JPS6135034Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 海苔製造機の全長を短縮する目的を持つて乾燥
室内に上下二段に乾燥装置を設け、海苔の抄造及
び脱水作業が終り移送チエーンに係止されて移送
されて来た簀枠を、先ず上側に設けられた乾燥装
置が引取つて乾燥を行い、更にこの簀枠を下側の
乾燥装置に移し換え、乾燥の終つた簀枠を再び移
送チエーンに引渡して移送し、海苔剥ぎ作業を行
うこれ等一連の動作を連続反覆して繰返す自動海
苔製造機は周知である。

而して以上の如き自動海苔製造機において海苔
簀に展着している抄海苔の乾燥は、可及的に短時
間でかつ乾燥斑がないように乾燥しなければなら
ない。即ち乾燥斑が発生すると、早く乾いた部分
が海苔簀から剥れて海苔に縮みが発生し商品価値
を低下する欠点が生ずる。にもかかわらず従来の
自動海苔製造機においては、上側の乾燥装置より
下側の乾燥装置に簀枠を移し換えるに際し、簀枠
の上下（天地）を反転させることなくそのまま下
側の乾送装置に移し換えているので、抄海苔の均
一な乾燥を行う事が困難となり上記した欠点が発
生していた。以上に鑑み本願は、上側の乾燥装置
から下側の乾燥装置に簀枠を移し換える際にその
途中において簀枠の上下を反転させ、上下両乾燥
装置を移送する簀枠の上下が各移送路毎に交互に
逆方向となるようにし、よつて抄海苔の均一な乾
燥を行なわんとするもので以下本願を実施例を示
す図面によつて詳細に説明する。

第１図において１は一対の移送チエーンで、所
定間隔（第３図に示す簀枠２の長さプラスα）毎
に二個一組の係止突起３が設けられ、多数のスプ
ロケツトＳ，SAに懸回されて無端移送路を構成
し、図示は省略したが移送チエーン１の所定個所
には抄造装置、脱水装置、海苔剥ぎ装置が取付け
られている。而して本実施例における移送チエー
ン１は、Ａ，Ｃ点にて示すスプロケツトＳとＢ，
Ｄ点にて示すスプロケツトＳ上の夫々において、
後記する上側乾燥装置４及び下側乾燥装置４Ａと
の間で簀枠２の受渡しが行なわれるように配設さ
れ、又Ｂ，Ｃ点の間において移送チエーン１の一
部が上下両乾燥装置４，４Ａ間の簀枠２の移換路
５となされている。簀枠２は第３図に示すように
前側枠棒６と後側枠棒７とを連結棒８によつて梯
子状に連結し、クリツプ等適宜の手段にて海苔簀
９が取付けられ、前側枠棒６は後側枠棒７より長
くなるように設定されている。

上下両乾燥装置４，４Ａは従来と同様の構成
で、スプロケツトＳ１間に懸回した夫々一対の無
端チエーン１０，１０Ａの各リンク毎に、簀枠２
を保持して移送する簀枠保持棒１１が取付けら
れ、上記した各点において移送チエーン１との間
で簀枠２の授受が行なわれるように位置させて図
示しない乾燥室内に取付けられ、両乾燥装置４，
４Ａの下側移送部１２Ａ，１１２Ａには夫々移送
レール１３，１３Ａが取付けられている。

次に本願の要旨をなす反転装置１４について説
明する。反転装置１４は両乾燥装置４，４Ａの間
に配設された移換路５の途中に設けられ、次のよ
うに構成されている。１５は一対の反転レール
で、該反転レール１５は移換路５を移送されて来
た簀枠２の後側枠棒７を受取めて載置し、簀枠２
の移送につれこの枠棒７を両乾燥装置４，４Ａよ
り遠ざけつつ、かつ、斜下方に案内するように傾
斜している。１６は反転案内レールで、上記反転
レール１５の下方にこれと同位相で同じ方向の傾
斜を持つて取付けられ、その上下両端は反転レー
ル５より長くなるように設定されるとともに、上
端部が「へ」の字状に折曲げられ、該折曲部は下
側乾燥装置４Ａを指向している。１７は移送中の
後側枠棒７を受止めてガイドする一対のガイドレ
ール、又１８はスプロケツトSAと同軸に設けら
れたガイドローラで、ともに後側枠棒７を反転レ
ール１５に円滑に案内するように作用する。

尚図中１４Ａは、下側乾燥装置４Ａから移送チ
エーン１に引取られた簀枠２が、図示しない海苔
剥ぎ装置に至る迄の間に簀枠２を反転させる反転
装置で、反転レール１５Ａ及び反転案内レール１
６Ａの傾斜方向が、上記反転装置１４と逆方向に
なつている以外は上記と同様である。

簀枠２の前側枠棒６を移送チエーン１の係止突
起３に係止して移送され、その途中において図示
しない抄造装置と脱水装置によつて抄造、脱水作
業が行なわれた簀枠２は、Ａ点にて示す簀枠２の
引渡し位置迄移送され、この点において簀枠２を
上側乾燥装置４の簀枠保持棒１１間に保持させて
引渡し、簀枠２を引取つた乾燥装置４はＢ点にて
示す移送チエーン１への引渡し位置迄簀枠２を移
送するが、図面より明らかなように、簀枠２の前
側枠棒６を簀枠保持棒１１間に挿入する如くに引
渡された簀枠２が、上側移送部１２を移送される
際には前側枠棒６が簀枠２の下側となり、下側移
送部１２Ａに至つて上側となる。即ち簀枠２の上
下（天地）は移送途中において逆転される。尚簀
枠２が下側移送部１２Ａに来ると、前側枠棒６は
移送レール１３上に載置され、簀枠保持棒１１間
から簀枠２が脱落するものを防止する。

上記の如くＢ点迄移送されて来た簀枠２はこの
点において再び移送チエーン１の係止突起３の間
に前側枠棒６が係止されて引渡され、簀枠２を引
取つた移送チエーン１は、該移送チエーン１によ
つて構成されている移換路５によつて簀枠２を上
側乾燥装置４より下側乾燥装置４Ａに移し換える
わけであるが、移送途中において簀枠２は次の如
くにして反転させられる。即ち、Ｂ点において簀
枠２を引取つた移送チエーン１は、係止突起３間
に前側枠棒６を係止し簀枠２は垂下状態にてまず
Ｐ点にて示す位置迄移換路５を斜下方に移送され
るがその途中において、後側枠棒７がガイドレー
ル１７に受止められ後側枠棒７を両乾燥装置４，
４Ａより遠ざける方向（図面において左側）に案
内され、更に簀枠２の移送が進むに従い後側枠棒
７はガイドローラ１８を経て反転レール１５上に
載置され、Ｐ点においては図面に示すように、後
側枠棒７は反転レール１５によつて両乾燥装置
４，４Ａより遠ざかる方向に斜下方に案内されて
傾斜し、半ば反転させられた状態となつている。
尚簀枠２が移換路５をＰ点迄斜めに移送される際
には、移送レール１３によつて係止突起３より前
側枠棒６が脱落するのを防止している。

上記のようにしてＰ点迄移送された簀枠２は次
にＰ１にて示す位置迄移送されるが、このように
簀枠２が移送されると後側枠棒７は反転レール１
５によつて更に斜下方に案内され、遂には反転レ
ール１５の下端よりその下方に設けられた反転案
内レール１６に落下して受止められ、Ｐ１点迄簀
枠２が移送された時には、前側枠棒６が移送チエ
ーン１の進行方向に対して前側となるように反転
させられる。而して反転レール１５と反転案内レ
ール１６は第１図より明らかなように簀枠２の後
側枠棒７のみを載置し、かつその載置位置は第３
図に示したように、連結棒８より外側に張り出し
た部分を載置するように設けられているので、後
側枠棒７が反転レール１５から反転案内レール１
６に落下する際、更に簀枠２をＰ１点迄移送する
際に簀枠２と反転レール１５は干渉することなく
反転、移送は円滑に行なわれる。又簀枠２がＰ点
迄移送されて来ると、これに先行する簀枠２はＰ
１点に至つているが，Ｐ点にある簀枠２の後側枠
棒７は反転レール１５に受止められているので両
者は干渉することなく、反転作業を行う為に係止
突起３の取付間隔を長くする設計変更を要せず作
業効率を低下させることがない。

Ｐ１点迄移送され反転の終つた簀枠２は次でＣ
点に示す下側乾燥装置４Ａえの引渡し位置迄移送
され上記Ａ点と同様にして簀枠２を引渡すが、図
面より明らかなように引渡された簀枠２の前側枠
棒６は、下側乾燥装置４Ａの上側移送路１１２を
移送される際には下側となり、当然に下側移送路
１１２Ａに至ると上側になる。即ち本願において
両乾燥装置４，４Ａを移送される簀枠２は簀枠保
持棒１１間に保持される前側枠棒６を基準として
視た場合、上側乾燥装置４の上側移送路１２にお
いては「下」、同下側移送路１２Ａにおいては
「上」、下側乾燥装置４Ａの上側移送路１１２にお
いては「下」、同下側移送路１１２Ａにおいては
「上」と各移送路毎に簀枠２の上下は交互に転換
されながら移送されて乾燥が行なわれ、Ｄ点にお
いて再び移送チエーン１に引渡される。

移送チエーン１は引取つた簀枠２を図示しない
海苔剥ぎ装置に移送して海苔剥ぎ作業を行うが、
その途中において、反転装置１４Ａによつて抄海
苔の展着点が下側となるように再度反転させられ
るが、該反転装置１４Ａによる反転動作は、簀枠
２の反転方向が上記反転装置１４による反転方向
と逆になる以外は全て同様である。又簀枠２が下
側移送路４Ａから移送チエーン１に引渡され、反
転装置１４Ａを経て海苔剥ぎ装置に移送される
間、移送レール１３Ａによつて上側枠棒６を保持
し簀枠２の脱落を防止することは前記と同様であ
り、更に海苔剥ぎされた簀枠２が移送チエーン１
によつて再び図示しない抄造装置に移送されるこ
とも亦従来と同様である。尚本実施例においては
簡易な構成にするために移送チエーン１の一部を
持つて簀枠２の移換路５としているが、これに変
えて両乾燥装置４，４Ａ間に移換専用の移送チエ
ーンを設けてもよく、これによつて本願考案の技
術思想は何等妨げられるものではない。

次に第２図に示す本願の第２実施例について説
明する。本実施例は基本的には上記第１の実施例
と同様に作用するものであるから、以下の説明は
第１実施例との相違点についてのみ説明する。

本実施例において移送チエーンは、図示は省略
した抄造装置と脱水装置より上側乾燥装置４の上
側移送路１２即ちＡ１点を経て再び抄造装置に至
る第１移送チエーン１Ａと、同様に図示を省略し
た海苔剥ぎ装置から上側乾燥装置４の下側移送路
１２Ａ即ちＢ１点に至り、該Ｂ１点より下側乾燥
装置４Ａを経て再び海苔剥ぎ装置に帰る第２移送
チエーン１Ｂとの二本の移送チエーンからなり、
第２移送チエーン１Ｂの一部が上記第１の実施例
と同様に簀枠２の移換路５となつており、該移換
路において第１実施例と同様に移送される簀枠２
の反転が行なわれる。

而して第２移送チエーン１Ｂには、所定間隔毎
に二組四個の係止突起３ａ，３ｂが設けられ、こ
れによつてＣ１点において第２移送チエーン１Ｂ
と下側乾燥装置４Ａとの間で簀枠２の授受を同時
に行なうようにしたことにより、下側乾燥装置４
Ａの上下移送路１１２，１１２Ａの間隔ｌを短か
くし、乾燥室（図示せず）の全高を可及的に低く
している。

抄造、脱水作業が終り第１移送チエーン１Ａに
よつて前記の如く移送されて来た簀枠２は、Ａ１
点において上側乾燥装置４に引渡され、引取つた
簀枠２はＢ１点にて第２移送チエーン１Ｂに引渡
されるが、この時簀枠２は二組四個の係止突起３
ａ，３ｂの内進行方向後側の係止突起３ｂに係止
され、Ｃ１点迄移送されてこの間に前記第１の実
施例と同様にして簀枠２の反転が行なわれる。移
送された簀枠２がＣ１点に至ると、図面に示すよ
うに係止突起３ｂは下側乾燥装置４Ａの上側移送
路１１２に、係止突起３ａは下側移送路１１２Ａ
に夫々相対した位置となり、茲において、係止突
起３ｂが移送して来た簀枠２の下側乾燥装置４Ａ
えの引渡しと、下側移送路１１２Ａを移送されて
来た簀枠２を係止突起３ａが引取る動作とが同時
に行なわれる。以後簀枠２を引取つた第２移送チ
エーン１Ｂは、移送の途中において再び簀枠２を
反転して海苔の展着面を下側にし、海苔剥ぎ装置
によつて海苔剥ぎを行い、その後第２移送チエー
ン１Ｂより第１移送チエーン１Ａに簀枠２を移し
換えるが、該移し換え装置は本願要旨と直接関係
ないので詳細な説明は省略する。第１移送チエー
ン１Ａに移し換えられた簀枠２が再び抄造装置に
移送され、上述動作を繰返すことは前記第１の実
施例と同様である。

本願は以上において詳述したように、上側乾燥
装置より下側乾燥装置に簀枠を移し換える除にそ
の途中において簀枠を反転させることにより、両
乾燥装置の上下各移送路を移送される簀枠の天地
は交互に逆方向となり、従つて抄海苔に残留して
いる水分が片寄つたりする事がなく、速やかに均
一な乾燥が行なわれ、前記した従来装置の欠点は
完全に除かれる。又本願装置は極めて簡単な構成
にて所期の目的を達してトラブルの発生もなく、
従来装置の改造も容易に行ない得る極めて有用な
考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部を省略した作動説明図、第２図は
同様に一部を省略した他の実施例の作動説明図、
第３図は第１図におけるＸ−Ｘ視の、部分拡大図
である。 １，１Ａ，１Ｂ……移送チエーン、２……簀
枠、３，３ａ，３ｂ……係止突起、４，４Ａ……
乾燥装置、６……前側枠棒、７……後側枠棒、１
２，１１２……上側移送路、１２Ａ，１１２Ａ…
…下側移送路、１４，１４Ａ……反転装置、１
５，１５Ａ……反転レール、１６，１６Ａ……反
転案内レール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乾燥室内に上下二段に乾燥装置を設け、抄造、
   脱水作業が終り移送チエーンによつて移送されて
   来た簀枠を、先ず上側の乾燥装置に保持させて乾
   燥を行つた後、上側の乾燥装置から下側の乾燥装
   置に簀枠を移し換えて更に乾燥を行い、乾燥が終
   つた簀枠を再び移送チエーンによつて移送して剥
   ぎ作業を行う自動海苔製造機において、上下乾燥
   装置の間に配設された簀枠の移換路に、移送され
   て来た簀枠の枠棒を載置し、この枠棒を乾燥装置
   より遠ざけつつ斜下方に案内するように傾斜させ
   た反転レールと、該反転レールの下方に位置し反
   転レールから落下して来る枠棒を受止めて載置
   し、簀枠の移送を案内する反転案内レールを設け
   てなる自動海苔製造機における簀枠の反転移送装
   置。