JPS6134442Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は建造物躯体の壁面に配装される壁面化
粧パネルの取付装置に関する。

従来この種の化粧パネルの取付装置としては、
実開昭50−95808号公報に開示された最新技術が
ある。この従来例は、建造物躯体壁面に取付金具
を固着し、一方化粧パネルの両端部をＬ字状に折
曲し、相隣る化粧パネルの互に対応する一対のＬ
字状先端部によつて係合用凸条部を形成し、この
凸条部を前記取付金具に形成した弾性係嵌溝部に
弾圧的に係嵌することによつて化粧パネルを壁面
に取付けるようにした装置である。

この取付装置によれば同一断面形状の化粧パネ
ルを壁面に、取付ボルトなど取付金具が外部に露
呈することなく取付けることができる利点がある
が、取付面たる建造物躯体の壁面が歪んでいた
り、凹凸状を呈している場合には、これに固着さ
れる取付金具も面一になつていないため、該取付
金具によつて取付けられる化粧パネルも当然に歪
んだり、凹凸状を呈し、整正状態に取付けられな
い難点がある。

本考案は従来の壁面化粧パネル取付装置におけ
る上記のような不都合を解消したものであり、以
下本考案に係る壁面化粧パネル取付装置を第１図
ないし第４図により例示した実施例について説明
すると、コンクリートの建造物躯体Ａの竪壁面Ｂ
にその高さ方向に適当間隔をおいて複数の取付金
具１がアンカーボルト２及びそのナツト３によつ
て固着され、各取付金具１には調整金具４が溶接
にて固着され（その溶着部を第３図中W₁で示
す）、また調整金具４には躯体Ａの高さ方向に伸
びる長尺状の係嵌金具５が補助金具６を介して固
定され、そしてこの係嵌金具５に壁面化粧パネル
７が係脱可能に取付けられている。

上記取付金具１は背板１ａと左右両側板１ｂ，
１ｂとで断面コ字形に形成されていて、背板１ａ
の中央にボルト孔８が穿設され、建造物躯体Ａに
埋設固定されたアンカーボルト２の突出端部がこ
のボルト孔８に挿通されてナツト３により締付け
固定される。上記調整金具４は背板４ａと、上記
取付金具１の両側板１ｂ，１ｂに沿つて高さ方向
および、または壁面対向方向（壁面に対する遠近
方向）から取付可能な取付片たる左右両側板４
ｂ，４ｂとで取付金具１よりも若干広い開口幅で
断面コ字形に形成され、更に背板４ａの上下突出
端部が両側板４ｂ，４ｂより上下に若干長く延出
されて上端延出部４a′及び下端延出部４a′を形成
している。一方、係嵌金具５は金属板により折曲
形成されたもので、調整金具取付側に断面三角形
の支柱部９を形成すると共にパネル取付側に断面
略鳩尾状の弾性係嵌凹溝部１０を上記三角形支柱
部９と一体的に連設しており、そしてこの三角状
支柱部９の底辺対応側壁部９ａの所要箇所に補助
金具６の主体６ａが溶接にて固着され（その溶着
部を第４図中W₂で示す）、この補助金具６の主体
６ａの上下突出端部は互に対向方向へ略Ｕ字状に
折曲されて上下一対のガイド溝部６ｂ，６ｂを形
成しており、これらのガイド溝部６ｂ，６ｂが前
記調整金具４における背板４ａの延出部４a′，４
a′に左右方向にスライド可能に嵌合される。ま
た、取付けるべき壁面化粧パネル７については相
隣るパネル７，７の対向する縦側縁部７ａ，７ａ
がそれぞれＬ字状に折曲されると共にその先端部
に楔状凸条部１１が形成されている。

従つて、壁面化粧パネル７の取付けにあたつて
は第４図のように、先ずコ字形取付金具１を建造
物躯体Ａの竪壁面Ｂ上に大体のピツチで所要数だ
け取付け固定し、それから各コ字形取付金具１に
同じコ字形の調整金具４を互の開口部が向き合う
ように外嵌合させて、該調整金具４の両側板たる
取付片４ｂ，４ｂを取付金具１の両側板１ｂ，１
ｂ上で上下対向あるいは前後方向にスライドさせ
ながら高さと壁面Ｂからの出つ張り具合いを調整
した後、この調整金具４の取付片４ｂ，４ｂを取
付金具１側板１ｂ，１ｂに溶接で固定する。次い
で、長尺状係嵌金具５に固着されている各補助金
具６を各調整金具４の背板４ａに左右方向にスラ
イド可能に嵌合する。その後、相隣る化粧パネル
７，７の対向する縦側縁部７ａ，７ａに形成され
た楔状凸条部１１，１１を長尺状係嵌金具５の鳩
尾状弾性係嵌凹溝部１０に強制的に挿入して弾性
係嵌せしめ、そして長尺状係嵌金具５を上記補助
金具６を介して左右方向にスライド調整し位置決
めした後、この補助金具６を調整金具４に溶接で
固着する（その溶着部を第３図中W₃で示す）。そ
れから、第１図に例示しているように各化粧パネ
ル７の下端縁部７ｂを、建造物Ａの床壁部Ｃに取
着された巾木１２にビス１３で固定し、該パネル
７の上端縁部７ｃは天井Ｄに取着された天井レー
ル１４の下端係止部１４ａにて係止する。また、
第２図に示すように化粧パネル７の最端側縁部７
ａは竪壁面Ｂに取された枠木１５にビス１３で固
着され、そこにはシール材１６が装填される。
尚、第１図及び第２図中１７は化粧パネル７の内
面に装着された石膏ボードである。

以上のように本考案によれば、建造物躯体壁面
にその高さ方向に適当間隔をおいて複数の取付金
具を固着し、各取付金具に調整金具を固着すると
共に、該調整金具にはパネル取付側に断面略鳩尾
状の弾性係嵌凹溝部を形成していて上記躯体の高
さ方向に伸びる長尺状係嵌金具を固定し、更に相
隣る壁面化粧パネルの対向する縦側縁部をそれぞ
れＬ字状に折曲して互に相隣る一対のＬ状先端部
によつて楔状凸条部を形成し、これら楔状凸条部
を上記鳩尾状凹溝部に弾圧的に係嵌せしめてなる
ため、同一断面形状の化粧パネルを取付金具が外
部に露呈することなく、相隣る合つて順次取付け
ることができ外観上の体裁が良好である。

特に本考案によれば、壁面に固着される取付金
具に、該金具に沿つて高さ方向及び上記壁面に対
する遠近方向から取付可能な取付片を有する調整
金具を固着し、該金具を介して化粧パネルを取付
けるようになつているため、壁面が歪んでいたり
凹凸状を呈していても調整金具の取付片を壁面高
さ方向または、及び壁面に対する遠近方向から調
整しながら取付金具に固着することによつて調整
金具を面一に配設することができ、したがつて調
整金具に取付けられる多数の化粧パネルは、上記
壁面が建付誤差または長期の使用により歪んだり
凹凸状況にあつても整正状態に体裁良く取付ける
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る壁面化粧パネル取付装置
の一実施例を示す縦断側面図、第２図は同上の横
断平面図、第３図は要部斜視図、第４図は金具相
互に組付方法を示す分解斜視図である。 Ａ……建造物躯体、Ｂ……竪壁面、１……取付
金具、４……調整金具、４ｂ……取付片、５……
長尺状係嵌金具、６……補助金具、７……壁面化
粧パネル、１０……鳩尾状弾性係嵌凹溝部、１１
……楔状凸条部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建造物躯体壁面にその高さ方向に適当間隔をお
   いて複数の取付金具を固着し、各取付金具に、該
   金物に沿つて高さ方向及び上記壁面に対する遠近
   方向から取付可能な取付片を有する調整金具を固
   着すると共に、該調整金具にはパネル取付側に断
   面略鳩尾状の弾性係嵌凹溝部を形成していて上記
   躯体の高さ方向に伸びる長尺状係嵌金具を固定
   し、更に相隣る壁面化粧パネルの対向する縦側縁
   部をそれぞれＬ字状に折曲して互に相隣る一対の
   Ｌ状先端部によつて楔状凸条部を形成し、これら
   楔状凸条部を上記鳩尾状凹溝部に弾圧的に係嵌せ
   しめてなる壁面化粧パネルの取付装置。