JPS591553B2 - 心押台 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はドレッシング装置を備えた心押台に関するもの
であり、その目的とするところはドレッシング工具の先
端位置を加工すべき工作物の仕上寸法位置と一致させる
ことにより、ドレッシング後加工を開始するに際しとい
しの位置補正を不用とし、加工精度の向上を計ることで
ある。

一般にテーブル上ドレッシング装置の一つとして心押台
の側面にドレッシング工具を取付け、このドレッシング
工具をテーブルのトラバース運動を利用してといしをド
レッシングするものがある。

このドレッシング装置は工作物と同じテーブルのトラバ
ース運動を利用しているため円筒度を特に要求される超
精密加工では有効であるが、その反面ドレッシング工具
の取付位置あるいは調整範囲に大きな制限を受ける欠点
があつた。すなわち心押台にはセンタを前進後退させる
ラムがあり、これが障害となつてドレッシング工具の先
端位置を工作物の仕上寸法位置に一致させることができ
ず、例えばデツドストツプ研削の場合デツドストツプ位
置とドレッシング位置との間にズレが生じ、ドレッシン
グ終了後加工を開始するに際しこのズレをーー補正しな
ければならず、この補正動作に伴つてといしに位置決め
誤差を生ぜしめ、加工精度を低下させる欠点がある。

本発明は従来のこのような欠点を解消するためになされ
たものであり、センタ装着部側面よりさらにセンタ軸線
寄りにといしを侵入させる凹部を形成し、この凹部内に
ドレッシング装置を設置することにより、ドレッシング
工具の先端位置を工作物の仕上寸法位置に一致させるま
で調整可能としたことを特徴とするものである。

以下本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、第１
〜２図において１はテーブル、２はこのテーブル１上に
載置された心押台ベースで、この心押台ベース２は中央
部に凹部３を有し、この凹部３を挟んで相対向する支承
部４、５が形成され、この支承部４、５間に心押台本体
６が収容されている。

この心押台本体６はセンタ装着部Ｔならびにこれと一体
をなす基体部８を上下に偏心して有し、このセンタ装着
部７にセンタ９が保持ブッシュ８０を介して装置され、
また基体部８にはパイ０ツトバ一１０が嵌着され、さら
にボルト１１にて一体的に締付固定されている。このパ
イロツトバ一１０は前記センタ９より偏心した下方に位
置しかつ前記センタの軸線と平行な方向に伸び、その前
後端部を夫夫前記支承部４，５にブツシユ１２，１３な
らびにストロークベアリング１４，１５を介して回転な
らびに軸方向移動可能に支承されている。その結果心押
台本体６は前記凹部３内でパイロツトバ一１０の軸線方
向ならびにこのパイロツトバ一１０の軸線を中心とする
角度方向に移動可能にされている。前記一方の支承部５
には筒体１６が固定され、この筒体１６内には前記パイ
ロツトバ一１０の方向に加圧スプリング１７を押圧する
押圧スリーブ１８が摺動自在に嵌合されている。

この押圧スリーブ１８には加圧力スプリング１７の加圧
力を調整する調整ねじ１９が当接されており、この調整
ねじ１９により押圧スリーブ１８を移動調整すると、押
圧スリーブ１８はパイロツトバ一１０の端部に嵌着され
た目盛環２０に対して相対的に変位し、この目盛環２０
の表面の目盛２１によつて加圧力を読取できるようにな
つている。２２はこの目盛２１の読取り用切欠、２３は
この目盛環２０を覆う透明プラスチツクよりなる筒状カ
バーである。

一方前記心押台本体６は前記センタ装着部７の後部にこ
の装着部側面７ａよりさらにセンタ軸線側へといしＧを
侵入させる空間６ａを有し、この空間６ａ部分に第４図
に示すドレツシング装置２５を取付けるための取付部２
４が設けられている。

この取付部２４上にはドレツシング装置本体２６がボル
ト２７によつて固定され、この装置本体２６には案内ス
リーブ２７が嵌着されている。この案内スリーブ２７に
はホルダ２８が前記センタ９の軸線と直交する方向に摺
動可能に嵌合され、このホルダ２８の先端にドレツシン
グ工具２９が取付られている。３０はこのダイヤモンド
工具２９の突出位置を調整するツマミで、このツマミ３
０には調整ねじ軸３１が固定されている。

このねじ軸３１はピツチの異なる２つのねじ部３２，３
３を有し、一方のねじ部３２はホルダ２８に螺合され、
また他方のねじ部３３はナツト３４に螺合され、差動ね
じを構成している。３５はバツクラツシユ除去用のスプ
リング、３６はといしＧとの干渉をさけるための切欠で
ある。

さらに前記心押台本体６には第３，５図に示すように貫
通穴３８が形成され、この貫通穴３８には前記パイロツ
トバ一１０の軸線と平行な方向に伸びるサポート軸３９
が若干のスキマを隔てて挿通されている。

このサポート軸３９はかまぼこ形状をした中間部４０お
よびこの中間部４０より前後に突出した断面円形の軸部
４１，４２を有し、この軸部４１，４２が前記支承部４
，５に夫夫ブツシ４３，４４およびストロークベアリン
グ４５，４６を介して回転ならびに軸方向移動可能に支
持されている。前記サポート軸３９の中間部４０には上
方向よりその軸線方向に伸びる収納溝４７が形成され、
この収納溝４７内にはテーパ調整装置７９が内蔵されて
いる。このテーパ調整装置７９はテーパ部材４８、スラ
イダ部材４９、押上部材５０を有し、これら部材４８，
４９，５０が前記収容溝４７内に積層して収納されてい
る。この各部材４８，４９，５０間には二ードルベアリ
ング５１，５２が介挿されかつテーパ部４８の上面５３
ならびにスライダ部材４８の下面５４には若干の傾斜が
つけられており、前記スライダ部材４８の移動によつて
押上部材５０を上方へ押上げるようになつている。前記
サポート軸３９の一端には外周に目盛５５を膏する目盛
スリーブ５６が固定され、この目盛スリーブ５６には調
整ねじ５７が螺合されている。この調整ねじ５７は一端
にツマミ５８を有し、このツマミ５８によつて調整ねじ
５７を回転することによりセリ出しロツド５９を介して
前記スライダ部材４９を前後に位置調整できるようにな
つている。６０，６１は前記サポート軸３９の上面に一
定の間隔を隔ててねじ込まれたボルトでこのボルト６０
，６１と前記ドレツシング装置本体２６間には皿バネ６
２，６３が介挿され、この皿バネによりドレツシング装
置本体２６の下面と押上部材５０との当接状態を維持す
るようになつている。

６３は前記テーパ部材４８ならびに押上部材５０の長手
方向への移動を規制する規制部材、６４，６５はクーラ
ントあるいは切粉の侵入を防止するＶリング、６６は前
記スライダ部材４８をセリ出し部材５９に当接させるス
プリングである。

（第６図参照）さらに第５図において前記心押台本体６
ならびにドレツシング装置本体２６には夫夫上下方向に
嵌合穴６７および挿通穴６８が形成され、この各穴６７
，６８内に回転軸６９が回転自在に支持されている。

この回転軸６９の上端部には操作レバー７０を有するキ
ヤツプ７１が固定され、また他端には係合体７２が楔止
されている。この係合体７２は第７図に示すように先端
に球状係合部７３を有し、この球状係合部７３はセンタ
軸線方向に移動しないよう固定プロツク７４の二又部７
５に係合されている。従つて前記操作レバー７０により
回転軸６９を回転操作したとき係合体７２はその反作用
によつて球状係合部７３を中心として揺動され、その結
果回転軸６９および心押台本体６をセンタ軸線方向にシ
フトするようになつている。前記キヤツプ７１の下面に
は第８図に示すように停止ピン７４が植設されている。
この停止ピン７４は固定ピン７５と当接し、操作レバー
７０の回転戻り端すなわちセンタ２９の前進端を規制す
るようになつている。７６は心押台ベース２をテーブル
１上に締付ける締付金、７７は締付ボルト、７８は締付
ボルトJモVを操作する操作レバーである。

次に上記構成における作動を説明する。

先ず工作物をセンタ間へ保持する場合には操作レバー７
０により回転軸６９を回転すると係合体７２は球状係合
部７３を中心として揺動し、その結果回転軸６９はセン
タ軸線方向にシフトされ、心押台本体６はセンタ９とと
もに後退される。

しかる後取付るべき工作物をセンタ９の軸線と一致させ
た状態で操作レバー７０により回転軸６９を逆方向に旋
回させると、心押台本体６は前進し、工作物はセンタ９
に保持される。尚、必要によつて調整ねじ１９を操作し
て押圧スリーブ１８を前進後退させ、工作物の長さに見
合つた最適な加圧力に設定してもよい。

またといしＧをドレツシングする場合には調整ツマミ３
０により調整ねじ軸３１を回転してホルダをねじ送りし
、ドレツシング工具２９の先端を加工すべき工作物の仕
上寸法位置と一致させる。

しかる状態においてといし台の送込み装置（図示省略）
を利用してといしＧをドレツシング工具２９に向つて送
り前進させ、ドレツシング工具２９の先端よりドレス量
だけさらに前進した位置へ停止させる。このときといし
Ｇは前記心押台本体６の空間６ａ内に侵入し、またパイ
ロツトバ一１０は切欠３６を有しているため、といしＧ
が心押台本体６ならびにパイロツトバ一１０に干渉する
ことはない。その後テーブル１のトラバースシリンダ装
置（図示省略）を利用して心押台ベース２および心押台
本体６を一体としてセンタ９の軸線方向に移動すること
により、といしＧの研削面はドレツシング工具２９によ
つてドレツシングされる。ドレツシング終了後再びとい
しＧをといし台の送込み装置を利用して後退させ、また
テーブル１のトラバースシリンダ装置を利用してセンタ
９に保持された工作物とといしＧを対応させ、研削加工
を開始する。前記調整によつてドレツシングエ具２９の
先端位置は工作物の仕上寸法位置すなわちデツドストツ
プ位置と一致されているため、ドレツシング終了後とい
しＧの位置補正を行うことなく、そのまま切込送りさせ
ることにより工作物を仕上寸法に研削でき、また位置補
正を行なわないので加工精度の低下もない。またこのド
レツシング工具２９の移動通路上には何らの障害物もな
いのでドレツシング工具２９をセンタ軸線に垂直にかつ
このセンタ軸線の近傍まで後退させることができ、いか
なる径の工作物の仕上寸法にも対応することができる。

またテーパ調整を行う場合には、目盛５５をみながらツ
マミ５８により調整ねじ５７を回転することによりセリ
出しロツド５９を介してスライダ部材４９が前進される
。

これにより押上部材５０は前記スライダ部材４９および
テーパ部材４８の楔作用により上方に押上られ、その結
果ドレツシング装置本体２６およびこれと一体をなす心
押台本体６は皿バネ６２，６３の撥力に抗して前記パイ
ロツトバ一１０を中心と中心として揺動され、そしてセ
ンタ９の軸線位置が変位し、テーパ補正が終了する。前
記したように本発明装置によれば、センタの下方にパイ
ロツトバ一を設け、このパイロツトバ一によりセンタ軸
線方向に移動可能に心押台本体を心押台ベース上に移動
可能に支持させてあるため、センタを除いてセンタ軸線
上には全く障害物がなくなり、また前記心押台本体には
センタ装着部の側面よりさらにセンタ軸線寄りにといし
を侵入させる空間を形成し、この空間内にドレツシング
工具を設置したものであるため、ドレツシング工具を前
記センタ装着部の側面よりさらにセンタ軸線寄りの位置
まで進退調整可能であり、これによつて小径の工作物で
あつてもその仕上寸法位置すなわちデツドストツプ位置
にドレツシング工具の先端位置を一致させることができ
る。

従つてドレツシング終了位置にてデツドストツパを設定
すればといし位置をーー補正することなくそのまま研削
加工を開始できるので、効率的であり、しかも補正動作
に伴う位置決め誤差がないので研削精度が著しく向上す
る利点を有する。また本発明装置によれば、前記パイロ
ツトバ一の中心軸線を中心として前記心押台本体を心押
台ベースに揺動自在に支持させるようになつており、テ
ーパ調整装置により前記パイロツトバ一を中心として前
記心押台本体を揺動させてセンタの軸線位置を調整する
ことにより簡単かつ容易にテーパ調整を行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は本発明の
心押台の平面図、第２図は第１図の線断面矢視図、第３
図は第１図の一線断面矢視図、第４図は第３図の −線
断面矢視図、第５図は第３図の−Ｖ線断面矢視図、第６
図は第３図の一線断面矢視図、第７図は第５図の−線断
面矢視図、第８図は第５図の−線断面矢視図である。 ２・・・・・・心押台ベース、６・・・・・・心押台本
体、６ａ・・・・・・空間、７・・・・・・センタ装着
部、９・・・・・・センタ、１０・・・・・・パイロツ
トバ一、２５・・・・・・ドレツシング装置、２９・・
・・・・ドレツシング工具、３０・・・・・・シマミ、
３１・・・・・・調整ねじ軸、３９・・・・・・サポー
ト軸、７９・・・・・・テーパ調整装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 心押台ベースと、センタを保持するセンタ装着部な
   らびにこのセンタ装着部の後部に形成されたといしを侵
   入させる空間を有する心押台本体と、前記センタ軸線に
   対して下方に偏心して位置しかつ前記センタ軸線と平行
   な方向に伸びる中心軸線を有し前記心押台本体を前記中
   心軸線と平行な方向ならびに前記中心軸線を中心とする
   角度方向に移動可能に前記心押台ベース上に支持させる
   パイロツトバーと、前記センタ軸線に対して偏心した位
   置に設けられかつ前記心押台本体にセンタ軸線と平行な
   方向に撥力を付与する加圧力スプリングと、前記センタ
   軸線に垂直な方向に進退可能なドレッシング工具ならび
   にこのドレッシング工具の突出位置を調整する調整手段
   を有する前記心押台本体の空間部分に配置されるドレッ
   シング装置と、前記パイロツトバーを中心として前記心
   押台本体を揺動させるテーパ調整装置とを備えたことを
   特徴とする心押台。