(θ/θs)−1、g2
g(θ)=(θ/θs)、g3はg(θ)=θ/θ
s、g4はg(θ)=1である。 ここで、重み平均:を次の様に定義する。 =∫〓 g(θ)・a(θ)dθ/∫〓
(θ)dθ 18式 第18図は、ベーン走行角度:θの関数であるa
(θ)と、前述した各種重み函数:g(θ)から
a(θ)の平均値をを求め、かつ、上記と3
式、4式を用いて、表1(面積aを除く)、表
2、回転数:ω=3600rpmの条件における過渡特
性を求めたものである。 但し、吸入流路の面積a(θ)は、第20図の
イで示れる値を用いており、同図のPa(θ)
は、平均値を用いないで求めた厳密解である。ち
なみに、ここでの厳密解とは解析解のことではな
く、吸入流通路の面積:a(θ)を正確に考慮し
て計算した数値解析による解を示す。
【表】 第19図の結果では、厳密解:Pa(θ)は吸
入行程が終了する時点:θ=270゜において、供
給圧Ps=3.18Kg/cm2absに対して、△P=0.78Kg/
cm2absの圧力損失がある。 厳密解による圧力Pa(θ)がθs1=200゜で再
度大きく降下を始めるのは、吸入流通路の有効面
積が、a(θ)=0.78cm2からa(θ)=0.31cm2に減
少するためである。 表4に、各種重み函数を用いた場合の厳密解と
の誤差を示す。 重み函数:g1を用いた場合、第19図から分か
る様に、重み平均による解は厳密解に対して、や
や小さ目の解が得られ、重み函数:g2を用いた場
合、厳密解と比べて、g1の場合とは逆に、大き目
の解が得られる。したがつて、g1<g2<g3であ
り、上記条件下ではg(θ)=g2=(θ/θs)
が最もよい近似を与えることが分かつた。 第20図は、第13図の吸入溝形状を有する圧
縮機において、ベーン走行角度:θに対する流通
路有効面積:a(θ)を、次の3ケース(表5)
について示すものである。
【表】 第21図は、上記イ、ロ、ハのそれぞれについ
て、回転数に対する圧力降下率を、厳密解と重み
平均値:を用いた場合について比較したもので
ある。 いずれの場合も、ω=3000rpm〜4000rpmの範
囲で極めてよい近似を示すが、回転数に対する圧
力降下率の勾配は、厳密解の方がゆるやかなた
め、回転数が高いところでは、圧力降下率は重み
平均値:を用いた方が若干大きく、逆に低速回
転の領域においては、厳密解を用いた方が若干大
き目になる。 この結果から、パラメータ:K2が適切に設定
される範囲では、吸入有効面積が吸入行程中先細
りとなる様な変化をする場合よりも、吸入有効面
積が一定の方が理想的な能力制御特性を得るため
に好ましい事が分かる。 重み平均を用いた上記方法は、実用上十分な精
度の近似が得られるため、)で行つた様に、パ
ラメータ:K2を用いた特性評価が出来る。 以上、吸入流通路の有効面積が吸入行程中変化
する一般の圧縮機に、本発明を適用する場合を要
約すれば下記の様になる。 ベーン走行角度:θが、0<θ<θsの区間
において、エバポレータから圧縮機羽根室まで
の流通路の有効面積:a(θ)を求める。 上記a(θ)を用いて、重み平均を求め
〓〓〓〓〓
る。 但し、a=∫〓 θ2a(θ)dθ/∫〓 θ2d
θ さらに、上記を用いて、パラメータ:K2
=aθs/Vthを求める。 例えば、表3を用いて、上記K2の値から能
力制御の特性評価を行う。 以上、2ベーンタイプのスライデイングベーン
コンプレツサに本発明を適用した実施例について
述べたが、本発明はコンプレツサの吐出量、ベー
ン枚数、型式に関係なく用いることが出来る。ベ
ーンをロータ中心から偏心させることにより、吐
出量を大きくとれるが、勿論、偏心していない構
成でもよく。 また、複数の各ベーン間の角度が等角に配置さ
れた圧縮機でなくてもよく、不等角でもよい。こ
の場合、例えば、最大吸込容積:V0が大きい方
に本発明からなる能力制御を施こせばよい。 シリンダは、本実施例では真円型を用いている
が楕円型でもよい。あるいは、ロータに貫通して
一枚のベーンが径方向に摺動可能に形成されたシ
ングルベーンタイプのコンプレツサにも本発明を
適用することができる。 制御バルブを構成するのに、実施例では、感温
材料である形状記憶合金を用いた。その他、感温
材料として、例えば、感温磁性体を用いて、バル
ブを構成することも出来る。 以上の通り、本発明は特に冷媒温度を検出して
流通路の有効面積を変化させるバルブを設けるこ
とによつて、このバルブの開閉により、車両の定
常走行状態では、低速時では冷凍能力の損失が少
く、高速時でのみ冷凍能力が効果的に抑制される
能力制御が働くようにパラメータを所定の値にす
るよう吸入流通路の有効面積を減じると共に車両
の走行開始直後では、上記能力制御が解除され、
すぐれたクールダウン特性を有するよう流通路の
有効面積を増大することのできるベーン形圧縮機
を構成出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は一般のスライデイングベーン型ロータ
リー圧縮機の正面断面図、第2図は本発明の一実
施例であるロータリー圧縮機の正面断面図で第3
図のA―A断面図、第3図は同圧縮機の側面断面
図で、第2図のB―B断面図、第4図イは、バル
ブの開放状態を示す断面図、ロは絞られている状
態を示す断面図、第5図イは同圧縮機の吸入行程
の開始直後のベーン・ロータ等の位置関係を示す
図、ロは吸入工程終了時における各位置関係を示
す図、第6図イは同圧縮機の吸入孔形状を示す断
面図、第6図ロは上記イのE―E矢視図、第7図
は同圧縮機及び従来圧縮機の回転数に対する冷凍
能力:Qを示す実測グラフ、第8図は同圧縮機の
回転数:ωに対する体積効率:ηvの実測グラ
フ、第9図は同圧縮機のベーン走行角度:θに対
する羽根室容積:Vaの関係を示すグラフ、第1
0図は同圧縮機の過渡特性の一例を示すグラフ、
第11図は回転数:ωに対する圧力降下率:ηp
の特性グラフ、第12図は吸入有効面積:a測定
のための実験装置を示す図、第13図は本発明の
他の実施例であるロータリー圧縮機の正面断面
図、第14図イは吸入通路が前半において閉じら
れる場合のベーン走行角度:θに対する吸入有効
面積:a(θ)のグラフ、ロは同様に後半におい
て閉じられる場合のグラフ、第15図はθ/θ
sに対する圧力降下率:ηpのグラフ、第16図
は羽根室圧力:Paの過渡特性を示すグラフ、第
17図はθ/θsに対するηpのグラフ、第1
8図は各種重み函数:g(θ)の特性を示すグラ
フ、第19図は羽根室圧力:Paの過渡特性の数
例を示すグラフ、第20図はベーン走行角度:θ
に対する吸入有効面積:a(θ)の特性を示すグ
ラフ、第21図は回転数:ωに対する圧力降下
率:ηpのグラフである。 11…シリンダ、14…ベーン、16…ロー
タ、17…吸入孔、19…吐出孔、20…側板、
26―1…羽根室、27…シリンダ・トツプ部。 〓〓〓〓〓

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ベーンが摺動可能に設けられたロータと、こ
    のロータ及びベーンを収納するシリンダと、前記
    シリンダの両側面に固定され、前記ベーン、前記
    ロータ、前記シリンダで形成される羽根室の空間
    をその側面において密閉する側板と、前記羽根室
    へ連絡する冷媒の流通路である吸入孔及び吐出
    と、前記吸入孔と連絡した流通路に設けられ冷媒
    温度を検出してエバポレータから前記羽根室に至
    る吸入流通路の有効面積を変化させるバルブとに
    より構成され、このバルブの開状態では、閉状態
    に比べ前記有効面積が大なる値をとるように構成
    すると共に、前記バルブの閉状態においては、前
    記ロータと前記シリンダ間が、他と比べて最も近
    接している部分をシリンダ・トツプ部とし、ロー
    タの回転中心を中心とし、前記シリンダトツプ部
    から前記ベーンのシリンダ側の端部までの角度を
    θラジアン、吸入行程終了時の前記角度θラジア
    ンの値をθsラジアン、吸入行程終了時の前記角
    度θsラジアンのときの前記羽根室の容積をV0C
    、前記バルブの閉状態でのエバボレータから前
    記羽根室に至る吸入通路の前記角度θラジアンの
    時の有効面積をa1(θ)cm2、重み平均=∫〓 θ2a1(θ)dθ/∫〓 θ2dθ としたとき、パラメータθs/V0を0.025<
    θs/V0<0.080の範囲となるよう構成した
    ベーン形圧縮機。 2 θsラジアン、V0が 0.035<θs/V0<0.070 であることを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載のベーン形圧縮機。 3 θsラジアン、V0が 0.040<θs/V0<0.065 であることを特徴とする特許請求の範囲第1項に
    記載のベーン形圧縮機。
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