JPS6135365Y2

JPS6135365Y2 -

Info

Publication number: JPS6135365Y2
Application number: JP1980058203U
Authority: JP
Priority date: 1980-04-30
Filing date: 1980-04-30
Publication date: 1986-10-15
Also published as: GB2074909A; FR2481625B1; JPS56160708U; US4416569A; FR2481625A1

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、NC工作機械等において、主軸ヘ
ツドの主軸に挿着した状態の工具ホルダの工具を
加工穴径に合わせて調整したり、あるいはその摩
耗量の補正をするときの操作を主軸の回転により
自動的に行うようにした工具ホルダの工具補正装
置に関するものである。

NC中ぐり盤などに使用される中ぐりバイトな
どの工具にあつては、一般に工具ホルダに工具せ
り出し機構を内蔵させ、この工具せり出し機構に
より工具を半径方向に移動調整して直径の異なる
加工穴を加工したり、あるいは工具の摩耗量を補
正するようにしている。

しかるに、従来この種の工具せり出し機構を内
蔵する工具ホルダは、その外周部分に外筒が嵌め
込まれ、そしてこの外筒を適宜回り止め手段によ
り回り止めして工具ホルダを回転させることによ
り、工具せり出し動作を行うようになつている
が、しかし、このような工具ホルダでは前記外筒
の分だけ径が大きくなり、このため加工穴の制限
を受けたり、また重量アンバランスによつて振動
が発生し、加工精度を低下する欠点があつた。

この考案は上記の点に鑑みなされたもので、工
具ホルダの径の縮小を可能にするとともに重量ア
ンバランスをなくし、かつ工具補正装置を容易に
した工具ホルダの工具補正装置を提供するにあ
る。

以下この考案の実施例を図面について説明す
る。

第１図はこの考案にかかる工具補正装置を備え
た工具ホルダを示すもので、工具ホルダ１はシヤ
ンク部２と、このシヤンク部２の先端に軸線を一
致させてフランジ結合した筒状の工具取付部３と
からなり、前記工具取付部３の中央外周部には、
先端に切削刃４を有する工具５の基部がボルト６
により固着され、この工具５のボルト６側に切削
刃４側が外方に撓み得るようにスリツト７が形成
されている。

前記工具取付部３の先端開口内には軸受８によ
り係合部材９が工具ホルダ１の軸線を中心として
相対回転可能に取付けられており、そしてその外
端面中央に角穴１０が形成されているとともに、
係合部材９の内端面中央には、工具取付部３内に
その軸線に一致して配置したねじ軸１１の一端が
固定され、このねじ軸１１のシヤンク部２方向へ
の延長端部は工具取付部３のシヤンク部２との結
合部３ａに軸受１２により回転可能に軸承されて
いる。また、前記ねじ軸１１には工具取付部３の
円筒穴３ｂ内にスライド可能に嵌挿されたスリー
ブ１３が螺合されており、そして、工具取付部３
の外壁に埋込み状態に取付けた回り止め部材１４
を前記スリーブ１３の外周面に形成した軸方向の
溝１３ａに係合することによりスリーブ１３の回
り止めを行い、かつねじ軸１１と工具取付部３と
の相対回転によりスリーブ１３を軸線方向にスラ
イドさせ得るようになつている。

前記工具５と対向する前記スリーブ１３の外周
壁には、その軸線方向に沿つて案内溝１５が形成
されており、この案内溝１５の底面はスリーブ先
端方向（係合部材９側）に向け登り勾配に傾斜す
るカム面１６になつているとともに、このカム面
１６に摺接する作動駒１７が案内溝１５内に係合
され、そしてこの作動駒１７はスリーブ１３の半
径方向にのみ移動できるようにカラー１８と工具
取付部３の内壁に形成した段部１９によつて保持
されている。すなわちスリーブ１３のカム面１６
と作動駒１７はスリーブ１３の軸方向の運動を半
径方向の運動に変換するくさび機構を構成してい
る。また、前記作動駒１７と前記工具５の先端部
間に位置する工具取付部３の周壁には貫通孔２０
が半径方向に穿設され、この貫通孔２０内には前
記傾斜カム面１６のリードで与えられる作動駒１
７の半径方向の移動を工具５のせり出し量（補正
量）として伝えるピン２１が摺動可能に嵌挿され
ている。また、２２はねじ軸１１とスリーブ１３
とのバツクラツシユを除去するためスリーブ１３
の内壁段部１３ｃと工具取付部の内壁段部３ｃ内
に介挿した圧縮スプリング、２３は加工動作時ね
じ軸１１の回り止めを行うためシヤンク部２に装
着したクリツクストツプ機構であり、このクリツ
クストツプ機構２３はねじ軸１１に取付けたカラ
ー２４と係合する鋼球２３ａと、スプリング２３
ｂとから構成されている。

このように構成された工具ホルダ１は、そのシ
ヤンク部２を主軸ヘツド２５の主軸２６のテーパ
穴２６ａ内に挿入し、かつその挿入端に図示しな
いドローボルトなどを結合して引張ることにより
固定されるものであり、また、主軸ヘツド２５に
は主軸２６の定位置停止および工具５の補正量を
主軸２６の回転回数から検知するための近接スイ
ツチ２７が設置され、さらにこの近接スイツチ２
７を動作させるドツグ２８が主軸２６に取付けら
れている。前記主軸ヘツド２５は、第２図に示す
ようにヘツド２９上にＺ軸方向（左右方向）に移
動可能に設置したコラム３０にＹ軸方向（上下方
向）に移動可能に取付けられ、そしてコラム３０
上に設置した送りモータ３１によつてＹ軸方向に
移動されるようになつていると共に、前記コラム
３０はベツド２９に設した送りモータ３２により
Ｚ軸方向に移動されるようになつている。また、
前記主軸ヘツド２５の前面側に位置するベツド２
９上にはワークテーブル３３がＸ軸方向（前後方
向）に移動可能に設置され、このワークテーブル
３３上にパレツト３４を介してワーク３５が取付
けられており、パレツト３４の主軸２６と対向す
る側面には前記工具ホルダ１の係合部材９の角穴
１０が係合される基準突起３６が設けられてい
る。３７はワークテーブル３３の送りモータであ
る。

次に上記のように構成されたこの考案装置の動
作について説明する。

加工穴径の変化、あるいは工具刃先の摩耗によ
り工具を調整する場合は、まず、主軸２６を所定
角度位相（ドツグ２８が近接スイツト２７と対向
する位相）に停止させ、かつ主軸ヘツド２５およ
びワークテーブル３３を動作して、主軸２６に装
着された工具ホルダ１の軸線とパレツト３４に設
けた基準突起３６の軸線とを一致させ、さらにコ
ラム３０を前進させて工具ホルダ１の係合部材９
の角穴１０を基準突起３６に係合させる。これに
より係合部材９を含むねじ軸１１はパレツト３４
によつて固定状態に保持される。この状態で主軸
２６をその駆動モータ３８により通常の加工時よ
り遅い速度で回転させると、工具ホルダ１および
スリーブ１３はねじ軸１１を軸心にして第１図の
矢印方向に一体に回転される。これに伴いねじ軸
１１に螺合するスリーブ１３は第１図の矢印Ａ方
向に螺進、すなわち工具ホルダ１の回転はスリー
ブ１３の矢印Ａ方向の直線運動に変換されると同
時に、このスリーブ１３の矢印Ａ方向の運動は、
スリーブ１３の傾斜カム面１６のくさび作用によ
つて半径方向の運動に変換され、傾斜カム面１６
に圧接している作動駒１７を第１図の矢印Ｂ方向
に移動させる。このため、ピン２１を介して作動
駒１７と連繋された工具５は外方への押圧力を受
け、これに伴い工具５はスリツト７の部分から撓
んでその切削刃４を外方にせり出させる。ここで
工具ホルダ１の１回転当りの工具のせり出し量は
ねじ軸１１のねじピツチにより決定されるほか、
工具ホルダ１の回転数と工具のせり出し量は比例
関係にあるため、切削刃４の摩耗量に応じて主軸
２６を所定の回転数回転させれば、工具位置は補
正されることになる。なお、近接スイツチ２７と
ドツグ２８により主軸２６の回転回数を検知する
ことにより工具５の補正に必要なせり出し量の設
定が容易となる。また、主軸２６を上記と逆に回
転させれば、工具の位置は後退される。

工具補正の完了に伴い主軸駆動モータ３７が停
止すると共に、主軸２６はそのドツグ２８が近接
スイツチ２７と対向する角度位相に自動的に停止
され、同時にクリツプストツプ機構２３の鋼球２
３ａは第１図に示すようにねじ軸１１のカラー２
４に係合して、加工時にねじ軸１１および工具ホ
ルダ１がみだりに相対回転するのを防止する。

第３図および第４図はこの考案における工具補
正装置の他の実施例を示すもので、特に工具せり
出し機構の構造を簡略化したものである。

以下、その具体例について説明する。第３図お
よび第４図において、工具ホルダ１を構成する工
具取付部３の円筒穴３ｂ内の先端部には、係合部
材９が工具ホルダ１の軸線を中心にして相対回転
可能に取付けられており、この係合部材９の外端
面中央に角穴１０が形成されているとともに、そ
の内端面中央には、工具ホルダ１の軸線に一致さ
せて配置したねじ軸４０が一体に設けられ、さら
にねじ軸４０にはスリーブ４１が螺合されてい
る。前記スリーブ４１は、その外周に取付けたキ
ー４２を円筒穴３ｂの内壁に軸線方向に沿つて形
成したキー溝４２ａに係合することにより回り止
めされ、軸方向には移動できるようになつてい
る。また、前記工具取付部３の外壁に取付けた工
具５と対向するスリーブ４１の外周壁には、ねじ
スリーブ４１の先端方向係合部材９側に向け登り
勾配に傾斜するカム面４３が形成され、この傾斜
カム面４３と前記工具５の先端部間に位置する工
具取付部３の周壁に貫通孔２０が半径方向に穿設
され、この貫通孔２０を通して前記傾斜カム面４
３と工具５の先端部背面間にピン２１が介在さ
れ、これによりスリーブ４１の軸方向の移動に伴
いその傾斜カム面４３のくさび作用で生じる半径
方向の運動を工具５のせり出し量（補正量）とし
て工具５に伝えるようになつている。

前記ねじ軸４０の軸心には軸４４がスライド可
能に貫通保持され、この軸４４はねじピン４５に
よつて回り止めされているとともに、ねじ軸４０
内に挿着されたコイルスプリング４６によつて軸
４４の一端が角穴１０内に常時突出するよう付勢
され、さらに軸４４の他端には係合ブロツク４７
が一体に固着されている。また、前記係合ブロツ
ク４７に対応する前記円筒穴３ｂの底部には、係
合ブロツク４７が係止する穴４８とフリーにする
穴４９が工具取付部３の軸線方向に並べて形成さ
れており、これにより常時は係合ブロツク４９が
穴４８に係止してねじ軸４０と工具ホルダ１との
相対回転をロツクし、そして工具補正動作時は係
合ブロツク４７が穴４９内に位置して工具ホルダ
１とねじ軸４０との相対回転ができるようになつ
ている。

次に上記のように構成された第３図に示す実施
例の動作について説明する。

工具５のせり出し量の調整に際し、主軸ヘツド
と一体に工具ホルダ１を前進させて係合部材９の
角穴１０をパレツト３４の基準突起３６に一杯に
係合させると、係合部材９を含むねじ軸１１は固
定状態に保持されると同時に基準突起３６が軸４
４をスプリング４６に抗し押圧スライドさせ、第
３図の実線のように穴４８に係止していた係合ブ
ロツク４７を第３図の２点鎖線の位置に変位させ
て係合部材９、すなわちねじ軸４０と工具ホルダ
１とのロツクを解除する。この状態で主軸により
工具ホルダ１を第３図の矢印方向に回転させる
と、スリーブ４１も一体に同一方向に回転される
ため、ねじ軸４０と螺合するスリーブ４１は第３
図の矢印Ｃ方向に螺進、すなわち工具ホルダ１の
回転はスリーブ４１の矢印Ｃ方向の直線運動に変
換され、さらにこのスリーブ４１の矢印Ｃ方向の
運動は、スリーブ４１の傾斜カム面４３のくさび
作用によつて半径方向の運動に変換され、傾斜カ
ム面４３に圧接しているピン２１を矢印Ｂ方向に
移動させる。このため、ピン２１は工具５の先端
背面を押圧し、これにより工具５は外方にせり出
されることになる。また、工具５の補正完了によ
り主軸が定角度位相に停止され、かつ主軸ヘツド
の後退により工具ホルダ１の係部材９がパレツト
３４から離間されれば、軸４４および係合ブロツ
ク４７は第３図の実線の状態に自動復帰し、ねじ
軸４０と工具ホルダ１との相対回転をロツクす
る。

かかる実施例においては、工具せり出し機構が
小形化され、かつ軸方向のスペースを小さくでき
る利点があるほか、第１図の場合と同様の効果が
得られる。

以上詳述したように本考案装置は、工具ホルダ
の先端部分に、その軸線上に位置して係合部材を
回転可能に収容支持し、この係合部材を主軸ヘツ
ドと対向する工作支持装置に設けた基準突起に係
合させた状態において工具ホルダを主軸駆動モー
タを利用して回転させ、工具をせり出すようにし
た構成であるため、工具せり出しを行うために特
別なアクチユエータを設ける必要がなく、既存の
主軸駆動モータを利用して工具のせり出しを行う
ことができ、それだけ構造が簡単になり、かつコ
ストを低減でき、しかも工具ホルダを回転させる
方式であるため、往復動するものに比較して短時
間に必要な量の工具せり出しを行うことができ
る。

また、本考案装置は、固定側の基準突起に係合
して回止めされる係合部材及びこれに付随する工
具せり出し用部材は工具ホルダ内に全て収容され
る構成であるため、工具ホルダの外径が小さくな
つて小形化が可能となり、さらに径方向への突出
物がないため工具ホルダの重量アンバランスなら
びにこれに伴う振動発生を防止できる利点を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案にかかる工具ホルダの工具補
正装置の一例を示す一部切欠きの側面図、第２図
はこの考案にかかる工具補正装置を備えた工具ホ
ルダを工作機械に装着して工具補正を行う場合の
説明図、第３図はこの考案における工具補正装置
の他の実施例を示す一部切欠きの側面図、第４図
は第３図の−線の断面図である。１……工具ホルダ、５……工具、９……係合部
材、１１，４０……ねじ軸、１３，４１……スリ
ーブ、１４……回り止め部材、１６，４３……傾
斜カム面、１７……作動駒、２１……ピン、２３
……クリツクストツプ機構、２５……主軸ヘツ
ド、２６……主軸、４４……軸、４７……係合ブ
ロツク、４８，４９……穴。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

主軸ヘツドに回転可能に軸承された主軸と、こ
の主軸に切削加工ならびに工具せり出しのための
回転を付与する主軸駆動モータと、前記主軸に挿
着されかつ外周部に外方に向けてせり出し変位可
能な工具を有する工具ホルダとを備え、前記工具
ホルダには、その工具ホルダの先端部内に位置し
てその軸線を中心にして相対回転可能に取付けら
れ、かつ工具補正時には前記主軸ヘツドと対向す
る工作物支持装置に設けた基準突起に係合する係
合部材と、前記工具ホルダ内の軸線上にあつて前
記係合部と一体に結合されたねじ軸と、このねじ
軸に螺合されているとともに前記工具ホルダ内に
その軸線方向にスライド可能に設けられ、かつ前
記工具と対向する外周部に前記ねじ軸の軸線に沿
い傾斜カム面を形成したスリーブと、このスリー
ブの傾斜カム面と前記工具の背面間に介在され、
前記スリーブの軸方向の運動に伴う傾斜カム面の
くさび作用で生じる半径方向の押圧力を前記工具
に与える機構とを内蔵させたことを特徴とする工
具ホルダの工具補正装置。