JPS6134563Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、レコードプレーヤーにおけるトーン
アームを支持固定するトーンアームサポートの改
良に関するものである。

従来のトーンアームの支持機構は、例えば第１
図のように形成されている。トーンアーム１を水
平に支持するアーム軸２に、円筒状のロツクピー
ス３とロツクネジ４とを取付け、アーム軸２の下
端をアームベース５の挿通孔６に差し込む。アー
ムベース５の挿通孔６の上部にはねじ孔７が形成
され、ロツクネジ４と螺合するようになつてい
る。またロツクピース３は第２図に示すように外
周が下方に拡大したテーパー面８を形成し、内側
が平行円筒状に形成され、その側面にスリツト部
９が設けられている。

ロツクネジ４をねじ孔７に螺合させることによ
り、ロツクピース３が押し込まれるとともに、そ
の内径が縮小して、アーム軸２がアームベース５
に固定されるようになつている。

しかしながら上記構造ではロツクネジ４を強く
嵌め込むと、ロツクピース３が抜けなくなり、ト
ーンアーム１の交換作業がめんどうである。しか
もロツクネジ４とアームベース５との螺合部１０
を介して支持力が伝達されるため、ねじ山のかみ
込み不良により共振し、しかもアーム軸２はロツ
クピース３の内周で全面面接触により締め付けら
れているため、支持力が弱くなり、更に共振し易
くなるなどの欠点があつた。

このため本考案者は第３図に示す如きトーンア
ームサポートを開発し、先に提案した。

このトーンアームサポート１１は、外周面が上
部に拡大したテーパー面８を形成し、内周面に平
行円筒状のアーム挿着孔１２を開口した逆切頭円
錐状をなす筒体１３の上部にねじ部１４を、側面
に長手方向に沿つてスリツト部９を形成したもの
である。

このトーンアームサポート１１は、第４図に示
すようにアーム挿着孔１２にアーム軸２を挿着し
た後、トーンアームサポート１１を、上部に拡大
したテーパー面８を内面に形成したアームベース
５に差し込んで、上部のねじ孔７に螺合して固定
するものである。

しかしながら上記構造は取付時にアーム軸２の
支持部となる筒体１３が一体に回転するため、ト
ーンアーム１も同時に回転し、その位置決めがめ
んどうである。またトーンアーム１の支持力は螺
合部１０を介して一部がアームベース５に伝達さ
れるため、ここでのねじ山のかみ込み不良により
共振し易く、またアーム挿着孔１２の全面面接触
による締付けのため支持力が弱いなどの欠点があ
つた。

本考案はかかる点に鑑みなされたもので、トー
ンアームの支持部が取付時に回転せず、位置決め
が容易であるとともに、交換作業性にも優れ、し
かも局部面接触により強固に且つ均一に支持し
て、共振の発生を防止して忠実な再生音を得るこ
とができるトーンアームサポートを開発したもの
である。

以下本考案の実施例を図面を参照して詳細に説
明する。

第５図乃至第８図は本考案の一実施例を示すも
ので、トーンアームサポート１１は支持筒１５
と、押し込みリング１６とから構成されている。

前記押し込みリング１６は第５図および第６図
に示すように外周にスベリ止め用の縦溝１７を形
成した蓋リング１８と、外周にねじ部１４を形成
したリング１９とをボルト２０で接合し、その内
周面にリング状の溝部２１を形成したものであ
る。

前記支持筒１５の筒体１３は、外周面が上部に
拡大したテーパー面８を形成し、内周面に平行円
筒状のアーム挿着孔１２が形成された逆切頭円筒
状をなしている。

更にこの筒体１３の上端にはリング状のつば部
２２が突設されているとともに、長手方向に沿つ
た側面にスリツト部９が形成されている。この筒
体１３のアーム挿着孔１２の内周面の上端および
下端側には夫々周方向に沿つてリング状突起２
３，２３が設けられ支持筒１５を形成している。

前記支持筒１５の上端に突設したリング状のつ
ば部２２は押し込みリング１６の内周面に回転自
在に嵌合して両者が連結されてトーンアームサポ
ート１１を形成している。

アームベース５は第７図に示すように、内周面
に上部に拡大したテーパー面８が形成され、上部
外周にリング状のつば部２２が突設され、ここに
カバーリング２４が取付けられるようになつてい
る。更に内周面の上部にはねじ孔７が形成され、
前記支持筒１５のねじ部１４と螺合するようにな
つている。

上記構造のトーンアームサポート１１により、
トーンアーム１を支持する方法について説明す
る。

先ずトーンアームサポート１１のアーム挿着孔
１２に、トーンアーム１のアーム軸２を挿着し、
これをアームベース５の挿通孔６に差し込む。

次に支持筒１５と回転自在に連結された押し込
みリング１６を回転させながら、アームベース５
のねじ孔７に螺合させる。このとき支持筒１５は
下降しながらその内径が次第に縮小して行き、上
下に設けたリング状突起２３，２３の内周面がア
ーム軸２の外周を強固に締め付けてアーム軸２は
固定される。この場合支持筒１５は、押し込みリ
ング１６と回転自在に連結されているので、押し
込みリング１６を回転させながら螺合しても支持
筒１５は回転せずにその内径が縮小していくの
で、トーンアーム１の位置決めも容易である。

このときの締め付け動作を更に詳細に説明する
と、スリツト部９を設けた支持筒１５の外周は上
部に拡大したテーパー面８が形成され、アームベ
ース５の挿通孔６にも同様にテーパー面８が形成
されているので、支持筒１５が下降していくと、
両テーパー面８，８ですべりながら支持筒１５の
内径が縮小し、スリツト部９が閉じていく。この
場合、支持筒１５の上下内周に周方向に沿つて突
設したリング状突起２３，２３は第８図に示すよ
うにアーム軸２の外周をすべりながら締め付けて
いくので、なめらかに固定できるとともに、アー
ム軸２の上下の外周で局部的に締め付けるので、
従来の如く内周全面で締め付ける場合に比べて締
め付け力が大きくなり強固に且つ安定して固定す
ることができる。この場合第９図のように、支持
筒１５の内周に針状の突起部２５を設けたものは
点接触になるので更に強固に締付けることはでき
るが、アーム軸２の表面に突部部２５が食い込ん
で損傷させてしまうので好ましくない。

また第１０図に示すように支持筒１５の内周に
長手方向に沿つた突起部２６を間隔を置いて設け
たものでは、アーム軸２を締付けるときに働く矢
印方向のすべり力により突起部２６のエツジがア
ーム軸２の外周に食い込んですべりが悪くなり、
不均一な接触となるため締付力が十分に得られな
い。

従つて本考案の如く、アーム挿着孔１２に周方
向に沿つたリング状突起２３，２３を設けること
により、食い込みがなくなめらかに締付けること
ができ、しかもアーム軸２の外周の一部に周方向
から全体に均一に締付けられるため締付力が大き
く、トーンアーム１を強固に支持することができ
る。

またアーム軸２を支持する力は、支持筒１５を
介して直接、重量のあるアームベース５に伝達さ
れ、しかも押し込みリング１６とは別個になつて
いるので、従来の螺合部１０を介した構造と異な
り、ねじ部１４のかみ込みが悪くても共振を防止
でき、忠実な再生音が得られる。

なお上記実施例ではリング状突起２３，２３を
支持筒１５のアーム挿着孔１２の内周面の上下に
周方向に沿つて２ケ所設けたが、これらの中間部
に複数設けた構造でもよい。

以上説明した如く、本考案に係わるトーンアー
ムサポートによれば、トーンアームの支持部が取
付時に回転せず位置決めが容易であるとともに、
交換作業性にも優れ、しかも局部面接触により強
固に且つ均一に支持して共振の発生を防止し、忠
実な再生音を得ることができるなど顕著な効果を
有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のトーンアームの支持構造を示す
断面図、第２図は第１図のロツクピースを示す斜
視図、第３図は従来のトーンアームサポートを示
す断面図、第４図は第３図のトーンアームサポー
トによる支持構造を示す断面図、第５図乃至第８
図は本考案の一実施例を示すもので、第５図はト
ーンアームサポートの断面図、第６図はその正面
図、第７図は第５図のトーンアームサポートを用
いた支持構造を示す断面図、第８図は第７図のＡ
−Ａ線断面図、第９図および第１０図は本発明の
締付け作用と比較するための第８図に対応する説
明図である。 １……トーンアーム、２……アーム軸、３……
ロツクピース、５……アームベース、６……挿通
孔、７……ねじ孔、８……テーパー面、９……ス
リツト部、１０……螺合部、１１……トーンアー
ムサポート、１２……アーム挿着孔、１３……筒
体、１５……支持筒、１６……押込みリング、２
１……溝部、２２……つば部、２３……リング状
突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周にねじ部を形成し、内周面にリング状の溝
   部を形成した押し込みリングと、外周面が上部に
   拡大したテーパー面を形成し、内周面に平行円筒
   状のアーム挿着孔が形成された逆切頭円錐筒状を
   なす筒体の、長手方向に沿つた側面にスリツト部
   を設けるとともに、筒体の上部外周にリング状の
   つば部を突設し、且つ前記アーム挿着孔の内周面
   の少なくとも上下両側に周方向に沿つてリング状
   突起を設けた支持筒とからなり、前記支持筒の上
   部に突設したリング状のつば部を前記押し込みリ
   ングの溝部に嵌合して両者を回転自在に連結して
   なるトーンアームサポート。